<次走へのメモ>
4月29日 第6回留守杯日高賞
1着 サイレントエクセル
ムーンプライドが果敢に逃げ、前半3ハロン36秒4のハイペースを形成。サイレントエクセルはスタートでアオったが、馬の行く気にまかせて5番手まで進出。向正面、反応がひと息で鞍上・板垣騎手の手が動いたが、3、4コーナーで先陣の馬に取りついてようやくエンジン全開。直線は内で粘るゴールデンパンジーにてこづりながらも、ゴール前きっちりクビ差交わして快勝した。
今回が初出走と始動が遅れたが、1週前の追い切りで49秒台の好タイムをマーク。ただ、その後は調教をセーブしたが、飼い葉があがり前走比(1月2日 金杯)マイナス9kg。パドックでやや、馬体が寂しく見えた。
それでも世代牝馬?1の評価どおり、最後は底力で白菊賞に続く重賞2勝目をゲットした。次走予定は重賞・岩鷲賞(盛岡ダート1400m)。そこで七時雨賞、スプリングカップと特別2連勝中の3歳牡馬ダンディキングと相まみえることになる。チェックして欲しいのは当日の馬体重。水沢から盛岡への輸送もあり、減るのは止むなしだが、大幅減なら一考の必要がありそうだ。
2着 ゴールデンパンジー
逃げたムーンプライドから3馬身離れた2番手を追走。3コーナーで早々とムーンプライドを交わし、そのまま押し切るかとも思えたが、前半のハイペースが響いたのか、最後で脚が上がった。
菜の花賞を叩かれたにせよ、直線の粘りは驚異的だった。まだ毛ヅヤも本物ではなく、上昇の余地がありそう。昨年よりパワーアップは明らかだ。
3着 モエレタキシード
いつもどおり後方待機策。向正面からロングスパートをかけ、2着から6馬身差だったが、菜の花賞と同様、3着を確保。ハイペースの展開にも助けられたが、それにしてもすばらしい切れを持っている。欲を言えば馬体重が前走と同じ、392kg。輸送があったにせよ、400kg台に乗ればさらに破壊力が増すと思うのだが…。
4着 バルク
近走は中団、もしくは後方からの競馬だったが、今回は3番手の積極策。それでいて大きくバテた訳でもなく、もしかするとこの戦法がベストかもしれない。依然、未勝利馬だが、待望の白星もそう遠くないのでは。
8着 パワフルビクトリ
4番手を追走したが、3コーナーで早くも手応えが怪しくなって直線で馬群に沈む。冬毛はまだ残っていたが、ひと叩きされて馬体の張りは前走以上だったように思えた。それでもこの結果だから、評価が難しくなった。
(文・松尾康司/写真・佐藤到)
4月16日、水沢競馬第8レース、A2級戦で初の百万円台を軽く突破する3連単173万540円の岩手競馬史上最高配当を記録した。
レースは1着に半年ぶりの実戦となったサンシャインへイロ(5番人気)、2着にセンターソアー(6番人気)、3着にダンスブリッジ(3番人気)が入り、的中票数は2票。
水沢競馬場、テレトラック十和田の2ヵ所でそれぞれ1票ずつの購入だった。
それで弾みがついた訳でもないだろうが、第10レース・まんさく賞でも10番人気のローランボスコが優勝し、こちらは3連単86万2520円(的中本数は7本)となり、8レースに次ぐ史上2位の高配当を記録した。
これまでの過去最高の払い戻し金額は平成13年6月18日の馬単54万1190円で、今回は一気に3倍以上も記録更新したことになる。
開幕2週目で早くもミリオン馬券が飛び出した岩手競馬。次週以降、さらに記録更新があるのか、その点でも興味がつきなくなった。
さて今週から新企画<次走へのメモ>をスタートします。
内容は前週メインを中心にレースを回顧。さらには次走以降の馬券作戦の参考になれば…と思っています。
<次走へのメモ>
4月16日、まんさく賞
1着 ローランボスコ
「調教師の指示どおり」(南郷騎手)3番手外めを追走。後続にいた有力各馬がスパートしたのを見て3コーナー過ぎから早めに先頭。この作戦がズバリと当たり、後方であえぐ有力馬を尻目に2馬身差の完勝。昨年8月、すずらん賞に続く2つめの特別タイトルを手にした。
まだ冬毛が残り、必ずしも万全と言い難かったローランボスコだったが、今回の勝因は揉まれない展開が好を奏したこと。自身のマイル適性ぶりを発揮したことの2点。今後も水沢、盛岡を問わずマイルでは目が離せない存在となるだろう。
2着 タイキシェンロン
中団5番手は想定どおりのポジション。3コーナー手前から動くのもいつものパターンだったが、反応がひと息。パドックで馬体印象は悪くなかった。いや、むしろメンバーの中でも1、2番だと思ったが、レース後、菅原勲騎手「気合いが足りなかったかも」とコメント。次走の変わり身に期待したい。
3着 レストオブセール
ほぼ最後方からの競馬。向正面、インを突いてスルスル伸び、直線ではタイキシェンロンに肉薄。今回は小回り、距離不足だった印象で盛岡、そして距離が延びればさらに真価を発揮しそう。いずれ岩手オープンで通用を証明した。
5着 エアウィード
タイキシェンロンの直後につけ、3コーナーからまくりをかけたが、いつものシャープさが見られず。敗因は2走ボケか、まだ判別つかない。もう一戦を見ないことには…。
6着 マツリダパレス
馬体は仕上がっていたが、歩様がもう一つ。元々がそういうタイプだが、今回は顕著。このひと叩きでどう変わってくるか。
9着 マンボツイスト
プラス24?の馬体重が示すとおり、明らかに太め。JBCスプリントを使って放牧に出て、今回が復帰初戦。年齢が年齢だけに、実戦を使いながら徐々に立て直しを図るのでは。
*ブラーボウッズは挫石のため出走取り消し
(文・松尾康司/写真・佐藤到)