
スタートもスピードも違い見せた黒川京介
5日間のロングラン開催最終日。ただひとり勝ちっぱなしの黒川京介が40m大外、SGグランドスラマー永井大介が佐藤摩弥の内枠という番組。試走は26で黒川と永井が並び、佐藤摩も27と存在感アピール。3連単は7-5-6が一番人気で690円、続いて7-6-5が930円。2連単は7-5が340円、7-6が540円と外枠3車に人気は集中した。
初優勝がかかる菅原すずのは準決で上がりタイム40秒と自己新を叩き出したが、優勝戦は試走から精彩を欠いて厳しい戦いに。準決3連単6万円台の大穴を提供した青山文敏の動向にも注目したいところだ。
スタートは40m大外から黒川がチェンジ入れて伸びて行き佐藤摩弥も付いて行く。永井は凹んでしまい6番手からのレースに。逃げる菅原を黒川が捕えるところで佐藤摩も離れず、あわよくばを狙うが入れなかった。徐々に差が付き始め背後に永井の姿が。黒川は安全圏へ入りコースを守る。青旗前で永井がブレてしまい山田達也も滑ってしまう(永井は走法注意)。結局、7黒川、6佐藤摩、5永井の順にゴール。
今年1月に優勝した時は3.304という強烈なタイム出した黒川。でも、今回も3.312と異次元の時計で今年V2は完全優勝。通算18度目の優勝となった。
川口No.1そして、全国3位の黒川京介は日々進化を続けている。今度は2月25日~の開催に参戦予定。
9R...32期の速攻派2車が躍動
今節のスタート良い松本康と、常に高い先行力を発揮できている鈴木宏が発走直後に好位置を取りそうだ。勝負強さある岩崎亮一の枠が魅力的で警戒が必要。丹村飛竜と若井友和も序盤の位置取り次第では上位争いに加われそう。
◎ 5 松本康
○ 8 鈴木宏和
△ 3 岩崎亮一
▲ 6 丹村飛竜
穴 7 若井友和
おすすめの買い目
5=8-367
穴なら 25期2名の過去の実績は32期よりも優勢
7=3-865
10R...金子大輔が26期を捌く
S1鈴木圭一郎、S2青山周平と共に今シリーズ全勝で準決勝戦まできた金子大輔。松尾啓史はスタート遅れそうで、金子大が篠原睦の飛び出しに乗って出られそう。今節は枠ナリにスタート出られている岩科鮮太と、3日目に本走タイムを上げてきた佐藤裕二が内~中枠から展開を作るか。
◎ 8 金子大輔
○ 6 篠原睦
△ 2 岩科鮮太
▲ 4 佐藤裕二
穴 3 丸山智史
おすすめの買い目
8-6=243
穴なら 丸山智史はSG全日選でフライング切ったが、この枠は有利で地元の意地を見せたい
3=8-624
11R...V候補の鈴木圭一郎と佐藤励が激突
決勝戦で見たかった対決を1日早く行なうことになった外枠2名の一騎打ちか。
3~6号車いずれもスタート力に課題を抱えており、彼らより底力はやや劣っても先行力は優っている内枠2名の好走ありそう。
◎ 8 鈴木圭一郎
○ 7 佐藤励
△ 2 永島潤太郎
▲ 1 前田淳
穴 4 佐々木啓
おすすめの買い目
8=7-214
穴なら 昨年の暮れごろから決め手の鋭さを増している佐々木啓が仕掛けるか
8=4-721
12R...スタート一発を秘めるのは松尾彩
10メートルオープン戦に近い形であり、青山周平はスタート一気に加速して素早く先頭まで到達しよう。佐藤貴也もスタート張り込みそうだが、0メートルオープン戦で実施された前節からダッシュ冴えている松尾彩が10線の最内枠から主導権を握るか。
◎ 8 青山周平
○ 2 松尾彩
△ 7 佐藤貴也
▲ 3 浜野淳
穴 4 角南一如
おすすめの買い目
8-2=734
穴なら 2日目の追い上げ鋭かった角南一如が遅れずに出ると上位争いに参戦できる
4=8-273
文/鈴木
黒川京介が完全優勝を決めそうだ!
5日間にわたるロングシリーズもいよいよ優勝戦の日を迎えた。ここまでオール1着できている黒川は連日、圧巻の走りを見せている。優勝戦は40線に5車並んだ大外だが、内枠勢を何車か置いて出るスタートを決めそう。そこからは持ち味であるスピードを生かしながら前団を攻略していく。
永井は準決で勝ち切れなかったがエンジン自体はまずまず。40線からトップスタートも考えられるので、そうなった場合は黒川に先手の攻めで先に先頭に踊り出るケースも十分ある。独走展開に持ち込めば後続を振り切って優勝も可能。佐藤摩もスタート力には定評があるので、1周目のバックストレッチで好位置を奪ってくるかも。準決では力強い走りを見せていた。タイムが出ている山田達はとにかくスタートを頑張りたい。枠ナリ発進を死守できれば、快速を発揮できる。青山文が後続を苦しめたり、40線勢が競り合う展開になると0ハン単騎の菅原の逃げ切りもあるか。
◎ 7 黒川京介
○ 5 永井大介
△ 6 佐藤摩弥
△ 4 山田達也
▲ 1 菅原すずの
おすすめの買い目
7-1456ー1456
穴なら 菅原の逃げ粘り
1-4567
SG優勝後の青山周平がスピードキングも奪取か
今月6日~11日の浜松デイレースSG『全日本選抜』で黒川京介との全勝対決を制して大会V2を果たした青山周平が、その勢いを持ち込んで今節も快進撃するか。
山陽G1『スピード王決定戦』は2021年の第56回大会に優勝。直近では昨年9月に特別G1『プレミアムカップ』を5連勝の完全V、11月にはG2『オートレースメモリアル』も優勝と、山陽デイレースでも大活躍しており、不安要素がいっさい見当たらない。
鈴木圭一郎は本大会の第52回と53回を連覇しているが、SS王座決定戦を制して年を越した2025年は、ここまでのところ青山周とは対照的に勢いに乗りきれていない。SG全日本選抜は予選中にフライングで失権。その前に出走した今年4節も優勝できず。昨年のプレミアムカップ(秋)とオートレースメモリアルはともに決勝戦で青山周に完敗している。ただ、昨年3月の特別G1プレミアムカップ(春)と4月のデイレースG1『令和グランドチャンピオンカップ』はそれぞれ青山周を2着にくだして優勝。7月のデイレースG2『小林啓二杯』決勝戦は黒川京介らに大差をつけて圧勝している。あとは、ちょっとした歯車の噛み合わせさえフィットすれば、地元開催のSG全日本選抜を奪われた青山周に対して今回逆襲する可能性は十分ある。
金子大輔は1月に浜松デイレースG2『ウィナーズカップ』を初制覇。全日本選抜も優出3着と、近1年は上記2強に次ぐレベルの成績を安定して残している。山陽デイレースでも昨年は春秋のプレミアムカップに優出。レース場・昼夜・晴雨と条件を問わない総合力の高さから、今回も有力なV候補に位置づけたい。
鈴木宏和は昨秋のプレミアムカップ決勝戦で、6着の金子大輔を上回る4着ゴール。翌月の若獅子杯争奪戦では佐藤励に競り負けたが準優勝。黒川京介や佐藤摩弥には先着した。そして今年はウィナーズカップ、全日本選抜ともに準優勝。結果だけ見るとシルバーコレクターになっているが、全日本選抜決勝戦における青山周との伸び比較は決して劣っていなかった。青山周のブロックを執拗に攻め立てるレース内容は、鈴木圭や近年の黒川京介が何度も見せている。鈴木宏もこの両者に並ぶレベルまで実力が近づいていると判断できる。
おととし12月に開催された前回スピード王の覇者である佐藤励は、昨年10月の若獅子杯争奪戦を2022年に続く2度目の制覇。今年はウィナーズカップ優出3着のあと、全日本選抜の準決勝戦は8周戦の残り100メートルまで2番手=優出圏内に粘る力走を見せた。今後に持ち越しとなったがSGを狙える器であることはもはや疑う余地がなく、今回でトータル4度目のグレード獲得を決めて、来たる春へのステップアップにもつなげたい。
平田雅崇は全日選は6戦1勝のみながら初日~4日目までオール2着と好乗。5日目の準決勝戦はスタートで前輪を浮かせてしまい8番手発進になったが、最終日6日目は準決勝戦と同じ4枠から再び前輪が浮きながらも先手を取りきると、浦田信輔や岩崎亮一に大差をつけて独走勝利。2022年の令和グランドチャンピオンカップ以来となるグレード優勝が近々あるのでは、と思わせる好機力と勢いを掴んでいる。
長田稚也は今年緒戦となった1月の山陽ナイター一般開催に優出3着。年末の川口SSトライアル絶不調から立ち直った。全日本選抜は前半2日間は2連対できなかったが、3日目は金子大輔に次ぐ2着に健闘すると、4日目の最終予選は青山周にチギられたものの道中で岩崎亮一を捌き、ゴール寸前の直線で永井大介に伸び勝って2着。そして5日目の準決勝戦では金子大輔と佐藤励の逃げ態勢に3番手追走から、ゴール前の直線勝負で今度は佐藤励に伸び勝って2着に入り優出キップを手にした。
近3年の山陽では夜開催の方に良績が偏っているが(この期間の優出4度はナイターとミッドナイトが2節ずつ)、デイレースの若獅子杯争奪戦やプレミアムカップにも出場するたびに好走しているので、現状の勢いも加味して注目したい1車だ。
浜野淳が今年4月~9月に適用される『2025年前期ランキング』の山陽1位に輝いた。2024年前期はA-43、いま現在適用されている後期はA-13とランクを上げていたが、次期は3期ぶりにS級へ復帰するだけでなく、いきなり山陽トップに立つSー19までジャンプアップを果たす。改めて成績をひもとくと、昨年5月ごろから上位入着が増加し始め、1~6月の優出は3度だったのに対して、2025年前期ランク審査期間だった7~12月の優出は6度に倍増。2016年の前期以来18期ぶりに襲名する山陽エース。その名にふさわしい活躍を今年最初に臨むグレード開催から早くも見せ始めるか。
全日本選抜の丹村飛竜は初日から3連勝、通算7連勝を挙げて、SG初制覇へ近づけそうな雰囲気を放った。初日いきなり本走3.360秒をマークすると、5日目の準決勝戦(8周戦)は4着だったが上位3車とは接戦で、本走タイムは6日間で最高の3.359秒。1月の山陽ナイター優勝タイムは3.340秒。浜松SGから走り慣れた地元・山陽へと舞台を替える今回は、地の利も生かしての活躍を見込める。
第57回大会を含めて2度の大会V歴を誇る松尾啓史も、全日本選抜の準決勝戦で本走3.356秒を計時。暮れのSSトライアル4日目(8周戦)は3.334秒で2着に好走している。
佐々木啓は年末の山陽ミッドナイトで約4年2か月ぶりに優勝。年明けの浜松デイレース一般開催2節にも連続で優出し、捌きの決め手が以前より上向いた状態でずっと推移している。
丸山智史、緒方浩一、松尾彩は全日本選抜で高いスピードを示したし、別路線組の人見剛志、永島潤太郎、山本翔も気配が良い。今回の地元勢は、近年の山陽グレード開催と比較しても戦力の層が厚いと評価できる。
近10年のうち8度を外来勢に持ち去られている山陽スピードキングの称号。今年は地元勢が流出を阻止するか。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-13(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-30(29期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-48(23期)〕
浜野 淳〔山陽 A-13(24期)〕
丸山 智史〔山陽 A-22(31期)〕
松尾 彩〔山陽 A-56(34期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
金子 大輔〔浜松 S-3(29期)〕
佐藤 励〔川口 S-12(35期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-15(32期)〕
平田 雅崇〔川口 S-23(29期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-32(34期)〕
文/鈴木
栗原佳祐と牧野竜人の同期ワンツーフィニッシュ
1番人気に推された栗原佳祐が30線の最インコースからスタート先行。伸び鋭い深谷俊太を攻めあぐねるシーンもあったが周回ごとにおおむね順調に番手を上げると、最終回6周目1コーナーで牧野竜人の逃げを捕えて首位に。1月1日~4日と1月30日~2月2日の開催に続く、今年3度目の4日制シリーズ完全V。通算では6度目の優勝となった。
対抗人気だった荒尾聡は1周目から三浦康平に頭を抑えられてスピードに乗れず、イン攻めを狙った5周回3コーナーでも三浦の抵抗を受けて、けっきょく最後まで三浦の前へ出られなかった。有吉辰也は30線4名の中ではタイムが劣る試走33秒。レースでも底力を発揮できず後方のまま終わった。
文/鈴木