
福岡鷹が8連勝&2連続V
開催最終日3日目は湿り気の残った走路状態で開幕したが、日没後にもかかわらず走路の乾きは早く、第4レースから本走3.3秒台のタイムが計時されるようになり、決勝戦は完全な良走路へ回復。3連単オッズの上位4位までがひとけた配当で、その全てが2枠の福岡鷹を首位に採った組み合わせだった。
今月16日の山陽ミッド決勝戦で福岡に捲られた田中崇太は、今節の準決勝戦のあと「同期(=福岡)に負けたくない」と述べたが、今の福岡の勢いは止められなかった。前日の準決勝戦の勝利で自身最多タイの通算7連勝を遂げた福岡は、2連続優出となった今回の決勝戦は田中崇を前回のように外からでなく内から交わして一気に先頭へ立つと、前日の準決勝戦と同タイム3.376秒のハイペースで逃走。レース前に宣言していた「8連勝を狙っていく」を有言実行。今年2度目、通算6度目の優勝を決めてみせた。
30線のスタートは、4車並び最内枠の角南一如が大きく遅れて丹村飛竜が先行。結局そのまま6周回離れて追走しての2着ゴール。更に離れた後方で別府敬剛が藤岡一樹を抑え続けて3着に入った。
文/鈴木
伊藤正真が圧巻の走りを披露した!
20線から飛び出したのは伊藤正真だった。0ハン両者はペースを上げる前に伊藤正真に交わされてしまう。その後は伊藤正真の一人旅。グングンとペースを上げ、後続を引きちぎってみせた。2着には0ハン先行の木村享を交わした高林が入線し、木村享も3番手で粘った。20線から2番手発進した岩田行は車が進まず、高橋貢や荒尾も道中の進み方はイマイチだった。
伊藤正真は約一年半ぶりとなる自身8度目の優勝を決めた。エンジンは準決でも良さそうだったが、優勝戦ではスタートで外枠勢に包まれる恐れがあった。しかし実際にはトップスタート。試走一番時計の機力の後押しがあってか、見事に要所で決めることができた。この後は一般開催を2節こなしてから地元のG2稲妻賞が待っている。まだ記念タイトルとは縁がないが、今の状態を保つことができればチャンスは十分あるだろう。
伊藤信夫が好展開に持ち込みV!
20線のスタート争いは最内の新井日が出たかに見えたが、1コーナーで伊藤信が外から被せていった。0ハン単騎の満村はペースを上げたかったが、伊藤信が1周を回る頃に交わして先頭に立つ。そこからは伊藤信が逃げに入った。金子大は序盤の仕掛けが早く、伊藤信と一対一の態勢を作ったが、最後まで伊藤信を交わすことができず準優勝だった。実力者・鈴木圭はレース中盤まで最後方。木村武を交わすのに手間取ってしまった。
伊藤信は今年5度目の優出にして今年の初優勝を決めた。今回の優勝戦は20線に強力なメンバーが並んだが、スタート後に好展開を作れたのが優勝できた最大の要因。先頭に立ってからもコースを守りつつ、ペースを上げて走ることができた。これで通算95V。100Vの大台まであと5つ。浜松は若手の成長が著しいが、今回のようにエンジンをしっかり仕上げ、レース運びもうまくいけば決して不可能な数字ではない。
福岡鷹が今年の初優勝を決めた!
重走路で行われた山陽ミッドナイトの優勝戦は福岡鷹が勝ち切った。福岡は10線に2車並んだ外枠から先行すると、1周回ってくる時には先頭に立っていた。その後は自分の走りを見せ続けた。後方では2番手に立った新井恵を佐々木啓が交わすと、前を走る福岡を追う態勢を作った。周回ごとに差は縮まっていったが、最終的には福岡が佐々木啓を振り切り先頭ゴール。佐々木啓はもう一息だったが、準優勝に終わった。
福岡は今年初優出だったが見事に優勝を決めた。これで通算5V。鮮烈なデビューから今まで確実な成長を見せている。すでに1級車に乗る時を意識して走っているそうだが、そういった取り組みが2級車でのレースにも生きているのかもしれない。これからどこまで強くなっていくのか、楽しみは尽きない。
高石光将が速攻を決めてV!
20線から先行したのは外枠の高石だった。0ハン単騎の菅原を直撃できる形を作ると、早い段階で捕えてみせた。その後は後続を寄せ付けず悠々の一人旅。上がりタイムは3・417で、走路温度が高くなるこの時期にしては素晴らしい数字だった。2番手には谷島が離れて粘っていたが、高橋義弘が交わして準優勝。人気に押された佐藤励は必死に追い上げたが3着止まりだった。
高石は2023年6月に自身初優勝を遂げたが、その時以来となる2度目の優勝。調整力には定評があり、現時点でもエンジンは高いレベルで保てている。スタート力や独走力もそれなりにあるので、これからも活躍できるだろう。ただ、ハンデが重くなって、抜いていく相手が多くなった時が一つの課題にはなりそう。