ゴール前の逆転が決まった
最終日5日目は朝から小雨が降ったりやんだりの空模様で開催が実施されて、終盤レースは重走路となった。
決勝戦がスタートすると、以前は不得手だった雨走路で最近は好走の増えていた押田幸夫が1周回3コーナーから先頭に立って主導権。差された地元の青木隆浩が追走する展開。
永島潤太郎は稲原良太郎と小林悠樹の28期2名が重なるところを割れず、こちらも28期の田中哲が捲って先頭の2車を追う形になったが、永島も捲られた直後に車を外へ持ち出す瞬時の判断が的確、大正解だった。
勝負どころは4周回2コーナー。青木隆の内を田中哲が攻め込んだ更に外から永島が進んで逆転で2番手へ浮上。そしてトップを独走していた押田幸に少しずつ差を詰めると、ゴール寸前に大外を伸び勝ってチョイ差し。11月2日の山陽ミッドナイトから2節連続となる、通算5度目の優勝を飾った。
文/鈴木
井村淳一が今年2度目のV!
0ハンのスタート争いは外枠の本門が制して先行した。内枠の中原は後手を踏んでしまったが、レース中盤で本門を交わして先頭に立った。そこからは逃げる中原に本門が追走する展開だったが、後方から一車追い上げてきたのは井村。20線の3車並びの中枠から先行はできなかったが、序盤から鋭い動きを見せ、10線の2車を難なく攻略。その後もまずは本門を交わし、残るは中原だけになった。そして、5周3コーナーで中原のインに突っ込み先頭を奪取。そのままゴールとなった。
井村は今年6回目の優出にして2度目の優勝。その両方がミッドナイトレースでの優勝だ。井村の持ち味は豪快な攻めとスピード。どちらも走路温度が低い時の方が威力を増しやすい。そして、これからの季節は夜の時間帯ではなくても走路温度が低くなってくる。そうなると井村の活躍の場が大きく広がる。
永島潤太郎が鮮やかなカマシを決めた
前日からの雨が乾ききらず、曇り空のブチ走路で第1レースが開始した最終日4日目。第2レース以降は断続的に小雨が降ったが最終の第9レースは良走路に近いコンディションで実施された。
決勝戦が発走すると、0ハンデ5車並びの大外から永島潤太郎がダッシュ炸裂。数秒後の1周回バック線で2番手の西村龍太郎に5メートルほどの差を付けた時点で『勝負ついた』と感じさせる最高の展開に持ち込んだ。あとは6周回を逃げ切って、7月8日の山陽ミッドナイトぶりとなる通算4度目のVゴール。
付かず離れず続いた西村龍がそのまま2着に流れ込み、五所淳の抵抗を残り1周で突破した浜野淳が3着に押し上げた。
文/鈴木
田中輝義が接戦を制して自身2度目のV!
水崎のみ試走タイムは悪かったが、それ以外はほとんど数字の差がなかった飯塚優勝戦。10線3車並びのスタートは最内の桜木が飛び出した。これに田中輝と中村颯が乗っていく形。20線3車も枠ナリの発進となった。
桜木は早々と水崎を交わし逃げに入った。田中輝も離されずに続き、一対一の態勢に持ち込む。後ろでは中村颯、高林、新村などが続いていたが、上位浮上の機会を図れないでいた。まず動きがあったのは5周3コーナー。2番手に付けていた田中輝が桜木のインに突っ込んだ。桜木は差し返しの態勢を作り、青旗すぎで田中輝のインに入って行ったが、2コーナーの立ち上がりで態勢を崩してしまう。田中輝は難なく先頭を再奪取し、後ろに付けていた新村が2番手に浮上した。桜木は結果的に3着まで番手を落としてしまった。
レース序盤から桜木の後ろにジカ付けしていた田中輝は落ち着いていた。エンジン的には明らかに桜木より強めだったが、仕掛けるタイミングを間違えないようにジックリと構えていた。そして、巡ってきたチャンス。田中輝は桜木に逆転されそうにもなったが、ここも冷静に対処できていた。田中輝は2022年5月以来、自身2度目となる優勝。近況は連を外しておらず、この流れはしばらく続きそうだ。
選手権へ大きく弾みつけた青山周平
自身の連勝記録13を3日目にクリアーし、14連勝で優勝戦へ進んだ青山周平。37期の佐藤智也が優出したため、本来なら50m後ろになる青山周だが、今回はさらに10m後ろのハンデで戦ってきた。試走もダントツの26秒と他を圧倒し、朝練落車でケガをした辰巳裕樹(5枠)が欠車となり7車立てとなった。オッズは青山周を中心に2連単は8-7、8-1、8-4、8-6の順。3連単は8-7-4と8-7-6がそれぞれ6倍、8-7-1が6.9倍だった。
佐藤智也の逃げで始まったがペース上がらず佐久間健光が番手取って捕える。そのとき青山周は早川清太郎を捌いており青旗前では佐久間を射程内に。そのまま最終3コーナーで計ったように佐久間に突っ込み先頭へ。佐久間に早川も肉薄し3車はほぼ差がなくゴールイン。青山周の優勝は決まったが、2着は写真判定へ。結果は同着だった。8-6-7は660円、8-7-6は320円 2連単は8-6 280円、8-7 110円。
青山周平はこのあと中1日で川口へ乗り込みSG第56回日本選手権へ。最大のライバルである鈴木圭一郎が保持する18連勝更新も視野に、ハンデなしの0mオープンでのガチ勝負。11月4日の最終日12R優勝戦で雌雄を決するのか、乞うご期待。