ミスタカシマの取りこぼしに賭ける
前週11月26日に、ばんえい最年長騎手の大ベテラン山本正彦騎手が引退されました。1975年にデビューして騎手生活43年とは、本当にすごいことです。私はばんえい競馬を始めて歴史が浅いため、その功績に関してのコメントしませんが、同じことを長く続けられる情熱は尊敬に値します。
さて、今週はばんえいオークス。今年はここまで重賞3勝、ばんえい菊花賞でも、危なげないレースぶりで牡馬勢を蹴散らしたミスタカシマが断然人気の様相。ミスタカシマは先行力があり、障害もほぼ問題ないだけに、一見、何の死角もないように感じます。
しかし、ばんえい菊花賞を制した馬の次走は、惨敗、惜敗の連続。あのセンゴクエースでも取りこぼしましたし、2012年にばんえい菊花賞を制した牝馬ニシキウンカイも、ばんえいオークスに出走し、断然の1番人気に支持されながらも4着に敗れました。つまり、前走のばんえい菊花賞を制していることが、ミスタカシマの最大の死角です。強い馬でも連勝することは、案外難しいことなのです。
そこでミスタカシマが敗れるとしたら、どういうパターンなのかを考えると、2歳時の十勝産駒特別のパターンが現実的でしょう。十勝産駒特別は、「20年ぶりに牝馬がナナカマド賞を制した」と騒がれた後の一戦。軽馬場で追走に苦労し、障害を積極的に仕掛けて行ったら、膝を着くアクシデント。10着大敗を喫して、ヤングチャンピオンシップの出走権を逃しました。今回も重賞好走後の軽馬場の一戦。「もう成長したから大丈夫」と考えるのは、危険でしょう。
よって、◎には、重賞初出走になりますが、今シーズンに入って急成長したカネササクラを推します。今シーズン始めは963kgだった馬体重も前走では1029kgまでボリュームアップ。この馬は障害は得意とは言いませんが、崩れずにはこなしてくれるタイプ。また、上位クラスの切れ味もあるので、軽馬場は歓迎でしょう。
○は、ナナカマド賞、黒ユリ賞、ばんえい菊花賞を制した実績馬ミスタカシマ。この馬ははまなす賞でも3歳馬では最先着の2着。つまり、重賞では連対率100%の馬です。同世代の牝馬が相手ならば、勝ってあたりまえの馬ですが、陣営が「ばんえい菊花賞後は順調さを欠いた」とコメントしているあたりも気になるので対抗評価としました。
▲は、黒ユリ賞では最下位人気ながら、後方から追い込んで5着と善戦したセンリョウバコ。この馬はスピード不足な面はありますが、障害が得意で、後方から着順を上げて行くタイプ。そういう意味では前が容易にバテない軽馬場は向きませんが、高重量戦は歓迎。極端に馬場が軽くならなければ、出番があるでしょう。
あとは△に黒ユリ賞の2着馬アフロディーテ。この馬は黒ユリ賞後も順調に成長し、前々走ではB4クラスを制覇。障害が得意で切れ味もあり、他馬の出方を見ながら動ける自在性もありますが、ミスタカシマを負かしに行った場合の怖さがあるので狙い下げました。あまりに積極的なレースをし過ぎると、後続の切れ味に屈する可能性もあるでしょう。
他では黒ユリ賞は9着でしたが、ここへ来て障害が崩れなくなり、成績も安定してきたクイーンドリーマー。この馬はスピードと鋭い切れ味があり、6走前には◎カネササクラを撃破。軽馬場の条件下では強い馬だけに、一考しました。
最後にこの秋に3勝、前々走ではクイーンドリーマーを撃破したウィナーキララ。重賞どころから特別戦も未経験ですが、力を付けているのは確か。ここへきて障害も良くなって来ているだけに、未知の魅力を警戒します。
◎8 カネササクラ
○2 ミスタカシマ
▲4 センリョウバコ
△5 アフロディーテ
△9 クイーンドリーマー
△10 ウィナーキララ
馬複
2-8 2400円
8-4,5 1500円
8-9,10 300円 計6000円