有吉辰也が底力を誇示した
初日予選および3日目準決勝戦のレース内容から、単独で逃げたら健闘可能と目された和田健吾を、10線3車並びの内枠から先行した石貝武之が早々と差して先頭へ立つ展開になった。
今シリーズ初日からエンジン抜群に出ていた松尾隆広が2番手へ上がったが、石貝もやすやすとは抜かせない。
そこを有吉辰也が今期ランキングS4の実力で捌いて先頭へ躍り出た。
松尾隆は今回の優勝からは遠のいたが、機力の高さで滝下隼平の追撃をしのいで2着ゴール。
今年3度目の優勝を飾った有吉は、来週18日に開幕する『G2オーバルチャンピオンカップ』(飯塚デイレース)へ最高の流れで臨めることとなった。
文/鈴木
加賀谷建明の夢を永井大介が打ち砕く!
今年7月の昼夜同日開催で佐藤摩弥がナイトレース微差の2着(優勝・山田真弘)で1日2優勝を逃したのは記憶に新しいが、今回は加賀谷建明が雨走路の昼を制しており、ナイトレースも雨走路で期待が高まっていた。試走終わって3.53の永井大介が一番時計、加賀谷は3.57と水をあけられた格好に。それでも雨巧者の加賀谷に人気集中し、オッズも2連単5-6が2倍を切る1.6倍、裏目の6-5は3.6倍だった。3連単は5-6-7で2.5倍、以下6-5-7、5-7-6と続く。
スタート出たのは加賀谷だったが永井がその外から伸びて行き、まず小原望をパス。次に先頭の間中大輔をインから抜き去る。このとき加賀谷はまだ3番手。加賀谷は間中を差したが残り周回は『2』。外コースをうまく使って伸びて行った永井に対し、加賀谷は中コースが伸びず無念の2着に。3連単6-5-1は1930円、2連単6-5は360円で1日20Rは閉幕。
たかが試走、されど試走である。機力の差とコース取りの差が如実に現れたナイトレースだった。
加賀谷建明が通算29V
朝方から小雨が降り続けてデイレース最終日3日目は全レース重走路となった。
決勝戦のスタートの火蓋が切られると、10メートル最イン2枠の鈴木清が単独0ハン武藤博臣の内をのぞきかけたが、1周回バックストレッチでは5枠の森且行が大外を伸びて先頭へ立った。ところが直後の4コーナーでふところが空いてしまい、加賀谷建明が隙を逃さず首位を奪取。残りの5周回はピタリ追走する森に反撃のチャンスを与えず逃げ切った。
永井大介も外寄りの7枠から好スタートを放ったが、1周回2コーナーの立ち上がりで中村雅人が内を突くと、鈴木清と武藤博臣の間をすり抜けて3番手へ浮上した。
予選~準決勝戦を2連勝して臨んだ2名のうち、高橋義弘はスタート8番手に置かれる苦しい展開となり、池田政和は実績に乏しい雨走路で実力を発揮しきれなかった。
文/鈴木
試走通りに木村武之が勝つ
発走前まで割れに割れたオッズ。一番試走の木村武之が3.30、2番目は松尾啓史の3.31と26期コンビが売れ筋。大外の金子大輔は3.33と見た目も今イチだった。締め切り前に割り込んできたのは10m前の永島潤太郎。試走も3.33と20線勢にそん色なし。2連単は6-2、6-8のみ10倍を切っており、3連単は6-8-7が29倍、6-2-8、6-7-8と続いた。
満村陽司の後ろへ永島が付ける前に木村武はインから攻めて3周で先頭立つ。永島は満村を差したが松尾啓史がイン伸びてきて2着へ。木村武は今年の初優勝、昨年11月以来のV87に。山陽では20年のG1スピード王から4年経つ。
このあとはヤングの祭典「G2若獅子杯」の裏開催にあたる川口デイレースに10/15~出場予定。
鈴木圭一郎が今年12度目の優勝
良走路と雨走路が2度ずつあった4日間を無敗で通過した鈴木圭一郎が決勝戦もケタ違いの強さ・速さで快勝。これで今年の勝利数は94となり、昨年に青山周平が打ち立てた年間最多勝利記録97に残り3と迫った。今月10日から開催される山陽G2『若獅子杯争奪戦』で新記録を樹立する可能性はかなり高い。
対抗馬と目された荒尾聡は発走時に前輪を浮かせてしまいスタート後手に。道中も上位争いに参加できなかった。2周回1コーナーで田中進を差して逃げた桝崎陽介が2番手で粘ったが、追い上げてきた有吉辰也が最終周回3コーナーで差して2着に入った。
文/鈴木