
篠原睦が速攻を決め、ミッドナイトチャンピオンカップを制した!
飯塚オートで行われていたGIIミッドナイトチャンピオンカップは地元の26期・篠原睦が制した。0Mオープンの大外から好ダッシュを決めると、道中も冷静なレース運びで勝利をもぎ取った。
良走路で行われた優勝戦は岩見貴史と森本優佑が試走一番時計の29。篠原睦が30、鐘ヶ江将平と久門徹が31、桝崎陽介と木山優輝が32だった。
スタート争いは、最内の鐘ヶ江が外枠勢のプレッシャーを跳ね除けて先行。大外から篠原が2番手発進。2枠の岩見は3番手に付け、6枠の木山も好位置に付ける事ができた。
鐘ヶ江はマイペースで走っていたが、早い段階で篠原が差していく。逃げに入った篠原はペースを上げたかったが、後続を引き離す事ができないでいた。それでも、自分のコースをしっかりと守り切り、後続車に割り込まれる隙を与えなかった。残りの周回を丁寧に走り先頭ゴール。2着には鐘ヶ江が入り、3着には道中で木山と岩見をまとめ差しした森本が入った。
スタート巧者が並ぶ0Mオープンの1コーナー想定は難しかった。当ブログで本命に推した久門は、まさかの7番手発進。大外でどこまでスタート行けるかと思われていた篠原は2番手発進。最内の鐘ヶ江は意地を見せてトップ旋回。何かが一つでも変われば、レース展開も大きく変わるだろう。しかし、篠原は0Mオープンの経験が多いからか、大外からでも好スタートを決めてみせた。エンジンの仕上がりは突き抜けてはいなかったが、そのエンジン状態に合わせた走りができた。これまでの実績が優勝につながったと言える。現在44歳の篠原だが、記念タイトルはまだまだ積み上げていく事ができるだろう。
黒川京介が地元の記念初優勝!
川口オートで行われていたGII川口記念は、地元の33期・黒川京介が制した。黒川はGIでの優勝はあるが、GIIでは初めての優勝。地元のタイトルも初めての制覇になった。
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは黒川京介が一番で29。次いで大木光と青山周平が30、木村武之と永井大介が31、渡辺篤と若井友和が32、人見剛志が33だった。
10Mオープンで行われたスタート争いは、最内の人見がしっかりと先行。ここに黒川が乗って行く。以下は若井、渡辺、青山、永井と続いていく。大木はスタート空回りで木村は最後方からの競争になった。
まずは逃げに入った人見。試走タイムは最も悪かったが、そこそこのペースで逃げていく。2番手に付けた黒川は、なかなか仕掛けるタイミングが見つからない。と言うより序盤は追走するのが一杯の様子にも見えた。後ろでは青山が若井を攻略にかかる。先頭争いで動きがあったのは4周3コーナー。2番手で様子をうかがっていた黒川が人見を交わしにかかる。差し込める距離になると、インに突っ込んで行った。これが綺麗に決まり、黒川が先頭を奪取。青山も人見を差して2番手に立つ。ここからは黒川と青山の一騎打ちになったが、最後まで黒川が前を走り切りゴール。3着には追い込んできた永井が入った。
黒川は2019年に山陽のGIスピード王決定戦を制して以来のグレードレース制覇。今回は地元での栄冠で嬉しさは倍増だろう。試走一番時計が出ていたように、エンジンが仕上がればスピード面は青山にも対抗できる。このスピードは大きな武器だが、それよりも特筆すべきはスタート力。今回は10Mオープンの5枠から2番手発進を決めた。近年の記念レースの優勝戦はオープン戦がメイン。優勝争いに参加するとなると序盤で好位置に付けなければならない。黒川は、この点はすでにクリアしている。独走力も十分。となるとSG初制覇の日も近いか。
木村武之がゴールデン2度目の優勝!
浜松オートで行われていたGI開場記念ゴールデンレースは、地元の26期・木村武之の優勝で幕を閉じた。木村は2005年以来の同大会V。優勝戦は盤石の走りでファンの期待に応えた。
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは青山周平と鈴木圭一郎が一番時計タイで27。次いで木村武之、金子大輔、若井友和が29。高木健太郎が31、長田恭徳が32、田中茂が33だった。
0ハン単騎の高木はしっかりとスタート残して出る。10Mからは長田がダッシュ付かず、田中茂が先行。これに木村と金子、それに青山が乗って行く。以下は若井と鈴木圭。高木は序盤で自分のリズムを掴んでいたが、早々と田中茂とパスした木村がやってくる。そして、4周目に入った所で木村が高木を差す。金子も続いて高木を差していったが、鈴木圭が金子を捌く。残り3周とちょっとを残し、逃げる木村と追う鈴木圭で一騎打ち状態。鈴木圭は徐々に差を詰めていくが、最終的には仕掛ける態勢まではいかず、木村が押し切って先頭ゴール。2着は鈴木圭。3着には巻き返してきた青山が入った。
木村はしっかりと自分の走りができた。10Mに7車並んだ内から3番目の位置。そこから2番手発進を決めると、落ち着いて前の2車を交わしていった。試走タイムは3番時計タイではあったが、有利なハンデ位置を確実にモノにした。非の打ち所のないレース運びだった。準決で青山を振り切り、1着ゴールを決めた事も優勝戦へ向けての余裕につながったのだろう。こういった状況になった時の木村は強い。着実に舞台が整った時は最大限の力を発揮できる。これで木村はSG3Vを含む記念レース32V。この数字はまだまだ積み上げられていくだろう。
鈴木圭一郎が大会連覇を達成!
川口オートで行われていた第41回SGオールスターオートレースは、浜松の32期・鈴木圭一郎の優勝で幕を閉じた。鈴木圭は昨年に続いての優勝で、この大会連覇。オールスターは3度目の制覇になった。
優勝戦が行われた大会最終日は良走路で始まったが、5Rの試走後に降雨。そこからは重走路での競争になった。優勝戦の試走は加賀谷建明が一番時計で73。次いで丹村飛竜が74、永井大介と鈴木圭一郎が76、篠原睦が77、有吉辰也と高宗良次が78、早川清太郎が81だった。
0オープンのスタート争いは2枠から鈴木圭が飛び出す。永井が最内で踏ん張る。4枠の丹村が3番手発進。加賀谷が4番手で、他は枠ナリの発進となった。
いきなり逃げに入った鈴木圭は、コースを外さず落ち着いて走れていた。3番手発進の丹村が永井をパスして2番手に浮上。ここからは一騎打ちの様相になった。丹村は必死に追走していくが、抜く態勢を作るまでにはいかない。瞬間的に鈴木圭との差を詰める場面はあったが、それでも交わせる態勢まではいかなかった。結果的に鈴木圭はトップスタートからそのまま押し切り。丹村が準優勝。一旦、最後方まで下がった加賀谷が巻き返しを決めて3着に食い込んだ。
鈴木圭は試走タイムこそそれほど出ていなかったが、レースではミスすることなく走り、後続に隙を与えなかった。これまでSGで10回優勝している経験からの冷静さなのか。レース序盤の展開が大事な0オープンの重走路で、しっかりとスタートを決める事ができた。重走路での優勝は今後、本人の経験的余裕につながるだろう。いろいろな状況で結果を出す事が、本人の総合力を増してくれる。今回でSGは11回目の制覇。この数字は当然、今後も伸び続けていくだろう。
平田雅崇が執念の走りで優勝をもぎ取った!
山陽オートで行われていたGI第3回令和グランドチャンピオンカップは、川口の29期・平田雅崇が制した。平田は2007年以来のGI制覇。GIタイトルは2つ目となった。
試走タイムは鈴木圭一郎が一番時計で29。次いで丹村飛竜と松尾啓史が30、平田雅崇が31、若井友和が32、山際真介と人見剛志が36、田中正樹が39だった。
10Mオープンで肝心のスタート争いは、最内の田中正が先行したかに見えたが、山際が外から抑え込んで行く。これに平田がすぐさま続く。大外から鈴木圭がダッシュを乗せて行くが中枠勢の抵抗にあう。丹村と若井がまずまずのスタートを見せた。
山際はペースを上げたかったが、2周目に入る所で平田がインに突っ込んで行き、先頭を奪取。若井も山際を交わして2番手に付ける。その後、若井は平田との差を詰めにかかるが、思うように車が進まない。そうこうしている内に、鈴木圭が丹村を差して3番手に浮上。残り2周になる所で鈴木圭が若井を差して2番手に進出。ここからは鈴木圭が平田を追う形になったが、仕掛ける態勢まではいけない。最後にゴール前でチョイ差しを狙った鈴木圭だが、平田が僅かな差で振り切り1着ゴール。
平田は約15年ぶりに記念レースで優勝した。平田は今年、3月に入ったあたりからエンジンが良くなっていた。今回と同じ山陽走路で3月3日にミッドナイトで優勝。直前には地元川口で準優勝し、そのままの勢いで今回に臨めた。今回も初日から好走を見せ、優勝戦でも好スタートを切ってみせた。
デビューしてから順調に成長し、4年目に川口でGI制覇。飯塚所属から川口所属になった時は、すぐにでも川口でナンバー1になるのではないかと評されていた。しかし、その後は高いレベルの競走を見せ続けていたものの、最後のひと壁を乗り越えられない印象だった。ただ、今回の記念優勝で再び高い位置に上がれた。SG優出はこれまで6回ある。次に目指すはSG優勝だ。