
青山周平が完全Vでシルクカップ3連覇を達成!
伊勢崎オートで行われていたGIシルクカップは地元の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。青山は前回、前々回に続きこの大会3連覇。改めて強い青山の走りが見られた。
良走路で行われた優勝戦は、試走タイム一番時計が青山の23。次いで早川清太郎で27、佐藤裕二が28、桜井晴光と松本やすしが29、佐藤貴也が30、大月渉と西原智昭が32だった。
10Mオープンのスタート争いは最内の桜井が先行するかにみえたが、4枠の松本が桜井を包んで先行。大月、西原、佐藤裕が続き、その後ろに青山。佐藤貴と早川は枠ナリに出ることができなかった。
松本の逃げでレースが始まり、桜井が2番手で追走する形になったが、まずまずのスタートを決めた青山が早々と3番手に浮上。そこからは攻めが早かった。2番手の桜井を差しで突破すると、先頭を走る松本に対しても間髪いれずインに突っ込んでいく。そこからはマイペースの走り。後続をそこまで引き離すには至らなかったが、上がり3.343のタイムで勝ち切ってみせた。徐々に番手を上げていた佐藤貴が8周3コーナーで松本を差して2番手浮上。準優勝だった。3着には松本が粘り込んだ。
それにしても青山の攻めは早かった。抵抗されると多少展開が厳しくなる佐藤貴と早川に対し、スタートで先行できたのは大きい。そこからは試走23の機力を後押しに前を走る選手を冷静に捌いていけた。昨年末のSS王座決定戦では悔しい思いをしたが、今回は試走タイムもスタートもその後の展開も万全で優勝。更に初日から負けなしの完全優勝を達成。巻き返しの態勢を整えるには十分な内容。今年も青山を中心にオートレース界が駆け巡っていくだろう。
鈴木圭一郎が5大会ぶり2度目のSS制覇!
最も試走タイムが良かったのは青山周平と鈴木圭一郎の25。次いで早川清太郎の26、松尾啓史と小林瑞季が27、荒尾聡と加賀谷建明が29、有吉辰也が30だった。
0Mオープンで大事なスタート争いは3枠の鈴木圭が先行。有吉が続いて出るも少し流れ、早川が内で踏ん張る形。最内の青山は完全に包まれてしまった。5枠から外は枠ナリのスタートになった。
いきなり先頭に立った鈴木圭はペースを上げて走っていく。後ろでは有吉が食らい付いていたが、徐々に差をつけられてしまう。3番手では早川と小林瑞が競り合っていて、そこに青山も加わってくるが一瞬の隙を突いて松尾が浮上。早川は再び有吉の後ろに付けたが後退。松尾が3番手に立つ。青山は渾身の巻き返しを図るも及ばず4着だった。後方の競り合いを尻目に鈴木圭が悠々と逃げ切った。2着は最後まで粘っていた有吉が入線した。
優勝戦の鈴木圭は強かった。準決までのエンジンは、逃げるには適しているが追うには厳しいと語っていた。そこから整備を施しているがどう変化があったのか。しかし、レースではトップスタートからの一人旅。上がりタイムは驚異の3・308。近年に見ない数字をマークした。新走路でスピードが出やすい状況だったし、10周戦でトップスタートなので好タイムは出やすい。それでもこの数字は恐れ入る。誰も追ってこれないわけだ。スピードでナンバー1は間違いなく鈴木圭。これでSSは2度目の優勝。SGは通算12Vとなった。もちろん、この数字はこれから更に積み重ねられていく。
SSシリーズ戦は黒川京介が優勝。レースは佐藤摩弥がトップスタートで逃げ粘っていたが、2番手発進の黒川が何度も攻略にかかる。そして最終周回の2コーナーで捲りが決まり先頭を奪取。そのままゴールを迎えた。黒川は昨年、SS王座決定戦で準優勝だったが、今年はSSポイントがなくSSシリーズ戦の方へ出場。しかし、きっちりと優勝で締めることができた。次回はSS王座トライアルでその勇姿を見たい。
松尾啓史がスピード王決定戦2度目の制覇!
山陽オートで行われていた第57回GIスピード王決定戦は、地元の26期・松尾啓史の優勝で幕を閉じた。松尾は2006年にこのタイトルを制しGI初制覇を成し遂げたが、それ以来2度目のスピード王決定戦制覇。地元ファンの期待に応えてみせた。
試走の時は走路の一部が濡れていたが、レースが始まる頃にはほぼ良走路になっていた。試走タイムは松尾が一番時計で33。次いで丹村飛竜、若井友和、青山周平が38。松本やすしが39、三浦康平が43、緒方浩一が48、石橋大が51とかなりバラつきがあった。
レースでは若井がフライングを犯し再発走。2度目のスタートは0ハンの石橋が残していく。10線最内の緒方が枠ナリ発進を死守。それに松本が乗っていく。大外の青山はそこまでダッシュがつかなかった。
石橋の逃げで始まったが、レース序盤で動きがあった。1周バックストレッチで松本やすしが緒方と石橋をまとめ差し。すぐに松本が逃げる展開を作った。しかし、三浦を早めに捌いた松尾が好位置につけていた。そして、3周3コーナーで松尾が松本のインに入る。結果的にそのまま松尾が先頭でゴール。後ろでは若井と松本が競り合い、その後ろで青山が様子をうかがう展開。最終的には若井が松本を抑え切り、青山は2車の間を割れず4着入線だった。
このレースでの松尾は自信を持って走れていた。試走はレースの時よりも不安定な走路だったとはいえ、そこでしっかりと一番時計を出せた事がレースでも落ち着いて走れた要因か。エンジンが出ている時の松尾は、レース運びに余裕が出るし、攻めもいつもより鋭くなる。スタートもそこまで遅れる事はない。この機力をキープし続けたいところ。年末には川口でスーパースター王座決定戦が待っている。それに向けて最高のリズムを作れたのではないか。また一人、大みそかを盛り上げる強力な存在が現れた。
加賀谷建明が圧巻の走りでメモリアルV!
浜松オートで行われていたGIIオートレースメモリアルは、川口の27期・加賀谷建明が制した。トップスタートからブッチ切りの走り。前走の飯塚GIに続いて記念レースで連続優勝を成し遂げた。
試走は鈴木圭一郎が一番時計で26。高橋貢が28、金子大輔が29、加賀谷が30、岩崎亮一と荒尾聡が31、佐藤貴也が32、竹谷隆が34だった。
10Mオープンのスタート争いは、4枠から加賀谷が飛び出していく。これに一つ外の佐藤貴が乗って出る。2枠の岩崎は踏ん張って3番手発進。高橋貢もまずまずのスタートを切った。
いきなり先頭に立った加賀谷は序盤からペースを上げていく。佐藤貴の追走に岩崎が仕掛けの機会をうかがう。2人が軽く競り合う間に加賀谷は大きなリードを作っていく。鈴木圭は7番手発進から徐々に車を押し上げていく。佐藤貴の抵抗にあいながらも鈴木圭は進んで行ったが、2番手に立った時には先頭の加賀谷はセーフティーリードを作っていた。そのまま加賀谷が押し切り先頭ゴール。
加賀谷は先行逃げ切りの王道パターンで勝ち切ってみせた。爆発的なスタート力と圧倒的な独走力が加賀谷の持ち味。その両方を今回の優勝戦でいかんなく発揮してみせた。加賀谷の真骨頂とも言える走りだった。この後は地元で2節、一般開催で走り、そしてスーパースタートライアルに出場となる。この勢いを持続させたまま、地元の走路に合うセッティングが見つかれば、年末は大注目の存在になるかも。
加賀谷建明が嬉しいGI初制覇!
飯塚オートで行われていたGI開設記念レースは川口の27期・加賀谷建明が制した。加賀谷はGIタイトル初めての奪取。思い出に残る大会になった。
優勝戦は重走路で行われ、試走タイムは加賀谷が53で一番時計。次いで青山周平が56、浦田信輔が57、松尾啓史と木村武之が58、中村杏亮が59、岩崎亮一が61、鈴木宏和が63だった。
10Mオープンで肝心のスタート争いはほぼ枠ナリ。7枠から木村がカマシ気味に出て行くが、4枠の加賀谷が突っ張った。岩崎の逃げでレースは始まったが、早い段階で中村がパス。今度は中村が逃げる態勢を築いたが、浦田を差した加賀谷が早々と登場し、中村を捲っていく。ここからは後続を引き離す一方のブッチ切り勝利。大きなリードを作ってチェッカーフラッグを受けた。2着と3着には粘っていた中村と浦田が入った。青山は追い上げていたが、木村や松尾の抵抗に遭い、最終的には5着入線。
加賀谷は完全に自身の勝ちパターンに持ち込んでみせた。スタート力は元々定評があり、今回の優勝戦でも枠ナリ発進は死守できた。その後の攻めも素早かった。他の選手が逃げ態勢を作る前に先頭に踊り出ることができた。独走力も選手の間では昔から評判だ。重走路だったのも加賀谷にとっては味方したかも。加賀谷の特徴は上位級のスタート力と独走力、そして重走路対応力。一般開催などのハンデ戦よりも、オープン戦などが多い記念レースで活躍できるタイプ。これまでにGIIは3度制しているが、今回がGI初制覇なのは不思議なくらいだ。むしろSGでも十分通用するだけの戦力はある。今回は約3ヶ月ぶりの実戦だったが、レース勘に全く不安を感じさせていない。年末にはスーパースタートライアルが待っている。最高の形で今年を終えるための準備は整ったとみていいだろう。