
福岡鷹が2連続Vへ
週中の予報が日替わりで変化したが、最終日当日になっての予報はどうやら決勝戦は良走路で迎えられそう。福岡鷹は晴雨いずれでも力量を発揮できるが、30線に名うての雨巧者が並んでいる今回は、むしろ良走路の方がチャンスは大きいかも知れない。
今月16日の前回ミッドナイト決勝戦は一面が濡れた走路で実施されて、福岡は同ハン内枠の1級車藤川幸宏に伸び勝つと、10メートル前の田中崇太を一発で捲って独走態勢に入った。同ハン不在の今度は、福岡はやはりスンナリ抜け出してハイスピードで逃走しよう。
30線は丹村飛竜が先制するとみた。準決勝戦で長田恭徳の外枠から先手を奪った別府敬剛も離れず追走するか。角南一如は準決勝戦では藤岡一樹に先行されたが、決勝戦は更にスタート張り込んで出るケースも想定しておきたい。
◎ 2 福岡鷹
○ 4 丹村飛竜
△ 3 角南一如
▲ 6 藤岡一樹
穴 5 別府敬剛
おすすめの買い目
2ー4=365
穴なら
5=4-236
文/鈴木
伊藤正真が圧巻の走りを披露した!
20線から飛び出したのは伊藤正真だった。0ハン両者はペースを上げる前に伊藤正真に交わされてしまう。その後は伊藤正真の一人旅。グングンとペースを上げ、後続を引きちぎってみせた。2着には0ハン先行の木村享を交わした高林が入線し、木村享も3番手で粘った。20線から2番手発進した岩田行は車が進まず、高橋貢や荒尾も道中の進み方はイマイチだった。
伊藤正真は約一年半ぶりとなる自身8度目の優勝を決めた。エンジンは準決でも良さそうだったが、優勝戦ではスタートで外枠勢に包まれる恐れがあった。しかし実際にはトップスタート。試走一番時計の機力の後押しがあってか、見事に要所で決めることができた。この後は一般開催を2節こなしてから地元のG2稲妻賞が待っている。まだ記念タイトルとは縁がないが、今の状態を保つことができればチャンスは十分あるだろう。
G2川口記念の展望
『G2川口記念』は2016年にナイター開催へ移行してから今年で10回目を迎える。
その初代ナイター覇者である佐藤摩弥は、先月の川口ナイター『SGオールスター』は白星こそなかったものの5日目は準決勝戦へ進出し、0mオープン戦の6枠からトップスタートを切って逃げ、高橋貢と中村雅人の追撃に屈したが3着に粘った。
昨年の川口記念は優出し、黒川京介と激しく競り合っている最中、松尾啓史に間隙を突かれて捌かれたが、黒川には先着しての3着。6年前の大会ウイナー鈴木清と同様、過去に何度も優出していて相性の良い大会のひとつといえる。
ナイターで実施された過去9回のうち7回に優出、Vこそないものの準優勝3度と3着2度の実績がある中村雅人も、本大会との相性はきわめて高い。今季の推移は、2月に落車してから2か月あまりの休養を経て4月に戦列復帰。川口デイレース一般開催にいきなり優出すると、続くSGオールスターにも優出。底力の高さを改めて示してみせた。
昨年の覇者は小椋華恋。初めてのグレード優出で初優勝するという快挙だった。その前月には飯塚ナイター『SGオールスター』でも活躍した。
今年は3月の山陽『G2ミッドナイトチャンピオンカップ』と4月のオールスターで好走。2月の川口ナイトレース準優勝も含めて今季は夜開催にエンジン合うシーンが目立っている。
佐藤励は昨年大会の決勝戦で人気に推されるも5着に敗れたが、その後は秋から冬にかけて山陽デイレース『G2若獅子杯争奪戦』と川口デイレース『SSシリーズ優勝戦』の優勝や、自身初の10連勝達成を経て、今年4月のオールスターで完全V。SGタイトルホルダーの仲間入りを果たした。6日制開催でのSG初優出&初制覇は、史上初の壮挙だった。間近い時期での川口ナイター実績は最上級の評価を与えたい存在だ。
同様に黒川京介も、昨秋の川口デイレース『日本選手権』で初めてSGを戴冠。この1年間の消音マフラー・夜開催の戦績は、昨年7月に川口ナイター『G1キューポラ杯』、今年2月の川口一般開催と3月の山陽G2ミッドナイトチャンピオンカップに優勝。先月のSGオールスターにも優出しており、近況のエンジン状態および消音適性は全く問題ない。
上和田拓海が今月上旬の伊勢崎アフター5ナイターにおいて約半年ぶりに優勝した。現状の実績では、1期先輩の黒川と1期後輩の佐藤励にリードを許しているが、デビュー初期の成績やレース内容の比較からは、彼ら2名に比肩するポテンシャルの持ち主であるはず。おととしからはグレード開催へ優出する機会が増加傾向にあり、もうすぐデビュー7周年を迎える今も着実に成長している。
SGオールスターから1か月を空けての実戦となる松尾啓史。その川口ナイターでは6走すべて4着以内に入り、準決勝戦は外枠の青山周と佐藤貴也にスタート伸びられたが自身も3番手スタートから佐藤裕二や小林瑞季に競り勝って3着。グレードレースをこれほど上位の着順でまとめた開催は久しぶりであり、現状の機力の高さがうかがえる。佐藤摩の項で触れたように昨年のG2川口記念を準優勝しており、気候が近い条件になるであろう今年の本大会も活躍を期待できる。
岩見貴史は3月下旬に優出したG2ミッドナイトチャンピオンカップを境に成績が上向き始めた。SGオールスターでは中間着順が多かったが、翌週の伊勢崎ナイターに優勝。昨年のG1キューポラ杯決勝戦は10mオープンの内寄り枠から逃げ態勢に入ると、レース前半は黒川京介、中盤~終盤には鈴木圭一郎を苦しめて3着に粘った。松尾啓と同様、川口ナイターへの適性がありそうだ。
深谷俊太はおととしのG2川口記念で、自身通算2度目のグレードレース優出。昨年はG1キューポラ杯の5日間で2勝。実績面では銘柄級レーサーより見劣るが、鈴木宏和の薫陶を受けたスタート力の鋭さは非凡であり、スピード能力の高さとあわせていずれは最重ハンに定着できる素質の持ち主だ。
4月は中旬に浜松デイレース一般開催の後半を2連勝で締めたあと、下旬のSGオールスター初日~2日目に連続2着と好走した。今回も19日に終了した浜松デイレース一般開催3・4日目に連勝してからの参戦で、先月と同様の良い流れを作るか。
伊藤信夫は昨年のG2川口記念は準決勝戦8着に沈んだものの5日間に3勝。今年のSGオールスターでは初日~3日目にオール2連対し、今月の浜松デイレース『G1ゴールデンレース』は準決勝戦には進めなかったが5戦3勝。そして今節の直前には浜松デイレース一般開催に優勝と、節ごとに勢いを増しながら今大会へ乗り込める。
青山周平はG2川口記念に過去3度のV歴があり、今年4月のSGオールスターは準優勝。こちらは雨走路での安定感が今年ここまでは例年に比べれば低いことと、4月に入ってから勝ちきれず2~3着の増えていることが気がかりながら、鈴木圭一郎と高橋貢が不在の今シリーズは実績面が断トツの存在であり、近年の台頭いちじるしい川口の若手に地の利があろうとも、自身が主役を務めるか。
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主な出場予定選手
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黒川 京介〔川口 S-3(33期)〕
中村 雅人〔川口 S-4(28期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-9(31期)〕
佐藤 励〔川口 S-11(35期)〕
上和田 拓海〔川口 S-30(34期)〕
小椋 華恋〔川口 A-169(35期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-26(26期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-27(24期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-25(29期)〕
深谷 俊太〔浜松 A-99(34期)〕
文/鈴木
0ハン両名が好調で波乱含み
SGタイトルホルダー3名を含む精鋭が20線に並んだが、0ハン両者が今節に示しているスピードも相当なもの。特に木村享平は準決勝戦のタイムが高林亮よりも優秀で、スタート先行すれば道中で徐々に引き離して単騎でハイペースの逃げに入るか。
20線は岩田行雄と荒尾聡が飛び出しそう。高橋貢も今節の仕掛けが早いので両者に追随できるが、準決勝戦で伊藤正真に逆転の差しを許した点は気がかりな要素。早川清太郎はスタート直後は中団~後方に置かれるケースもあるが、周回ごとにキッチリ追い上げてくる。
◎ 1 木村享平
○ 6 早川清太郎
△ 8 荒尾聡
▲ 7 高橋貢
穴 4 伊藤正真
おすすめの買い目
1-6=874
穴なら
4=6-871
文/鈴木
伊藤信夫が好展開に持ち込みV!
20線のスタート争いは最内の新井日が出たかに見えたが、1コーナーで伊藤信が外から被せていった。0ハン単騎の満村はペースを上げたかったが、伊藤信が1周を回る頃に交わして先頭に立つ。そこからは伊藤信が逃げに入った。金子大は序盤の仕掛けが早く、伊藤信と一対一の態勢を作ったが、最後まで伊藤信を交わすことができず準優勝だった。実力者・鈴木圭はレース中盤まで最後方。木村武を交わすのに手間取ってしまった。
伊藤信は今年5度目の優出にして今年の初優勝を決めた。今回の優勝戦は20線に強力なメンバーが並んだが、スタート後に好展開を作れたのが優勝できた最大の要因。先頭に立ってからもコースを守りつつ、ペースを上げて走ることができた。これで通算95V。100Vの大台まであと5つ。浜松は若手の成長が著しいが、今回のようにエンジンをしっかり仕上げ、レース運びもうまくいけば決して不可能な数字ではない。