吉林直都が快速を見せつけ1級車で初V!
10線のスタート争いは鈴木辰が出だしは良かったが、チェンジを入れてからは吉林が伸びた。そのまま2周1コーナーで木部を捲ると、後続を引き離しにかかった。後ろでは栗原佳が石貝を交わし、吉林を追う態勢を整えたが、差を詰める前に鈴木圭にやられてしまう。鈴木圭は2番手に立てたものの、前を走る吉林との差は大きく2着が一杯だった。
吉林はハンデチャンスをしっかりとモノにした。上がりタイムも3・370をマークし、同期の栗原佳よりも数字が良かった。前節では栗原佳が完全優勝したが、今回は吉林。これからハンデは重くなっていくが、そうなったとしても十分通用しそうなセンスは感じられた。現在、浜松で不動のエースは鈴木圭だが、吉林や栗原佳が頭角を現してきているのでエースの座を脅かす存在になりそう。
シルクカップ5連覇めざす青山周平
大会初制覇した第44回から昨年の第47回まで『G1開場記念シルクカップ』を4連覇している青山周平。
スーパーハンデで戦った前回大会は初日1着のあと準決勝戦までの3走は勝てなかったが、決勝戦は10メートル前(通常の最重ハンデ)の永井大介と松尾啓史を叩いて出るスタートから、三浦康平→早川清太郎の逃げ態勢を5~6周回で切り崩し、ゴールでは後続に大差を付けて圧勝した。
第44回と46回は5戦5勝の完全V。第45回を制した2022年は年初のシルクカップ優勝を皮切りに6月まで伊勢崎6節連続Vと、大会との相性自体も良いし、2020年代は年頭にこの開催を好走してその1年の活躍につながっているケースが続いている。
高橋貢はシルクカップ通算7Vの実績を誇る。11月以降は2着・3着が多くなっている印象だが、大崩れが少ないのはエンジン状態が安定しているからこそ。
早川清太郎は2023年に続いて昨年も自身の年間ラストレースで優勝を飾った。2025年は2月下旬までSGを含むグレード開催に4連投する予定となっており、3度目のシルクカップ制覇を果たして今後への勢いを付けたいところだ。ちなみにこの大会は過去10年間に、第38回と44回を除く8度も優出している。
三浦康平は今年正月の川口を身体不良で早退したが、伊勢崎デイレースは先月『G2レジェンドカップ』決勝戦を池田政和と激闘のすえ準優勝。年末のSSフェスタは5走して2着1回、3着2回と好乗。前回シルクカップ決勝戦は先述したように逃げ粘って準優勝。第44回と45回大会も優出3着に健闘している。
黒川京介は昨年大みそかの『SGスーパースター王座決定戦』を「力が入りすぎてスタート空回りさせてしまった」が、前日のSSトライアル4走目では本走3.310秒という猛烈なタイムを計時。さらに年明け5日の川口デイレースは3日目に本走3.324秒、決勝戦は3.304秒という驚異的な時計で圧勝。今年の初優勝を遂げた。
夏場のナイター開催ではあるが、おととし・去年と『SGオートレースグランプリ』に連続で優出しており、伊勢崎走路への適性は年々上向いている感がある。今回は青山周の最大のライバル、逆転候補一番手に位置付けたい。
伊勢崎デイレースG2レジェンドカップは2023年に2度開催されて、1月は若井友和、12月は加賀谷建明が優勝。いずれも冬季の伊勢崎8周回に本走3.35~36秒の好タイムで勝っており、今大会もエンジンがマッチする可能性が大いにある。
その若井とともに昨年8月の伊勢崎ナイターSGオートレースグランプリに優出したのが佐藤摩弥と森本優佑。佐藤摩はこの年3度目のSGファイナリスト、森本は自身初めてのSG優出であり、年末のSSトライアル出場にもつながった。
中村雅人は昨年1月の伊勢崎デイレースに優出。10月には飯塚デイレース『G2オーバルチャンピオンカップ』に優勝、翌月の川口デイレース『SG日本選手権』にも優出しており、良い状態を長らくキープできている。
有吉辰也はSSトライアル4日目に他落をこうむってしまい翌日の王座決定戦は8着となったが、11月以降はデイレースで安定した走りを見せていたし、荒尾聡もSSトライアルで落車しながら最終日は0メートルオープン戦の6枠から好スタートを放って2着と好走したので、大きな悪影響がなさそうなのは今回に向けての好材料だ。そのレースで荒尾の逃げを終盤に捕えて勝利した松尾啓史は、SSフェスタの前はG2レジェンドカップと伊勢崎の一般開催に優出しているから、伊勢崎デイレースへの備えも既にできていそうだ。
この1月から36期生たちが1級車に乗り換わって早くも次々と好走している中、37期の浅倉樹良は2級車でグレードレースの大舞台に挑む。
過去1か月の推移は、まず浜松デイレース『G1スピード王決定戦』3日目の準々決勝戦をハイペースで独走して1着。鈴木圭を3着にくだす大金星を挙げて、グレードレースの準決勝戦に初めて進出した。12月中旬の伊勢崎デイレース最終日は、ハンデが20メートル後ろの丸山智史に大差をつけて勝利。そして年末の川口デイレースはSSシリーズ戦の方に出場し、初日から2着・3着・1着・準決勝戦3着と活躍。3日目までと比較してハンデが10メートル重くなった4日目準決勝戦は、最重ハンの10メートル前から序盤は逃げる展開を作り、山田真弘・森且行というSGホルダーに抜かれてからもゴールまで全く離されず喰い下がれたのだから、やはり能力は一級品だ。
今回も、活躍して準決勝戦まで進んだ場合は厳しいハンデ位置で戦うことになるだろうが、前述した3開催の全てで本走タイム3.38秒台をマークしており、2級車にして自身初のグレード優出をやってのけそうな雰囲気を漂わせている。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-17(29期)〕
三浦 康平〔伊勢崎 S-34(28期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-4(25期)〕
若井 友和〔川口 S-8(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-9(28期)〕
黒川 京介〔川口 S-10(33期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-11(31期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-13(26期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-14(27期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-19(24期)〕
文/鈴木
浦田が徹底的にイン攻めで追い上げる
1級車乗り換わりで注目される浜野翼だが、まだペースを上げられておらず一抹の不安。10m後ろの竹中修に叩かれるケースも考えられ、序盤の展開作りが大事な一戦に。となると30線2車が走りやすそうだが、前節に桜木公和はフライングを犯してるデメリットがある。松尾隆広はアウト戦が喰い付けば一気に好位へ浮上も考えたい。40m3車の比較は最インの浦田信輔が枠ナリに出て行けば30線に付けてイン攻め敢行。岩見貴史は大外からカマシを決めるか。田中茂は後手になっても今回の動きがいいので久々の優勝もありえる。意外に40線のBOX券は好配当になるかも。
【良走路】
◎ 5 浦田信輔
○ 7 岩見貴史
△ 6 田中 茂
▲ 1 浜野 翼
穴 4 松尾隆広
《おすすめの買い目》
567BOX 5=7-1
《穴なら》
4-5-7、4-5-6
【雨走路】
◎ 7 岩見貴史
○ 1 浜野 翼
△ 3 桜木公和
▲ 4 松尾隆広
穴 2 竹中修二
6 田中 茂
《おすすめの買い目》
7=1-3 7=1-4
《穴なら》
2=6ー流し
吉林直都がハンデチャンスを生かす!
今回の優勝戦の注目は3車。まずはスーパーハンデで戦っている鈴木圭。初日から連勝で優出と磐石の構えで、優勝戦でも強烈な追い込みを見せてくれそうだ。他2車は36期の栗原佳と吉林。栗原佳は1級車初乗りとなった前節で完全優勝を達成。今節も初日から連勝で優出し、合計して6連勝中。準決の上がりタイムでは鈴木圭を上回っている。吉林は前節、2日目に身体不良で無念の早退となったが、今節は準決1着を取り1級車で初優出となった。上がりタイムも栗原佳や鈴木圭とそん色ない。
ハンデ位置的に大チャンスの吉林が、レース序盤で抜け出して後続を引き離しそうだ。スピード的に追って行けるのは栗原佳と鈴木圭のみ。鈴木圭は実力こそ上位だが、スピード戦になりそうな上に、このハンデからの競走ではいかにも厳しい。追い上げても2着いっぱいとみた。他に2、3着の狙いになるのは動き軽快な柴田健や、安定感を取り戻した佐々木。
◎ 3 吉林直都
○ 6 栗原佳祐
△ 8 鈴木圭一郎
△ 5 柴田健治
▲ 7 佐々木啓
おすすめの買い目
3-68-5678
別線は 展開不問で鈴木圭の猛追撃
8-3567
濡れた走路を速攻で制した岡部聡
年明け初笑いは浜松が栗原佳祐、川口が黒川京介と若手主導の傾向で山陽ミッドナイトも36期の石田啓貴に期待が集まるも、濡れ走路ゆえに断トツ試走の岡部聡から矢野正剛と石田を絡めた3車で人気オッズを形成。3連単は621、623、625。2連単は62、6=1に64も10倍を切っていた。
石田を矢野が捲ったが、岡部の攻めが早く2周でトップへ立ってしまう。石田は後退し、矢野を長田恭が追う展開で態勢決まる。あとは一列棒状で岡部は2022年6月24日以来の優勝(意外)。通算87度目のVとなり2025年の滑り出しとしては最高の形に。終わってみれば唯一のSGホルダーゆえに勝って当たり前だったのだが...。
このあとは1月16日~の山陽ナイター開催に出場予定の岡部聡。今年はぜひともオートレースを引っ張っていただきたい。