
<次走へのメモ>
9月18日 第21回ダービーグランプリ
(ダービーグランプリ、ゴール 写真・佐藤到)
1着 マンオブパーサー
大外14番に入ったタイセイスーパーがゲート入り直前に立ち上がり、騎手を振り落として放馬。そのためスタートやり直しに20分ほどかかり、波乱ムードが立ち込めていた。
逃げたバンブーエールの2番手をキープ。1周目スタンド前からペースがガクンと落ちたが、「気を抜いて走る気難しい面があったので、スローになって良かった」(木幡騎手)と語ったように、逆にマンオブパーサーにはそれが幸い。3コーナーを回っても坦々とした流れで進み、後続の有力各馬もスパートをかけたが、反応がひと息。
道中、楽にレースを運んだ前の2頭は直線に向いても脚色は衰えないどころか、さらに加速。レース上がり36秒3という明らかに先行馬有利の流れとなり、ラスト50m、内で粘るバンブーエールをキッチリ捕らえ、初グレード挑戦がG?制覇の快挙となった。
「思いどおりのレース運びをしてくれた。3、4コーナーでも手応えがあったので最後まで頑張ってほしいと思って追った。道中、気を抜くようにまだ幼いところが残っているので、これからさらに成長するのでは」(木幡騎手)
2着 バンブーエール
内枠2番枠も味方してポンと好スタートから逃げの手に出る。あとは絶妙のスローに落として逃げ切りを図ったが、ラスト50mでマンオブパーサーに交わされる。「あまりにもスローだったので先に行った。この馬としてはいいレースができたと思うが、最後の詰めが甘い。クビ差だけに悔しい」(池添騎手)
4コーナー奥ポケットから前半3ハロン36秒2だったが、そこから12秒後半から13秒前半の超スローに落とし、先行競馬に持ち込む。これでジャパンダートダービーに続いて2戦連続でG?2着。最後の粘りを見ると本質的には中距離タイプだろうが、今回のような流れになれば距離も我慢できる。
3着 サイレントエクセル
「1回目はゲートでチャカついて出遅れそうだったが、2回目は大人しくなっていいスタートを切れた。ずっと3番手にいても良かったが、あそこまで行けば勝ちに行かなければ、と外に出した。その結果が3着だったが、このメンバーで3着なら上々でしょう」(板垣騎手)。
ダートグレード経験もなく、近3走は牝馬路線を歩み、いきなり牡馬相手、しかもG?挑戦で3着に健闘。前走比マイナス7キロとキッチリ絞って出走し、レース内容も文句なし。これで全国でも通用することを証明し、次走予定は地元重賞・ビューチフルドリーマーカップ(10月8日 地方競馬全国交流)だが、今後は是非、ダートグレードを目指して欲しい。
4着 ヤマタケゴールデン
道中は4、5番手の好位を進み、3コーナー過ぎから徐々に進出したが、直線は先行2頭と脚色がいっしょとなった。「4コーナーまで手応えが良かったけど、直線の伸びがなかった。やはりマイルがベストの距離かも」(池田鉄平騎手)
5着 シルクウィザード
1コーナー過ぎまでは7、8番手にいたが、向正面では団子状態の中、ヤマタケゴールデンの直後につける。追い出しもヤマタケゴールデンと同じだったが、3コーナーでややもたつく。その差が結果5着となった。
6着 ナイキアースワーク
中間の追い切りで格下相手に手応えで劣っていたそうで、馬体重こそジャパンダートダービーからプラス2キロだったが、見た目にも腹回りに余裕がありすぎた。スローの流れでいつもより前の競馬にはなったが、勝負どころでも反応がひと息。この馬らしさが全く見られなかった。「「センスの良さだけで走っている馬だが、追い切りも動かなかったし、実戦でも重かった。本格化するにはもう少し時間がかかりそう」(安藤勝己騎手)
7着 オウシュウクラウン
先行グループを見て好位外目を追走し、3コーナーからスパートをかけたが、いつものシャープさが全然なかった。「返し馬からイライラして本調子ではなかった。レース中も腰を落とす感じでスピードに乗らなかった」(小林騎手)
<次走へのメモ>
9月9日 第7回フェアリーカップ(水沢1900m)
1着 グローリサンディ
大外からケイアイフォーユーが大逃げを打ち、2番手をがっちりキープ。3コーナーでケイアイフォーユーが一杯となって脱落し、替わってグローリサンディが先頭。外からタカエイチフジが襲い掛かり、直線を向いて一度交わされたが、今回のグローリサンディはそこから差し返す芸当をやってのけ、最後は2着に2馬身半差をつける完勝となった。
「以前に比べてスタートも一息だし、行きっぷりも今一つだったが、調子の良さでカバーしてくれた。ここでは実績が違うので、ちゃんと力を出せれば強い」と菅原勲騎手が語ったように、最大の勝因は好調度で臨めたこと。この状態を保って次走・ビューチフル・ドリーマーカップ(10月8日)に駒を進めて欲しい。
2着 タカエイチフジ
1枠に入り、外から被せられたが、うまく外に持ち出して3番手をキープ。道中は淡々としたペースで進み、マークをグローリサンディ1頭に絞り、直線で一旦先頭に立ったが、内から差し返されて最後は力尽きる。「位置取りが中途半端だったかも。早めに馬体を併せれば違った結果だったのでは」と阿部英俊騎手。
9月10日 第14回青藍賞(水沢1600m)
1着 ウツミジョーダン
ルーキーナカヤマが後続を離して逃げ、前半35秒台のハイラップを刻む。ウツミジョーダンはいつもどおり中団より後ろ6番手外をキープし、3コーナー手前から徐々に馬なりで先陣に接近。4コーナーで先頭に立ったローランボスコを直線半ばで早めに交わしたため、とぼける仕草を見せる。それでエアウィードが猛追し一瞬、ヒヤッとさせたが「後ろから来たのは分かっていたが、まだ余裕があった」と小林騎手。確かに着差はクビだったが、ゴールがもう少し先でも着順は変わらなかっただろう。
「いつもはもっさり出る馬だが、今回はスタートから行く気があった。今回の勝利は実績の違い。まだトモ(後肢)が寂しくて本物ではないので、次はもっと良くなってくれるのでは」(小林騎手)
G?・川崎記念(1月25日)後、6ヵ月半の休養をはさんで再度、岩手入り。転入初戦(8月13日)を2着にまとめ、続くすずらん賞は大事を取ってスキップしてここへ臨む。小林騎手のコメントどおり、まだ毛ヅヤも本物ではなく、上昇余力は十分にありそう。
次走は南部杯(10月9日)へ直行しますと村上佐重喜調教師。
2着 エアウィード
すずらん賞が意外な凡走(5着)に終わり、今回は4番人気まで評価を下げていた。位置取りはウツミジョーダンより少し前のインの経済コースを進み3、4コーナーでもたつく。これは前回、すずらん賞と同様だったが、直線を向いてから馬群を割って伸びてくる。「中間、ちょっとセーブした攻め馬が良かったのかも。でもピークに比べると物足りない」と村上忍騎手。それでも南部杯に向けて一応の結果を出せたのが心強い。
3着 ミサキノハンター
今回は重賞のため高松騎手のアドバンテージはなく、全馬57キロの定量。加えて外枠(9枠)に入り、ハイペースについていけず中団5番手からの競馬。これで持ち味(先行して押し切る)が生きないかと思ったが、直線大外からジワジワ進出して3着に食い込んだのには正直、驚いた。今後も水沢戦なら目が離せない存在となった。
4着 ローランボスコ
ルーキーナカヤマの離れた2番手を追走し、直線を向いて手ごたえ抜群で先頭。そのまま粘るかにも見えたが、最後で力尽きて4着に敗れた。一息入れた前走・すずらん賞を叩いて状態アップは明白だったが、前半のハイペースについていったのが敗因か。今回、水沢マイル戦で初めて連対を外してしまった。
5着 ベルモントシーザー
終始4番手インを進み、勝負どころで前が詰まる不利。それが最後まで響いて6着に敗れたが、これを叩かれて次は変わってくるはず。
<次走へのメモ>
8月26日 第11回りんどう賞(2歳 水沢1400m)
1着 オペラダンディー
大外からフジリバティーが逃げ、2番手を追走したが、外パチョリの間に入って息のつけない苦しい流れ。2コーナーを回ってフジリバティーがペースダウンを図ったが、オペラダンディー、パチョリがアッサリ交わす。3コーナーではボスアミーゴも外から並びかけるが、オペラダンディー、パチョリの手応えの方が上回り、直線はその2頭のマッチレース。
直線半ばで一旦、パチョリが抜け出したが、内からオペラダンディーが再度差し返してクビ差先着。デビュー2連勝を飾った。
オペラダンディーは岩手のヒーロー・メイセイオペラ産駒で、デビュー戦の盛岡芝1000mでは芝にのめりながらも逃げ切り勝ち。今回も2歳馬には苦しい展開となったが、それをしのいで快勝した。
「今回はプラス11キロでしたが、前回が減り過ぎ(能力検査は485キロ、前回459キロ。そして今回は470キロで出走)。これが本来の体でしょうし、中間に2本、追い切ってこの馬体重ですから状態も良くなったんだと思います。血統的にも芝よりダートが合いますし、良く差し返しましたね。思った以上に強くなるかもしれません」と板垣騎手。
2着 パチョリ
前回・若鮎賞ではスローペースのため道中、折り合いを欠いてしまったが、今回はすんなり2番手を追走。一瞬、砂を被って嫌がるところを見せたが、小林騎手がうまくなだめて直線で一旦先頭。惜しくも僅差2着に敗れたが、これで今後のメドが十分に立った。
3着 ボスアミーゴ
ビギナーズカップではパラダイスフラワーに完敗2着だったが、パラダイスが不在で圧倒的な1番人気に支持された。終始4番手を追走し、いつでも交わせる勢いだったが、いざ追い始めたら伸びが案外。パドックでカリカリしたところを見せ、レースでやや折り合いを欠くシーンもあったが、それにしても3着は意外な結果。デビュー戦水沢850mで非常に強いレースで勝ち、一躍注目を集めたが、ここ2戦の内容が不満。今後は芝にもトライしてみたいという話だが、このまま引き下がるとは思えない。
8月27日 第29回すずらん賞(オープン 水沢1600m)
1着 ミサキノハンター
「調教師の指示どおり」(高松亮騎手)、好枠から逃げたが、ローランボスコが外でずっと馬体を併せて追走。13秒台に落ちたのは1、2コーナーだけであとは12秒台のラップを刻む。3コーナー、ローランボスコが馬なりで交わしそうになるが、「反応が悪い馬なので早めに追った方が良いと聞いた」高松騎手が必死に手をしごいて逃げにこだわる。
直線を向いても後続から襲ってくる馬はなく、ミサキノハンター、ローランボスコの2頭の争いが濃厚となったが、ミサキノハンターは尻尾を振りながらも何とかローランボスコの追撃を封じる。
今回、ミサキノハンターはA2からの格下挑戦で負担重量55キロに加え、高松騎手が減量騎手だったので54キロの軽ハンデにも恵まれたが、岩手での3勝は逃げ、もしくは2番手から早めの抜け出し。今回も道中で手応えが怪しくなるシーンもあったが、多少、強引にでもハナに立ったのが結果功を奏した。高松亮騎手は今年デビュー3年目でうれしいオープン特別初制覇を果たした。
2着 ローランボスコ
7月2日、栗駒賞以来の実戦となったが、太め感もなくスッキリした体で出走。好スタートから2番手を追走し、いつでも抜け出せる勢いだったが、直線半ばで一杯となった。これが久々の影響だろうが、中身は十分に合格点。改めて水沢マイルの鬼を証明した。
3着 ブラーボウッズ
スタートであおってポツンと最後方からの競馬だったが、小林騎手はあわてることなくジックリ待機。2コーナー過ぎでスルスルと前に進出し、先行2頭を射程圏に入れたかに見えたが、ラスト100mで脚色がいっしょとなった。今回は行ったきりの競馬で3着も仕方なく、これまでの成績どおり右回りが真価発揮の舞台となりそうだ。
4着 マンジュデンツルギ
終始3、4番手インにつけ、直線で一瞬いい脚を見せたが、最後の伸びがもう一つだった。
5着 エアウィード
ポツンと離れた6番手につけ、ブラーボウッズが動いたのを見てスパートをかけたが、反応なし。マーキュリーカップ後、ひと息を入れて馬体重も470キロに回復し、過去実績からも1番人気に支持されたが、気難しい面を出す。次走は予定どおり青藍賞だが、ひと叩きされて競走本能を戻しているかがカギ。
8着 シンボリスナイパー
3番手外で掛かり気味に追走したが、2コーナー過ぎに早々と一杯。中央1600万下から転入初戦、鮮やかな直線抜け出しを決めて快勝。それで今回は2番人気に推されたが、意外な凡走に終わった。
<次走へのメモ>
8月20日 第20回ひまわり賞(岩手版オークス)
▽レースの流れ
好枠に入ったジュリアがハナに立ち、2番手インにサイレントエクセル、その外にエイシングレースがつけたが、1周目4コーナーでスローに落ちたため、パワフルビクトリが馬なりで並びかける。それから隊列が乱れ、フロマージュブランが掛かって、さらにその外からサイレントエクセルが一旦、先頭に並んだが、1コーナーで序列が落ち着き、ジュリアの逃げ、2番手にフロマージュブラン、その外にサイレントエクセルがつける。
3コーナー手前から後方にいたバルクがロングスパートをかけ、先にフロマージュブランが脱落。そしてサイレントエクセルが4コーナーでジュリアを交わすと、あとは独走状態。直線でちょっと気合いをつけると、あっという間に後続を突き放して6馬身差。1900mレコードに1・6秒の2分2秒7の好タイムでサイレントエクセルが圧勝した。
2着争いは3コーナー手前からロングスパートをかけたバルクが、ジュリアを直線半ばで交わして先着。逃げたジュリアはラスト一杯になりながら3着に粘った。
(ひまわり賞ゴール 写真・佐藤到)
1着 サイレントエクセル
1枠に入り、すぐ外のジュリアが逃げに手に出てエイシングレースが2番手につけたため3番手インに入るシーンもあったが、板垣騎手はあわてず馬の行く気に任せ、1コーナー手前でうまく外に出す。「(1周目)スタンド前で勝利を確信した」とレース後に同騎手は語っていたが、そのとおりそこから3番手外につけ、いつでも前の2頭を交わせる態勢に入った。
4コーナーを回っても馬なり、内で粘るジュリアを交わし、板垣騎手がちょっと気合いをつけるとグーンとひと伸び。ラスト1ハロンを計測したところ12秒ジャスト。いかに道中、スロー傾向だったにせよ、最後でこのラップをマークできる馬はそうざらにはいない。
「春当時とは見違えるほど馬が良くなった。今回の中間でも一杯に追って(4ハロン49秒4)、馬体重がプラス8キロだから筋肉がついたということ。以前に見せていた出遅れグセは解消したし、折り合い面もまったく問題ない。相当高いレベルにある馬なので、今後、さらに上を目指してほしい」(板垣騎手)
その今後についてだが、千葉博調教師は10月8日、牝馬オープン交流重賞「ビューチフル・ドリーマーカップ」を最大目標に、次走についてはじっくり考えたいと語っていた。
それにしてもサイレントエクセル、前回ひなげし賞でも盛岡ダート1800mのレコード(1分52秒6)にコンマ8秒の1分53秒4をマークし、そして今回も水沢1900mレコードに1・6秒差。現時点でも古馬オープン並みか、それ以上の時計を2戦連続で叩き出したことになる。
9月18日に盛岡で3歳ダートG?・ダービーグランプリも控えているが、そちらに向かってもサイレントエクセルなら好勝負なのではないか。
2着 バルク
前半は後方待機策に徹し、3コーナー手前からロングスパート。これが見事にはまり、自身7回目の2着入線となった。「今日は珍しく馬が行く気になってくれた」と南郷騎手が語ったとおり、これまで通算19戦を消化して未勝利。強いメンバーでも時に健闘し、また弱い相手にも凡走するなどアテにしづらい面があるが、今回は改めて力のあるところを見せてくれた。
3着 ジュリア
2枠にも入り、逃げは想定どおり。レースラップはスタートから
6・9−11・8−12・9−12・9−13・2−14・1−12・5−12・6−13・4−12・0
初の1900mで直線バテており、サイレントエクセルとの着差から考えればジュリアのラストは13秒8前後。やはり本質的にはマイラーということだろう。
4着 スイートムーン
「初コースで物見しながら走っていた」(坂井騎手)が、それでも4着に入った。
<次走へのメモ>
8月13日 第29回桂樹杯
(写真・佐藤到)
1着 ジェーピーバトル
ユーワプロトスが逃げ、2番手にグローリサンディ、その後ろの絶好3番手をキープ。流れはスローに近く、グローリサンディが4コーナー手前で先頭に立ったが、ジェーピーバトルが直線半ばで早々と抜け出して快勝。せきれい賞に続いて芝2連勝を飾った。「着差はクビだが、芝のレースは僅差になりがちなので内容的には文句なし。どこからでもレースができる馬だし、芝は適性が高いので安心して乗れる」と菅原勲騎手。
今回、3連闘で使ったのはOROカップの権利を取るため。前走、重賞・せきれい賞を勝っても賞金ではじかれる可能性もあるから、このトライアルでどうしても1、2着を取りたかった。まずは最高の形でOROカップの権利を得たので陣営もホッとしている。今週から舞台が水沢へと替わるが、再び盛岡に戻った9月24日、OROカップ直行を予定している。
2着 サイレントグリーン
中団インの経済コースを進み、明らかに相手をジェーピーバトル1頭に絞った乗り方。追い出しのタイミングも絶妙だったし、直線で猛追を試みたが、クビ差届かず2着。現状はここまでが一杯の印象で、主客が完全に逆転した。
3着 イエローボイス
終始、サイレントグリーンの後ろにつける展開から3、4コーナーで若干遅れたが、直線で盛り返す。せきれい賞は0・8秒差5着からジェーピーバトルに0・2秒差まで肉薄し、これで盛岡芝でも通用のメドが立った。次回はさらに上を望めるかも知れない。
8月14日 第11回クラスターカップ
(写真・佐藤到)
1着 アグネスジェダイ
クィーンロマンス、ディバインシルバーが先手を争い、前半3ハロン33秒6の超ハイペースを形成する中、それを見る形で3番手外を追走。3コーナー過ぎにクィーンロマンスが一杯となり、替わってディバインシルバーが先頭。連れてアグネスジェダイも徐々にディバインシルバーを射程圏に入れ、4コーナーではいつでも交わせる態勢に入ったかに見えた。しかし、そこからディバインシルバーが驚異の粘りを発揮し、そのまま押し切るかと思ったが、ゴール寸前でディバインシルバーをクビ差捕らえた。
「道中、一番いい位置につけ4角を過ぎて楽に交わせると思ったら、ディバインシルバーが渋太くて一瞬ヒヤッとした。この馬に乗るのは久々(1月、根岸ステークス)だったが、古馬になってもまれ弱さがなくなった。このまま成長を続けて父のアグネスワールドのように活躍してほしい」と小牧太騎手。
「速い時計勝負となった(03年、ディバインシルバーがマークした盛岡ダート1200m1分9秒8とタイ)ので、この着差も仕方ないのでは。当面は東京盃を目標に、JBCマイルはその結果を見てから決めたい」と森秀行調教師。
2着 ディバインシルバー
絶好のスタートを切り、先手を取っても不思議なかったが、クィーンロマンスがハナを譲らない構えを見せたので併せ馬の形で2番手外につける。3コーナー過ぎに先頭に立ち、直線を向いてもスピードは衰えず、あわやと思わせたが、最後は馬の勢いが出た格好か。それでも近走の不振ぶりから一転する劇走を披露したのには周囲もビックリ。これでクラスターカップは5年連続の出場で03年の優勝、そして4戦2着と連対パーフェクトを継続した。よほど盛岡ダート1200mとの相性がいいのだろう。今回も自身のレコードに0秒1遅れの1分9秒9で駆け抜けていた。
3着 トウショウギア
アグネスジェダイから2馬身ほど後ろの展開となり、上がり3ハロンも同じ35秒9。前半の位置取りがそのまま3着の結果と着差となった感じだ。「いつもはもう少し動く馬だが、今回は動きが重かった」(田中勝春騎手)
4着 コアレスデジタル
前半は置かれ気味だったが、直線はメンバー中2番目の35秒5の上がりで4着入線を果たした。
5着 マヤノチャーナ
中央1000万下から金沢2戦4、5着後に参戦。内田利雄騎手が積極的なレース運びを見せ、最後でコアレスデジタルに交わされたが、このメンバーで5着なら大健闘と言っていいのではないか。
6着 オフィサー
「元々直線だけの馬なので、前残りの競馬になると苦しい。小回りも合わなかったのでは」(福永祐一騎手)。前半は後方からの競馬で、3コーナーで外を回ってメンバー最速の34秒8の上がりを駆使したが、やはり置かれるのが痛かった。
8月15日 第7回若鮎賞
(写真・佐藤到)
1着 パラダイスフラワー
好スタートからマイペースに持ち込み、2着セイントセーリングの追撃を何とかしのぐ。道中、スローに落とし、競りかける馬も不在だったので貫禄の逃げ切りだったが、ダートに比べると反応がひと息。今回は総合力で芝もこなした感じで、2戦目、水沢ダート1300m1分22秒6、3戦目の盛岡ダート1200m(ビギナーズカップ)1分12秒2ほどの迫力は感じられなかった。やはりダートがベスト。これは陣営も同様の見解で、今後はエーデルワイス賞を目指したいと櫻田浩三調教師。
2着 セイントセーリング
パラダイスフラワー、パチョリ、マツリダランランの隊列でセイントセーリングは4番手を追走。団子状態で4コーナーまで進み、直線でパラダイスフラワーに肉薄したが、クビ差まで。遠征(JRA新潟)疲れも残っていたか。
3着 ソード
3戦目の盛岡ダート1200mで初勝利をマークし、ここに臨む。道中は後方3番手の競馬からゴール前で鋭い脚を披露して3着。レース経験を踏みながら、距離が延びて徐々に頭角を現してきた。