<次走へのメモ>
10月1日 第7回若松賞
(写真・佐藤到)
1着 ネバーオブライト
「今回は貯めてどんな競馬ができるかと思って最初から2、3番手を考えていた」(村松学騎手)。パチョリがダッシュ鋭く何が何でも逃げる構えを見せ、ネバーオブライトは2番手外に控えたが、ダンストンリアルが間を割ってきたので一瞬、掛かり気味となる。
それをなだめて折り合いをつけるが前半3ハロンが35秒8。2歳戦としては非常に速い流れでレースが進み、ずっとパチョリから2馬身後方キープのまま直線へ。パチョリも内で渋太く粘っていたが、ラスト200mでパチョリを交わしてゴール前では余裕を残して快勝した。
「デビュー戦は逃げ切りだったので、今回は距離も延びたことも考え、直線まで我慢して抜け出すイメージで騎乗した。左回りはむしろスムーズでしたし、4コーナーでハミをかけたらまた伸びてくれたので競馬はしやすかった。盛岡は初コースなので入念にスクーリングをしましたが、覚えもいいようです。これからもじっくり教えながら成長させていきたいと思っています」(村松学騎手)
スタートからのレースラップは12・5−11・3−12・0−12・9−12・1−12・4−13・4。ラスト1ハロンは若干かかったが、これは前半のペース、2歳戦を考えれば仕方なし。それでも走破タイムは1分26秒6をマークし、これは第5回若松賞優勝ウツミジョンソンと同タイムでレースレコードタイだったが、その時は思いっ切り重馬場。この日はむしろ馬場が深く、同条件(盛岡ダート1400m)の7レースC2が1分29秒2(1着パワフルジャパン)と比較すれば、いかに速いタイムだったかが一目瞭然。7頭立てと少頭数ながら、いかにレベルが高かったかがうかがい知れる。
次走予定はまだ決めていないそうだが、船橋・平和賞を視界に入れていると村上佐重喜調教師。
2着 パチョリ
9月24日の認定競走(芝1000m)を勝った直後、中5日の連闘となったが、馬体重はマイナス2キロとさほど影響がなかった模様。「砂を被るよりは逃げたほうがいい」と陶文峰騎手が判断し、果敢に逃げる。先に記したように道中もほとんどラップは落ちず、ラスト200mで一杯となったが、ネバーオブライトが破格のタイムを出しており、負けてなお強しのレースだった。
厩舎に入った頃から馬を見ているが、当時は線の細さが目についていた。しかしデビュー戦を使って以降、馬がどんどん成長し、同時にレース勘も見につけたのは明らか。本質的には芝が合うと思うが、ダートでも今回のレースを見れば十分にこなせる。これからも楽しみになった。
3着 アンダーボナンザ
前半のハイペースについていけず後方2番手からの競馬となったが、小林騎手は無理せずジックリ待機。3コーナーからインを回ってスパートをかけたが、パチョリからも3馬身差。これは2頭が強すぎたもので、例年レベルならばアッサリ勝っても不思議なし。
480キロの恵まれた馬体で均整も取れているし、血統背景(父スキャン、母アンダースワロー)も申し分なし。今後、どのように成長していくのか、この馬も注目し続けていきたい。
<次走へのメモ>
9月23日 第8回テシオ杯ジュニアグランプリ(盛岡芝1600m)
1着 ボスアミーゴ
パラダイスフラワー、ソウレイ、ローランメモリーの3頭が後続を離して競り合い、前半3ハロン35秒1のハイペースを形成。ボスアミーゴはジックリ待機策を取り、後方4番手を追走。3コーナーから自ら動き出し、4コーナーではすでに先陣を射程圏に入れる。先に抜け出したのはボスアミーゴだったが、内からエミーズスマイルもスルスル進出し、直線はマッチレース。ラスト50mで一瞬並びかけられるシーンもあったが、再度ボスアミーゴが伸びて快勝した。
ボスアミーゴはデビュー戦、出遅れを喫しながらも豪快に3コーナーからまくりをかけて圧勝。そのスケールの大きさから一躍注目を集めたが、ビギナーズカップ2着、りんどう賞3着と完敗を喫し、今回の評価は微妙になっていた。
それならば、と言うことで芝に路線を変更。初の芝だったが、アドマイヤボス産駒は盛岡芝の相性抜群を証明。折り合いもつき、追い出してからの反応も抜群でレースレコードの1分38秒5の好タイムもマークした。
「行きたがるクセがあるので、ペースが速い芝のほうが合うかも。早め先頭に立ってとぼけるところもあったが、前を交わす勢いがすばらしく、デビュー戦で見せた脚は本物だった。あとは馬体がちょっと細くなっているので、あと10キロは欲しい。そうすればさらにパワーアップできる」と菅原勲騎手。
今回は2、3戦目の敗戦から陣営も正念場だと思っており、次走以降についてはまったく白紙。まずは勝ったことにホッとしていた。
2着 エミーズスマイル
前の3頭から離れた4番手インの絶好ポジションをキープ。直線では一瞬、前が詰まりそうになりながら、うまく最内をついてボスアミーゴとマッチレースに持ち込んだが、わずかクビ差2着に惜敗した。
前回・アタックチャレンジ(8月3日)1着から、このジュニアグランプリは予定どおりのステップ。アグネスタキオン産駒の良血馬で、切れる末脚は芝でさらに発揮すると踏んでの出走。道中、コースロスもなく内からいい脚で伸びていたが、これは勝ったボスアミーゴを誉めるべき。過去8回で同レースの最高タイムは第1回セイントピアスの1分39秒3(第2回ネイティヴハートは1分39秒7)。これを大幅に短縮する走破タイムからも上位2頭のレベルは相当高いと見て間違いない。
3着 サイレントステージ
デビュー戦、水沢850mを52秒3のタイムで勝ち上がり、いきなり重賞挑戦。初の盛岡、初の芝、距離も一気に延長と初モノづくめだったが、後方待機策から直線大外を鋭く伸びて3着。5馬身と離されたが、これで今後のメドは十分に立った。
4着 セイントセーリング
中団6番手をキープし、3コーナーからスルスル上がり手応えも悪くなかったが、直線でバタッと止まる。8月15日、若鮎賞2着から直行は理想的なローテーションだと思ったが、馬体重が10キロ増。それが最後で響いたかもしれない。
11着 パラダイスフラワー
1枠に入ったこともあってスンナリ逃げたが、ソウレイ、ローランメモリーに絡まれて前半35秒1のハイペースを余儀なくされる。それで直線で失速11着に大敗したが、体も重い印象だったし、本質的に芝は合わないようだ。次走は予定どおり旭川・エーデルワイス賞へ向かう。
9月24日 第8回OROカップ(盛岡芝1700m)
1着 シンボリスナイパー
「前に壁を作って折り合いをつけてほしい、が指示だった」(小林騎手)ので、後方10番手からの競馬。3コーナー過ぎから徐々にスパートをかけて先に先頭に立ったジェーピーバトルを交わし、さらに外ジルハーの追撃を封じて初重賞を手に入れた。
7月に岩手転入し、初戦を快勝。続いてすずらん賞(水沢1600m)へ駒を進め2番人気に支持されたが、折り合いを欠いて8着しんがり負け。それで今回は評価が下がったが、ジックリ待機策がズバリ当たり直線一気に伸びてきた。
「3、4コーナーでうまく外に出せたのが勝因。追い切りで少し重い印象だったが、レースでは輸送もあってスッキリ絞れていた。行きたがる癖があるので芝のペースの方が合う」(小林騎手)
今回は半信半疑だったので、次走については考えていなかった。とりあえず1開催休んで、今後のことを考えたいと石川栄調教師。
2着 ジルハー
道中はイン待機のシンボリスナイパーの直後、外を追走。直線で先に抜け出したシンボリスナイパーを外から追いかけたが、最内ジェーピーバトルを捕らえたところがゴールだった。
「返し馬では芝がどうかと思ったが、結構走る。ただ、3コーナーでごちゃついてスムーズな競馬ができなかった。それがなければもう少し差を詰められたかも」(坂井英光騎手)
3着 ジェーピーバトル
トキオパーフェクト、マヤノモーリス、トニービーバーが先陣を形成し、その後ろにつける。4コーナーを回って最内をついて一旦抜け出したが、いつもの切れを発揮できずに3着に敗れる。前走・桂樹杯で芝1700mをこなしていたが、本質的にはゆったりとした流れがベスト。マイルでは馬群をさばくのに苦労していたし、距離が短かったかもしれない。
<次走へのメモ>
9月18日 第21回ダービーグランプリ
(ダービーグランプリ、ゴール 写真・佐藤到)
1着 マンオブパーサー
大外14番に入ったタイセイスーパーがゲート入り直前に立ち上がり、騎手を振り落として放馬。そのためスタートやり直しに20分ほどかかり、波乱ムードが立ち込めていた。
逃げたバンブーエールの2番手をキープ。1周目スタンド前からペースがガクンと落ちたが、「気を抜いて走る気難しい面があったので、スローになって良かった」(木幡騎手)と語ったように、逆にマンオブパーサーにはそれが幸い。3コーナーを回っても坦々とした流れで進み、後続の有力各馬もスパートをかけたが、反応がひと息。
道中、楽にレースを運んだ前の2頭は直線に向いても脚色は衰えないどころか、さらに加速。レース上がり36秒3という明らかに先行馬有利の流れとなり、ラスト50m、内で粘るバンブーエールをキッチリ捕らえ、初グレード挑戦がG?制覇の快挙となった。
「思いどおりのレース運びをしてくれた。3、4コーナーでも手応えがあったので最後まで頑張ってほしいと思って追った。道中、気を抜くようにまだ幼いところが残っているので、これからさらに成長するのでは」(木幡騎手)
2着 バンブーエール
内枠2番枠も味方してポンと好スタートから逃げの手に出る。あとは絶妙のスローに落として逃げ切りを図ったが、ラスト50mでマンオブパーサーに交わされる。「あまりにもスローだったので先に行った。この馬としてはいいレースができたと思うが、最後の詰めが甘い。クビ差だけに悔しい」(池添騎手)
4コーナー奥ポケットから前半3ハロン36秒2だったが、そこから12秒後半から13秒前半の超スローに落とし、先行競馬に持ち込む。これでジャパンダートダービーに続いて2戦連続でG?2着。最後の粘りを見ると本質的には中距離タイプだろうが、今回のような流れになれば距離も我慢できる。
3着 サイレントエクセル
「1回目はゲートでチャカついて出遅れそうだったが、2回目は大人しくなっていいスタートを切れた。ずっと3番手にいても良かったが、あそこまで行けば勝ちに行かなければ、と外に出した。その結果が3着だったが、このメンバーで3着なら上々でしょう」(板垣騎手)。
ダートグレード経験もなく、近3走は牝馬路線を歩み、いきなり牡馬相手、しかもG?挑戦で3着に健闘。前走比マイナス7キロとキッチリ絞って出走し、レース内容も文句なし。これで全国でも通用することを証明し、次走予定は地元重賞・ビューチフルドリーマーカップ(10月8日 地方競馬全国交流)だが、今後は是非、ダートグレードを目指して欲しい。
4着 ヤマタケゴールデン
道中は4、5番手の好位を進み、3コーナー過ぎから徐々に進出したが、直線は先行2頭と脚色がいっしょとなった。「4コーナーまで手応えが良かったけど、直線の伸びがなかった。やはりマイルがベストの距離かも」(池田鉄平騎手)
5着 シルクウィザード
1コーナー過ぎまでは7、8番手にいたが、向正面では団子状態の中、ヤマタケゴールデンの直後につける。追い出しもヤマタケゴールデンと同じだったが、3コーナーでややもたつく。その差が結果5着となった。
6着 ナイキアースワーク
中間の追い切りで格下相手に手応えで劣っていたそうで、馬体重こそジャパンダートダービーからプラス2キロだったが、見た目にも腹回りに余裕がありすぎた。スローの流れでいつもより前の競馬にはなったが、勝負どころでも反応がひと息。この馬らしさが全く見られなかった。「「センスの良さだけで走っている馬だが、追い切りも動かなかったし、実戦でも重かった。本格化するにはもう少し時間がかかりそう」(安藤勝己騎手)
7着 オウシュウクラウン
先行グループを見て好位外目を追走し、3コーナーからスパートをかけたが、いつものシャープさが全然なかった。「返し馬からイライラして本調子ではなかった。レース中も腰を落とす感じでスピードに乗らなかった」(小林騎手)
<次走へのメモ>
9月9日 第7回フェアリーカップ(水沢1900m)
1着 グローリサンディ
大外からケイアイフォーユーが大逃げを打ち、2番手をがっちりキープ。3コーナーでケイアイフォーユーが一杯となって脱落し、替わってグローリサンディが先頭。外からタカエイチフジが襲い掛かり、直線を向いて一度交わされたが、今回のグローリサンディはそこから差し返す芸当をやってのけ、最後は2着に2馬身半差をつける完勝となった。
「以前に比べてスタートも一息だし、行きっぷりも今一つだったが、調子の良さでカバーしてくれた。ここでは実績が違うので、ちゃんと力を出せれば強い」と菅原勲騎手が語ったように、最大の勝因は好調度で臨めたこと。この状態を保って次走・ビューチフル・ドリーマーカップ(10月8日)に駒を進めて欲しい。
2着 タカエイチフジ
1枠に入り、外から被せられたが、うまく外に持ち出して3番手をキープ。道中は淡々としたペースで進み、マークをグローリサンディ1頭に絞り、直線で一旦先頭に立ったが、内から差し返されて最後は力尽きる。「位置取りが中途半端だったかも。早めに馬体を併せれば違った結果だったのでは」と阿部英俊騎手。
9月10日 第14回青藍賞(水沢1600m)
1着 ウツミジョーダン
ルーキーナカヤマが後続を離して逃げ、前半35秒台のハイラップを刻む。ウツミジョーダンはいつもどおり中団より後ろ6番手外をキープし、3コーナー手前から徐々に馬なりで先陣に接近。4コーナーで先頭に立ったローランボスコを直線半ばで早めに交わしたため、とぼける仕草を見せる。それでエアウィードが猛追し一瞬、ヒヤッとさせたが「後ろから来たのは分かっていたが、まだ余裕があった」と小林騎手。確かに着差はクビだったが、ゴールがもう少し先でも着順は変わらなかっただろう。
「いつもはもっさり出る馬だが、今回はスタートから行く気があった。今回の勝利は実績の違い。まだトモ(後肢)が寂しくて本物ではないので、次はもっと良くなってくれるのでは」(小林騎手)
G?・川崎記念(1月25日)後、6ヵ月半の休養をはさんで再度、岩手入り。転入初戦(8月13日)を2着にまとめ、続くすずらん賞は大事を取ってスキップしてここへ臨む。小林騎手のコメントどおり、まだ毛ヅヤも本物ではなく、上昇余力は十分にありそう。
次走は南部杯(10月9日)へ直行しますと村上佐重喜調教師。
2着 エアウィード
すずらん賞が意外な凡走(5着)に終わり、今回は4番人気まで評価を下げていた。位置取りはウツミジョーダンより少し前のインの経済コースを進み3、4コーナーでもたつく。これは前回、すずらん賞と同様だったが、直線を向いてから馬群を割って伸びてくる。「中間、ちょっとセーブした攻め馬が良かったのかも。でもピークに比べると物足りない」と村上忍騎手。それでも南部杯に向けて一応の結果を出せたのが心強い。
3着 ミサキノハンター
今回は重賞のため高松騎手のアドバンテージはなく、全馬57キロの定量。加えて外枠(9枠)に入り、ハイペースについていけず中団5番手からの競馬。これで持ち味(先行して押し切る)が生きないかと思ったが、直線大外からジワジワ進出して3着に食い込んだのには正直、驚いた。今後も水沢戦なら目が離せない存在となった。
4着 ローランボスコ
ルーキーナカヤマの離れた2番手を追走し、直線を向いて手ごたえ抜群で先頭。そのまま粘るかにも見えたが、最後で力尽きて4着に敗れた。一息入れた前走・すずらん賞を叩いて状態アップは明白だったが、前半のハイペースについていったのが敗因か。今回、水沢マイル戦で初めて連対を外してしまった。
5着 ベルモントシーザー
終始4番手インを進み、勝負どころで前が詰まる不利。それが最後まで響いて6着に敗れたが、これを叩かれて次は変わってくるはず。
<次走へのメモ>
8月26日 第11回りんどう賞(2歳 水沢1400m)
1着 オペラダンディー
大外からフジリバティーが逃げ、2番手を追走したが、外パチョリの間に入って息のつけない苦しい流れ。2コーナーを回ってフジリバティーがペースダウンを図ったが、オペラダンディー、パチョリがアッサリ交わす。3コーナーではボスアミーゴも外から並びかけるが、オペラダンディー、パチョリの手応えの方が上回り、直線はその2頭のマッチレース。
直線半ばで一旦、パチョリが抜け出したが、内からオペラダンディーが再度差し返してクビ差先着。デビュー2連勝を飾った。
オペラダンディーは岩手のヒーロー・メイセイオペラ産駒で、デビュー戦の盛岡芝1000mでは芝にのめりながらも逃げ切り勝ち。今回も2歳馬には苦しい展開となったが、それをしのいで快勝した。
「今回はプラス11キロでしたが、前回が減り過ぎ(能力検査は485キロ、前回459キロ。そして今回は470キロで出走)。これが本来の体でしょうし、中間に2本、追い切ってこの馬体重ですから状態も良くなったんだと思います。血統的にも芝よりダートが合いますし、良く差し返しましたね。思った以上に強くなるかもしれません」と板垣騎手。
2着 パチョリ
前回・若鮎賞ではスローペースのため道中、折り合いを欠いてしまったが、今回はすんなり2番手を追走。一瞬、砂を被って嫌がるところを見せたが、小林騎手がうまくなだめて直線で一旦先頭。惜しくも僅差2着に敗れたが、これで今後のメドが十分に立った。
3着 ボスアミーゴ
ビギナーズカップではパラダイスフラワーに完敗2着だったが、パラダイスが不在で圧倒的な1番人気に支持された。終始4番手を追走し、いつでも交わせる勢いだったが、いざ追い始めたら伸びが案外。パドックでカリカリしたところを見せ、レースでやや折り合いを欠くシーンもあったが、それにしても3着は意外な結果。デビュー戦水沢850mで非常に強いレースで勝ち、一躍注目を集めたが、ここ2戦の内容が不満。今後は芝にもトライしてみたいという話だが、このまま引き下がるとは思えない。
8月27日 第29回すずらん賞(オープン 水沢1600m)
1着 ミサキノハンター
「調教師の指示どおり」(高松亮騎手)、好枠から逃げたが、ローランボスコが外でずっと馬体を併せて追走。13秒台に落ちたのは1、2コーナーだけであとは12秒台のラップを刻む。3コーナー、ローランボスコが馬なりで交わしそうになるが、「反応が悪い馬なので早めに追った方が良いと聞いた」高松騎手が必死に手をしごいて逃げにこだわる。
直線を向いても後続から襲ってくる馬はなく、ミサキノハンター、ローランボスコの2頭の争いが濃厚となったが、ミサキノハンターは尻尾を振りながらも何とかローランボスコの追撃を封じる。
今回、ミサキノハンターはA2からの格下挑戦で負担重量55キロに加え、高松騎手が減量騎手だったので54キロの軽ハンデにも恵まれたが、岩手での3勝は逃げ、もしくは2番手から早めの抜け出し。今回も道中で手応えが怪しくなるシーンもあったが、多少、強引にでもハナに立ったのが結果功を奏した。高松亮騎手は今年デビュー3年目でうれしいオープン特別初制覇を果たした。
2着 ローランボスコ
7月2日、栗駒賞以来の実戦となったが、太め感もなくスッキリした体で出走。好スタートから2番手を追走し、いつでも抜け出せる勢いだったが、直線半ばで一杯となった。これが久々の影響だろうが、中身は十分に合格点。改めて水沢マイルの鬼を証明した。
3着 ブラーボウッズ
スタートであおってポツンと最後方からの競馬だったが、小林騎手はあわてることなくジックリ待機。2コーナー過ぎでスルスルと前に進出し、先行2頭を射程圏に入れたかに見えたが、ラスト100mで脚色がいっしょとなった。今回は行ったきりの競馬で3着も仕方なく、これまでの成績どおり右回りが真価発揮の舞台となりそうだ。
4着 マンジュデンツルギ
終始3、4番手インにつけ、直線で一瞬いい脚を見せたが、最後の伸びがもう一つだった。
5着 エアウィード
ポツンと離れた6番手につけ、ブラーボウッズが動いたのを見てスパートをかけたが、反応なし。マーキュリーカップ後、ひと息を入れて馬体重も470キロに回復し、過去実績からも1番人気に支持されたが、気難しい面を出す。次走は予定どおり青藍賞だが、ひと叩きされて競走本能を戻しているかがカギ。
8着 シンボリスナイパー
3番手外で掛かり気味に追走したが、2コーナー過ぎに早々と一杯。中央1600万下から転入初戦、鮮やかな直線抜け出しを決めて快勝。それで今回は2番人気に推されたが、意外な凡走に終わった。