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レース回顧(4/29~5/1)

2006年5月 1日(月)

 29日(祝・土)のBANBA王放送開始記念特別(3歳以上混合800万円未満)は、1番人気のトモエパワーが優勝。これで今季土つかずの3連勝となりました。第2障害を真っ先に抜けたのはプリンセスサクラコ。少し遅れてヤマノミントとトモエパワー、ニシキダイジンと越えていきました。ジワリと差を詰めたトモエパワーが2番手に上がったところで決着かと思われたところ、プリンセスサクラコがゴール線上で痛恨のストップ。その間にトモエパワーが入線して1着、プリンセスサクラコが立て直して2着を確保しました。ヤマノミントとグレートサンデーによるきわどい3着争いは、ヤマノミントに軍配。
 30日(日)のイオンカップ(3歳以上オープン)は、エンジュオウカンが今季初戦を飾りました。道中はゆったりと後方を進み、障害中間点付近から前に進出するという、少し意外なレースを展開したエンジュオウカンは、障害も2~3番手で通過。しかし、前半にタメていたのが生きたか、最後までグイグイ脚を伸ばし、追いすがる各馬を振り切りました。早めの抜け出しから粘り込む印象が強かっただけに、意外な勝利ともいえましょう。1番人気のスーパーペガサスもよく追い込みましたが、最後はエンジュオウカンと同じ脚いろとなってしまい、2着に敗れています。ただこれはエンジュオウカンの伸びをほめるべきで、スーパーペガサス自身は、自分の走りができているように感じました。3着は、先頭で障害を越えたトカチプリティー。今季は一線級と混じって4、3着。その4着時もペースを握って早めに障害を越えており、この積極的なレースぶりが好結果に結びついている印象です。
 なお同日の第10レース混合470万円未満 は、アローコマンダーが優勝。昨シーズン最終戦から3戦連続2着でしたが、その鬱憤をここで晴らしました。またこの日の第8レース混合320万円未満を制したのはタカラオーシャン。手綱を取った山本正彦騎手通算1500勝を達成しました。
 1日(月)の緑風特別(3歳以上550万円未満)は、圧倒的1番人気に支持されたエビスオウジャが優勝。昨季最終戦から通じて4連勝を達成しています。障害も真っ先に仕掛けて先頭で越える、問答無用のレースぶり。松田道明騎手の手綱もほぼ動かないほどのワンサイドレースでした。2着は3番手で障害を下りたカツテンリュウ。最後はこの馬なりによく伸びており、前走10着からの巻き返しを果たしています。トカチタカラが3着。

映像はこちら

やっぱり馬が好き(第17回)  旋丸 巴

2006年4月28日(金)

能力検査

 今年は、20数年ぶりに新年度最初の開催地が帯広。だから、例年、旭川で行われる能力試験も第1回と第2回は帯広で行われる。

 と、そんな話を聞いて、私は欣喜雀躍した。何しろ、私は能力検査なるものを肉眼で観たことがない。それが帯広で行われるのなら、行かない手はないのである。

 ただし、能力検査、なんて大層な名前がついているくらいだから、きっと取材させてもらうのも大変なんだろう、と思っていたら、 「なんも、能検の日は競馬場開放だから、好きな時間に来るといいよ」と知り合いの馬主さん。本当かな、と半信半疑のまま、競馬場に出かけたのが4月の18日、第2回目の能力検査の日だった。

Kuruma  勝手知ったる競馬場に到着して、けれど、何だか、いつもと雰囲気が違う。駐車場に車を止めようとしたら、警備員さんが「こっちこっち」と誘導して、それはいいけど、「こっち、もっと、こっち」と言われるまま進んだら、入場口を越え、ついには競馬場のスタンドに着いてしまったから、びっくり仰天。けれど、周りを見回せば、他の車も、みんな同様。日頃は観客で埋まるスタンド前のフェンス沿いに、車がずらりと駐車されて……、何だか、とっても不思議な光景(写真)

 しかし、いつもと様相の違うスタンドとは対照的に、コースに目を移せば、そこは平素と変わらぬレース風景。ファンファーレこそ鳴り響かないものの、ゲートインした馬が一斉に飛び出し、第一、第二の障害を越えてゴールに突き進んでいくし、騎手の人達だって、きちんと勝負服を着ている。

 「これで馬券を売ってれば、もっといいんだけど」と、横で我が夫がアホな感想を漏らしていたけれど、なになに、馬券なんぞ売ってなくったって、「この馬達の将来がかかっているレース」と思えば、私には充分にエキサイティング。この中から、将来のスーパースターが誕生する可能性だって高いはずで……。

 競馬ファンというのは、活躍馬の若かりし頃を知っていると何となく嬉しい……じゃないですか?  例えば、「あのダービー馬は、デビュー戦の時から知ってたんだ」とか、「あの馬が連勝し始める前から、ずっと注目してたんだ」とか、そういう自慢は競馬場に溢れている。

 そういった「先物買い」をするならば、この能力検定ほど最適の場はないわけで、だから、私は必死で将来有望そうな駿馬を見つけようと目を皿にして……。

Buchi  と、そんな私の最大限に開いた視野に飛び込んで来た馬が1頭。第2競走に登場したアローマドンナという牝馬が、それ。彼女の特質は、そのユニークな毛色で……
 「なーんだ、将来の名馬を発掘する、なんていいながら、結局、注目したのは毛色?」と、主人は小ざかしく言うけれど、名馬探しは、この際、一旦休憩。だって、ですよ、アローマドンナ(写真)ったら白茶のブチなんだもん!

 ばんえい競馬については未だ未だ修行の足りない私の、その狭い見聞においては、競馬場でブチ馬が活躍した、なんて事実が過去にあったかどうか判然せず、しかし、私にとっては驚天動地、稀有な景色に見えたから、カメラのシャッターをやたらと押しまくった。で、その時、撮った写真をここに添付するのだけれど、どーです、珍しいでしょ? 本当にクッキリした白茶のブチ馬ちゃんでしょ。

 このブチブチ・アローマドンナちゃん、優秀なタイム、とは言いかねたけれど、まずは無事に能力試験に合格。

 父ヤエノテンリュウ、母愛永姫、三浦孝厩舎の、駁栗毛アローマドンナが、今後、どんな活躍を見せてくれるか。

 また、ひとつ楽しみが増えた春なのでした。

今週のみどころ(4/29〜5/1)

 パソコンで無料動画配信を行っているGyaO(ギャオ)が、4月29日から「BANBA王」を放映することになりました。この番組は、ばんえい競馬の全レースをライブ中継するほか、調教風景、調教師・騎手のインタビューなど見どころが満載。また開催地の名店・穴場を女性レポーターが突撃取材してレースの合間に紹介するなど、非常に内容の濃いものとなっています。詳細はGyaOのホームページをご覧ください。
 さて、ばんえい競馬の舞台は今週から旭川へ。6月12日までの24日間開催となっており、6月4日には4歳馬による旭川記念、6月11日には古馬オープンによる旭王冠賞が予定されています。近隣の方は、ぜひ旭川競馬場へお越しください。
 29日(祝・土)のメインレースはBANBA王放送開始記念特別(3歳以上混合800万円未満)。今季2連勝と絶好のスタートを切ったトモエパワーが、ここにエントリーしてきました。再度オープン格付けとなったことで、今回は10キロよけいに背負うことになりますが、昨シーズン後半からの好調ぶりを考えれば、ここも中心となるでしょう。プリンセスサクラコ、ヤマノミントあたりも争覇圏で、熱戦が期待できそうです。
 30日(日)に行われるのはイオンカップ(3歳以上オープン)。王者スーパーペガサスが、06年度の始動戦として登録しています。出走すればもちろん中心。以前「700キロ台でも同重量なら負けない」と大友栄人調教師も言っていたように、ハンデ差がない今回は王者の貫禄を見せてくれるのではないでしょうか。ほか、快速エンジュオウカンも出走予定で、そのペース配分、第2障害での仕掛けのタイミングが、今回のレースに大きく影響してくるでしょう。もちろん23日のシルバーカップを制したタケタカラニシキ、同レース2着のシンエイキンカイ、3着のミサキスーパーなども虎視眈々。楽しみな一戦となりそうです。
 5月1日(月)はメインレースとして緑風特別(3歳以上550万円未満)が行われます。注目はオープンから降級したエビスオウジャ。昨シーズン最終戦となったオープン特別以来3連勝中で、今回ももちろん中心となるでしょう。650万クラスと交じってレースをしていたバンゼンが対抗格で、プリティブライト、イケダガッツあたりも実力的には五分といえそうです。

レース回顧(4/22~4/24)

2006年4月24日(月)

 22日(土)に行われた卯月特別(3歳以上550万円未満)は、2番人気のスーパークリントンが優勝。2着ナリタボブサップで、4歳馬によるワンツーとなりました。
 道中もこの2頭が馬群を引っ張る展開。第2障害はスーパークリントンが真っ先に動き、ひと腰でゆうゆうとクリア。ナリタボブサップも追ってきましたが、スーパークリントンは終始余裕の手ごたえで、そのまま先頭でゴールしました。ナリタボブサップは残り20メートル付近から脚取りが重くなったものの、プリティブライトの追い込みを振り切りました。
 23日(日)のメインレースはシルバーカップ(3歳以上オープン)。このレースにはサダエリコやミサキスーパーなど一線級が集いましたが、勝ったのは5歳馬のタケタカラニシキでした。
 スタート前にグレートサンデーがゲートに突進してしまい、いったんコース側に出てから再度ゲートに誘導されるハプニング。その影響もあったのか、グレートサンデーはスタートで大きく出遅れてしまいました。道中はトカチプリティーとシンエイキンカイが引っ張る流れで、タケタカラニシキも好位集団。第2障害も先行2頭がすんなり越えましたが、差なくタケタカラニシキもクリア。ここから坂本東一騎手とタケタカラニシキが飛ぶように脚を伸ばし、そのまま先頭でゴールしました。僅差の2着にしぶとく伸びたシンエイキンカイ。ミサキスーパーが3着となりました。なお、1番人気ヨコハマボーイは5着、3番人気サダエリコは6着に敗れています。
 同日の第10レースは3歳以上混合別定800万円未満。このレースは16日スーパージョッキー賞の勝抜戦ということでお伝えしていましたが、勝入戦の誤りでした。そして今回勝ったのもトモエパワー。スーパージョッキー賞に続く2連勝を果たしています。道中は楽な手ごたえで先行し、第2障害もプリンセスサクラコと並んでクリア。残り10メートル付近まで激しい追い比べとなりましたが、最後に突き放して先頭でゴールしました。
 第9レース3歳以上混合別定650万円未満は、1番人気のビホロヤマトが優勝。前走春駒特別4着(2番人気)の雪辱を果たしています。
 24日(月)は爽春特別(勝入混合470万円未満)が行われました。折からの雪で高速決戦となったこのレースは、圧倒的1番人気に推されたエビスオウジャが優勝。オープンから470万クラスまで降級したこともあって、昨季最終戦から3連勝を決めています。
 楽に先行したエビスオウジャは、第2障害も先頭で越えると、一気に後続を突き放す独壇場。有無をいわさぬレースぶりで、実力の違いを見せつけました。2着アローコマンダーは障害後の追い比べを制し、3戦連続2着。昨季最終戦から続く好調を、そのまま維持できているようです。

映像はこちら

 なお、今週で帯広開催は終了し、来週からは旭川開催となりますので、ご注意ください。

馬券おやじは今日も行く(第16回)  古林英一

2006年4月21日(金)

祝! 謹賀新年度?

 はじまりました、今年度のばんえい。今年は帯広開幕。帯広での開幕は二十数年ぶりとか。映画「雪に願うこと」も好評(だと思う)公開中。

 昨年までだと「待ちに待った新年度!」という感じなのだが、今年度はついこないだばんえい記念が終わったばかり。スーパーペガサス偉業達成の記憶もまだ新しい。小生期待の女神アンローズはやはり帯広が嫌いなようで撃沈(T_T)。ツムジマルさんはアンローズが負けたのは小生のせいとおっしゃるが、それは言いがかりというもの……と思いたい。小生、確かにパドックでアンローズに必死で念力を送ったが、それで彼女の気持ちが萎えたとは思いたくはない。思いたくはないが、もしそうならごめんなさいm(_ _)m

 さて、いまさらいうのもなんだが、今年は2006年である。公営競技としてのばんえい競馬が誕生したのが1946(昭和21)年である。正確にいうと、地方競馬法という法律が1946年11月に公布・施行され、この法律に関する省令(地方競馬施行規則)の競走の種類を定めた条文(第9条)において、「競走の種類は駈歩競走、速歩競走、障碍(しょうがい)競走及び輓曳競走の四種とする」と記されたのである。

 駈歩競走というのが普通の平地競走である。小生の知識では、速歩は1972年に道営競馬で開催されたのが最後である。地方競馬における障碍競走は、実際にどこでいつ頃行われていたのか、残念ながら小生は知らない。わが北海道においては、道営・中央いずれも行われた記録はないように思う(小生の勝手な思いこみかもしれないのでご存じの方はぜひご教示いただきたい)。

 もっとも地方競馬でも障碍競走もおこなわれていた。例えば船橋競馬場でも障碍競走があったという。これは、以前、小生が道営ホッカイドウ競馬の田部調教師と食事をともにしたときに、田部調教師がおっしゃっていた。田部師は下乗り時代、船橋で修行された方だが、田部師が船橋競馬場で働いていた頃は障碍競走もあったとおっしゃっていた。おそらく、船橋だけでなく、あちらこちらの地方競馬で障碍競走があったのではなかろうか。

 ともあれ、地方競馬法施行により、青森県と北海道の2カ所で公営競技としてばんえい競馬が開催された。青森県では数年で競馬そのものがなくなってしまったので、結果として、ばんえいが今日まで続いているのは北海道だけということになる。

 ばんえい競馬は輓馬大会の伝統の上に成立した公営競技である。ばんえい競馬草創期の回顧談に、1946年に有志が集まって輓馬大会を開催したところ、私設馬券を販売する人があらわれたというのがあった。このことが輓曳競馬開催に結びついたとか。

 もっとも1947年秋に、初のばんえい競馬が旭川と岩見沢で各2日間ずつ開催されたものの、馬券の売上高は芳しくなく、その存続も危ういものであったようだ。それが、紆余曲折を経つつも60年。まことにもってめでたい限りである。

 めでたいついでにおしらせである。ばんえい競馬の写真集が北海道新聞社から近日刊行予定となっている。事前に内容を見せてもらう機会があったのだが、まことに楽しみな内容である。

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