
中村雅人が流石のレース運びでVゲット!
0ハンから先行したのは最内の増田。川原がやや遅れて、大外の梅内が続く形になった。20線は最内の内山高が先行すると伊藤正真も続いていく。その外の森がへこみ、中村雅、佐藤励の順で出て行った。
0ハン3車はしばらくスタート後の隊形のまま周回を重ねていたが、2番手に付けていた梅内が増田を交わして先頭に立った。20線勢は中村雅が佐藤励の攻めを上手に抑えながら車を進めていた。そして、0ハン勢を冷静に交わして先頭に踊り出た。その時、佐藤励は中団で苦しんでいた。川原をなんとか攻略できたが3着入線が一杯だった。準優勝は梅内。
中村雅は3節前の優勝を含めて5節連続で優出中だったが、今回も見事に優勝を決めてみせた。試走一番時計タイの機力が味方したこともあったが、レース道中で佐藤励の攻めをうまく封じたことが優勝できた大きな要因ではないか。技巧派として知られる中村雅。捌きの的確さだけではなく、レース運びの巧さを見せつけた一戦だったと言える。
長田稚也が12度目の優勝
前日の準決勝戦で気迫の走りを見せた北原岳哲が堂々の一番人気。レースが発走すると10メートル前の関口隆広をスタート叩いて1周目で2番手へ上がる絶好の展開。40線は5車並びの最内枠に置かれて対抗人気となった平田雅崇が先行したが、2周で長田稚也が差して3番手へ浮上。
北原は4周目に0ハン桝崎星名を交わして遂に先頭へ立てたが、長田稚も続いて桝崎星を捌いて2番手に上がると、5周回1コーナーで北原の内を突いて首位を奪った。残る2周は北原との車間を拡げて反撃する余地を与えず1着ゴール。昨年6月ぶり、通算12度目のVとなった。
3番人気だった佐藤摩弥はスタート速攻が決まらず、1周回1コーナーで内どなりの篠原睦に伸び返されると、その後は篠原の前へ1度も出られなかった。
文/鈴木
青山周平が人気に応えて優勝を決めた!
0ハンの浅倉は桜井のスタートを残し、先行する清水卓に続くことができたが、20線からトップスタートを決めた高橋貢があっさり交わしていった。高橋貢は、その勢いで清水卓も交わすと先頭に立ったが、すぐ後ろに付けていた青山周が3周3コーナーでイン突っ込み先頭を奪取。その後、ペースは上がらなかったが、高橋貢に付け入る隙を与えず先頭を守り抜きゴールを迎えた。浅倉も離されることなく3番手を追走し3着入線となった。
2連単は1番人気、3連単は2番人気で、青山周は見事にファンの期待に応えた。トップスタートを切ることはできなかったが、高橋貢のスタートに乗っていけたので展開はいくらか楽だったことだろう。青山周は今年12度目の優出で優勝は5回。その優勝の中にはSG1回、G1が2回含まれている。今年も順風満帆の成績を残しており、この流れはしばらく続くものと思われる。
金子大輔がきっちりと追い切った!
0ハン単騎の今田はペースを上げることができず、10線最内から先行した小林悠が2周バックストレッチで交わしていく。しかし、先頭に立った小林悠は思うようにペースが上がらない。鈴木健を捲った吉松憲はその後、コーナーで流れて後退。そんな中、車を押し上げていたのは金子大だった。5周1コーナーで車群のインを突き、2番手に立つと小林悠を追う態勢に。そして、青旗過ぎで小林悠のインに入り先頭に立った。追走していた笠木は最終3コーナーで小林悠を差し準優勝。3着には小林悠が残った。
前節のG2から今節の初日までは機力が上向かず苦しんでいた金子大だったが、今節はパーツ交換を施し、エンジンを立て直してみせた。優勝戦の走路温度は50℃で、追い込む側にとっては厳しい気象条件だったが、上昇したエンジンの後押しを受けて見事に先頭まで駆け抜けることができた。エンジンさえ通常の状態に戻れば金子大は強い。この勢いでこの夏も突き進んでいくだろう。
浜野翼が2度目の優勝を決めた!
0ハン単騎からの競争だった浜野翼はスタートを残し、マイペースの逃げに入りかけたが、2周3コーナーで10線の村瀬にイン突っ込まれてしまった。しかし、その直後の3周1コーナーで差し返し先頭を再奪取。その後も村瀬の攻めを抑え込んだ。20線から先行したのは最内の田中茂だったが、2番手発進の岩見が道中で交わす。そして、2番手を走っていた村瀬を差すと、2周を残して浜野翼との一対一の態勢に持ち込めた。しかし、浜野翼はコースを外すことなくハイペースのまま走り抜き、先頭でゴール線を駆け抜けることができた。準優勝は岩見。篠原はスタートが決まらず、レース道中も車を押し上げることができなかった。
浜野翼はこれで自身2度目の優勝。独走力や重走路への対応は以前から一定の評価を得ていた。残す課題はスタートや捌きなどになっていたが、近況はスタートも並に切れるようになってきた。着実に選手としての総合力を増している。今回の優勝でハンデが重くなりそうだが、今後は捌きの面での成長が見られると、また一歩、偉大な父に近づくことができるのではないか。