
笠木美孝が4年半ぶりに優勝
3連単オッズは、試走タイムや先行力の優劣が考慮されたのか、3番・5番・6番の三つ巴が上位人気。この3車に次ぐ試走タイムを出した鈴木宏和と石田啓貴は穴人気の位置づけ。
レースは同ハン野田光宏との先行争いを外からねじ伏せた石田啓の逃げで開始。ただ、20線の最内枠から先行した笠木美孝が1周回3コーナーで早くも野田を捌いて背後まで迫っていた。
その後しばらくは笠木の差しが先頭の石田啓へ届かないシーンが何度か繰り返されたが、4周回2コーナーの立ち上がりから石田啓の滑りが目立ち始めて、5周回1コーナーついに笠木が石田啓を差して捕えた。
20線の他4名は、鈴木宏和は同ハン2番手発進したが直後の1周回バックストレッチで車がガブられてペースダウン。伊藤信夫の外を伸びた木村武之が道中に番手を上げて2着ゴール。中村友和はレース前に先行力の劣勢を懸念されたとおり独りだけスタート大きく遅れる形となった。
笠木は2020年10月(浜松・雨走路)以来、通算20度目の優勝。3月上旬の浜松アーリーレース頃から速攻の決まるケースが増加していて、スタート力を増したことが今節の活躍につながったといえそうだ。
文/鈴木
仲田恵一朗が混戦を制して久々V!
まずは10線最内の横田が0ハンの北渡瀬を叩き、いきなり先頭を走る展開になった。1周を回る頃には大月が2番手に立ったが、仲田がまくって2番手に立つと、返す刀で先頭を走る横田まで差した。そこから仲田はペースを上げて走っていた。試走一番時計の早川は道中で田村の抵抗にあい、なかなか車を押し上げられないでいた。4周を回る頃にようやく同ハンとの競り合いに勝ち、青旗で大月を交わし2番手までいけた。最後はゴール前のチョイ差しを狙ったが、僅かに仲田が振り切って優勝を決めた。
仲田は2023年11月以来となる自身5度目のV。優勝からはやや遠ざかっていたが、今年に入ってからはエンジンが安定しており大きな着を取ることは少なかった。本人のポテンシャルは元々高いので、今のエンジン状態を持続できれば好成績でまとめられ続けるだろう。
雨の中を華麗に泳いでウミヘビ大木光がV獲る!
降り続く雨がナイターの光を乱反射させ全体的に霧がかかってるような優勝戦。試走3.62で佐藤励と人気を分けあったのが大木光。3連単4-7-6と4-6-7は同じオッズ。2連単は4-7、4-6、7-4と続く。
1周回る間に大木は30mから先行して先頭へ抜け出してしまった。対する佐藤励は永井大介の後ろで車を進められない。大木は内線をなぞるように安定したコース取りで後続に大差を付けてゴール。結局、佐藤励は永井に離されてしまい、山田達也がインから圧をかけてきたが微差で3着。
見事、人気に応えた大木は今年1月24日のナイトレースで優勝して以来(この時も濡れ走路)自身9度目となるV。このあとは18日からの川口デイレースを経て今月末の地元SG《第44回オールスター》へ出場する予定。
雨中決戦は田中哲に軍配!
試走時とレースでは走路状態が変わってしまった。試走時計の比較で松本康が一番人気となり、田中哲への2連単7-6は1.5倍、裏の6-7は3.7倍だった。3連単は7-6-5に人気集中し、6-7-5と7-6-1と続いた。
深沢悟を荒川哲也が追ったが田中哲は水しぶきを上げながらアウトコース伸びて行き、松本康も離れずマークする。松本康は何とか交わそうとするが、田中哲も譲らずマッチレースのままゴール。谷川一貴がイン戦で浮上し6-7-5と2連単、3連単とも2番人気で決着。田中哲は自身7度目の優勝となった。
無観客ゆえにファンの歓声は聞こえなかったが、画面越しに絶叫してた御仁は大勢いたはず。このあと伊勢崎オートは5月にかけてナイターとアフター5のオンパレード。本日のような熱い戦いに期待したい。
小林瑞季が通算10度目の優勝
0ハン2車は枠ナリに発進して藤川幸宏と川原剛による逃げ態勢。10線3車は小椋華恋が1周目に山際真介の差しを封じ込めて3番手を確保。初Vをめざしていた阿部仁志は発走時にタイヤが白煙を吐いて最後方へ後退。20線3車は真ん中の枠から小林瑞季が先制。
2周回3コーナーで藤川幸宏へ仕掛けきれなかった川原剛はその直後からコース取りが乱れ始めて、2番手へ上がった小椋華恋も藤川幸を攻めきれず、そこへ小林瑞が一気にイン攻め上がり、少し離れて山田達也も3番手へ。そのとき永井大介はいまいちリズムに乗れず6番手周辺のまま。
5周回1コーナー、小林瑞が満を持して藤川幸を捌き先頭。山田達は、5周回3~4コーナーでコース取りが大きくなった藤川幸の内へ入って2番手。人気を集めた永井はゴール間際に藤川幸のインから伸びての3着がやっとだった。
文/鈴木