
関口隆広がハンデの有利さを活かした
4日制の3日目に降り続けた雨は、最終日の第1レースを迎える頃にはすでに上がっていたが走路は湿ったまま。しかし陽射しが強まると乾きは早く、第11レースの決勝戦は良走路で実施できた。
しばらくのあいだ戦ってきたハンデ位置より10メートル軽くなって以降、成績が安定してきていた近況の関口隆広は、今節も2日目・3日目に連勝して優出。決勝戦では後ろと20メートルの差がある単独0ハンデに置かれて、試走タイムは7車の中で最も数字が大きかったが、やはり展開の有利さが評価されたのか、3連単・2連単のオッズは7枠の鈴木宏和に次ぐ支持を集めた。
レースが発走すると関口は軽やかに逃走。20線の最内枠からスタート先行した柴田健治は、早い周回に10メートルほど接近したが、そこからが差が縮まらない。残り2周あたりで逆に車間が開いたところを、追い上げてきた鈴木宏和が内から交わしたが、関口はセフティーリードを保ったまま1着ゴール。2021年7月ぶりとなる通算5度目の優勝を果たした。
文/鈴木
中村雅人がクレバーな走りでVゲット!
川口最終日は第1レースから重走路で、優勝戦も重走路のままだった。0ハン単騎の片野はペースを上げられず森谷が交わしていく。その森谷はマイペースで逃げていたが、20線から好スタートを切った中村雅が追い詰めていく。慌てず騒がず落ち着いて距離を詰めると、的確な差しで森谷を捕えた。森はスタート後に外枠勢に包まれる形になったが、そこから巻き返しを見せ、最後のゴール前では森谷をチョイ差しで交わし準優勝だった。
中村雅は意外にもこれが今年の初優勝。2月に落車し、療養に約2ヶ月を要したが、復帰節でいきなり優出するなどレース感覚は最初から心配はなかった。最重ハン勢にとって夏場は試練となることが多いが、この時期に15連勝の記録を作った中村雅はそこまで苦にしていない。今年前半の分まで、ここから巻き返しが始まる。
上昇気配の高宗良次が最高の結果を出した!
山陽ミッドナイトの優勝戦は重走路で行われた。試走一番時計は松尾隆と高宗が61でトップタイ。他は全て63だった。
レースは10線単騎の松尾隆が0ハン石田を交わして先頭に立った。しかし、20線からトップスタートを決めた高宗がピタリと続き、早い段階で松尾隆を交わして逃げに入った。結局、試走一番時計の機力もあって、そのまま高宗がトップでゴールを迎えた。松尾隆は2番手で粘っていたが、レース後半はずっとまくりを仕掛けていた滝下がゴール前でチョイ差しを決めて準優勝。
高宗は今年5度目の優出にして今年の初優勝となった。通算では5度目のV。一時期は調子が上がらない期間もあったが、近況は成績上昇と共に優出回数も増えている。最重ハンからの競争でも、今回のようにトップスタートが決まれば十分戦える。特に重走路に関してはS級選手並みの実力を持っている。梅雨入りしたこれからは特に活躍が見込まれそう。
伊藤信夫がスタートで決着をつけた!
0ハン両者が激しい競り合いを演じていたが、20線からトップスタートを切った伊藤信が攻略にかかっていた。まずは2番手を走っていた赤堀を交わしたが、この時、接触がありレース後に審議となる。その後は先頭を走っていた村瀬を交わし1着でゴールを迎えた。伊藤信の動きに続いていた荒尾が準優勝。金子大は試走タイムが劣勢で、レースも序盤から精彩を欠いていた。
長い審議の結果、伊藤信は失格には至らず、入線どおりに優勝が確定した。今回の優勝戦は20線に5車並び、豪華な顔ぶれだったが、好スタートを決めたことが優勝できた大きな要因。レース道中で抜くとなるとかなりの労力を要する。伊藤信は見事に勝ちパターンに持ち込んでみせた。この後は4節連続で地元での競走となるが、セッティングに関する良いデータが取れたと思うので、このまま突き進めそうだ。
平田雅崇がチャンスをものにし、今年初優勝を決めた!
自身初優出となった上原は、そのまま初優勝を決めたかったが試走タイムから物足りず、ペースを上げることはできなかった。50線からトップスタートを切った平田は、まず本田をパス。その勢いで上原の逃げを捕えた。その後は後続を引き離す一方の力強いレースを披露した。山田達がジワリと浮上し、加賀谷の追撃を振り切って準優勝だった。
平田は今年初優勝で、自身通算19度目の優勝となった。2節前はG2で優出し3着。前節は一般開催で優出し4着。3節連続優出となった今回は先頭でゴール線を駆け抜けてみせた。エンジンは高い位置で安定している。次の出場は伊勢崎のG2稲妻賞。良い流れのまま乗り込めるので、自身初のG2タイトルへ向け初日から快走を見せてくれそうだ。