早川清太郎が初夏の熱戦を制した!
川口オートで行われていたGIキューポラ杯は伊勢崎の29・早川清太郎の優勝で幕を閉じた。早川はレース序盤の展開をうまく付いて好位置に浮上。早めに抜け出して後続を振り切ってみせた。
試走タイムは鈴木圭一郎が一番で30。次いで早川と永井大介が31、加賀谷建明が32、泉田修佑が36、石井大輔が37、高石光将が38、君和田裕二が39だった。
レース展開は0ハン最内から高石が先行。君和田、石井と続いていったが10線最内から先行した泉田が速攻を決め先頭を奪う。しかし、この時、早川がインを突いて番手を上げている。ここからは早川と泉田の一騎打ち。早川は慌てず騒がず様子をうかがうと、仕掛けるタイミングを見つける。そこでしっかりとインに突っ込んで行った。後方からは永井が追い込んできたが、寄せ付けずに先頭ゴール。8号車の鈴木圭もレース後半伸びてきたが、前半の位置取りがうまくいかず苦戦した。
早川はしっかりと自分ができる事をこなしていた。優勝するために最適の行動ができていた。車を押し進められる時は着実に番手を上げていた。2番手に立ってからも冷静さを保てていた。前を走る泉田のペースが上がっていない事を確かめると、仕掛け時を計っていた。そこからは全く問題のない走り。今回の優勝でGIは10度目の優勝。記念レースでの勝ち方を熟知している。あとはSGのみ。何年も前から言われているが、SG初優勝に最も近い存在は早川。その日は遠くないだろう。
青山周平が稲妻賞3度目のV!
伊勢崎で行われていたGII稲妻賞は、地元の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。10Mオープンの大外から好ダッシュを決めると、あっさりと首位に立ち、そこからは後続を引き離し圧勝ゴールを決めた。
試走は青山周平が一番時計で27。次いで高橋貢、早川清太郎、丹村飛竜が29。荒尾聡が31、田村治郎と西原智昭と田中茂が33だった。
10Mオープンのスタートは2枠の西原が飛び出したが、1周バックでは青山が2番手に付けた。いきなりの逃げに入った西原はそこそこのペースで走っていたが、青山は慌てず騒がず仕掛ける態勢を整えると西原をパス。その後はこれでもかというブッチ切りの走りを見せた。2着には西原をなんとか攻略した高橋貢が入り、3着には田村を抜くのに手間取った早川が入った。
青山は今回、良走路での競争が少なく、エンジンを整えにくい状況が続いていた。準決も勝つには勝ったが、重走路で正味のエンジン状態を掴みづらかった。それでも優勝戦当日は何度もエンジンをかけ、最後まで調整を続けた。レースの時間帯にばっちり合うようにしていった。試走タイムが表すように、エンジンはしっかりと仕上がった。優勝した要因は爆発的なスタート力もさることながら、この調整力の裏づけがあったからだろう。青山はエンジンが納得いく状態になるまでは手を緩めない。ナンバー1であるための準備は決して怠らない。これからもトップとして君臨し続けるだろう。
篠原睦が速攻を決め、ミッドナイトチャンピオンカップを制した!
飯塚オートで行われていたGIIミッドナイトチャンピオンカップは地元の26期・篠原睦が制した。0Mオープンの大外から好ダッシュを決めると、道中も冷静なレース運びで勝利をもぎ取った。
良走路で行われた優勝戦は岩見貴史と森本優佑が試走一番時計の29。篠原睦が30、鐘ヶ江将平と久門徹が31、桝崎陽介と木山優輝が32だった。
スタート争いは、最内の鐘ヶ江が外枠勢のプレッシャーを跳ね除けて先行。大外から篠原が2番手発進。2枠の岩見は3番手に付け、6枠の木山も好位置に付ける事ができた。
鐘ヶ江はマイペースで走っていたが、早い段階で篠原が差していく。逃げに入った篠原はペースを上げたかったが、後続を引き離す事ができないでいた。それでも、自分のコースをしっかりと守り切り、後続車に割り込まれる隙を与えなかった。残りの周回を丁寧に走り先頭ゴール。2着には鐘ヶ江が入り、3着には道中で木山と岩見をまとめ差しした森本が入った。
スタート巧者が並ぶ0Mオープンの1コーナー想定は難しかった。当ブログで本命に推した久門は、まさかの7番手発進。大外でどこまでスタート行けるかと思われていた篠原は2番手発進。最内の鐘ヶ江は意地を見せてトップ旋回。何かが一つでも変われば、レース展開も大きく変わるだろう。しかし、篠原は0Mオープンの経験が多いからか、大外からでも好スタートを決めてみせた。エンジンの仕上がりは突き抜けてはいなかったが、そのエンジン状態に合わせた走りができた。これまでの実績が優勝につながったと言える。現在44歳の篠原だが、記念タイトルはまだまだ積み上げていく事ができるだろう。
黒川京介が地元の記念初優勝!
川口オートで行われていたGII川口記念は、地元の33期・黒川京介が制した。黒川はGIでの優勝はあるが、GIIでは初めての優勝。地元のタイトルも初めての制覇になった。
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは黒川京介が一番で29。次いで大木光と青山周平が30、木村武之と永井大介が31、渡辺篤と若井友和が32、人見剛志が33だった。
10Mオープンで行われたスタート争いは、最内の人見がしっかりと先行。ここに黒川が乗って行く。以下は若井、渡辺、青山、永井と続いていく。大木はスタート空回りで木村は最後方からの競争になった。
まずは逃げに入った人見。試走タイムは最も悪かったが、そこそこのペースで逃げていく。2番手に付けた黒川は、なかなか仕掛けるタイミングが見つからない。と言うより序盤は追走するのが一杯の様子にも見えた。後ろでは青山が若井を攻略にかかる。先頭争いで動きがあったのは4周3コーナー。2番手で様子をうかがっていた黒川が人見を交わしにかかる。差し込める距離になると、インに突っ込んで行った。これが綺麗に決まり、黒川が先頭を奪取。青山も人見を差して2番手に立つ。ここからは黒川と青山の一騎打ちになったが、最後まで黒川が前を走り切りゴール。3着には追い込んできた永井が入った。
黒川は2019年に山陽のGIスピード王決定戦を制して以来のグレードレース制覇。今回は地元での栄冠で嬉しさは倍増だろう。試走一番時計が出ていたように、エンジンが仕上がればスピード面は青山にも対抗できる。このスピードは大きな武器だが、それよりも特筆すべきはスタート力。今回は10Mオープンの5枠から2番手発進を決めた。近年の記念レースの優勝戦はオープン戦がメイン。優勝争いに参加するとなると序盤で好位置に付けなければならない。黒川は、この点はすでにクリアしている。独走力も十分。となるとSG初制覇の日も近いか。
木村武之がゴールデン2度目の優勝!
浜松オートで行われていたGI開場記念ゴールデンレースは、地元の26期・木村武之の優勝で幕を閉じた。木村は2005年以来の同大会V。優勝戦は盤石の走りでファンの期待に応えた。
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは青山周平と鈴木圭一郎が一番時計タイで27。次いで木村武之、金子大輔、若井友和が29。高木健太郎が31、長田恭徳が32、田中茂が33だった。
0ハン単騎の高木はしっかりとスタート残して出る。10Mからは長田がダッシュ付かず、田中茂が先行。これに木村と金子、それに青山が乗って行く。以下は若井と鈴木圭。高木は序盤で自分のリズムを掴んでいたが、早々と田中茂とパスした木村がやってくる。そして、4周目に入った所で木村が高木を差す。金子も続いて高木を差していったが、鈴木圭が金子を捌く。残り3周とちょっとを残し、逃げる木村と追う鈴木圭で一騎打ち状態。鈴木圭は徐々に差を詰めていくが、最終的には仕掛ける態勢まではいかず、木村が押し切って先頭ゴール。2着は鈴木圭。3着には巻き返してきた青山が入った。
木村はしっかりと自分の走りができた。10Mに7車並んだ内から3番目の位置。そこから2番手発進を決めると、落ち着いて前の2車を交わしていった。試走タイムは3番時計タイではあったが、有利なハンデ位置を確実にモノにした。非の打ち所のないレース運びだった。準決で青山を振り切り、1着ゴールを決めた事も優勝戦へ向けての余裕につながったのだろう。こういった状況になった時の木村は強い。着実に舞台が整った時は最大限の力を発揮できる。これで木村はSG3Vを含む記念レース32V。この数字はまだまだ積み上げられていくだろう。