オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。
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《G1スピード王決定戦(浜松)の展望》
今月上旬の伊勢崎G2『レジェンドカップ』は5年連続で遠征勢による優勝となったが、今回で67度目となる浜松G1『スピード王決定戦』は近10年に地元車が7度の優勝を収めており、今回も地元勢は今期のS級11名を勢ぞろいさせて遠征勢を迎え撃つ。
鈴木圭一郎は、松尾啓史が優勝した2018年の第59回から昨年12月の第66回まで8大会連続で優出していて、3連覇1度を含み通算V4。そして、走路改修を経て先月下旬に開催が再開された浜松デイレース4日制は、4戦全勝して完全V。その前の節の飯塚デイレースG1決勝戦1着から5連勝と、目下の勢いも申し分ない。
今大会が開幕する12月17日は、鈴木宏和にとって思い出深い日かもしれない。昨年、自身初めてグレード制覇したのがこの日である。その獲得タイトルは飯塚の『開設記念レース』だった。今度は地元での初タイトルをめざす。
新走路の浜松には1節目から優出。その優勝戦は後日に『コース取りを失敗しました』と振り返ったとおり、先頭を走っていたレース最終盤にインを締めたら鈴木圭に捲られたが、計時したタイムは優秀でエンジンも出足も高水準といえる。
再開1節目の浜松優勝戦、速攻で先頭へ立ったが鈴木宏に捌かれて、しかし最終回4コーナー鈴木圭に追随する形で鈴木宏を捲って逆転した栗原佳祐。今年は11月までに15度の優出に5Vと、年明けから1級車に乗り換わって素質が一段と大きく花開いた。先月には自身初めてのグレード優出も果たし、初タイトルを手中にする日へまた一歩近づいた感がある。
栗原佳と同期の吉林直都は、デビュー2年目~3年目の前半あたりまでは全国ランキングの順位が栗原佳に大きく上回られ続けていたが、今期は2人揃って初のS級入り。そして先月の『日本選手権』において、栗原佳より先に初めてのSG優出をやってのけた。
新走路の今月浜松デイレース1節目は、栗原佳が準優勝したのに対して吉林は未勝利。だが2節目の吉林は準決勝戦で高橋貢・佐藤貴也という超一流レーサーに捌かれたもののスタート速攻から逃げ展開を作っており、走路を掴めてきたことが判る。
2025年は、大躍進した佐藤励のほかにも川口勢がグレード戦線で例年以上のインパクトを放っている。
今月7日の伊勢崎デイレースG2『レジェンドカップ』は、高橋義弘が優勝。今年3月の川口デイレースG1『開設記念グランプリレース』に続く今年2度目のグレードVとなった。その前にタイトルを取ったのが6年前だから、今年の好調持続ぶりがうかがえる。昨年までの10年間は全国ランキングA級に位置することが多かったが、前期と今期は(そして次期も)ふたたびS級に定着しそうなムードが出ている。
佐藤励は今年SGを2度制したばかりでなく、今節を迎えるまでに23度も優出して8度の優勝。1級車へ乗り換わって以降2年あまり、浜松ではG1に2度、G2に1度優出している。
浜野淳は今年5月、なんと約9年ぶりに浜松で優出した。それも一般開催ではなくG1『ゴールデンレース』であり、浜松グレード開催に優出したのは約10年半ぶりであった。
全レース場を通じてもグレード優出回数は2022年と2023年はゼロだったのが、2024年はG2レース4度、今年2025年はG1レース2度と、近年は再上昇の気配が見えていて、更に直近は山陽ミッドナイトとデイレースの2節に連続で優出し、目下の勢いも右肩上がりだ。
青山周平は8月の飯塚ナイターG1優勝までは勢いをキープしていたが、9月上旬の伊勢崎ナイターG1準決勝戦で反則妨害の判定を受けたあたりから流れが若干下がっている感がなくもない。9月下旬『G1プレミアムカップ』、11月『SG日本選手権』と『G2オートレースメモリアル』の全てに優出はしながら優勝はできなかった。それでも、同期間に出走した一般開催は4節とも優勝、うち3節は4日制4連勝の完全Vを決めており、エンジン状態は決して悪くない。
浜松では2024年11月から2025年3月までSGレースを含むグレード3節16戦に16勝して3節とも完全V。今大会と気候の似通った冬季に抜群の実績を挙げている。ここで最高の成果を出して、10日後の川口『SSトライアル』へ良い道筋を付けたい。
今年の有吉辰也は伊勢崎G1『シルクカップ』優出に始まり、続く川口デイレース一般開催と飯塚ミッドナイトの2節を連続で完全V。夏場は落車事故からのブランクがあったが、秋はSG日本選手権の初日から準決勝戦まで5連勝して準優勝。ここ数年と比較しても2025年は高い戦歴を残してきた。
近3年の浜松では気候を問わずどの季節でも活躍。秋冬シーズンに限っても2023年秋のSG日本選手権と今年2月のSG『全日本選抜』に優出している。2010年のプレミアムカップを除いた浜松独自のG1タイトルはまだ獲得したことがなく、充実の今季に新たな勲章を手に入れるか。
上記の面々と比べたら実績・格付けは見劣るが、浜松新走路にマッチすれば活躍する可能性があると思われる1車を紹介したい。
藤川竜は今期に適用中の全国ランキングが初めてA級シングルまで上がってきた。今年3月にはデビュー7年目で初優勝。グレード開催、昨年は10節に出場してトータル3勝だったのが、今年は7節に出場して8勝を挙げた。明らかに成長している。
今年の秋ごろから顕著な傾向はスタートの切れ味の増加。その鋭さは11月後半から一段と増して、現時点での過去10走は1着3度・2着5度と優秀な着取りを示している。前節の飯塚ミッドナイトでは最重ハンへハンデ重化したにもかかわらず、5戦中4戦で3着以内に入った。
過去3年間の浜松では38走して、うち19走で3着以内に入っている。遠征若手の中では(実績は旧走路ではあるが)浜松との相性がいい1車といえそうだ。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
栗原 佳祐〔浜松 S-12(36期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-16(32期)〕
吉林 直都〔浜松 S-29(36期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
佐藤 励〔川口 S-6(35期)〕
高橋 義弘〔川口 S-37(29期)〕
浜野 淳〔山陽 S-40(24期)〕
藤川 竜〔飯塚 A-9(34期)〕
文/鈴木