
デイ&ナイト制覇へ 鈴木清が突き進む!
唯一、連勝で優出は鈴木清。前節の昼間開催ではオール1着の完全優勝を決めていた。今節からハンデが重くなったが、その厳しい状況を見事に克服している。単独最重ハンでレース展開は厳しくなるが、6連勝中の勢いは軽視できない。1車ずつ差し込んでいき、ゴール線をトップで通過しそうだ。
展開面で絶好なのは広瀬勝。0ハンに3車並んだ中枠からトップスタートを決める。独走力があるのでペース上がれば後続を振り切るかも。序盤の位置取りに難ある相馬だが、エンジンの仕上がりは良い。10線に叩かれないスタートが切れれば、道中巻き返して広瀬勝を交わせる。10線のスタート争いは小椋か。青木治も気配は良さそうだ。
◎ 7 鈴木清
○ 2 広瀬勝光
△ 3 相馬康夫
△ 5 小椋華恋
▲ 6 青木治親
おすすめの買い目
7-2356-2356
穴なら 小椋の速攻
5-2367
鈴木圭一郎がレジェンドに肩を並べるか
2024年のMVP受賞が発表されたばかりの鈴木圭一郎だが、年間114勝した昨年の勢いが今年まだ見られていない。2025年は15走して11勝を挙げているものの、敗戦した4戦はすべて決勝戦。出場4節とも優出を果たしながら優勝はゼロ。ただ、1月30日~2月2日に開催された前回浜松デイレースでは、その前節の浜松デイレースG2『ウィナーズカップ』より試走・本走とも速い時計が出ていたことはプラス要素だ。
SG『全日本選抜』の史上最多Vは、島田信廣(引退)の6度。通算1292勝、SG通算14Vなど、ここに書ききれないほどの記録を残したレジェンドのひとりである。鈴木圭は全日本選抜をもう1度獲れば、島田と肩を並べられる。加えて、同一SGを6度制覇することも島田と、日本選手権6V飯塚将光(引退)に並ぶ史上3人目の快挙となる。
SG全日本選抜V4の実績を持つ高橋貢の勢いが上がってきた。1月の伊勢崎デイレースG1『シルクカップ争奪戦』最終日に本走3.357秒を出して中村雅人以下に大差をつけて勝利すると、続く伊勢崎デイレース一般開催も初日予選~2日目準決勝戦ともに2着以下をブッチぎる圧勝。3日目の決勝戦は10メートルに7車の並んだ外寄り枠からスタートが決まらず4着ゴールとなったが、近況も順調に勝ち星を積み重ねており、今年中の通算1700勝到達が極めて有望だ。
青山周平はSG全冠制覇へ足踏みの続いていた時期もあったが、2021年にこのSG全日本選抜を初制覇して史上6人目のグランドスラマーに輝いた。現存する他4タイトルのSGはすでに複数回優勝しているので、全日本選抜V2が成ればダブルグランドスラムとなる。
直近の浜松参戦は昨年暮れのデイレースG1『スピード王決定戦』で、5戦5勝の完全V。決勝戦は本走タイム3.338秒で伊藤信夫以下を突き放し、鈴木圭一郎を5着に沈める圧勝劇だった。
直近の出場レースは1月末の伊勢崎デイレース一般開催で、ここも3戦3勝の完全V。決勝戦6周回の勝ち時計3.338秒は、8周戦で実施された浜松G1決勝戦と同タイムであり、現状のスピードの充実度を物語る。
青山周・高橋貢とともに伊勢崎3強を形成する早川清太郎は、かつては他レース場と比べて浜松での実績が見劣る印象があったが、今年のウィナーズカップはひと味違う走りを見せた。初日は、のちに優出する木村武之を捌いて勝利すると、2日目も内外自在にコースを走って2連勝。最終日も1着となり、5日間で3勝を挙げた。浜松での1開催中に3勝したのはデビューから3度目、2018年3月以来7年ぶり。浜松走路との相性が今後改善していく可能性を感じさせた。
そしてウィナーズカップ2日目はスタート巧者の岩見貴史より先行、最終日は10メートルオープン戦の7枠から序盤で好位置に付けており、走路にマッチしただけでなく出足の切れ味も申し分ない。
木村武之はウィナーズカップの2~4日目に3連勝。決勝戦でも見せ場を作って4着に入った。昨年暮れのスピード王決定戦も優出4着。調子に大きな波のない状態がしばらく続いている。
昨年はSSトライアルの出場権利を得られなかった。昨年、同じ浜松所属の金子大輔が9年ぶりのSG制覇を果たしたように、木村武は12年ぶり4度目の栄冠をめざす。そしてSGを優勝すれば、今年末のSSトライアルの出場キップまでも手にできる。
佐藤貴也と鈴木宏和は、1月30日~2月2日の浜松予選ではハンデ30m~50mに置かれたスタート位置から追いきれないケースもあったが、今回SGは短ハンデ戦ばかりになると想定され、追い込み力よりダッシュ力が有効な武器になるので、前節とは異なる活躍ぶりを見せられよう。
金子大輔は今年13走して、着外1度を除けばオール2連対。1月30日~2月2日の浜松決勝戦では、雨走路で栗原佳祐にチギられたものの、岩崎亮一を捲って2着と好走。G2ウィナーズカップ優勝の好機力と勢いを漏れなく維持できている。ダッシュ力は鈴木宏や佐藤貴ほどではないかも知れないが、最近の追い込みの安定度は前記2名を上回っている。
佐藤励は昨年末の『SSシリーズ戦』を2年連続で優勝し、今年はG2ウィナーズカップに優出して3着。0メートルオープン戦5番手発進から佐藤摩弥と木村武之を捌いて番手を上げると、金子大輔と鈴木宏和の先頭争いに仕掛ける動きを見せた。
まだデビューして3年と少しなのに、黒川京介に続く川口所属SGレーサー誕生を予感させるほどの風格とスケールをすでに身にまとっている。今大会で、その機会が早くも訪れるかも知れない。
その黒川は過去の当欄グレードレース展望で述べたように浜松は相性の良い走路だが、先月ウィナーズカップは今ひとつな結果で終えた。最終日は笠木美孝に何周回も大苦戦したうえ岩科鮮太に競り負けるという内容。2冠目のSG獲得をめざすには勢いに欠ける印象だが、開催5日間とも試走タイム3.2秒台が出ていたのは好材料。あとは歯車が嚙み合えば、良い流れを引き寄せられるはず。
佐藤励は昨秋から暮れにかけて自身初の10連勝、その8日後には青山周が自身7度目の10連勝をそれぞれ達成した。
SG連続優出記録19回という、空前絶後の金字塔を2000年代に打ち立てた有吉辰也。それほどの安定感を今に至るまで保ちながら、実は10連勝した経験がない。だが今大会は川口デイレース→飯塚ミッドナイトの2節を完全Vで9連勝して臨むことになり、新たな記録を加えられるか注目の一戦となる。川口デイレース決勝戦では本走タイム3.340秒をマーク。勢いとスピードに乗っている今こそ大チャンスであり、達成すれば今大会の活躍にもつなげていけるだろう。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-3(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-15(32期)〕
木村 武之〔浜松 S-22(26期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-4(25期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
黒川 京介〔川口 S-10(33期)〕
佐藤 励〔川口 S-12(35期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-17(29期)〕
文/鈴木
鈴木清が久しぶりに優勝を決めた!
単独最後方からのレースになった鈴木清は試走で一番時計をマーク。それも試走の時は前の車に詰まっていて、自分の走りたいコースを通れなかった可能性があるので、実際のエンジン力は数字以上にあったかも。
優勝戦の展開は0ハンの山下の逃げで始まり、他には鈴木清以外誰も差を詰めることができない状態が続いていた。そんな中で、鈴木清だけがインから次々と他車をパス。3周を残して山下との一対一の態勢を作ると、間髪入れずにインに突っ込んでいった。見事に7車を捌いて先頭まで躍り出ることができた。2着には山下が残り、3着には田崎を交わした相馬が入線した。
今回は直後にSG開催が行われる関係で出場メンバーは薄かったが、そこで鈴木清はしっかりと結果を残すことができた。今は最重ハンの10メートル前で走っているが、本人は最重ハンに戻って走りたいという強い思いを持っている。今回の優勝でその望みは叶うかもしれない。
山下が逃げ切って完全優勝を決めるか!
3日間の短期決戦の優勝戦メンバーが出揃った。0ハン2車の先行争いは難解。どちらもスタートの切れは良いが、内枠の分だけ山下が先行するか。10線は5車並んでいるが、最内の牛沢が先行しそう。相馬はやや遅れる可能性がある。北渡瀬から外は枠ナリか、大外の高石がカマシ気味に出るケースもありそう。20線単独の鈴木清は、10線勢を1車でも叩いておきたい状況。
いきなり逃げに入りそうな山下は連勝中。準決では十分な上がりタイムをマークしていたので、優勝戦でもそのまま押し切りそう。田崎は山下の逃げに付いていければ連対もあるが、10線勢からインを狙ってくる選手がいそう。準決で対戦した牛沢が10線から先行すると、準決同様に差し込んでいきそうだ。高石はスタート後のバックストレッチで好位置を奪いたいところ。展開的に厳しい鈴木清だが、インを強引に突っ込んで番手を上げるかも。準決で上がり一番時計を出した相馬は、スタートを踏ん張れれば上位争い可能。
◎ 1 山下知秀
○ 3 牛沢和彦
△ 7 高石光将
△ 8 鈴木清
▲ 4 相馬康夫
おすすめの買い目
1-3478-3478
穴なら 相馬の一発
4-1378
栗原佳祐が早くも今年2度目の優勝
開催最終日は曇り空ながら重走路で開始。8レース・9レースでは本走タイム3.4秒台が出るまでに走路が乾いてきていたが、10レースから小雨が降り始めて12レースは重走路での決勝戦となった。
8号車の鈴木圭一郎が試走で7号車の金子大輔から大きく離され、計測されたタイムも金子大の3.55秒に対して鈴木圭は3.62秒。オッズは栗原佳祐が1番人気。わずかな差で金子大が2番人気に支持された。
レースが発走すると2号車の山浦博幸が0ハン1号車の石田啓貴をスタート叩いていきなり先頭に立った。20線は4号車の岩崎亮一と6号車の鈴木宏和が鋭く飛び出した。
3号車の栗原佳はインに包まれる形となったが、直後の1~2コーナーで鈴木宏の内を伸びて3番手を奪い返すと、3~4コーナーで岩崎が山浦を差した後にピタリ続く形を作れた。そして2周回3コーナーで岩崎の内へ攻め込み早々と首位に。
8車中トップの試走タイムだった金子大輔は鈴木宏と山浦をまとめて差すと、5周回2コーナーで岩崎を捲って2番手へ浮上。しかし栗原佳はすでに大差をつけて逃げ切り態勢。まだ1か月しか経っていない今年早くも4度目の優出で2度目のVを決めた。
文/鈴木