早川清太郎がムーンライト5度目の優勝達成!
初日こそ重走路でのレースもあった伊勢崎GIムーンライトチャンピオンカップだが、最終日は1Rから良走路で行われ、優勝戦も良走路だった。このスピードバトルを制したのは早川清太郎。これでこの大会5度目の優勝となった。
試走タイムは中村雅人が一番時計で29。次いで木村武之と佐藤貴也と早川清太郎が30、青山周平が32、岩田行雄と荒尾聡が35、湯浅浩が41だった。
レース展開だが、0ハン単騎の湯浅はスタートを残せなかった。これを叩いて行ったのは岩田と佐藤貴。そして素早く佐藤貴は岩田を交わしていく。後ろでは木村武が追走して仕掛けのタイミングをうかがっていた。木村武は佐藤貴を差しにいこうとしたが、車がぶれて後退。今度は早川が佐藤貴の後ろにつけていく。中団では青山が中村や木村武を捌いていく。早川は、やや強引に佐藤貴を差し、先頭を奪取。青山も佐藤貴を交わし2番手に立つ。残り3周で一対一の様相。ここから青山が差を詰めにかかりそうだったが、思うように車が進まない。結果的に早川が先頭でゴール。後ろでは佐藤貴が青山を差し返そうとしていたが、これは届かず3着入線。準優勝は青山だった。
早川は初日の重走路こそ3着だったが、そこからは4連勝。2日目からエンジンの良さを示していた。それにしても優勝戦は強かった。スタートもしっかりと切って、外枠勢に先行を許さなかった。そこからの攻めも全くロスがなかった。前を走る車を交わせそうなら迷わずインに突っ込んでいけた。追ってきた青山に対しても全く隙を与えなかった。エンジンが万全に仕上がった時の早川は信頼できる。最近では遠征先でも記念タイトルを獲っているが、やはり地元での早川はパワーが何倍にも増す。あとはSGタイトルを待つのみだ。
鈴木圭一郎がGIキューポラ杯初制覇!
川口で行われていたGIキューポラ杯は好天に恵まれ、最終日も良走路で行われた。そんな中、最終レースの優勝戦を制したのは、浜松の32期・鈴木圭一郎だった。
試走は鈴木圭一郎が一番時計で28。次いで小林瑞季と青山周平が30、佐藤貴也が31、黒川京介と高橋貢が32、掛川和人が34、山田真弘が35だった。
10Mオープンで肝心のスタート争いは、3枠の黒川が先行。これに4枠の小林が乗って行く。最内の山田が何とか踏ん張り3番手発進。以下は高橋貢、佐藤貴、鈴木圭、掛川、青山と続いて行く。
いきなり逃げに入った黒川だが、小林がすばやくインに突っ込み、先頭を奪取。高橋貢も序盤の仕掛けが早く、2番手に付けて小林に追走。後方では鈴木圭が順位を上げ3番手まで浮上。しばらくは逃げる小林に対し、高橋貢が攻勢をかけていた。どこかで順位が入れ替わりそうな雰囲気があったが、なかなか仕掛け切るまではいかず、周回を消化していく。そうこうしている内に鈴木圭が高橋貢を攻略、2番手に躍り出た。その後はすばやく小林までも交わしトップでゴール。見事に優勝を決めてみせた。
鈴木圭はさすがのレース運びを見せた。スタートではそこまで好位置を奪うまではいかなかったが、序盤の仕掛けが早かった。3番手に付けてからも落ち着いていた。前を走る2車の動きを冷静に読んでいた。そして、攻めていけるタイミングと判断するや否や、しっかりと仕掛けていく。最後は少し車が流れ気味ではあったが、コースを大きく外すことなく完璧なライディング。試走タイムが一番時計だったことも、本番で気持ち的に余裕が持てた要因になるだろう。オートレースは試走が大事。これは実際にレースをする立場であっても、車券を買う立場であっても最重要ポイント。今後も試走のタイム、ライン取りに注目して見ておきたい。
篠原睦が歓喜のSG初優勝!
伊勢崎オートで行われていた第25回SGオートレースグランプリは、飯塚の26期・篠原睦の優勝でフィナーレを迎えた。篠原はSGで初めての優勝。レース直後はガッツポーズを連発し、嬉しさを爆発させていた。
前日の予報通り、優勝戦は重走路で行われた。試走タイムは鈴木圭一郎が一番で73。次いで、新井恵匠が74、若井友和が75、重富大輔が76、笠木美孝が77、金子大輔が78、篠原が81、田中茂が84だった。
スタートは笠木のフライングで再発走。2度目は重富がトップスタートを切るかに見えたが、1コーナーでは一つ内の篠原が突っ張って先頭をキープ。3番手には鈴木圭と若井。以下は金子、新井、笠木、田中茂となった。
先行した篠原はいきなりの逃げ。2番手発進の重富は、鈴木圭にすぐに交わされてしまう。後続はほぼレース終盤まで動きのない状況だった。残り8周からは篠原と鈴木圭の一騎打ち。3番手の重富も離されずに追走していたが、前2車が重なっていたので厳しい展開だった。逃げる篠原はインコースを丁寧に回り、周回を重ねていく。追う鈴木圭は仕掛けるタイミングを計りつつ、タイヤを滑らせないように落ち着いて走っていく。どちらも我慢比べの様相になっていた。篠原はワンミスでもあれば、鈴木圭にイン入られてしまうし、鈴木圭もタイヤを滑らせれば、隙を突ける距離から遠ざかってしまう。最終的には、篠原がゴールを迎えるまで、しっかりとコーナーを回り切り、鈴木圭の追撃を振り切ってゴール。2着には鈴木圭、3着には重富が入線した。
篠原にとっては待ちに待ったSGのタイトル。これまでにGIIは3度制した事があったが、SGタイトルには無縁だった。デビューしてから常に高い位置にランクし、安定感抜群の成績を残し続けてきた。スタートの切れが持ち味で、速攻を得意としていたが、SG優勝戦の10周回では最高の結果を残せないでいた。同期同地区の久門徹、田中茂と共に飯塚26期三羽烏との異名を持ちながらも、早々とSGで優勝した久門、一時代を築いた田中茂にSGタイトルでは遅れを取っていた。それでも今回、見事に先行押し切りを達成。自分のレーススタイルを貫き、待ち焦がれた最高のタイトルを奪取できた。この嬉しさは人一倍だろう。これからも高いポテンシャルを維持し、ファンの夢を乗せて走り続けてくれるだろう。
永井大介がプレミアムカップ9度目の優勝!
飯塚オートで行われていた特別GIプレミアムカップは、川口の25期・永井大介が制した。この大会と相性がいい永井は、これで9回目の制覇。最後に制したのは2018年だったが、プレミアム男の復活劇となった。
試走は鈴木圭一郎が一番時計で28。次いで金子大輔が31、早川清太郎と永井大介が32、伊藤信夫と荒尾聡と佐藤貴也が34、新井恵匠が36だった。
0オープンで肝心のスタート争いは新井がフライング。再発走となった。2度目のスタートは7枠から永井が行きかけたが、最内の伊藤信が1コーナーを先に回る。荒尾が2番手を死守し、永井は3番手につける。鈴木圭は後方からの競争になってしまった。
先頭を走る伊藤信は序盤からペースを上げていく。荒尾は進みが甘く、伊藤信に離されてしまう。やがて永井が荒尾を攻略。今度は永井が伊藤信を追っていく展開。周回は十分に残っていて、徐々に伊藤信との差を詰めていく。伊藤信は走るコースが小さくなってくる。そして、7周バックストレッチで永井が伊藤信を捲る。そのまま残りの周回を走行し、永井が1着でゴールを決めた。2着は伊藤信。3着には粘っていた荒尾が入線した。鈴木圭は、さすがに序盤の展開が悪く、追い込んでいくも4着入線が一杯だった。
久しぶりに強い永井が戻ってきた。記念レースは、2019年に浜松のGIゴールデンレースを制してから縁遠くなっていた。青山周平や鈴木圭一郎が頭角を現すと、大舞台で苦しいシーンが多くなっていた。しかし、オートレースと向き合う姿勢は変わらなかった。常に良いエンジン作りを目指し、勝利への渇望に飢えていた。その結果が今回の勝利へとつながった。これでGIは25度目のV。GII、SGを含めると53度目のV。まだまだ強い永井を見せ続けてくれることだろう。
岩科鮮太がGII小林啓二杯初優勝!
不順な天候で行われてきたGII小林啓二杯は、最終日の1Rは良走路で競争が始まったが、11Rの試走後から天候が崩れた。優勝戦は試走から重走路で、本番も濡れた走路で戦いが行われた。
試走は渡辺篤と佐々木啓が78で一番時計タイ。岩科鮮太、有吉辰也が79、鈴木圭一郎が80、角南一如が81、早船歩が82、前田淳が84だった。
10Mオープンのスタート争いは最内の早船がしっかりと枠ナリ発進。これに2枠の岩科が続いていく。前田と渡辺が3番手争い。外枠では有吉がいいスタートを見せた。
まず逃げ態勢を作った早船はインでもアウトでもなく、中バンクを選択し逃走。後ろでは岩科がインを回っている。割りと早い段階で動きがあった。2周4コーナーの立ち上がりで早船がやや流れてしまう。ここを難なく岩科がインから台頭。今度は岩科が逃げる展開になるが、ペースを上げてすいすいと逃げていく。結果的に、このまま後続との差を広げてゴール。3周目前に先頭に立つと、そのまま一人旅で優勝してみせた。後ろでは渡辺が早船と競り合う形になるが、早船が渋太く乗って2着をキープ。3着には残り1、2周でアウトから浮上を決めた鈴木圭が入線した。
岩科はこれまでGIとGIIを一つずつ獲っていたが、今回のを含めるとGIIは2つ目のタイトルとなった。デビューしてから早めに頭角を現した岩科。差しの強烈さをアピールポイントにランク上位に入っていたが、スタートに大きな課題を残していた。オープン戦や、同ハンに数車並ぶようなレースでは、序盤に好展開を作れず苦しむシーンが多く見られた。それでも差しの的確さで巻き返していけていたが、今回の優勝戦のように枠ナリのスタートが決められれば、展開はグッと楽になる。また、重走路も苦にしないどころか得意な部類なので、いろいろと条件が重なれば、これからも記念レースで見せ場を作ってくるだろう。