
荒尾聡が今年の初優勝
初日~2日目と良走路でおこなわれて迎えた開催3日目の最終日は一転、夕方から本降りの雨に見舞われた。第7レースは悪天候により発走が遅れたほどで、最終11レースの決勝戦も小雨の重走路で実施された。
10線7車の発走は、3枠の長田稚也が遅れた以外はほぼ横並び。だがギアをトップに入れてから7枠の荒尾聡が鋭く伸びて、1周回1コーナーでは4番手へ。そしてバックストレッチで4枠の岩見貴史を差すと、道中は中村杏亮と大月渉をあっさり捌いて3周足らずで先頭へ。あとは後続との車間を拡げる一方でゴールでは大差をつけての1着。昨年6月22日以来、ちょうど1年ぶりに通算76度目の優勝を決めた。
10線からトップスタートを切った中村杏亮は、荒尾に抜かれた後も浮上を図ったが走路との折り合いを欠いて、単独0ハンの大月渉が2着に残った。大きく離れた4番手を走っていた岩見も走路をつかめなかったのか追撃態勢が整わず、6周回ホームストレッチで篠原睦がインから捌いて4着に入線した。
文/鈴木
佐藤摩弥が今年2度目の優勝へ突き進む!
0ハンのスタート争いは互角か、外から田辺が伸びていくか。10線両者は枠ナリ発進。20線4車は枠ナリも考えられるが、準決で素晴らしいスタートを決めた佐藤摩に、その外の佐藤励が乗っていくケースもありそう。
準決の動きが良かった佐藤摩が20線から先手を取ると、その勢いのまま前団を攻略していける。待ったなしの攻めで先頭まで躍り出そうだ。しかし、道中で少しでも手間取るようだと、マーク追走している佐藤励が割り込んでくる。そうなれば佐藤励に優勝のチャンスが訪れる。他で怖いのは田辺。レース序盤で好展開を作れそうであり、後続が競り合う展開になれば逃げ切りもある。前回昼間の川口で優勝した中村雅はエンジン好調維持。スタート争いは微妙だが、確かな攻めで車を押し上げていく。ハンデ的に魅力あるのは泉田。速攻タイプで、レース序盤に勝負を賭けてくる。
◎ 7 佐藤摩弥
○ 8 佐藤励
△ 2 田辺誠
△ 6 中村雅人
▲ 4 泉田修佑
おすすめの買い目
7=8-246
穴なら 田辺の粘り込み
2-4678
20線の若手による三つ巴戦
ファイナリスト6名いずれも強く推せる決め手に欠ける難解な一戦となった。それぞれ良走路での1番時計は初日が長田恭徳、2日目が山本翔で、実際にエンジンパワーはこの2名が他4名より少しリードしているか。天気予報の怪しい最終日4日目、雨の安定感も加味して山本翔を本命視。先行力では山本翔に一歩ゆずるが長田恭徳の状態がアップしているので対抗に指名。山本将之は勝負どころでの決め手がカギとなる。
前節から立て続けに雨をこなしている岡松忠に注意したい。山崎進が単騎0ハンから独走に入るケースも一考を要する。
◎ 5 山本翔
○ 6 長田恭徳
△ 4 山本将之
▲ 2 岡松忠
穴 1 山崎進
おすすめの買い目
5-6=421
穴なら
1-3=2456
文/鈴木
荒尾聡がスタート勝負
控えめに評してもSGレース準決勝戦レベルの顔ぶれとなった優勝戦。強いメンバーが揃ったときこそ、総合力と先行力に優れた選手へ期待したい。
極端にスタート力が低い選手がいないため、1周回1~2コーナーにかけての先行争いは相当に激しくなりそうだが、それでも荒尾聡が序盤の展開を見極めて、1周回3~4コーナーあたりでは中団まで番手を上げていると想定。有吉辰也より内枠に入った点も大きい。
もともと先行力の高い篠原睦は今節は捌きの切れ味も普段以上に高いので、荒尾と同様に展開を切り抜けるか。準決勝戦で松尾啓史に離された岩見貴史と、有吉辰也に離された長田稚也は、エンジンパワーの上積みがないと厳しいかも。捲りタイプの中村杏亮は展開の影響を受けやすいと捉えられそうだが、準決勝戦では揉まれる展開にも対応できていたので、今回の決戦でも狙い目は十分。
◎ 7 荒尾聡
○ 6 篠原睦
△ 2 中村杏亮
▲ 8 有吉辰也
穴 4 岩見貴史
おすすめの買い目
7ー6=284
穴なら
4=2-768
文/鈴木
石田啓貴が鈴木圭一郎の完全Vを阻止する金星
予選中から高いパワーを見せていて、準決勝戦では地元浜松の誇る速攻派である鈴木辰己との先行争いを制して勝利した石田啓貴が、この決勝戦では単独0ハンから快速逃走。昨年4月以来となる通算3度目のVに輝いた。それも、ハンデ差があったとはいえ鈴木圭一郎を破っての価値ある1勝であった。
鈴木圭は1周回バックストレッチでまず伊藤信夫と佐藤貴也を、2周回4コーナーで木村武之をインから捌き、SGタイトルホルダーは全員退けた。そして4周回ホームストレッチで2番手まで上がったが、逃げる石田啓の姿はおよそ20メートル前方。残り2周で5メートルほどまで差を詰めたのはさすがだったが、追い上げの効きにくくなる熱走路でもあり、今節4戦4勝の完全Vはならなかった。ただ、今月25日に開幕する次節『G2浜松記念 曳馬野賞』へつながる道筋は付けたといえそうだ。
文/鈴木