
早川清太郎が鮮やかな速攻を決めた!
30線に3車並んだ大外に置かれた早川は、スタートこそ枠ナリ発進になったが、そこからの攻めが早かった。2周を回る頃には早くも先頭に踊り出た。そこからはハイペースで一人旅。後続を引き離して完全優勝を決めてみせた。野本は浅倉を叩いて好位置に付け、早川に抜かれた後も2番手を快走。伊藤正真が3番手に付けていたが、最終3コーナーで松本康がインに突っ込み3着入線を果たした。
早川は3月8日の伊勢崎以来、今年2度目の優勝となった。今年最初の優勝後は川口、浜松と遠征先で走っていたが、そこでは思うような成績を残せなかった。しかし、今回は地元に帰り、走りにキレを取り戻せていた。走り慣れた走路では無類の強さを発揮するタイプと言える。この次も地元で一般開催が待っている。その後は川口でSGオールスターオートレース。次節も優勝して、勢いを付けて川口に乗り込みたいところだ。
一瞬の隙を突いて山本翔が優勝を決めた!
0ハン単騎の田中崇はマイペースで逃げていた。20線外枠から先行した松尾隆は、高宗にインを何度も狙われていたが、なんとかしのいでいた。田中崇は後半2周あたりからペースが落ちてくる。そして、5周4コーナーで松尾隆が田中崇を交わして先頭を奪取。高宗もイン続いて2番手に立ったが、3番手に付けていた山本翔が最終3コーナーで強烈なイン突っ込みを見せる。これがうまく決まり先頭でゴール線を迎えた。
山本翔は昨年7月以来の優勝で、これが自身6度目のV。最近ではスタート力が増しており、同ハンから先行するケースが多くなっている。スピード面は元々高いモノを持っていたが、捌きの面も着実に成長を見せている。記念レースでの優勝や優出はまだないが近々、大舞台でも活躍するシーンが見られそうだ。
金子大輔がしっかり追い切って優勝!
0ハンから先行した辰巳に森下がピタリと続く形で周回が重ねられていたが、20線から先行した木村武が、まずは佐藤大を交わす。その後も森下、辰巳を冷静に捌いて先頭に立った。そのまま押し切る可能性もなくはなかったが、金子大も道中は落ち着いて番手を上げていた。そして、先頭を走る木村武と一対一の態勢を作ると、ここも無理なくしっかりと交わしてみせた。最終4コーナーの立ち上がりで僅かにタイヤを滑らせたが、木村武の逆転を許さず先頭でチェッカーを迎えた。
金子大は今年、ここまで9節走っているが、その内優出は8回。唯一、優出を逃したのは川口のG1のみ。それ以外はSGでも一般開催でも全て優出している。そして今回で今年3度目の優勝となった。その中にはG1もG2も含まれている。予選や準決でもほぼ連対できており、今年はいつも以上に安定感を増した年になっている。
祐定響が見事に逃げ切りV!
浜松オートの優勝戦は、0ハン単騎の祐定が最初から最後まで先頭を走り続け1着ゴールを決めた。30線6車並んだスタート争いはほぼ枠ナリ。栗原佳が笠木を交わすと、前を走る柴田健の攻略にかかる。1度は交わした栗原佳だったが、柴田健が差し返した。その後、再び栗原佳は柴田健を捌いたが、このひと手間があった分、祐定との差を詰めるのに時間を要してしまった。結果的に金子大が栗原佳を交わして準優勝。試走一番時計タイを出した鈴木圭は内枠勢を交わすのに苦労し、車券圏内に入ることはできなかった。
祐定はこれで自身2度目のV。展開的に恵まれた感はあったが、30線のそうそうたるメンバーを振り切れたのは大きな収穫。本人にとっては大きな自信になったことだろう。今は最重ハンの30メートル前で走っているが、今後はハンデが重くなってくる。上がりタイム3・381をマークしたのでスピード面では十分。これからは捌きの面での成長が期待される。
高橋貢が2024年度ラストの伊勢崎を締めくくった
車券のオッズは2連単・3連単ともに、試走31秒の石川哲也が34秒の高橋貢をわずかに上回って1番人気。しかしレースが発走するやいなや高橋貢が20線の大外枠から鋭く飛び出して先制。1周で10線の2車、2周目が終わる頃には0ハン3車も抜き去る鮮やかな速攻劇。そのまま2着以下に大きなリードを作って圧勝のゴール。昨年8月以来、通算219度目の優勝を飾った。
高橋貢を除く20線の2名は、レース中盤までは大木光が先に仕掛けていく展開になったが、石川哲也はアウト戦で攻め上がると5周回3コーナーで吉田恵輔を交わして2番手へ。圧倒的な実績を誇る王者と、今節初日の1番時計を出したスピード豊かな若手で順当に決着した。
文/鈴木