白次義孝が逃げ展開を作り押し切った!
0ハン先行は内枠の田崎だったが、1周バックストレッチで白次が差し込んでいく。その後は白次が大きなリードを作って一人旅。田崎や竹本は後退し、2番手に立ったのは佐久間。白次との距離はかなりあったが、周回ごとに徐々に差を詰めていく。ゴール前ではかなり接近していたが、最終的には白次が振り切ってトップでゴールを迎えた。3番手には中団を抜け出した伊藤信が入線した。ちなみに30線最内に置かれていた石川哲は、スタートで大きく後手を踏み、巻き返しは厳しい状況となっていた。
白次は一時期、軽いスランプに入っていたが、8月に入ったあたりから良化の兆しが出ていた。そして、前節で通常以上に戦える状態になっていた。その流れで今節を迎え、優勝戦で快走。本来の快速派らしいスピードあるレースを見せてくれた。優勝は2022年10月以来、通算8度目。これから冬場に入り、スピードレースが増えていくが、上昇気流に乗った白次の活躍の場が多くなることだろう。
劇的!接戦ゴール前を制した角南一如
人気を分けた藤岡一樹と角南一如。一番試走は角南の3.31秒、続いて藤岡の33秒。丹村飛竜は36秒と今イチなタイムで34秒出した古城龍之介も人気の一角を担う。2連単は4-5、5-4、3連単は4-5-6、5-4-6が売れ筋だった。
0ハンの仲口武志が逃げ態勢を作り古城龍之介が追う展開。藤岡一樹がインから古城をパスすると仲口の背後に付けて絶好の形に。角南一如は捲りで3番手へ進出し、最終3コーナー藤岡が仲口のイン突く。角南はアウトから攻めてそのまま伸び切り微差、藤岡に先着。丹村飛竜はいい所なく終わった。角南はじつに2014年以来、10年ぶりの優勝。
このあとはすぐ10月3日からの山陽ナイターへ出場予定。
佐藤励が完全優勝を達成!
1回目のスタートは加賀谷がフライング。再発走となった2回目は森が好スタートを決めた。0ハン単騎の谷島を追う形になったが、まずまずのスタートを決めた佐藤励が素早く森を交わす。その勢いのまま佐藤励は谷島を交わし独走態勢に入った。森は2番手に浮上し、佐藤励を追っていったが、差を詰めるまではいかない。3番手に付けていた中村雅は最終3コーナーで森のインを狙いかけたが、突っ込みで車を引いてしまい失速。そこで加賀谷が捲りを仕掛けて3着入線となった。
佐藤励の勝因はスタートだろう。トップスタートまではいかなかったが、1周バックストレッチで森のすぐ後ろに付けることができたので、他の同ハン勢を捌く手前が省けた。精神的にだいぶ余裕が生まれ、その後のレース運びも落ち着いて取り組めた。終わってみれば初日からオール1着の完全優勝。今年は5度目のVで、通算13度目の優勝となった。この後は山陽でG2若獅子杯争奪戦が待っている。一昨年に優勝している相性のいい大会だし、今回の優勝で勢いづいたので活躍が期待される。
青山周平が3節連続V
今節初日からスーパーハンデを課された青山周平は予選~準決勝戦を2連勝で突き進み、8車中の試走トップタイム28秒で人気に推された決勝戦も圧倒的な強さで勝利。今年11度目の優勝、G1ムーンライトチャンピオンカップ~特別G1プレミアムカップからの3連続Vを成し遂げた。
最近の数節は枠ナリのスタートを切るケースが増えていた中野光公が、決勝戦も10線の最内枠から先行。新井淳も鋭いスタートを放ったが、道中は中野光に付いて行けずに後退。2周回過ぎに青山周に捌かれた田中賢が、試走29秒のパワーで仲田恵一朗や新井淳を内から差して3着に喰い込んだ。
文/鈴木
福岡鷹が自身3度目の優勝を達成!
0ハンは枠ナリのスタートになり、10線の栗原佳は20線の柴田健に叩かれてしまう。0ハン勢に動きがあったのは1周3コーナー。3枠の福岡が内枠の2車を捲って先頭に立った。そこからは、これでもかと後続を引き離し、ブッチ切りのゴールを迎えた。後ろでは占部が水崎を交わし、離れた2番手として粘っていたが、最終3コーナーで柴田健が差し、その流れに栗原佳も続いて3着入線を果たした。
福岡は落ち着いていた。1級車相手にスタートで先行するのは厳しいと事前から想定していたのか、3車並びの3番手発進になっても慌てず最初のコーナーは大きく入ってスピードを増していた。その勢いのまま次のコーナーで外からの仕掛けを決めていった。この勝ち方は恐らく、レース前にイメージしていた通りの展開になったのではないか。前もってイメージするのはもちろんの事、それを実践してしまうのだから末恐ろしい逸材。37期なので1級車乗りはまだまだ先だが、これからどのような成長を遂げるのか見届けていきたい。