
川口ワンツー決着まで考慮したい
黒川京介のタイムが再び究極のレベルに近づいてきた。優出した2月デイレース『SG全日本選抜』で3.318秒と3.310秒、その次節、優勝した川口ナイトレースで3.312秒。そして今節4日目準決勝戦のタイムは3.318秒。ライバルたちも時計を上げてきたが、それでも黒川とはスピードに差がある。加えて黒川は短ハンデ戦のスタート力が非常に高く、内外どこの枠からでも飛び出せるタイプなので、この決勝戦でも信頼度が高い。
篠原睦はレース場や昼夜を問わずここ何節も攻撃の決め手が増加中。岩見貴史と小林瑞季は今節中に段々とパワーアップしてきた。一方、高宗良次と松尾啓史は節間の上積みが他者に比べると少なかった感。山本将之が32期や岩見を張って先行からペースを上げると見せ場を作れそうだ。
◎ 7 黒川京介
○ 3 小林瑞季
△ 1 山本将之
▲ 6 篠原睦
× 4 岩見貴史
おすすめの買い目
7-3=164
穴なら
4=6-731
文/鈴木
鈴木圭一郎が今年初優勝へ
昨日30日の準決勝戦で連勝は途切れたが、前節プレミアムカップ準優勝のエンジンを振り返って「今年一番の状態」と今節前検日に語っていた鈴木圭一郎の仕上がりは依然として高い。2025年度の上期は全国ナンバー1勝負服をいったん脱ぐことになるが、次期以降の奪還をめざすべく、まずは2024年度ラストの地元開催で今年の初優勝を飾りたい。
金子大輔はプレミアムカップ決勝戦は4着だったが、今節2日目は別レースの鈴木圭一郎よりも速いタイムで走って圧勝。2日目のレース後に「スタートあまり良い感じしない」と語った鈴木圭より先手先手で攻め上がれればゴールも先着する可能性は十分ある。準決勝戦で10メートル前の3名をスタート叩いた栗原佳祐も速攻が決まれば、2日連続で鈴木圭を破るケースあり。
初日に柴田健治を道中捌いて勝利した笠木美孝が、この決勝戦は柴田健をスタート叩いて出ることも望める位置に置かれたので速攻に注目したい。
◎ 8 鈴木圭一郎
○ 7 金子大輔
△ 4 栗原佳祐
▲ 6 佐藤摩弥
穴 3 笠木美孝
おすすめの買い目
8=7-463
穴なら
3=8-746
文/鈴木
6R...昨年3月(山陽で実施)大会覇者の新井恵匠を指名
角翔太郎と山本将之はいずれも自分のリズムで逃げられればペース上げられるエンジン状態。だが本大会の歴代覇者に名を連ねる新井恵匠やグレードレース8Vの佐々木啓が射程へ追いつけば捌き決める。
◎ 5 新井恵匠
○ 6 佐々木啓
△ 2 山本将之
▲ 1 角翔太郎
穴 7 中山光
おすすめの買い目
5=6-217
穴なら 車群がひとかたまりになる展開だと中山光の捲りが決まるシーンあり
7=6-521
7R...32期3名による速攻の競演
32期の速攻派3名が揃った一戦。とはいえ3日目のレース後に高宗良次は「山陽にまだ合っていない」、松本康は「消音に合わせきれていない」と語っており、得意な方ではない雨走路で2日目に好走した鈴木宏和が武器であるダッシュ力を披露して先行態勢。前田淳と浜野淳はレース後半のペースに課題が残り、3日目に気配よくなった岩見貴史が追い上げてくるか。
◎ 7 鈴木宏和
○ 5 松本康
△ 6 岩見貴史
▲ 3 高宗良次
穴 4 浜野淳
おすすめの買い目
7-5=634
穴なら 地元3名の中で最も仕上がり良い浜野淳
4ー6=735
8R...篠原睦と中村杏亮の一騎打ちムード
中村杏亮が今節の出足上々で5枠からでも飛び出し十分。篠原睦はいつでも安定したスタート力を誇る。越智尚寿は7走前にフライングしているが、その後もスタートの切れ味は悪くなく、ここは2枠から先制するか。
◎ 5 中村杏亮
○ 7 篠原睦
△ 4 角南一如
▲ 2 越智尚寿
穴 6 小林瑞季
おすすめの買い目
5=7-426
穴なら 良走路3日目の伸びは物足りなかった小林瑞季だが、この7名での先行力は篠原睦と双璧だ
6=7-542
9R...黒川京介がスタートで圧倒する
チェンジを入れてからの伸びは前節プレミアムカップほどではないものの、この顔ぶれなら黒川京介がスタート加速して一気に好位置を奪える。チェンジ後の行きアシなら3日目の永島潤太郎が抜群だった。丸山智史は相手関係が強化されると勝ちきれるかどうか。松尾啓史の方が決め手は上位。
◎ 7 黒川京介
○ 6 松尾啓史
△ 3 永島潤太郎
▲ 4 丸山智史
穴 2 山本翔
おすすめの買い目
7-6=342
穴なら 黒川のカマシが決まらず道中の車群がもつれる形になると山本翔や田中茂が果敢に割って入る
2=5-674
文/鈴木
高橋貢が2024年度ラストの伊勢崎を締めくくった
車券のオッズは2連単・3連単ともに、試走31秒の石川哲也が34秒の高橋貢をわずかに上回って1番人気。しかしレースが発走するやいなや高橋貢が20線の大外枠から鋭く飛び出して先制。1周で10線の2車、2周目が終わる頃には0ハン3車も抜き去る鮮やかな速攻劇。そのまま2着以下に大きなリードを作って圧勝のゴール。昨年8月以来、通算219度目の優勝を飾った。
高橋貢を除く20線の2名は、レース中盤までは大木光が先に仕掛けていく展開になったが、石川哲也はアウト戦で攻め上がると5周回3コーナーで吉田恵輔を交わして2番手へ。圧倒的な実績を誇る王者と、今節初日の1番時計を出したスピード豊かな若手で順当に決着した。
文/鈴木
G2ミッドナイトチャンピオンカップの展望
飯塚で実施された前回大会は佐藤摩弥が優勝。夏場の7月だったこともあり、決勝戦が実施された時の気温は23時台なのに28℃、走路温度は30℃で、勝ち時計は3.406秒だった。8周戦として決して速くない。
前々回は今回と同じ山陽でおこなわれた。その開催時期は2月末~3月上旬で、気温は連日ひとケタ~時に氷点下という5日間、松尾啓史は良走路3戦3勝で優出した。節間の最高タイムは本走3.331秒。ひとくちにミッドナイトといっても夏と冬では様相が異なる。雨走路の2日目と決勝戦は着外に沈んだが、比較的に似た気象条件になりそうな今回も活躍を期待できる。
今節の参加選手中、松尾啓は山陽勢のランキングトップ、すなわち地元エースとして臨む。今月上旬の山陽・消音ナイターでは試走24秒をマークしており、今回の舞台にもエンジンを合わせてハイスピードの捌きを見せてくれそうだ。
その、雨走路となった前々回の決勝戦を制したのは新井恵匠。山陽の夜開催への参戦はそのとき以来1年ぶりになるが、先月の後半は地元伊勢崎の夜開催で上位着順を多く獲得している。
そして、スタートの切れ味が上昇傾向にあることをセールスポイントに挙げたい。前節の浜松デイレースG1『プレミアムカップ』1~4日目は、10メートルオープン戦の5枠や7枠から3番手に出るスタートを何度も披露し、最終日5日目は0メートルオープン戦の大外8枠からトップスタートを決めている。
前々回大会の準決勝戦、新井恵匠を破って1着ゴールした丹村飛竜は、2022年3月に山陽で開催された本大会の覇者でもある。
先週のプレミアムカップは準決勝戦で展開の不利があり着順が大きくなってしまったが、その他の4日間は1着と2着が2度ずつ。2月の浜松SG『全日本選抜』から現在4節連続でグレードレースに出場し、21走して着外わずか4度と高いエンジン状態を維持している。
浜野淳も前々回大会に優出して3着。その後、昨年の半ば以降はグレード開催の決勝戦へ進む機会が増加傾向にある。さらに昨年12月には山陽ミッドナイト4日制に5走して(1日2回乗りを含む)全勝優勝。今年2月には山陽ナイターで準優勝したあと山陽デイレースG1『スピード王決定戦』にも優出して、機力も雰囲気も上昇カーブにある。
飯塚での開催だったが2022年6月の本大会のウイナーは篠原睦。昨年11月、おおみそか、今年1月に飯塚ミッドナイト優勝。そして今節の条件により近い今月上旬の山陽ナイターでも優勝を飾った。晴れでも雨でも強風下でも関係なく安定して動けていることが大いに強みとなりそう。
ランキング中堅以下の若手に目を向けると...
高宗良次と山本翔が昨年の後半あたりから攻撃力、特に内から捌く腕を上げている。加えて両者ともスタート力と、雨走路を乗りこなす技術の高さを備えている。
山本翔と同じ34期の松尾彩は、昨秋以降に出場した山陽ミッドナイトの成績はふるわなかったが、今年のデイレースではSG全日本選抜、スピード王決定戦、川口G1『開設記念グランプリレース』の全シリーズで2勝を挙げていて、グレード開催でハンデを後ろに下げられて最重ハンで戦うことになったケースでも活躍できるだけの地力を身に着けている。
小椋華恋は山陽ミッドナイトは昨年5月以来と久しぶりになるが、山陽デイレースは昨秋のG2『若獅子杯争奪戦』や先月のスピード王決定戦で好走。そして地元の川口では冬場の夜(消音マフラー)に高い実績を持っている。
直近の勢いが目に付く1車は花田一輝。先月のSG全日本選抜には補充選手として開催の途中から参加して3戦1勝。先週のプレミアムカップは正選手として初日から出場して、準決勝戦へは進めなかったが3日目と4日目に2連勝。最終日5日目は高宗良次に抜かれたものの2着と健闘した。全日本選抜でもプレミアムカップでも、普段よりも重いハンデ位置である最重ハンで走ってこの成績を残せたことが評価できる点だ。スピードを増したことに加えて、新井恵匠と同様にスタートの安定感が出たことも成績上昇につながっている。
歴代覇者や若き伏兵を列挙してきたが、今シリーズの玉座に最も近い存在は黒川京介とみる。
先月は川口ナイトレースVを含めて自身初の10連勝。そして先週のプレミアムカップは初日~準決勝戦まで4連勝して優出。決勝戦は青山周平の鉄壁ブロックに屈したが、節間には青山周より速い本走タイムが出ていたし、なんといっても爆発的なスタートの切れ味を示していた。
先月には昼開催でも夜開催でも本走タイム3.31秒台を記録。高速展開になることが想定される早春のミッドナイトは、スピード・出足ともに充実している今の黒川にふさわしいステージといえよう。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-13(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-30(29期)〕
浜野 淳〔山陽 A-13(24期)〕
松尾 彩〔山陽 A-56(34期)〕
山本 翔〔山陽 A-76(34期)〕
黒川 京介〔川口 S-10(33期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-16(26期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-37(30期)〕
高宗 良次〔飯塚 A-40(32期)〕
花田 一輝〔浜松 A-59(33期)〕
小椋 華恋〔川口 A-74(35期)〕
文/鈴木