11月30日(日)のメインは第29回北見記念。基礎重量860キロ(牝馬20キロ減)に、本年度の収得賞金120万円につき10キロ加増となる別定重量で争われ、カネサブラック、ナリタボブサップ、ニシキダイジンが870キロ、牝馬フクイズミが850キロでの出走となります。
昨年のこのレースは、ナリタボブサップ、カネサブラック、スーパークリントンの5歳勢が上位独占。今年もこの3頭がし烈な争いを繰り広げそうです。
ばんえい十勝オッズパーク杯(4月27日)の勝ち馬カネサブラックと、旭川記念(6月22日)、北斗賞(7月27日)の2重賞を制したナリタボブサップが人気の中心となりそうですが、ここはスーパークリントンに期待します。600〜700キロ台と軽い負担重量のレースでは追走に手いっぱいで惨敗ということも多い馬。しかしここ数戦は勝ち切れないまでも、流れに乗れているように走りに柔軟性がでてきたようです。パワータイプで、もともと高重量戦は向く印象。前走は騎乗できなかった主戦の藤野俊一騎手に戻るのも心強い材料です。カネサブラック、ナリタボブサップの壁は厚いですが、両馬との10キロ差を味方に、なんとか叩き合いに持ち込みたいところでしょう。
経験が重要な高重量戦ではミサイルテンリュウも侮れない存在。こちらも10キロ差を生かして、今季初タイトルを狙っています。
牝馬はスターエンジェル、フクイズミの2頭が参戦。岩見沢記念(10月5日)でカネサブラック、ナリタボブサップを破ったフクイズミのほうが人気になりそうですが、昨年のこのレースでは今回と同じ850キロで5着に敗れています。一方のスターエンジェルは、今季は未勝利ですが、今年のばんえい記念3着など高重量戦の実績ではメンバー中でも上位だけに、最軽量ハンデを利しての激走も考えられそうです。
出走表はこちら
【参考レース】
07.11/2507年度北見記念(勝ち馬:カネサブラック)
6/22旭川記念(勝ち馬:ナリタボブサップ)
10/ 5岩見沢記念(勝ち馬:フクイズミ)
11月30日(日)のメインは、重賞・第29回北見記念。ばんえい重賞のなかでも権威がある旧四市(旭川・岩見沢・北見・帯広)冠競走の第3弾で、今年も強豪9頭が顔を揃えました。帯広記念→ばんえい記念と続くBG1戦線を占ううえでも見逃せない一戦といえるでしょう。
11月29日(土)のメイン第11レースは網走湖特別(400万円未満)。前開催はこの条件の特別戦が編成されず、今回のメンバーの多くが500万円条件との混合戦、2008クラブツーリズムカップまたは七五三特別への出走でした。
主力を形成するのは500万円条件でも上位馬が揃っていた七五三特別へ参戦した2頭、コブラダイオーとイッスンボウシ。ともに早めの障害クリアから1、3着に入りました。両馬は2開催前の深秋特別(400万円未満)では後続をちぎっての一騎打ちを演じており、このクラスでは抜けた存在です。今回はともに720キロのトップハンデですが、障害巧者だけに心配なさそうで、勝ち負けの期待がかかります。
2008クラブツーリズムカップで上位に入ったカネミセンショー、ユウシテンザンは前述2頭との10キロ差を生かしたいところです。
11月30日(日)のメイン第11レースは重賞・第29回北見記念(16:30出走予定)です。このレースは別掲の北見記念プレビューをご覧ください。
この日の第10レースは第29回北見産駒特別。網走管内産馬の2歳馬によるオープン戦。出走全馬が2歳A級での連対実績がある、ハイレベルな一戦となりました。
重賞・ナナカマド賞を制したホクショウバンクは20キロ加増され570キロでの出走。世代ナンバー1の力量馬とはいえ最大35キロ差のハンデはさすがに厳しそうです。
スピード自慢のスギノハリアー、前々走2歳A-2を快勝したアアモンドヤマトらにも十分チャンスがあるでしょう。
12月1日(月)のメイン第11レースは能取湖特別(300万円未満)。前開催の初雪特別(300万円未満)は、上がり馬ギンガリュウセイが、ゴール前いっぱいになったライデンロックを差し切って7連勝を達成しました。
注目はライデンロック。前走は負けたとはいえ勝ち馬より10キロ重い負担重量で大健闘。この重量も3走目で慣れが見込め、強かったギンガリュウセイ(先週の4歳混合300万円未満を圧勝)も不在で、ここは好勝負必至です。
ホクショウドラゴンは障害で崩れるレースが続きますが、決め手はここでは間違いなく上位。先行力あるニシキタカラ、課題の障害が良化してきたカネタマル、大崩れの少ないアオノキセキにもチャンスがありそうです。
第18回 ばんばの風に流されて 澁谷益久
--- (レース後) 澁谷さん、インタビューよろしいでしょうか。
今、馬つなげたまんまなんだわ! これから作業しないとなんないんだけど。でもいいよ。
--- すいません。では、騎手になったきっかけを教えてください。ご出身は上士幌ですね。
家に馬いたし。家は生産と育成の牧場。騎手になるのが、その当時は夢だったんだべな……小さいころから騎手に憧れてた。
高校中退して、18の時に車の免許を取ってから来た。
騎手試験受けたのは2年目からか。5回落ちて。1回受けないときあって。
--- 牧場をされていたということで、競馬場とのつながりもあったんでしょうね。
それはあった。うちの兄貴も俺が入る前、競馬場に少しいたんだ。
去年までうちのオヤジも同じ厩舎で働いていた。牧場やめて、競馬場来て。10年近くいたんでねぇか。
--- 帯広開催の時は競馬を見に来ていましたか。
来てたし、草ばんばに歩いとった。
俺はあまり乗らんかったけど、うちのオヤジが乗っとった。
俺は2、3回かな。初めて乗ったのは、なんぼだべな……中学生ぐらいでなかったか。
うちのオヤジばかりのってた。草ばんば大好きだから。
俺がただついてあるって。馬丁さんみたいにしてた。乗りまわしたりさ。フフフ。
上士幌では今は草ばんばやってないよ。もうみんなやめちゃったもん。
昔、バルーンフェスティバルとかの気球場の近くでやってたの。球場の横が会場だったんだ。それから音更川の山手側に移って2、3回やって。
--- 初勝利はヤマノビューティですね。
いやぁ、よく知ってるね! あ、調べてきたの。それうちのばあちゃん死んだ日なんだ。6月14日。
--- 騎手という職業だと、家族が亡くなっても帰れないとか……。
いや、帰ったよ。北見からね。
--- 他に思い出に残る馬はいますか?
ハタカゼちゅう馬だな。
帯広でね。俺乗ってから連対外さなかったの。ほとんど頭(1着)か。
はずしたの3着1回だけだもの。帯広だけで200万くらい稼いだ。特別1個あげた(勝った)しね、帯広だけで頭6個とったのかな。それが一番。
乗ってて面白かったんだ。勝つ位置に行けるし、勝てるなーって気がするもん。
それまで勝ててなかったのさ。帯広が得意だったのかな。
--- 勝負服の由来を教えてください。
由来は適当。ただ黒が好きだから、黒似合うかなーと思って黒にしただけ。先輩の由来とかは何も入っていない。独自。
いや最初、星にしたんだけどさ。俺、正兄(マサニイ・山本正彦騎手)の弟子だっちゅうか、山本幸一厩舎に先に入ったから。(山本幸一さんは)正兄の親。あそこに6年いた。
星は今古いからやめたほうがいい、今流行んないんだって言われたからやめたの(笑)。
--- 実家に帰られたりはしていますか? 帯広一市開催になっていかがでしょう。
帰ったり? しない。用事ないもん(笑)。
帯広一市になって、楽になった。移動しなくていいもん。周りの環境もわかってるしょ。昔の友達とはたまに遊ぶな。
--- 帯広のオススメスポットはありますか。
あれ、去年のガイドブックでなんちゅったっけ。平和園(帯広市大通南12-1)って言ったんでないか。うん、焼肉好き。
他に? いや、ない。
--- ばんえいだけ見ろと。
(笑)。そうそう。
--- 休みの過ごし方を教えてください。
休み? パチンコいってる。
儲かってる。運いいっちゅうか……負けてない。
1年くらい休んでたんだ。その前ずっと行ってたけどね、やられまくったから休んで、また行きたくなって行ったら儲かりだした。
ギャンブル? 好きだな。嫌いではない。
--- 厩務員作業のところ、お引き留めしてすいませんでした。厩務員作業は好きですか?
嫌い! 好きって人いないべさぁー(笑)。お金にならんからやってるだけで、普通やりたくないべさぁ。
だって、騎手が馬の世話するなら(騎手)やりたくないっていうよ。俺だら乗れないから、しゃーねえから厩舎作業してるんだよ。フフフフフ。
馬はかわいいけどさ。作業は慣れてる。誰もしたくないよ。大変だよぉー。
--- そうですか、失礼しました(笑)。ナイターはいかがでしたか? 昼間開催に変わって体は慣れましたか。
ナイターはナイターで、またいいところあるのさ。朝寝れるから体が楽なのさ。
昼(開催)は昼で終わるのが早いから早く寝れるし、どっちもどっちだわ。
体慣れたかって? いや、たいしてかわんねぇな。
--- ではファンに一言お願いいたします。
まぁ、なんちゅんーだ。お願いします、しかないんでないか。
うまく書いといてよ。携帯でもみれるのかい。
ファンレター来るようにお願いしますよ(笑)。
今まで一度もしゃべったことのなかった澁谷騎手。とても話しやすく、気さくな方でとても面白かったです。十勝の馬のいる環境から騎手になられて、上士幌の気球のように自然と競馬場にやってきた澁谷騎手。これから上昇気流に乗るのを期待しています!
取材・文・写真/斎藤友香
今週の土曜、11月22日は“いいふうふ(1122)”の日にちなみ、ご夫婦、カップルで帯広競馬場へ来場の方は入場料が無料となります。また先着5組様(9:40から1階インフォメーションコーナーにて受付)は、プレミアムラウンジがおふたりで1000円(通常は1名1000円)にてご利用いただけるほか、メインレース優勝馬との記念撮影などの特典もあります。この機会にぜひ競馬場へ足をお運びください。
11月22日(土)のメイン第11レースはサロマ湖特別(500万円未満)。前開催の七五三特別(混合500万円未満)は1〜3着を400万円条件馬が占め、今回のメンバー中ではグレートサンデーが最先着で4着でした。
注目はそのグレートサンデー。トップハンデを課せられながら、離れた障害5番手から勝ち馬と7秒7まで差を詰めたレース内容は底力を感じさせました。5着のキョウエイボーイには8秒の差をつけていたことから、今回は順当勝ちといきたいところでしょう。格下の軽量馬が飛ばした前走と違い、ペースが落ち着きそうなのもプラスです。
自分のタイミングで障害を越えられればキングシャープ、ヨコハマイサムも差のないところです。
11月23日(祝・日)のメイン第11レースは知床賞(オープン)。ここは実力牝馬3頭に注目です。
エンジュオウカンはスピード自慢。前走レディースカップ(4歳以上8歳以下牝馬オープン)を障害先頭から粘り込んで、長期休養明け後3連勝としました。相手関係はここ3走より強化されますが、もともとは重賞4勝の実績馬。最軽量710キロは十分すぎるハンデで連勝を伸ばせそうです。
力勝負なら望むところなのがニシキユウ。今回は8月のばんえいグランプリ(7着)以来の出走です。今開催より走路のロードヒーティングが稼働したことで、パワー重視の馬場になりそうなだけに、ハナを奪っての押し切りも考えられます。
トカチプリティーは近9走(オープン、オールカマー)では1勝のみですが、勝ち馬とはすべて10秒差以内にまとめています。安定した障害力を武器に、今回も上位に食い込んできそうです。
この日の第10レースは第25回釧路産駒特別。釧路・根室管内産の2歳馬によるオープン戦です。
中心はタワノアヤカ。デビューから約100キロも増えた馬体同様、重賞ナナカマド賞3着や、メンバー中で唯一の特別(白菊賞・2歳牝馬オープン)勝ちなど近走成績も充実。ここは負けられないところでしょう。
相手もキンノカミ、ハイセイウンら2歳上組での実績がある馬に絞られそうです。
11月24日(振・月)のメイン第11レースはイルミネーションカップ(4歳オープン)。4歳三冠の第2弾・銀河賞(9月7日)のほぼ再戦で、オープン720キロからペガサスプリティー(400万円条件の牝馬)の680キロまで上下40キロのハンデ差がつきました。
注目したいのはペガサスプリティー。単勝1番人気に支持された前走レディースカップ(4歳以上8歳以下牝馬オープン)は10着でしたが、第2障害での転倒が敗因なのは明らかです。銀河賞は道中の反応が悪く6着に敗れましたが、その後、本来の行きっぷりが復活しており、負担重量にも恵まれた今回はチャンスでしょう。
銀河賞2、5着のコーネルフジ、マルニゼウスは今季世代限定戦では堅実な成績を残しており、ここも上位争い必至です。
一冠目・柏林賞(6月1日)を制し、銀河賞でも僅差4着に入ったホッカイヒカルはテンにおかれるのが弱点。とはいえ今回は流れの落ち着く特別戦だけに、一発を警戒する必要がありそうです。