
黒川京介が若獅子杯初制覇!
レースは最内の野本佳章が先行したが、2枠の泉田修佑が交わして逃げに入る。すぐ後ろでは黒川京介が様子をうかがっていた。そして、5周目に入るところで黒川が泉田をまくっていく。青山周平も差しで続いたが黒川との差を詰めることはできず、逆に鈴木圭一郎に差し込まれてしまう。その間に黒川はリードを広げ先頭ゴール。準優勝は鈴木圭だった。
先頭に立ってからは更にペースを上げた黒川。上がりタイムは3・324。走路状態が良く、冬場でタイムが出やすい条件だったとはいえ見事な数字。山陽では昨年、GII小林啓二杯を制している。2019年にはGIスピード王決定戦も制しており、山陽は得意な走路となったことだろう。この後は浜松で一般開催を経て、地元でSG全日本選抜オートレースが待っている。そこへ向けて最高の状態で臨めそうだ。
まさにスピードキング! 鈴木圭一郎が圧勝
時折、小雪が舞い風も強い最終日。優勝戦の発走前には陽が射し、試走24秒出して一番人気となった鈴木圭一郎。枠番が良すぎる伊藤信夫と今回スタート切れてる佐藤摩弥がともに26秒と対抗人気となった。ダッシュ決めたのは伊藤信夫で佐藤貴也を張って佐藤摩弥が続いた。鈴木圭一郎も早めに3番手へ付けて、前の2車の情勢を見ながらのレース。佐藤摩弥が伊藤信夫へ仕掛けようとしてタイヤを使ってしまう。すかさず外から鈴木圭一郎は車を伸ばし伊藤信夫へ切り込む。これで決着が付き鈴木圭一郎がグングン差を離す。伊藤信夫と佐藤摩弥の車間も離れ気味。結局、2連単・3連単一番人気と風の影響も感じさせず鈴木圭一郎の優勝となった。かつて『秋のスピード王』と称していた時に2度優勝しており、『スピード王』となってからは19年以来2度目で都合4度目の優勝。
《結果》8-3-5 870円(1) 8-3 420円(1)
青山周平がシルクカップ4連覇!
年末の「SGスーパースター王座決定戦」を制覇して、今回「G1シルクカップ」は初日からスーパーハンデで臨むことになった青山周平。初日こそ勝利したが2日目から4日目までは勝てず、それでも準決勝戦で木村武之の抵抗を退けて優出キップは確保した。
3日目の試走タイム30秒から4日目は試走27秒まで上げて準決勝戦を速攻・圧勝した永井大介が、決勝では試走31秒にダウン。スタートもふるわず8番手へ後退。長田稚也は強めに吹く風の影響もあったのか、1周回3コーナー大きく外へ流れてしまい、両者は先頭争いに加われなかった。
単独0ハンデの三浦康平が逃げて松本康が斜め後ろにピタリ付ける展開。3番手追走の早川清太郎は攻めあぐんだが、松本がコースを外したところをすかさず浮上。
青山周はスタートで10メートル前の松尾啓史の内へ入り一気に6番手へ。2周回ホームストレッチでは丹村飛竜を差す。そして先頭集団へ周回ごとに接近するとコーナースピードの高さで次々と攻略し6周回3コーナーで先頭を奪取。大会4連覇、通算でも4度目のシルクカップチャンピオンに輝いた。
過去3度の決勝はいずれも通常の最重ハンデ8枠から鋭いダッシュで早めに番手を上げて抜け出す形だった。今回はスーパーハンデからの7車抜きなだけに、改めて強さが際立つレース内容・結果となった。
早川は8周回1コーナーで車を大きく外へ振って切り返しを狙ったが、三浦が内をガッチリ締めて追撃を阻み2着に残った。
文/鈴木
青山周平が数々の記録を樹立・更新/佐藤励が躍進の1年を締めた
川口デイレース5日目は午前中の雨により1レースから重走路、5レース以降はブチ走路で実施された。
11レースは「SSシリーズ優勝戦」。1級車に乗り換わってまだ半年程度の佐藤励が1番人気に。発走するとまずは佐藤励が先制攻撃。丹村飛竜に捌かれてしまうが、間もなく丹村飛は2コーナー立ち上がりでコースを外して大きく後退し、佐藤励が先頭を奪還。終盤、今度は中村杏亮に肉薄されたが、しのぎきった。
「G2若獅子杯」「G1スピード王」(ともに山陽)に続く3度目の8周優勝戦1着。今年だけで6度目、通算8度目の優勝となった。
12レースは大一番「SGスーパースター王座決定戦」。準決勝戦を勝った時点で「100点満点」とエンジン完調宣言を放った青山周平が上位人気を占めた。
ところが発走したら黒川京介がトップスタート。青山周の快進撃を止めるか?と場内がどよめいたのも束の間、青山周が1周3コーナーで突っ込んできて先頭へ。レース後半は鈴木圭一郎が追い上げてきたが、接近しては滑って距離が開き...の展開が繰り返され、けっきょく青山周を誰も倒せなかった。
史上最多、5度目の10連勝達成
史上2人目の「SGスーパースター王座決定戦」完全優勝
史上2位タイに並ぶ15度目のSG制覇
自身3度目のSGレース完全優勝
自身5度目の年間賞金王
今節3日目に新記録を樹立した年間最多勝利数の記録を97に延ばした
と青山周は記録ずくめの栄えある優勝になった。
※記録はhttps://autorace.jp/に拠る
文/鈴木
佐藤励がG1初制覇
窓口での車券発売が締め切られた時点では良走路。まさに選手たちが待機ピットから出ようとする時にいたずらな小雨が降ってきて、公式発表はブチ走路に変化した。
重走路~ブチ走路は得意な緒方浩一がスタートダッシュから1周バックストレートで同期の君和田裕二を捲りきると、すぐに後続との車間を作った。試走タイムの数字は劣勢だった丹村飛竜だが、君和田が1周4コーナーで外へ流れると2番手に浮上。しかし、その直後に追いついた佐藤励の足色は明らかに丹村飛より強め。
ここからしばらく佐藤は丹村の抵抗に遭ったが、5周ホームストレッチでインこじ開けると、あとはパワーが違った。6周で緒方を軽々と差して先頭に立ち、独走で1着ゴール。終盤に緒方を捌いた丹村と高橋貢が2・3着に入り、3連単は1番人気で決着した。
誰かが背後に来た気配を察した丹村はコースをガードする走りに。その態勢が続くと先頭の緒方に差を拡げられてしまい、佐藤としては速やかに突破して2番手へ上がることが優勝には必須だった。長年S級をキープしている強豪の丹村の防御はさすがに巧みであり、車を外へ振って冷静に態勢を作って切り返せたのは、佐藤の実力アップを改めて示した格好。今年7月に1級車へ乗り換えてからたったの5ヵ月あまりでこの走りをできたのだから、未来の可能性は計り知れない。
佐藤はこのあと、27日から地元で開催される「スーパースターフェスタ2023」に参戦する。今年は「SSシリーズ」の方を争うが、確実に近い将来、春から秋はSGレースの決勝で上位争いして年末は「スーパースター王座決定戦トライアル」の方へ出場する、という流れが毎年の恒例になるだろう。
文/鈴木