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12/9ばんえいオークスプレビュー

2007年12月 7日(金)

 12月9日(日)に、第32回ばんえいオークスが行われます。これまでの二冠はいずれも別定重量での争いでしたが、今回は660キロの定量戦で争われます。
 ニシキガールは今年2月の黒ユリ賞を制した実績馬。他馬より10キロ重い620キロを課せられながら、2着を10秒以上も離す圧巻の逃げ切り勝ちでした。しかしそこで賞金を稼いだためここまでの二冠では他馬より最大30キロも加増され苦戦が続きましたが、今回は定量戦だけに巻き返しに期待がかかります。
 ニシキガールと同じことがいえるのがプリンセスモモ。一冠目・6月の黒ユリ賞はニシキガール以外の馬より20キロ、二冠目・9月のばんえいプリンセス賞ではニシキガールと同じトップハンデ650キロで、7、8着に敗れています。しかし牡馬混合のばんえい大賞典を制するなど、世代トップ級の実力は間違いのないところで、今回は上位進出が期待できます。
 この2頭に対抗するのがペガサスプリティー。3連勝でばんえいプリンセス賞を逃げ切り、その後の6戦も4勝、2着1回と飛ぶ鳥を落とす勢いです。ばんえいプリンセス賞は630キロとやや恵まれての好走でしたが、前走の300万円未満では同重量のプリンセスモモ(5着)の追い上げを退け2着に入っており、能力的には引けをとりません。逃げ・差し自在の脚質も魅力です。
 今回はこの3頭による争いが濃厚でしょう。
 軽ハンデ600キロを利して一冠目を制したエリザベスライデンは、ばんえいプリンセス賞は640キロに加増されましたが、それでも5着と健闘しました。しかし10月7日のオッズパーク杯秋桜賞(3歳オープン)では同重量のプリンセスモモに10秒近くも離されており、重賞勝ち馬でも上位3頭とは差がある印象です。
 ばんえいプリンセス賞でエリザベスライデンより軽量で出走し、かつ同馬より下位の着順に敗れているノリノメイチャンミスダイヤダイヤローズは、今回は厳しい戦いが予想されます。
 面白そうなのはプリンセスミント。100万円、150万円未満と下級条件ですが、ここ13戦連続で3着以内をキープと堅実な走りを見せており、一発を狙うならこの馬かもしれません。

出走表はこちら

【参考レース】

2/ 4 18年度黒ユリ賞(勝ち馬:ニシキガール)
6/17 黒ユリ賞(勝ち馬:エリザベスラスイデン)
9/17 ばんえいプリンセス賞(勝ち馬:ペガサスプリティー)

※映像はこちら。またこれらを含めた2カ月前までの映像はすべてオッズパークにてご覧いただけます。
 

今週の見どころ(12/8~12/10)

 今週の日曜日(9日)は、3歳牝馬三冠の最終決戦・ばんえいオークスが行われます。なお当日はレディースデイとして、女性の入場料が無料となるほか、女性を対象にしたばんえい教室など様々なイベントが行われます。
 また競馬場スタンド1階特設ブースにおいて、佐藤希世子、竹ケ原茉耶、2名の女性騎手によるサイン会も予定されております。レース同様お楽しみに。

 12月8日(土)のメイン第11レースはシリウス特別(オープン)です。
 ここはフクイズミトカチプリティーの一騎打ちでしょう。両馬が揃って出走した近3走はすべてこの2頭で決着しており、その間に今回のメンバーのほとんどに先着しています。高重量戦では分が悪くても、700キロ台前半で出走できるここなら、フクイズミの末脚、トカチプリティーの先行力と、両馬の持ち味が存分に生かせ、ゴール前では激しい競り合いが見られそうです。
 強敵は負担重量にかかわらず安定感ある走りを見せるようになったカネサブラックミサイルテンリュウエビスオウジャとともにトップハンデ765キロですが、前走北見記念2着をはじめ充実一途の近況から不安はまったくありません。今年8月以来久々勝利の可能性もあるでしょう。

 12月9日(日)のメイン第11レースは、第32回ばんえいオークス(16:30発走予定)。このレースは別掲のばんえいオークスプレビューをご覧ください。

 この日の第7レースに2歳A1戦が行われます。
 ホクショウジャパンが不在なら、オレワスゴイの決め手が一枚上でしょう。前走北見産駒特別を好位から抜け出し快勝のリードムサシや、2歳A1戦の上位安定勢力・ライデンロックウメノタイショウらが相手です。

 12月10日(月)のメイン第11レースはアルデバラン特別(500万円未満)。
 出走予定10頭中、ニシキシャープを除く9頭が、前開催(11月24日)の500万円条件・網走湖特別、前々開催(11月5日)の同条件・深秋特別の両方、またはいずれかに出走しています。
 この両レースに出走し、今回のメンバー中でともに最先着を果たしているのがキョクシンオー。最近のこの条件で上位を占めていた4歳勢の出走がない今回は、この馬の追い込みが届く可能性が高いでしょう。
 登坂力上位のタケトップクイン、軽馬場得意のストロングペガサスも有力。コトノカツマの粘り込みにも警戒が必要でしょう。
 別路線から参戦のニシキシャープも、今年9月には勝入混合700万円未満で2着など実績があり侮れません。

レース回顧(12/1~12/3)

2007年12月 4日(火)

 1日(土)に行われたのはオリオン特別(3歳以上オープン)。ここは10歳馬シンエイキンカイが制し、古豪健在をアピールしました。
 第2障害はニシキダイジンが先頭でクリアし、2番手でホクショウファイトが続く展開。その後シンエイキンカイ、ホクトキング、タケタカラニシキも追撃態勢に入り、残り20メートル付近で5頭が一団に。その中からホクショウファイトがいったんは抜け出しましたが、残り5メートルからシンエイキンカイが猛追し、わずかに抜け出したところがゴールでした。ゴール寸前でニシキダイジンがもう一度伸び2着を確保。見せ場たっぷりだったホクショウファイトは、惜しくも3着に敗れています。

 2日(日)はイルミネーションカップ(4歳オープン)が行われ、ニシキユウが勝利。ばんえい大賞典馬の底力を見せつけました。
 ニシキユウとエメラルドの牝馬2頭が先頭で第2障害をクリア。そこからエメラルドが先頭に立ち、差のない5番手からコーネルが2番手に浮上するなど入り乱れた競馬。さらにエメラルドが残り10メートルでストップし、ここで先頭に躍り出たのが、虎視眈々と3番手を追走していたニシキユウ。しぶとく追い込むコーネルを振り切り、先頭でゴールを果たしました。立て直したエメラルドが3着を確保しています。

 この日の第10レースに行われた釧路産駒特別(2歳産地限定)は、オープン戦線でも活躍しているホクショウジャパンが勝利。第2障害を先頭で越えるとゴール寸前でやや脚いろが鈍ったものの、他馬を相手にしないレースぶりで10勝目を挙げました。2着キタノドリーマー、3着にマルモスペシャルが入線しています。

 3日(月)のメインレースはアンタレス特別(3歳以上混合700万円未満)。ここはバンゼンが制し、7月以来久々の勝利を挙げました。
 第2障害でやや遅れて仕掛けたバンゼンは、ひと腰で楽にクリア。ギャロップで脚を伸ばすと後続はまったくついて行けず、楽な手ごたえのまま先頭でゴールしました。残り30メートル付近で2番手に浮上したハヤテショウリキが2着。並んで伸びたコマタイショウが3着で入線。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(12/1~12/3)

2007年11月30日(金)

  スカパー!のばんえい競馬中継の放送チャンネルが、今週の土曜日(12月1日)より795chに変更となりますのでご注意ください。
 ライブ映像は、オッズパークのPCサイトでもお楽しみいただけますが、11月17日からは、オッズパーク携帯サイト(http://m.oddspark.com)においてソフトバンクモバイル・NTTドコモの一部携帯電話向けにライブ映像の無料ストリーミング配信(視聴時に別途通信料がかかります)を行っています。どうぞご利用ください。

 12月1日(土)のメイン第11レースはオリオン特別(オープン)。
 ホクトキングは今季未勝利ですが、近3走のオープンではいずれも2着に好走。特にこの2戦は、先週の北見記念を制したナリタボブサップ、6戦連続連対中のトカチプリティーら一線級を相手に先行して粘りを見せています。持ち前の障害力をフルに発揮できている現状なら今回も好走が期待できるでしょう。
 3走前にホクトキングを下しているシンエイキンカイは障害で置かれなければ再び台頭するシーンも十分。この相手関係ならタケタカラニシキの一発の可能性もあります。

 12月2日(日)のメイン第11レース、イルミネーションカップ(4歳オープン)には、700万円条件から430万円まで幅広いメンバーが集まりました。
 期待したいのは、同じクラス別定重量での一戦だった4歳重賞・銀河賞(9月)1、2着のツジノコウフクヒロノドラゴン
 その銀河賞はともに同重量で出走、先頭で障害を越えたと差なく続いたヒロノドラゴンが3番手以下を離して一騎打ちを演じました。ほぼ同メンバーの今回も上位争いが期待できるでしょう。ただ今回はツジノコウフク(500万円条件)のほうが10キロハンデを課せられていることから、ヒロノドラゴン(430万円条件)にやや有利かもしれません。
 500万円条件の牝馬エメラルドは、銀河賞は4着も、その後本格化。7戦して2勝を含め掲示板を外しておらず今回も注目です。
 同じく500万円条件のテンカも有力。銀河賞は競走除外でしたがここ2走の自己条件戦では5キロ軽かったとはいえツジノコウフクに連勝しています。
 ホクショウダイヤは混合700万円未満では今季9戦して3着以内7回と中心的な存在として活躍しています。問題はトップハンデの730キロ。この重量は優勝した前走と同じで苦にするものではありませんが、同じくトップハンデだった銀河賞では6着に敗退しており、今回は見送りが賢明かもしれません。
 同じくトップハンデのナカゼンスピードは、今回は6月の4歳重賞・柏林賞以来久々となります。その柏林賞は9着でしたが、大幅な馬体減(ばんえいダービー時から30キロマイナス)が響いた可能性があります。昨年のばんえいダービー制覇、5歳との世代混合重賞・ポプラ賞で5着健闘など実績的にはナンバー1だけに、馬体が回復していれば上位に食い込んでくるかもしれません。

 この日の第10レースに第28回釧路産駒特別(2歳産地限定)が行われます。
 断然の主役はホクショウジャパン。テンのスピード、登坂力、終いの脚、どれをとっても現在の2歳のなかでは上位の存在。普段の2歳A1戦よりメンバーが手薄なここなら連軸は固く、今年の2歳最初の10勝到達の可能性も十分です。
 相手もマルモスペシャル1頭。2走前のナナカマド賞ではホクショウジャパン(3着)らを破って優勝しています。今回も前々につけて、障害でホクショウジャパンとの差を広げることができれば楽しみが広がります。
 コトブキタイガーは、8月の青雲賞制覇など実績では負けていません。しかしナナカマド賞8着で好走のリズムが崩れたのか、前走2歳A1戦でも見せ場なく7着。復活までにはもう少し時間がかかりそうです。

 12月3日(月)のメイン第11レース、アンタレス特別(混合700万未満)は、最近のこの条件で中心的存在だったホクショウダイヤが不在で混戦模様です。
 ここ3走すべて3着以内に好走しているハヤテショウリキは、一時の不振から完全に立ち直った様子。今回出走予定のメンバー中9頭が出走していた前開催のオッズパーク賞は、障害先頭から粘るハマナカキング(2着)を離れた2番手から追い詰めました。一緒に伸びて最後は抜け出したホクショウダイヤには脚色で劣り3着でしたが、今回は前走で5キロ軽かったハマナカキングが同重量になることから中心視できそうです。
 相手候補筆頭はもちろんハマナカキングですが、障害が切れるようになってきたバンゼン、安定した登坂力を持つライジングサンら伏兵も散在。唯一別路線から参戦のコブライチもここ5走で3勝、2着1回と好調だけに侮れない存在です。

やっぱり馬が好き(第42回) 旋丸 巴

2007年11月29日(木)

馬耕まつり 第二弾

 「帯広競馬場を馬文化の発信基地に!」というのが、我らが「ばんえい競馬応援団」=「とかち馬文化を支える会」の合言葉。

 その崇高な志が、ついに実現されたかと思うと、もう嬉しくて、ちっとも当たらない馬券の悔しさなんか、どこかに飛んで行ってしまったくらい。

 私を、こんなに感激せしめたのは、11月10日・11日の両日に開催された「馬耕まつり」。支える会が主体となって作った実行委員会が主催した、これなるお祭り、実は、一人の支える会理事さんの呟きによって誕生したイベントなのである。

 「昔の農機具を見つけたから買ってきたんさ。あれ、競馬場で馬に曳かせたら、ばんえいのPRにならんかい?」

 元々、ばんえい競馬は、馬による耕作、即ち、馬耕がルーツの競技。ばんえい競馬の起源を知り、昔日の農業を体感する、これ、誠に意義のあることであって……なんて小難しい講釈は後から考えたもの。理事さんの呟きを聞いた瞬間、「それ、面白いから、やりましょう!」と、馬のことなら猪突猛進の私が、諸手をあげて賛成した。

 さて、そんなシンプルな発想から始まった馬耕まつりが、しかし、企画するうちに段々と大規模になり、なおかつ、当初の実施予定の9月23~25日には、馬インフルエンザの影響で、肝心の馬の持ち込みが出来ないという非常事態まで発生。それでも、9月には何とか様々な農機具を駆使して、楽しい「馬耕まつり」を開催したけれど、そんな「馬のいない馬耕まつり」で満足するようなヤワな人々ではないのである、支える会のメンバーは。

 という訳で、今度こそは実馬を使ってリベンジ! と、意気込んで開催したのが、今回の「馬耕まつり第二弾」。お祭りのメインは、何と言っても、開催のきっかけとなった「馬耕デモンストレーション」。ディスクハロー(土を砕いて畑を平らにならす機械)、プラウ(土を掘り起こす機械)、それに昭和30年代に活躍した保道車(車輪にゴムを巻いた馬車)曳いた馬達がエキサイティングゾーンを行進すると、寒風吹く中、たくさんの観客がスタンドから出て興味深げに見物。

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プラウによる馬耕のデモンストレーション

 ただし、単なる見世物で終わらないのが「支える会流」。デモンストレーションの途中で一旦、馬を止め、馬や農機具に触ってもらい、かつての馬耕を体感してもらったから、観客も大喜び。馬に触って歓喜の声をあげる子供や、馬と記念写真を撮るファン、「懐かしいね」と農機具に見入る年配の男性など多数。暖かい空気が競馬場を包んだのである。ほのぼの。

 いや、しかし、今回の馬耕まつりには、もうひとつメイン・イベントがあって、それが流鏑馬。

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 十勝はスポーツ流鏑馬のメッカであり、帯広の隣町・芽室町では、毎年、全国大会が行われている。ということで、この伝統馬術を、是非、競馬場で披露しようと、11日にはレースの合間を使って、エキサイティングゾーンで流鏑馬を実演。きらびやかな和装の騎馬が疾走する勇壮なショーに観客は息を飲み、射抜かれた的がはじけ飛ぶたびに、スタンドからはやんややんやの歓声が沸き起こった。

 勿論、こうした華やかなショーだけが馬耕まつりではなくて、スタンド南側では、常時、引き馬や馬車が活躍。馬が持ち込めなかった1回目の馬耕まつりの恨みを晴らすかのように延べ14頭もの馬を用意し、ファンに、子供に、存分に馬に触れ合い、遊んでもらったから、その賑やかなことは想像に難くない、でしょ?

 そんな中にあって、馬耕デモンストレーションと同じくらい私を感動せしめたことがあったから、最後に一言。

 今回、馬車で観客を歓待した馬の中に極小のポニーが1頭。軽2輪の馬車を曳いて大人気を博したのだけど、その隣では、御馴染みのリッキーがバスほどの大型馬車を曳いている。

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リッキー馬車とポニー馬車

 巨大なばん馬と世界最小級のポニー。同じ馬なのに、この違い。こんな珍しい取り合わせが簡単に実現するのも、バラエティー豊かな馬産が存在する十勝ならでは。これそこ、広範な馬文化の全国への発信なんである、と再び感慨を深くした私。

 と言いながら、しかし、痛恨だったこともあって、こうして感動しまくるうちに馬耕まつりは夢のように過ぎて、気がつけば同時開催の帯広商工会議所主催「ばん馬祭り」を楽しむ暇は皆無。同お祭りのお笑いショーや人間ばんばがゆっくり見られなかったのは仕方ないとしても、商工会が販売していた「ばん馬関係新商品」、これは食べたかった! ばんばお焼きなんぞというものは、友人が買ったものを写真で撮ったけれど、私は一口も食べられず終い!

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食べたかった! ばんばお焼き

 馬文化発信の崇高な志に「満足」。でも、「満腹」には程遠い晩秋の2日間だったのでした。うひゃ~、お腹減った~!

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なんと、「ちーずいんぱくと!」

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