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ばんえいジョッキーファイル(32) 渡来心路

2010年6月29日(火)

第32回 内に秘めた熱きココロ 渡来心路

 久々のジョッキーファイルは、今年1月にデビューした、渡来心路(わたらいこころ)騎手を紹介します。

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--- 騎手になって6カ月が過ぎました。6勝して、今年度は勝率2割と好成績ですね。所属厩舎以外の騎乗も増えています。

 まだまだ......思うようにいかないです。
 騎乗数(が増えたの)も、他の10キロ減の騎手が少なくなってきたからで。

--- 初騎乗、その後初勝利で4勝しているユウセンスピードは担当馬ですね。

 はい。勝ってるのはたまたま馬の調子がいいだけで......。
 トカチショウリは担当っちゃ担当なんだけど、一人ではやってないです。完全な担当馬で乗っているのはユウセンスピード。
 2戦目は競走中止してしまいました。前に行きすぎちゃって......無理かけすぎたかな。
 初騎乗の日は緊張してしまって、前日の夜から寝れなくて。レースのことは覚えていないです。

--- 緊張するタイプですか?

 レースの前はすごい緊張しちゃうんです。先輩にも、レースのたびに落ち着け、落ち着けって言われるし。
 本番に弱くて......半パニック状態。吐きそうになります(笑)。

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--- そうは見えないですよ(笑)。さて、競馬場に入ったきっかけを教えてください。

 実家が昔保育所をやってたころ、今井茂雅調教師の娘が来ていたんです。その縁で、僕も子どもの頃から競馬場や厩舎に遊びに行ってました。
 高校やめて、ふらふらしていた時に調教師に誘われて、面白そうだったので厩務員になりました。
 それから調教師に、若いんだから騎手を目指せって言われて、3回目で試験に受かりました。

--- そのような縁があったのですね。先輩騎手からはセンスがあると聞きますし、3回目で受かるとは運動神経がいいのでしょうね。スポーツは何かやっていたんですか?

 小学校高学年からサッカーをやっていました。スポーツはまぁまぁ得意......かな。
 一応ばんえいリッキーズ(ばんえいの騎手・厩務員で作るサッカーチーム)にも入っています。
 ワールドカップはたまーに見るくらいで。体を動かすのが好きです。

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--- 勝負服はオレンジ色で目立ちますね。どのようにして決めたのですか?

 本当は、調教師が騎手だった頃のデザインを使おうと思ったけど、調教師がやめろっていうから。
 「お前は普段から暗いから、目立つ明るい色にしろ」と言われて、誰も使っていないオレンジにしました。
 デザインは、使える柄を見ながら、これでいいかなって。

--- とてもよいと思います。今井先生には小学生や赤ちゃんのお子さんがいますよね。

 家族みんなでご飯を食べたり、楽しいです。自炊はしないですね。
 一度、厩務員の時に怪我して、仕事ができなかったときに朝食作りました。食事はそれくらいですね。

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--- 入院していたことがあったんですか?

 厩務員の時に、2歳っ子のソリ慣らすのに馬を前に引っ張ってたら、急に飛び出してきて、そのまま真正面から馬に踏みつけられて、そりにも引かれました。
 意識はあったんですが、鼻の骨折って、腰の骨も2個ほどつぶれた。体の一部が曲がってはいけない方向に曲がってました(笑)。2週間寝たきり。
 2年前の騎手試験の前ですね。その後すぐに治して受けました。

--- 引かれたってすごい......笑い事じゃないですよー。回復力と運を持ってるんですね。
さて、休みの日は何をしていますか?

 普段は寝てます。寝るのが好きっていうか......遊びには行かないです。
 寝てれって言われたらいくらでも寝てます。10分でも寝れます。入院したときは一日中寝てましたね。
 いつも厩舎にいるから、女性との出会いもないですよ......。

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--- そうなんですか! モテそうなのにもったいない。好みのタイプを教えてください。

 えーっ......タイプ......
 タレントではいないですね......
 明るい人がいいですね。ぐいぐい引っ張っていくような。あっ、年上好きですね。

--- 女性ファンも増えてると思いますよ。背も高いですよね。

 182cmあります。今65キロで、減量は辛くないです。

--- うらやましい。帯広出身ですが、友達とか見に来ていますか?

 どうかな......多分来てたらわかると思うんだけど、まだそこまで見る余裕がない(笑)。
 母が来てるなぁと思うことはありますね。

--- 最後にこれからの抱負を聞かせてください。

 全体的にまだまだなので......今日も手綱絡まったし。
 もっと調教師や馬主から依頼がくるように、先輩ジョッキーたちみたいになりたいですね。

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 少ない騎乗数を生かして結果を残し、最近はレースでも「渡来!」と声がかかる注目株。
 物静かな印象でしたが、インタビューを進めるにつれ、自分からぽつぽつと話をしてくれました。素直な性格が競馬場でも受け入れられているんだろうな、と思います。
 最近はパドックでの表情も柔らかくなってきたような気がします。レースに緊張しなくなった時にどんな騎乗を見せてくれるかが楽しみです。


取材・文・写真/斎藤友香

6/27柏林賞回顧

ジャングルソングが世代の主役に名乗り!

 27日(日)に行われた柏林賞(4歳オープン)は、単勝4番人気のジャングルソングが優勝。重賞初挑戦でいきなりタイトルを奪取しました。

 馬場水分は0.6%と、よりパワー優先の重馬場に。しかし各馬勢いよく飛び出し、第1障害を越えたのちも意外に速いペースで展開しました。コマクインがペースを握り、以下アオノレクサス、アアモンドヤマト、ワタシハキレイズキなどが入れ替わりつつ馬群をリード。これにフクドリが加わって第2障害を迎えました。
 ひと呼吸入れて登坂を開始したのはワタシハキレイズキ。まさに息もつかせぬ速さで、他馬を揺さぶります。これに反応したのか、アオノレクサスとコマクインも仕掛けましたが、特にコマクインは抜群の掛かりを見せてひと腰で突破。遅れてワタシハキレイズキ、キンノカミが続きました。
 しかし重馬場とハイペースが響いたか3頭の脚取りは重く、その後に障害を下りた各馬の脚いろが遙かに上回っている状態。アアモンドヤマト、ジャングルソングが脚を伸ばす一方で、コマクインは残り10メートルでストップ。その間隙を突いて先頭に躍り出たのがジャングルソングで、結果2秒2差をつける完勝を演じ初タイトルをゲットしました。2着はコマクインで、アアモンドヤマトもよく追い込んだものの3着まで。しぶとく脚を伸ばしたキンノカミが4着で入線しました。

 各馬が馬場に苦しむなか、脚いろを乱さずに荷物を運びきったジャングルソング。昨年度末のクリスタル特別と5月のすずらん賞で同世代の強豪を破っていましたが、今回の勝利で4歳世代の中心勢力として、はっきり名乗りを上げました。4月に開業したばかりの西弘美調教師は早くも重賞初制覇。人馬ともに今後の活躍が期待されます。

成績はこちら
映像はこちら


細川弘則騎手「もう少し馬込みのなかで競馬をするつもりでしたが、想像していたよりもペースが速く、馬も『これ以上は無理』という反応だったので、様子を見ながら第2障害までついていきました。ペースが速かったぶん、他馬の障害の切れも良くなかったし、コマクインが下りた頃を見計らって仕掛けました。それでも天板で止まったし"やっぱり馬場が重かったかな"と思いましたが、障害を下りてから少し追ってみたら反応が非常にいいので、"このチャンスは逃がせない"と思いました。もともと障害を下りてからの瞬発力がいい馬ですから。勢いに乗って、このまま活躍してほしいですね」

柏林賞 予想結果

2010年6月28日(月)

矢野:枠連4-6 500円的中! 収支+8,100円
斎藤:ハズレ 収支-5,000円
須田:ハズレ 収支-5,000円
山崎:ハズレ 収支-5,000円

※前回までは「払戻」として、払戻額を表示し、そこから投資額5,000円を引いて集計に加えていましたが、今回からは「収支」として、投資額5,000円を引いた金額を上記右側に表示します。

【ここまでの集計】
斎藤  修 +8,450円
須田 鷹雄 +6,600円
矢野 吉彦 +1,100円
山崎エリカ -1,400円

6/27柏林賞予想 山崎エリカ

2010年6月27日(日)

ホクショウバンクにチャンス到来

 今年の柏林賞はキタノタイショウ720㎏からコマクイン670㎏まで負担重量差が50㎏もある非常に難解な一戦となりました。昨年の3歳3冠レースのばんえい菊花賞とばんえいダービーを勝利したキタノタイショウが、今回の出走メンバー10頭中アオノレクサスを除く9頭が出走していたライラック賞(4歳オープン)で上位着順を拾えていたら波乱の可能性は少なかったのでしょうが、2番人気に支持されながらも5着に敗れたのが波乱の要因です。

 そうなると一見、ばんえい菊花賞2着、ばんえいダービー3着の実績馬があり、5月10日のオープン決勝混合で、その後のライラック賞の勝ち馬フクドリ、2着馬コマクイン、3着馬アアモンドヤマト、そして前記したキタノタイショウを下しているアオノレクサスを狙いたくなります。しかし同馬は今回約1カ月半の休養明け。実戦から遠ざかった状態で前走比50㎏増の重量を曳くというのは明らかにマイナス要素です。また前走で好走しているにもかかわらず休養していることから、「ジックリ調整」というよりは「順調さを欠いてしまったのではないか?」という不安も過ぎります。

 そこで今回◎に推したいのは、ばんえい菊花賞3着、ばんえいダービー2着の実績があり、近2走のオープン・A1混合戦で連続2着のホクショウバンクです。同馬は3走前のライラック賞では8着に敗れていますが、その後の2戦で復調気配を見せ、特に前走は積極的に仕掛けて行ったレース内容が示すように、よい手応えが感じられましたから、重量710㎏でも同馬から攻めます。

 ○には前記したキタノタイショウ。前走のライラック賞では仕掛けが遅れて5着に敗れましたが、高重量戦に強くメンバー中では実績最上位です。▲にはライラック賞では1番人気に支持されたようにそれまでの勢いはあったジャングルソング。前走の天人峡特別で復調気配を見せていたので浮上の余地があります。

 あとは△に前記したアオノレクサス。他ではライラック賞ではフクドリの3着に敗れたものの、前走6月20日のA2-1・2決勝戦ではそのフクドリを破って勝利しているアアモンドヤマトとライラック賞勝ち馬のフクドリ。

 ◎ (5)ホクショウバンク
 ○ (8)キタノタイショウ
 ▲ (6)ジャングルソング
 △ (10)アオノレクサス
 △ (7)アアモンドヤマト
 △ (1)フクドリ

 馬連5-8、6、10、7、1 各1000円

6/27柏林賞予想 須田鷹雄

2010年6月26日(土)

重量に恵まれたアオノレクサス

 前回はファンも馬を知りつくている古馬戦の予想だったが、今回は変化していく要素も多い4歳戦。馬券上の選択肢も多く、悩まされるところだ。
 まずは、重賞おなじみ組と、重賞実績は無いが近走内容の良い組の比較から入るのがよいかもしれない。
 話を分かりやすくするため、3/28のコカコーラ杯クリスタル特別を例にとってみよう。当時の着順+勝ったジャングルソングとの重量差の変化(当時→今回)は、以下の通り。

1着ジャングルソング   0→0
2着キタノタイショウ   60→30
3着アオノレクサス    35→10
4着フクドリ       5→0
5着ワタシハキレイズキ  20→-10
7着アアモンドヤマト   25→0
8着キンノカミ      15→0

 こうしてみると、今回の条件だとジャングルソング、フクドリあたりよりは、まだ重賞常連組のほうが上というように考えられる。
 同じように他のレースでの重量差も突きつめていくと、今回一番魅力を感じるのは◎アオノレクサスだ。例に挙げたクリスタル特別では25キロ差があってなお○キタノタイショウに先着を許しているが、重賞で同重量だった時の着差を考えると20キロは逆転が視野に入るゾーンとも言える。
 このところ10キロ差前後で▲ジャングルソングらに負けているレースも多いが、630キロ前後と690キロ前後では同じ重量差でも話が別。後者にあたるクリスタル特別は35キロ差だったわけだから、今回は逆転という理屈になる。
 △を絞るために、フクドリはジャングルソングより後ろの着順になると見て無印。アアモンドヤマトは700キロ前後になると本質的に怪しいと見て無印。△はホクショウバンクにだけつけて、馬複3点に集約する。

◎アオノレクサス
○キタノタイショウ
▲ジャングルソング
△ホクショウバンク

馬複
◎-○  2000円
◎→▲△ 各1500円

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