
佐藤摩弥が青山周平に一矢報いた
20線7車のスタートが最大のポイントになると思われた決勝戦。トップ旋回したのは、穴人気だった2枠高橋義弘や3枠平田雅崇の外から加速した佐藤摩弥だった。そして、単独0ハンから逃げていた新村嘉之を2周回3コーナーで捌いて先頭へ立つと、残り4周の焦点は、青山周平の追撃をしのげるかどうかとなった。
同じ31期ながら青山周はSG優勝18度の全国ランキング今期ナンバー1。良走路での直近20走の対決では佐藤摩が負けっぱなし。だが今回の佐藤摩は意地を見せた。射程へ入られても懸命に防御して先頭を譲らなかった。
すると5周回4コーナーでも佐藤摩を攻めあぐねた青山周は車が外へ流れてしまった。その内へすかさず飛び込んだ佐藤励に青山周は反撃し、今度は佐藤励がコースを外して圏外へ後退。若井友和が間隙を縫って3番手へ浮上した。
佐藤摩は昨年7月以来となる通算16度目の優勝。今節と連続開催になる、3日からのナイトレースで川口連覇をめざす。
文/鈴木
有吉辰也が鮮やかなスタートを決めた!
0ハン単騎の村瀬はマイペースで走っていた。しかし、20線から先行した有吉がまずは西をパス。その後、村瀬との距離を詰め、冷静に仕掛けるタイミングをうかがっていた。そして、交わせると判断するとインに突っ込んでいった。試走一番時計をマークした鈴木圭は、序盤で金子大をまくり、悪くない位置に付けることができた。ただ、2番手に浮上するまでにやや時間がかかってしまった。有吉と一対一に持ち込んだ時にはリードを作られており、追い込み届かず準優勝だった。
今回の優勝戦の焦点は20線に5車並んだスタート争いだったが、優勝した有吉は見事にトップスタートを決めてみせた。道中で同ハン勢を捌くのと、スタートで他の車を置いて出るのとではレース展開が大きく変わってくる。以前は『カミソリスタート』との異名を得ていた武器が今回の優勝戦でも遺憾なく発揮された。有吉の次の出番は久々の開催となる飯塚オート。地元でも魅力ある走りを見せてくれそうだ。
大月が速攻で抜け出し、ブッチ切りの優勝!
20線から先行したのは吉田恵だったが、2周目のホームストレッチで大月が差して2番手に立つ。前は山中が逃げていたが、思ったほどペースが上がっていなかった。3周3コーナーで大月が山中を交わして先頭を奪取。そこからは一人旅だった。実力者・早川は内山高を抜くのに苦労していたが、5周目に内山を含め中団を交わし、ゴール前では吉田恵をも捕えて2番手入線。しかし、大月が見事に後続を振り切ってみせた。
大月は2節前から今のエンジン『ハイプ』に乗り換わっているが、その後の調整が実り、最高の結果を出した。大月は今年2度目の優出にして、今年の初優勝。自身では通算5度目の優勝となった。これまではエンジンが安定せず、成績も散発傾向にあったが、このエンジンはベースが良さそうなので次に待っているG2稲妻賞でも大いに見せ場を作れそうだ。
鈴木健吾が6周回を独走した
優出7名の中で3番目に速く、0ハン3名の中ではズバ抜けて優秀な試走タイムを出した鈴木健吾が1番人気に推された。焦点はスタート巧者の同ハン鈴木辰己との先陣争い。鈴木健はこの課題をクリアしてトップスタートを決めた。あとはペースを上げて逃げるのみ。ゴールでは2着に20メートルほどの差を付ける圧勝劇。2023年6月いらい、通算10度目の優勝となった。
10線3名はレース序盤から番手が目まぐるしく入れ替わる競り合いを経て藤波直也が2番手まで上がったが、単独20線の最後方7番手から追い上げた松山茂靖が6周回1コーナーで内を突いて2番手へ浮上した。
文/鈴木
福岡鷹が8連勝&2連続V
開催最終日3日目は湿り気の残った走路状態で開幕したが、日没後にもかかわらず走路の乾きは早く、第4レースから本走3.3秒台のタイムが計時されるようになり、決勝戦は完全な良走路へ回復。3連単オッズの上位4位までがひとけた配当で、その全てが2枠の福岡鷹を首位に採った組み合わせだった。
今月16日の山陽ミッド決勝戦で福岡に捲られた田中崇太は、今節の準決勝戦のあと「同期(=福岡)に負けたくない」と述べたが、今の福岡の勢いは止められなかった。前日の準決勝戦の勝利で自身最多タイの通算7連勝を遂げた福岡は、2連続優出となった今回の決勝戦は田中崇を前回のように外からでなく内から交わして一気に先頭へ立つと、前日の準決勝戦と同タイム3.376秒のハイペースで逃走。レース前に宣言していた「8連勝を狙っていく」を有言実行。今年2度目、通算6度目の優勝を決めてみせた。
30線のスタートは、4車並び最内枠の角南一如が大きく遅れて丹村飛竜が先行。結局そのまま6周回離れて追走しての2着ゴール。更に離れた後方で別府敬剛が藤岡一樹を抑え続けて3着に入った。
文/鈴木