荒尾聡がプレミアムカップ初優勝!
山陽オートで行われていた特別GIプレミアムカップは、飯塚の27期・荒尾聡の優勝で幕を閉じた。荒尾の代名詞であるスタート速攻。レース序盤でケリを付けて、自分のペースで走り切ってみせた。
重走路で行われた優勝戦。試走タイムは若井友和が一番時計で66。次いで金子大輔と荒尾聡が67、高橋貢と篠原睦が69、松尾啓史が70、青山周平と鈴木宏和が71だった。
0Mオープンのスタート争いは2枠の青山が先行。4枠から荒尾が続くかにみえたが、最内の金子が踏ん張り2番手を死守。若井や鈴木宏もまずまずのスタートを切った。高橋貢と篠原はダッシュが乗らなかった。
動きがあったのは1周2コーナー。2番手発進を決めた金子が青山のインに切り込んで先頭を奪取。荒尾も1周を回るころには青山を交わして2番手に立つ。金子はペースを上げて逃げたかったが、2周バックストレッチで荒尾が金子を交わす。今度は荒尾が逃げる番。荒尾は丁寧なコース取りをしつつ、ペースを上げていく。周回ごとに2番手以下を徐々に引き離していく。後ろでは金子と青山がピタリ追走。4番手に付けていた若井は3番手浮上をうかがっていたが、最後までチャンスは訪れなかった。結果的に荒尾が逃げて快勝。金子が準優勝。青山が3番手入線を果たした。
荒尾は意外にもプレミアムカップ初めての制覇。近年では青山周平と鈴木圭一郎の2強状態が続いているオートレース界だが、この両者に割って入れる一番手は荒尾だ。ここ一番でのスタート力や整備力は流石。重走路に関してもデビューしてからずっと好成績を残せている。勝負強さに関してもオートレース界で上位に入るモノを持っている。レースに向き合う姿勢は誰にも負けない。今回の優勝でGIは12度目のタイトル。荒尾の総合力を持ってすれば、まだまだこの数字は大きくなっていくことだろう。
中村杏亮が雨中の決戦を制した!
飯塚オートで行われていたGIIオーバルチャンピオンカップは、地元の33期・中村杏亮の優勝で幕を閉じた。これで中村杏は記念レース2度目の優勝。2018年の若獅子杯争奪戦以来の記念タイトル獲得となった。
重走路で行われた優勝戦は、中村杏亮が試走一番時計で54。次いで、鈴木圭一郎が55、永井大介が56、佐藤貴也と松尾啓史が57、丹村飛竜が59、篠原睦が60、久門徹が62だった。
10Mオープンのスタート争いだが最内の中村杏が飛び出す。そこから外もほぼ枠ナリ。佐藤貴と鈴木圭が好スタートを切ったが、そこまで好位置を奪うまではいかなかった。
まずは逃げに入った中村杏。自分のペースでコースをなぞっていく。後ろでは篠原が久門を早めにパス。2番手を奪取していく。その篠原を松尾啓がまくるところで鈴木圭が間を割って入る。2番手に立った鈴木圭は中村杏を追い込む態勢を作ったが、中村杏は遥か前方。そこから追ってはいったが、劇的に差を詰めることはできなかった。結果的に中村杏が逃げ切り、鈴木圭が準優勝。3着には追い込んでいた永井入った。
中村杏は近況、メキメキと力を付けている若手の一人。今回の優勝もそうだが、直前ではSGで優出5着の成績も残している。スタートには不安がないし、スピード面はS級上位並み。今回の優勝で重走路への対応力も改めて証明してみせた。後はさばきと安定感。この2つが身に付いた時は、GII以上の舞台でも結果を出すことができる。オートレースに真剣に向き合っている中村杏。新時代を切り開くのはそう遠くない。
鈴木圭一郎が圧巻の走りで地元のSGを制覇!
浜松オートで行われていたSG全日本選抜オートレースは、地元の32期・鈴木圭一郎の優勝で幕を閉じた。これで同大会は5度目の優勝。SGは通算13度目の優勝となった。
良走路で行われた優勝戦の試走タイムは鈴木圭が一番時計で27。次いで佐藤摩弥と伊藤信夫が29、金子大輔と中村杏亮が30、中村雅人が31、永井大介が32、荒尾聡が35だった。
スタート争いは最内の鈴木圭が先行。5枠から佐藤摩がダッシュ乗せるが、金子が突っ張って2番手発進。7枠から伊藤信が切り込み4番手発進。永井は佐藤摩に抑え込まれる形でスピード乗らず最後方、中村雅も両隣に出て行かれ5番手からの競争になった。
いきなり先頭を走ることになった鈴木圭。試走タイム一番時計が出ていたようにエンジンは良い。2番手には金子が追走していたが、周回ごとに引き離していく。結果的には、2番手以下を大きく離してのブッチ切りゴール。スタートからゴールまで、1度も先頭を譲らず完璧な走りを披露した。準優勝は金子で、最後まで2番手を守ることができた。3番手を走っていた佐藤摩は伊藤信の差し込みをくらい4着入線。伊藤信が3着となった。
鈴木圭は初日からオール1着の完全優勝だった。SGで完全優勝は自身3度目。これは史上初の偉業だという。シリーズ中ずっと良走路なら、エンジンさえ仕上がっていれば可能性もある完全優勝だが、今回は3日目に重走路でも勝っている。今の鈴木圭は完全体。スタート、スピード、整備力、重走路、捌き。どこを見ても弱点がない。この中で変動しやすいのは整備力か。選手によっては、時に調整に迷いが出てしまうこともある。そこを乗り越えると高いレベルでエンジンを保つことができる。今の鈴木圭は整備でもしっかりと答えを出している。これからも全国ランク1位の存在感を放ち続けることだろう。
永井大介が速攻を決め、同大会3度目の優勝!
川口オートで行われていたGI開設記念グランプリレースは地元の25期・永井大介の優勝で幕を閉じた。好スタートから序盤でケリを付け、早々と逃げる態勢を作る永井の勝ちパターン。見事な勝利だった。
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは中村雅人が一番時計で26。次いで早川清太郎と青山周平が27、永井大介が28、鈴木宏和と加賀谷建明と高橋貢が29、小林瑞季が32だった。
10Mオープンのスタート争いは最内の鈴木宏が飛び出す。これに小林瑞と永井が続く形。大外から青山が4番手に付ける。以下は中村雅、加賀谷、高橋貢、早川と続いていった。
鈴木宏はペースを上げたかったが、早い段階で永井がインに突っ込む。今度は永井が逃げる展開。青山が鈴木宏を交わし2番手につける。一騎打ちの態勢になった。青山は永井の隙をうかがっていたが、なかなかチャンスが訪れない。そうしているうちに青山はタイヤが滑り出す。そして、3番手に上がっていた中村雅が青山を捌く。2番手に立てた中村雅だが、先頭を走る永井とは大きな差が...。永井がそのまま押し切り、中村雅が準優勝。終盤で早川が青山を差しており、3着入線を果たした。
今回の優勝戦は永井らしい走りが見られた。試走タイムこそ3番時計だったが、枠の利を生かし序盤で好位置に付けることができた。いきなりブッチ切りの状態にはならなかったが、それは後ろに付けていたのが青山だったからか。それでも慌てず騒がず自分の走りを押し通すことができた。中盤から終盤にかけては後続を引き離すことができた。これまで積み重ねてきた経験がクレバーな走りを呼び寄せた。これでGI通算26回目の優勝。選手としての引き出しがたくさんある永井は、まだまだこの数字を大きくしていくことだろう。
完璧なレース運びで桝崎陽介が深夜の王者に!
山陽オートで行われていたGIIミッドナイトチャンピオンカップは、飯塚の28期・桝崎陽介の優勝で幕を閉じた。試走タイムから他を圧倒し、鋭いスタートを決めて絶好の展開を作ってみせた。そして、自身2度目の記念タイトルを獲得した。
良走路で行われた優勝戦の試走は桝崎が一番時計で27。次いで藤岡一樹、前田淳、滝下隼平、丹村飛竜が29、長田恭徳が32、角翔太郎が33だった。
0ハン単騎の角はしっかりスタートを決めて逃げに入った。10線は桝崎が先行。藤岡が最内から踏ん張り、前田が3番手発進。滝下はやや遅れて、長田と丹村が重なって出る。
序盤から先頭を走っていた角だが、すぐに桝崎がジカ付けしてくる。そして、3周目に入るあたりで桝崎が角のインに突っ込んでいく。先頭に立った桝崎は後続を引き離しにかかる。後ろでは前田も角を差して2番手に立っていた。3番手に下がった角は藤岡に詰め寄られていたが、なんとか粘り切り3着入線。丹村は速い流れに苦しみ5着の結果だった。
優勝した桝崎は見事な走りだった。やや不安視されているスタートを枠ナリ発進以上に決め、自ら好展開を作れた。角を交わすところも慌てず騒がず、冷静にきっちり差していけた。連日、試走タイムが出ていて、優勝戦でも一番時計を叩き出す調整ができていた。上がりタイムは驚異の3・324。走路温度4℃で、スピードが出やすい条件ではあったが、その状況を生かし結果を出してみせた。今年はここまで3節を走り、その全てで優出。更にその内2回は優勝。充実しまくっている。実父・桝崎正さんの息子としてデビューした桝崎陽介。成長に伸び悩み、苦しむ時期もあったが、遅ればせながら今年は大きな飛躍の年になるかも。