
G線のマジック 長田稚也が制す!
前半レースでは雷雨で発走見合わせがあったが、無事に優勝戦は行われた。走路は乾かず、難しいコンディションに。人気は篠原睦から3連単763、736。道智亮介のアタマからも売れていた。一番試走の長田稚也が不気味な存在...。
0ハンの佳元光義を青山文敏に先行の道智が叩き込んで逃げ態勢を作る。30mは篠原より先に長田稚が出て行く格好に。2番手で粘る青山文を捌いた長田稚は少しずつ道智との差を縮める。青旗過ぎ車を道智のうちへ向けた長田稚だが、道智もグリップ開けて外から応戦。長田稚が道智に車輪半分出てゴール。篠原睦は3番手に終わった。
7月8日に長田稚は篠原に大差で勝っているが、またもねじ伏せた。懸念されるスタートが良くなってきてるのは長田稚にとって強みだ。特に後半の追い込みは定評あるだけに近い将来大きくジャンプアップすることも期待される。一方、格上の篠原は7月8日は優勝戦4着、7月11日のオーバーミッド優勝戦では微差で岩見貴史に敗れ、そして今回と『優勝』の二文字が遠い。
通算191勝目を13度目の優勝で飾った長田稚也。次は7月23日からの浜松デイレースへ参戦予定。
篠原睦の完全優勝で幕を閉じそう!
ここまで負けなしで優出したのは篠原と長田稚。両者とも2日目は2回乗りだったので、今節は3連勝での優出となった。どちらも上がりタイムがしっかりと出ているので、優勝戦はこの両者の争いになりそう。枠の利で言えば長田稚に分があるが、スタート力も加味すると総合力では篠原の方が上。30線大外からカマシを決め、一気の仕掛けで先頭まで浮上しそうだ。長田稚にしてみれば、篠原よりもスタートで先行できれば逆転のチャンス。レース道中で躊躇することなく、前団を交わしていければ優勝の目が見えてくる。
他で怖いのは佳元。青山文が後続を抑える展開になると、0ハン単騎からの逃げが断然有利になる。序盤でリードを作ることができれば、そのまま押し切りもありそう。その青山文は、逆に佳元を叩いていければ自分の展開になる。猛烈な追い込み力がある滝下は、スタートで枠ナリに出ることが優勝するための最低条件になる。
◎ 7 篠原睦
○ 6 長田稚也
△ 1 佳元光義
△ 2 青山文敏
▲ 5 滝下隼平
おすすめの買い目
7=6-125
穴なら 青山文の速攻
2-1567
青山周平が118度目の優勝
夕方6時に発走の第1レースは濡れ走路でおこなわれたが、最終8レース決勝戦は良走路に回復し、青山周平が他6名を圧倒する試走29秒で断トツの1番人気。
レースが始まると0ハン野沢守弘と10線2名はハンデなり・枠なりの隊列で逃げ態勢。30線3名は真ん中の田村治郎が遅れて、大月渉が先行して吉原恭佑が続く形に。この30線勢へ青山周は素早く接近したが、序盤は大月と吉原が重なる形を割り込みにくそうな場面もあった。しかし2周目に吉原が大月を差して両者の車間が開き、青山周はかえって捌きやすくなった。前半周回のうちに30線を退けると、あとは自身よりランキングがかなり下位の軽ハン3車を交わすのみ。5周目に入るところで先頭へ立つと、みるみるリードを拡げ始めて、ゴールでは2着に1秒以上の大差をつけての圧勝となった。これで今年6度目、通算では118度目のV。勝利数も974勝まで増やした。
7名で最も人気薄だった野沢が、最終回4コーナーからの立ち上がりでも2番手に粘っていたが、ゴールまで残りわずか数メートルの地点で内から吉原、外から田村が伸びてそれぞれ2着・3着へ浮上し、堅い配当で収まった。
文/鈴木
G1キューポラ杯の展望
川口レース場伝統のタイトル戦のひとつである『G1キューポラ杯』、2016年の第40回大会をもってナイター開催へ移行してから、今年で10年目となる。昨年の前回決勝戦は、鈴木圭一郎が岩見貴史に抵抗される間に黒川京介がリードを拡げて大差で勝ち、キューポラ杯の初制覇&地元G1初獲得の、ダブルでメモリアルな結果となった。
昨年後半~今年前半の黒川はまさに充実一途だ。『日本選手権』でのSG初制覇を含めて、この12か月間に12度の優勝。今年3月下旬からの3か月間だけでG2レースを4度も優勝している。その内訳には消音・夜開催の『G2川口記念』と『G2ミッドナイトチャンピオンカップ』(3月と6月の2連覇)を含んでおり、キューポラ杯連覇への視界はきわめて良好といえる。
今期ランキングは黒川に次ぐ川口第2位、全国ランクS4の中村雅人も目下の流れは非常に良い。直近節は今月上旬の川口ナイター一般開催3日制に全勝しての完全V。その前はデイレースだが川口で4節連続で優出していたし、4月には川口ナイター『SGオールスター』にも優出していた。
通算10度目となるG1制覇、そして初めての川口グレードタイトル獲得を成し遂げれば、お盆のSGを含めて8月後半まで出場の決まっているグレードレース3連戦にも一層の弾みが付く。
最近はデイレースでの活躍が目立つ佐藤摩弥だが、夜の消音開催での実績は折り紙つきだ。近年に限っても2023年に川口ナイター『G1キューポラ杯』、2024年に飯塚『G2ミッドナイトチャンピオンカップ』を制しているほか、今年2月の川口ナイトレース決勝戦は本走3.334秒の好タイムで準優勝している。
今年5月の消音ナイター『G2川口記念』は未勝利ながら5日間すべて2着と3着に好走。6月前半は川口デイレース優勝1度、6月下旬から現在まで3節連続で優出中とエンジン状態は高水準で安定している。
ちなみに直近節として出走した飯塚ナイターでは『スーパースターガールズ王座予選』の第3戦に勝利し、年末の『王座決定戦』出場権をかけた選考順位のトップに立っている。
佐藤励は今年4月の川口ナイター『SGオールスター』を6戦6勝してSG初制覇。翌週の浜松デイレース『G1ゴールデンレース』は成績ふるわなかったが、5月中旬から昼夜・レース場・マフラー種別を問わず7節連続で優出して今大会に臨む。近1年間の川口・夜開催への優出回数は黒川と並ぶ6度で、これは中村雅人(3度)や佐藤摩弥(2度)を上回る。
佐藤励も中村雅と同様に川口レース場のG1・G2トロフィーは手にしたことがない。未来の川口エース候補、いや全国ナンバー1候補のひとりとして、そろそろ地元の勲章を獲得したいところだ。
森且行が上昇気流に乗ってきた印象だ。4月『SGオールスター』は6戦2着1度にとどまったが、5月に入ると2連対する回数が増え始めて、6月は上旬に川口デイレース準優勝。そこから現在まで浜松G2を含む4節に出場して全て優出している。6月の川口ナイトレースと先週の川口ナイター、2節の予選~準決勝戦は5戦3勝・2着2度と2連対パーフェクト。今の時季の川口の夜にエンジンがマッチしていることは確実だ。
ナイター開催へ移行して2年目の2017年と翌2018年にキューポラ杯を連覇した永井大介は今年まだVゼロながら、先週の山陽ナイター『G2小林啓二杯』で今年のグレード初優出を果たした。初日から3日目までは勝ちきれなかったが、4日目の準決勝戦は10線6車並びの大外枠からダッシュを決めると、2着の木村武之に1秒の大差をつけて圧勝した。最終日の決勝戦は中枠からスタート後手を踏んで展開が悪くなったが、近況は総体的に勢いを増している印象がある。
川口S級は他に小林瑞季・平田雅崇・加賀谷建明・山田達也が今年6月以降に好成績を挙げており、小林瑞と加賀谷は過去5年以内にキューポラ杯への優出歴がある。
そしてA級勢では6月中旬の川口ナイトレースで早津康介がV、小椋華恋が準優勝したほか、森谷隼人、石井大輔、牧野貴博、間中大輔が6月~7月の川口ナイター・ナイトレースで好走している。
同時期に高石光将はハンデ30m~40mの位置に置かれ続けて6着~8着が並んでしまったが、グレードレースの今回はハンデ0mや10mから早めに抜け出せる番組構成が増えると想定されるので、先月とは見違える姿を披露できるかも。
鈴木宏和は前々回2023年のキューポラ杯に準優勝(優勝は佐藤摩弥)。昨年のキューポラ杯は5戦中の良走路3戦は1着・1着・2着。今年は『SGオールスター』と『G2川口記念』に出場して、良走路は8戦4勝、着外は4着が1度のみと、川口の夜開催では高い安定感を長らく維持している。
今年の6月以降は浜松消音アーリー準優勝に『G2浜松記念 曳馬野賞』にも優出と近況の状態も良いので、天候および走路状態がネックながら活躍を見込める。
2023年のキューポラ杯に優出した金子大輔は翌2024年にも参戦したが、当時は調子を崩していて活躍ならず。しかし今年の『SGオールスター』は予選中にフライングで失権したものの6戦オール2連対と実力は示した。
直近節は浜松アーリー4日制に完全V。今大会とは昼夜が逆転するが、消音マフラーを装着してのライディングのバランスを掴めていることは大きい。
今年の『SGオールスター』は6日間1勝の予選モレに終わった中村杏亮だが、西日本2場での消音・夜開催は今年は例年以上の成績を挙げている。25戦して着外たったの4度。濡れ走路に至っては7戦5勝・オール3着以内。地域は異なるが消音マフラーでエンジンが安定して動いていることはセールスポイントとなろう。
福岡鷹は『SGオールスター』で中村杏亮を上回る6戦3勝を挙げて、5日目には準決勝戦へ進出。パワーが劣る2級車の身で初日から最重ハンの10メートル前で戦ってのこの戦績は見事というほかない。
今大会の初日を迎える時点からみて3節前にフライングを切っており、実際その日から後ろにスタート叩かれるケースが増えて7戦未勝利と、リズム下がっているが、車と乗り手がマッチした際の破壊力は37期の中で5本の指に入る。
『SGオールスター』6戦を未勝利で終えてから約1か月ののち『G2川口記念』で再び川口の地を踏んだ岩見貴史は、初日いきなり妨害・勝ち上がり権利喪失となったが、2日目からの4走すべてを3着以内にまとめると、またも1か月を空けての実戦となった飯塚ナイターに優出。そして6月末からの飯塚ミッドナイト2節は7戦6勝、1節目に準優勝からの2節目は完全Vと、走るごとに勢いを増して今年3度目の川口・夜開催へ乗り込める。
2021年のキューポラ決勝戦。隣の外枠であった青山周平をスタート後の加速でみるみる引き離して大会初制覇した鈴木圭一郎は、翌2022年のキューポラ杯にも優出して3着、昨年は優出2着と、本大会でも毎年のように活躍している。
そして先週13日には、山陽ナイター『G2小林啓二杯』決勝戦に圧勝。消音マフラーでの夜開催の8周回で見事な走りを披露して、今春『SGオールスター』優出ぶりとなる川口ナイターへやって来る。
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主な出場予定選手
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黒川 京介〔川口 S-3(33期)〕
中村 雅人〔川口 S-4(28期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-9(31期)〕
佐藤 励〔川口 S-11(35期)〕
永井 大介〔川口 S-12(25期)〕
森 且行〔川口 S-16(25期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-5(27期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-6(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-8(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-26(26期)〕
浅倉 樹良〔伊勢崎 A-69(37期)〕
福岡 鷹〔飯塚 A-91(37期)〕
文/鈴木
再び降雨となれば番狂わせもあるか
初日からスーパーハンデを課された今節の青山周平は、日替わりの天候および走路状態にも対応して2連勝で決勝戦へ駒を進めたが、他の6名も準決勝戦の不安定な走路状態を克服してきており、雨予報が出ている最終日の決勝戦で波乱の起きる可能性はゼロではない。
総合力はケタ違いの青山周平が本命。スタート切れている菅野仁翔が捲り抜け出すと逆転まで考えたい。今回で4節連続の優出となった充実の大月渉も上位への喰い込み十分。ただ、30線から先行するのは大外枠でも吉原恭佑か。田村治郎は先行できるかは微妙ながら混戦になった際の競り強さに定評がある。
◎ 7 青山周平
○ 3 菅野仁翔
△ 4 大月渉
▲ 6 吉原恭佑
穴 5 田村治郎
おすすめの買い目
7=3-465
穴なら
5=7-346
文/鈴木