有吉辰也が2節連続の完全V
前日の開催4日目のような横なぐりではなかったものの最終日5日目も21時過ぎまで時おり小雪の降る天候で、決勝戦は湿っている部分と乾きかけの部分がマダラ模様になった不安定な走路のもと選手は争うことになった。
0ハン内枠の番田隆弘は定評のある雨巧者だが、今回のような走路状態では実力を発揮できなかったか、逃げたが独走には持ち込めず3周回で中村颯斗と佐藤裕児に相次いで差された。
ちょうどほぼ同じタイミングで、数メートル後ろでは高宗良次の内へ入った有吉辰也が3番手まで車を押し上げていて、4周回4コーナーの立ち上がりで2番手の佐藤裕児を、5周回4コーナーでは先頭の中村颯を、不安定走路とは思えない綺麗な切り返しで抜き去って首位に立った。勝ち時計の3.404秒も、この走路状態としては優秀といえる。
今回の勝利で有吉は前節川口デイレース初日から9連勝。高い実績と抜群の安定感を誇りながら、実は意外にも10連勝したことがない。次節に出走を予定している2月6日からの浜松デイレースSG『全日本選抜』で自身初の10連勝を達成するか、注目度が一層高まる。
ちなみに、有吉とともに飯塚オートを長年牽引している荒尾聡は、昨年9月の特別G1『プレミアムカップ』初日に、史上31人目での通算1000勝を達成している。
文/鈴木
青山周平が114度目の優勝
伊勢崎3日制の最終日がおこなわれた1月29日、2024年のオートレース表彰選手が発表されて、青山周平は『優秀選手賞』と『特別賞』を受賞した。前者はSGレース2度の優勝など、後者は通算100V達成などを表彰されたものである。
通算114度目の優勝を狙って今節の決勝戦に臨んだ青山周は、他7名を大きく上回る試走タイムを計時して圧倒的な1番人気に支持された。
発走は単騎0ハン新井淳がスタート残してハナを切り、10線の内寄り枠から新井日和と西原智昭が出て、佐久間健光は遅れる展開。その外から矢のように伸びたのが青山周平。1周回4コーナーで新井淳のインへ入り先頭へ立つと、あとは後続を引き離す一方。勝ち時計は3.338秒で、同ハンの2着選手が3.399秒では太刀打ちできるはずもなかった。
新井日は2周回で西原の差しを抑えると、3周回で新井淳のインへ飛び込んだが回りきれず、この攻防の間に先頭との差がますます開くことになった。終盤に新井日はふたたび新井淳を捌いて今度は綺麗に回ると、6周回に三浦康平の追撃を封じて2着確保。高橋貢は予選~準決勝戦ほどのタイムを出せず、それでも4着まで追い上げてゴールした。
文/鈴木
有吉辰也には逆らえまい
準決勝戦までの4日間、天候および走路状態に左右されず結果を出し続けてきた有吉辰也が、最終日の決勝戦も先頭でゴールして、4戦4勝した前節の川口デイレースに続いての完全Vを決めそうだ。
川口裕司が準決勝戦の後に「スタート切れていない」とコメントしていて、高宗良次が20線の中枠から追いの主導権を掴むケースも考えられる。今節の高宗は攻めが的確に決まっている。ただ川口裕はレース後半の伸びが良いので周回を重ねるごとに追い上げてきそうだ。
番田隆弘は雨で連勝して勢いあるが、良走路で振り切れるスピードがあるかは疑問が残り、独走力では番田より上回る中村颯斗が早めに先頭を奪うようだと見せ場を作れそうだ。
準決勝戦は雨だったが素早く進んだ田中進が前団を一気に捲って行けると激走十分。
◎ 7 有吉辰也
○ 6 高宗良次
△ 2 中村颯斗
▲ 5 川口裕司
穴 4 田中進
おすすめの買い目
7-6=254
穴なら
4=7-56
文/鈴木
圧倒的な存在感を示す青山周平!
0ハン単騎の新井淳はスタート巧いので10線勢に叩かれる心配はない。その10線のスタート争いは最内から新井日か、西原と三浦の28期両者か、はたまた大外から青山周が猛ダッシュか。
しかし、どんなスタート隊形になっても青山周が力強い攻めで先頭まで進出してくる。今の青山周ならスーパーハンデでも勝てそうなので、通常のハンデならもっとスムーズにレースを運ぶことができる。当然の本命に推したい。
相手選びが非常に難解。10線最内から新井日が飛び出せば、逃げる新井淳を交わして絶好の展開に持ち込める。熟練の捌きで高橋貢が勝負圏内にまで浮上するか。道中の伸び良い佐久間も怖い。三浦はダッシュ決めると上位争い可能。
◎ 8 青山周平
○ 2 新井日和
△ 7 高橋貢
△ 3 佐久間健光
▲ 5 三浦康平
おすすめの買い目
8-27-2357
別線 新井日の速攻
2-8-357
金子大輔が12度目のグレード獲得 鈴木圭一郎は圏外まま
3連単の上位オッズ20傑は鈴木圭一郎の首位が大半を占めたが、圧倒的なムードは感じられなかった。
大一番のスタートが切られると、鈴木宏和が猛烈ダッシュで先頭へ。1枠の木村武之が続いて出たが、1周回バックストレッチで金子大輔がアウト伸びて2番手へ。そして1周回4コーナーから直線へかけての立ち上がりで滑った鈴木宏を差してハナを切る展開に早くも持ち込めた。
その後は鈴木宏が終始付いて回り、追い上げてきた対抗人気の佐藤励は両者の重なりを何度も割ろうとしたが入れず、残り3周あたりからはコーナーで滑るようになり先頭の2車から離された。鈴木宏は7周回3コーナーで金子大へ逆転の差しを狙ったが及ばずに車を引いてしまい、車間が開いて勝負あり。
金子大は地元タイトルのひとつであるG2ウィナーズカップを嬉しい初制覇。通算52度目のVとなった。
鈴木圭はスタートで好位置を取れず、道中は佐藤摩弥の前へ終始出られず6着。月末から始まる浜松デイレース一般開催を経て、来月の浜松SG全日本選抜での巻き返しをめざす。
文/鈴木