
雨中の決戦を制するのは?
飯塚オートで行なわれている特別GIプレミアムカップも優勝戦のメンバーが出揃った。準決のレースの頃には激しい雨が降り、走路は重走路。優勝戦の日も雨予報が出ており、優勝戦も重走路でのレースとなりそう。
準決の第8レースは、黒岩明が大健闘した。序盤で先頭を奪取すると、そこからはマイペースの逃げ。その黒岩を追えるのは、王者高橋貢だけだった。高橋は序盤こそ苦しんだが、コースを自在に切り替え黒岩を追撃。そして、最終周回で黒岩を差し切って存在感を示した。
第9レースは、重富大輔が新井恵匠との競り合いを制し逃走。2着には、今節唯一の女子レーサー佐藤摩弥が入った。佐藤は中村雅人の追撃に対し、冷静に自分のコースを走って最後まで粘り込めた。
第10レースは、丹村飛竜の圧勝。好スタートからペース落ちることなく逃げ切り。2番手はインベタ走法の大木光に対し、鐘ヶ江将平は大外を開けて回る走法。結果的に、鐘ヶ江に軍配が上がった。金子大輔、青山周平は全く動けなかった。
第11レースは、主導権を握った吉原恭佑がインコースを通り快走。そこへ、地元の荒尾聡が大きめのコースで交わしにかかる。これがゴール線で微妙に届いたか否か。写真判定にまでもつれ込んだ結果、荒尾のチョイ差しが決まり1着ゴール。
優勝戦は雨走路を想定して展望をしてみたい。
まずはスタート。単純なスタート力で言えば荒尾聡が断トツ。続いて佐藤摩弥、高橋貢。その他はそれほど差のない争い。トップスタートは好枠を得た荒尾とみた。そこに佐藤が続く形か。ただし、大外の8枠からでは厳しくなりそう。
レース展開。荒尾は近況の重走路で全て1着。更に、今回は地元走路というアドバンテージがある。先行する荒尾がそのまま押し切るとみた。2番手に出る佐藤はどこまで粘れるか。準決は6周戦で捕まってしまったので、2周延びる優勝戦では厳しくなりそう。丹村飛竜や高橋貢が襲いかかっていく。
他の選手達にチャンスがないかと言えば、そうではない。雨走路ではいち早く通りたいコースを奪った者が断然有利。序盤で自分の走りたい所を取れれば、ペースを上げて行ける。重富大輔や鐘ヶ江将平、更には吉原恭佑も主導権を取れれば怖い存在だし、黒岩明も今年に入り活躍が目立っている。もしも、荒尾がミスするようなら、大金星となる結果が訪れるかも。
◎荒尾聡
○丹村飛竜
△高橋貢
△重富大輔
▲鐘ヶ江将平
前田淳が2度目のGI制覇へ力走を!
第23回GIムーンライトチャンピオンカップも優勝戦の日を迎えた。4日間の激闘を戦い終え、ファイナリスト8人が出揃った。ハンデは0に2名、10線に6名の構成。記念レースの優勝戦だと0オープンが多い近年だが、今回はハンデ戦。これがレース展開にどう影響を及ぼすか。
まずスタート争い。0ハンは本来のスタート力なら三浦康平の方が上だが、今節は谷川一貴もスタート切れており、内枠の利で先行しそうだ。10線もスタート力は大きな差がなく、ほぼ枠ナリに出るとみた。もしくは最内の田村治郎がやや後手を踏んで、前田淳の先行。
0ハン谷川はインコースを抑えて粘りこむタイプ。対して、三浦は大きなコース取りでスピードを乗せてくるタイプ。三浦にとって谷川はちょうど捲りやすい。序盤は逃げる谷川を三浦が交わして逃げに入る。しかし、そのまま押し切りまではあるかどうか。
10線は田村か前田の先行。田村が出てもすかさず前田がインに突っ込んで行きそう。0ハンを追う一番手は前田に。速攻で0ハン両者を交わすまではなさそうだが、8周のうちには捕らえそうだ。その後はインコースをキッチリ回って、外枠勢に付け入る隙を与えず、栄冠のゴールへ。前田を当ブログの本命に推す。
相手は10線外枠勢。第一候補は鈴木圭一郎。準決では試走一番時計となる29を叩き出している。スピードは申し分ない。道中の攻めもレースを重ねるごとに良くなっており、安心して見ていられる選手になってきた。今回は本命に推しててもおかしくないが、対抗にするには理由がある。鈴木の内枠に木村武之が控えているからだ。木村は準決の動きを見る限り、エンジンは明らかに不足。この優勝戦でも勝ちきるまではなさそう。ただし、枠ナリスタートで出て、道中回り出すと簡単には抜かせないだろう。苦労して突破した先には前田が大きくリードを広げていそう。この優勝戦で金子大輔と青山周平の評価を下げたのも同様の理由。木村を捌くのに手間がかかり、レース展開が多少厳しくなりそうだからだ。
一発があるとすれば三浦。近況は軽いスランプに入っていたが、ここにきて完全に脱出している。序盤で大きくリードを作り、10線勢が激しく競り合うようだと自身2度目のGI制覇も。
◎前田淳
○鈴木圭一郎
△金子大輔
△青山周平
▲三浦康平
オートの醍醐味を教えてくれる中村雅人!
軽ハンの活躍が目立った今節。準決でも多少の波乱はあったが、優勝戦の顔ぶれはそうそうたるもの。厳しい予選道中を戦い終えて、ついにその覇が争われる。
優勝戦は0メートルオープン。枠的には外寄りは厳しくなる。スタート争いだが、ここはほぼ枠ナリか? もしくは今節スタート切れている青山周平の先行があるかどうか。スタート争いもそうだが、序盤の位置取りも大事になってくる。青山か岩崎亮一が先陣争い。そこに鈴木圭一郎と中村が食い込む形。新井恵匠はどう動くか。外枠から更に外は実績上位者が並ぶが、外めからのレースはいかにも厳しい。スタート行けなくとも、序盤で好位を取れればいいが...。
当ブログでの本命には中村を推す。スタートの切れは悪くないし、仮にスタート行けなくても、道中の巻き返しがある。準決から2周延びるのは、中村にとって好材料。準決でも、オートレースの魅力を存分に見せ付ける素晴らしい走りを披露してくれた。優勝戦でも同様のパフォーマンスに期待したい。
相手には鈴木を挙げる。2枠からならトップスタートまである。独走力では、優勝戦のメンバーにも全く引けを取らない。トップスタートではなくとも、3~4番手までに出られれば速攻で抜け出し逃げ態勢を作るまであるか。SG初制覇に最も近い選手。今節は初制覇に準備は万端だ。順当に考えれば、青山にも優勝チャンス。今節はスタートが切れているので、いきなりの独走に持っていける。かつて課題だった10周戦のスタミナも、近年では克服されている。1回でも先頭に立てれば、そのままの押し切りもあるだろう。
展開が厳しいとは言え、永井大介、池田政和、高橋貢もけっして軽んじてはいけない。準決までのエンジンの仕上がりを見ると、いかにも苦戦が予想されるが、大舞台での勝ち方は熟知している。突然のエンジン上昇も十分あり得る。試走の動向には注目したいところ。
◎中村雅人
○鈴木圭一郎
△青山周平
△永井大介
▲岩崎亮一
鈴木圭一郎が自身3度目のGI制覇へ!
飯塚GI・ダイヤモンドレースも優勝戦の日を迎えた。今節は初日から軽ハン勢の活躍が目立ち、準決ではハンデ変動が見られた。優勝戦は10Mオープン。展開的には内枠勢が断然有利になるが、どのようなレースが展開されるのか。
優勝戦の顔ぶれは、旧船橋勢が5人乗っており、かつての最強地区の影響を残している。地元からは久門徹が1人奮起する形。浜松から伊藤信夫、伊勢崎から早川清太郎が名乗りを挙げた。まずはスタート争い。
単純なスタート力では鈴木圭一郎と青山周平、中村雅人が一つ抜け出している。しかし、10Mオープンの外枠では、カマシ気味に行くのは厳しいか。1周1コーナーへは、ほぼ枠ナリに飛び込んで行くものと思われる。
最内は岩田行雄。ここ最近は記念レースでも活躍が目立つ。全盛期ほどの迫力はないにしても、近況は気合の入った走りが見られている。外枠勢のスタート攻勢を突っぱね、1コーナーをトップ旋回しそうだ。ただし、その後のペースは疑問。インコースを抑えて走るが、後続を振り切るまではなさそう。その岩田に久門徹と池田政和が早い段階で襲い掛かりそう。 その池田や久門がペース上がれば、そのまま主導権を離さず逃げ切りもあるか。伊藤信夫も序盤の位置取り次第では、上位争いに参加できる。
しかし、当ブログでの本命には鈴木圭一郎を推す。10Mオープンの外寄りで、展開的には厳しくなると思われるが、鈴木を含めて青山周平、中村雅人が優勝争いに参加してくるとみている。この3者の攻めの充実度は、他の選手とは何枚も違う。エンジンの仕上がりや当人の腕などを総合的に判断すると互角の争い。となると、枠が少しでも有利な鈴木を重視したい。そこへ、中村と青山がどこまでプレッシャーをかけて行けるか。道中の展開の読み違い次第では、この3者の内、誰が優勝してもおかしくない。
4番手には久門を挙げたい。機力的にはやや劣勢とみるが、内枠を生かした速攻。更に、地元の意地でいつも以上の走りを見せてくるかもしれない。地元の牙城はなんとしてでも守りたいところ。最後に早川清太郎。スタート枠ナリに行ければいいが、後手を踏んでしまうと一気に展開は厳しくなる。しかし、8周戦は早川にとって強い味方。強烈な追い込みでレースを盛り上げるか。
◎鈴木圭一郎
○中村雅人
△青山周平
△久門徹
▲早川清太郎
木村武之が自在に攻めて栄冠のゴールへ!
川口のGIキューポラ杯も優勝戦の日を迎えた。厳しい4日間を戦い抜き、大舞台まで進出した8名。準決は波乱があり、優勝戦はいつもとは違い、やや異色の顔ぶれとなった。まずは準決4個レースを振り返る。
9R...大木光がフライングで再発走。古木賢が逃げ態勢を作るも、エンジン仕上がった木村武之が早めに捕まえて独走。2着には、福村唯倫と古木を差した岩田行雄が浮上。8枠の荒尾聡はタイヤが終始滑り、全く追い込めずに終わった。
10R...軽快に逃げる間中大輔に、北渡瀬充がマーク追走から差し込む。これはコーナー流れ、池田政和がインを付いて首位浮上。その後は北渡瀬が間中に競り勝ち2着ゴール。8枠の金子大輔は後方で動けなかった。
11R...逃げる牧野貴博を黒岩明が差して独走態勢。牧野はそのまま2着に残る。鈴木圭一郎は好スタートからいい位置に付けていたが車は伸びず、レース終盤では山田達也に差し込まれてしまう。8枠の高橋貢は何もできなかった。
12R...0ハン先行の谷島俊行が逃げ切る。追走の深谷輝が益春菜のイン攻めにあい落車。青島正樹と佐藤裕二は進みが甘く、早川清太郎が突破して行く。試走タイム出た滝下隼平と、実力者の永井大介は展開的に厳しくなった。
優勝戦はいずれもエンジン好調車だが、その中で一つ抜け出しているのは木村武之。次いで、池田政和と黒岩明。そして、早川清太郎。他の4車はそれほど差はないか。
0ハンから先行するのは北渡瀬か谷島。それに牧野が続く形。10線は岩田か黒岩の先行。そこに木村が乗って行く形になると思われる。
総合的に考えて優勝に最も近いのは木村。今節はエンジンが仕上がり、本来の走りができている。準決でも上がりタイムで一番時計を叩き出した。序盤の仕掛けも決まっており、あっさりと抜け出してブッチ切るとみた。相手には黒岩を推す。ここ数ヶ月はエンジンが良いこともあるが、乗り手の方も成長がうかがえる。26期と、決して若い方の期ではないが、ここにきて走りが数段に良くなっている。先手先手の攻めができれば、記念初制覇も見えてくる。
他で怖いのは早川と池田。序盤の展開は厳しくなりそうだが、スピードがあり、記念の優勝戦で2周延びるのは好材料。記念レースでの勝ち方を良く知っているので、木村が0ハンに手間取るようならチャンスが生まれてくる。最後に北渡瀬。成績はムラな方だが、ここ一番での勝負強さには定評がある。0ハンから先行するようなら大逃げを見せるかもしれない。
◎木村武之
○黒岩明
△早川清太郎
△池田政和
▲北渡瀬充