丹村飛竜がブッチ切りの走りで栄冠を掴んだ!
浜松オートで行われていた第63回GIスピード王決定戦は、山陽の29期・丹村飛竜が先行逃げ切りで制した。丹村はこれで2度目のGI優勝。記念タイトルを一つ増やした。
第1Rは良走路で行われた浜松最終日だが、途中で雨が降り、優勝戦は重走路での戦いになった。試走は鈴木圭一郎が一番時計で64。次いで荒尾聡が67、丹村飛竜が69、木村武之が70、伊藤信夫が71、山田達也と鈴木宏和が74、松山茂靖が76だった。
10Mオープンの優勝戦は3枠から丹村が飛び出す。内枠勢も踏ん張って好位置に付ける。外からは荒尾と鈴木圭がダッシュを乗せて行く。レース後、すぐにハプニングがあった。1周2コーナーを立ち上がったあたりで山田達の車がほんの少し滑り、すぐ外にいた荒尾がその影響で落車。更にその外にいた鈴木圭も落車。それを避けた木村武は戦線離脱の状況。その後はほぼ5車での競争になった。
早々と逃げ態勢を作った丹村は、快調にリードを広げていく。結果的にそのまま圧勝でゴールを迎えた。2番手を走っていた松山は山田達の攻めに対し、慌てず自分のコースを守り続ける。4番手争いで伊藤信が鈴木宏を交わしたが、それ以外は動きのないレースだった。
優勝した丹村は得意の重走路でしっかりと結果を残した。今回はハンデ位置的にもチャンスは十分だった。肝心のスタートをしっかり決める事ができたし、独走に入ってからは落ち着いて乗れていた。仮に良走路でも、良い結果を残せたのではないかと思えるぐらい走りは安心して見ていられた。一時は山陽エースの座にまで就いていた丹村。これでGI2V、GII1Vとなったわけだが、本人のポテンシャルを考えれば少なすぎる数字。もっともっと記念を取っていてもおかしくない走力を持っている。次はいよいよSG制覇か。
永井大介が速攻を決め、優勝をもぎ取った!
飯塚オートで行われていたGIIオーバルチャンピオンカップは川口の25期・永井大介の優勝で幕を閉じた。永井は同大会初制覇。また1つ記念タイトルを積み重ねた。
優勝戦の試走タイムは高橋貢が一番時計で24。次いで若井友和が27、加賀谷建明と篠原睦が29、浦田信輔と永井大介が30、有吉辰也と辻大樹が31だった。
0オープンで肝心のスタート争いだが、永井がフライングを切り再発走。2回目のスタートでは有吉が飛び出し、これに永井と加賀谷が乗って行く。最内の浦田は踏ん張って4番手発進。篠原と若井が続き、高橋貢と辻は厳しい展開になった。
レースは序盤にいきなり波乱があった。トップスタートを決めた有吉ではあったが、1周バックストレッチでまさかの落車。すると2番手発進だった永井が先頭に踊り出る。その永井を加賀谷が追う展開になった。永井は試走タイムがイマイチだったようにペースが思ったほど上がらない。後続を引き離せないでいた。加賀谷も伸びを欠いていて、若井が道中で交わしていく。永井と一対一の状況に持ち込んだ若井の方がエンジンは強めだった。周回ごとに永井との差を詰めにかかるが、最終的には追い込み届かず永井が先頭でゴール線を通過した。若井は準優勝。加賀谷が3着入線となった。
永井は2021年に特別GIプレミアムカップを制して以来の記念優勝。今節はエンジンの状態が良く、優勝戦のメンバーや枠的に十分チャンスがあった。その機会を逃さず、しっかりとモノにするあたりはさすがの一言。以前よりは記念レースでの優勝が少なくなっている永井だが、エンジンが仕上がれば今でも十分戦える。存在感ある走りを披露できる。スタートも決めてみせる。今回の優勝でGII以上の記念タイトルは54となったが、この数字はまだまだ増えていくだろう。
青山周平がシルクカップ連覇を達成!
伊勢崎オートで行われていた第45回GI開場記念シルクカップは、伊勢崎の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。青山は昨年に続いての優勝。同大会連覇を果たした。
良走路で行われた優勝戦は早川清太郎が試走一番時計の26。次いで青山が27、中村雅人と三浦康平が28、高橋貢が29、内山高秀が30、西原智昭が31、渋沢憲司が32だった。
レース展開は0ハン単騎の渋沢は残して出る。7車並んだ10線は大外の青山が猛ダッシュを決めて1コーナー先制。他は最内の内山から枠ナリ発進となった。いきなり2番手に立った青山は間髪入れずに渋沢を差す。その後は後続を引き離す一方の一人旅。圧倒的な走りを見せ付けた。後ろでは三浦が渋沢を交わして2番手に立ったが、徐々に番手を上げていた早川が最終3コーナーで三浦を差して準優勝。他はあまり動きがなかった。
それにしても青山のスタートは強烈だった。同ハンに並んでいた選手達は決してスタートが遅いわけではなかった。むしろスタートは得意な選手が多く、大外からカマシ切るのは厳しいと思われていた。内の6車全てではなく、何車かに先行できればそれでもかなり有利な状況だった。しかし、結果としては内枠勢を全て包んでスタートを決めてしまった。これでほぼ勝負はあった。独走に入ってからも、いつもよりペースが上がっているように感じられた。試走は2番時計ではあったが、エンジンにはかなりの手応えを感じていたのだろう。自信を持って気持ち良さそうに走っていた。これでシルクカップは連覇で2度目の優勝。GIは通算17度目の優勝。この数字はまだまだ伸びていくだろう。どこまでいくのか楽しみでならない。
青山周平がスーパースター王座決定戦3連覇を達成!
SS王座決定戦は伊勢崎の31期・青山周平が制した。これで同タイトルは3連覇で、通算4度目の優勝。ゴール後は喜びを爆発させていた。
試走は鈴木圭一郎が一番時計で25。次いで青山周平が26、永井大介と黒川京介が27、伊藤信夫が28、有吉辰也と佐藤貴也が29、荒尾聡が30だった。
肝心のスタート争いは、伊藤信がフライングを切り再発走。2回目のスタートは4枠から黒川が飛び出していく。これに有吉が乗っていきそうな形だったが、最内から青山がインで踏ん張った。その後ろでは鈴木圭と荒尾が番手争い。永井は8番手発進で厳しくなった。
いきなり逃げ態勢を作れた黒川だったが、2周3コーナーで青山がインに突っ込んでいく。これが綺麗に決まり、今度は青山が逃げに入る。すぐ後ろで黒川がピタリと追走していたが、付け入る隙を全く与えない。エンジン的には黒川に余裕がありそうだったが、仕掛けるタイミングが全く合わない。更に3番手には鈴木圭が付けており、不用意な動きはできない状態。青旗すぎでインに入りかけたが、これも封じ込まれてしまう。最終的にそのまま青山が先頭を死守。黒川は準優勝。3着は鈴木圭だった。
青山はさすがの走りを見せた。スタートこそ黒川に行かれたが、ペースを上げにかかる前に交わしていけた。そこからは完璧な走りだった。後ろの黒川を意識しつつ、コースを外さない。もっと言えば上がりタイム337が出ていたように、決してスローペースではない。実際に4番手以下は大きく離されていた。これでSGは10度目の戴冠。まだまだこの数字は伸びるだろうし、まだまだ青山は強くなっていくだろう。
なお、SSシリーズ戦は山陽の26期・松尾啓史が優勝した。スタートで先行した鈴木宏和がマイペースで逃げていたが、最後方からのレースになった松尾は冷静に1車ずつ捌き、2番手に立ってからは鈴木宏との差を詰めてインに突っ込み首位浮上。改めて技量の高さを見せ付けた。
青山周平が山陽スピード王決定戦初制覇!
山陽オートで行われていた第56回GIスピード王決定戦は、伊勢崎の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。好スタートから3番手に付けるレース展開で、しっかりと前2車を交わして先頭ゴールを決めてみせた。
試走タイムは鈴木圭一郎が一番時計で26。次いで浦田信輔と青山周平が27、篠原睦が28、岩見貴史と松尾啓史、荒尾聡が29、森本優佑が30だった。
10Mオープンで行われたレースのスタート争いだが、2枠の岩見がダッシュを決め先行発進。すぐ外の篠原が乗っていく。大外から青山もカマシ気味に出ていった。鈴木圭は最後方からのレース展開になった。
いきなり逃げ展開になった岩見は自分の走りで周回を重ねていく。篠原はピタリと続いて岩見の隙をうかがって走るが、仕掛けのタイミングをなかなか見出せない。そうこうしている間に、3番手に付けた青山がまずは篠原を差し2番手を奪取。そこからは岩見との車間を確認しながらインに突っ込む。
青山は8周回をフルに活かして先頭ゴールを決めてみせた。最後に岩見を抜く所では、ややコーナー流れ気味ではあったが、しっかりと車が返ってきて自分のコースを走る事ができた。今の青山の強みは仕掛けの強さ。前を走る車に隙があれば、インから突っ込んで交わしていける。逃げに入っている選手のペースが上がっていようがいまいが、抜けるタイミングなら攻撃を仕掛けていく。このメンタルが青山の最大の強みであろう。この後に続くスーパースター王座決定戦での走りに注目したい。