
青山周平が完全優勝でグランプリ3度目のV!
伊勢崎オートで行われていた第26回SGオートレースグランプリは、地元の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。6日間シリーズで初日から1回も負けなしのパーフェクトV。ナンバー1の貫禄をまざまざと見せつけた。
試走タイムは青山周平が一番時計で30。次いで早川清太郎、小林瑞季、中村雅人が31。永井大介、伊藤信夫が32。荒尾聡と加賀谷建明が33だった。
0Mオープンで肝心のスタート争いは、最内の青山が先行、2枠の早川がピタリと続いていく。永井と伊藤もほぼ同体で出ていくが、外に膨らんだところを荒尾がナカに切り替えていく。6枠から外は苦しい展開になった。
まずは逃げに入った青山。いつも通りのコースを回っていく。2番手の早川はピタリとマークし離されずに追走。うまく3番手に付けた荒尾だったが、1周回ってくるころには永井が捲っていく。伊藤もその流れに続いた。逃げる青山に対し、追う早川の方がエンジン的にやや強めに見えた。早川は仕掛けのタイミングをうかがっていた。残り2周になる前に2度ほど車をナカに向けたが、入り切るまではいかなかった。このまま終わるのかと思われたが、青旗過ぎで早川が青山のインに渾身の突っ込みを見せた。先頭を奪取したかに見えたが、2コーナーで車が流れ、青山が冷静に差し返し、そのままゴールを迎えた。
優勝戦は青山の落ち着きっぷりが際立っていた。独走に入ってもそこまでペースが上がっていないことや、後ろで早川がプレッシャーを与えてきていることは感じていただろう。そこで慌てることなく、いつもの自分のコースを丁寧に回ることができた。早川がインに入ってきても、オーバースピードで綺麗に回れず、膨らむ想定もできていたのだろう。冷静に対処できていた。ナンバー1は伊達ではない。今回は初日からオール1着の完全優勝。青山は自身2度目のSG完全優勝となった。今の青山は全く死角が見当たらない。スタート、スピード、捌き、ブロック力、重走路、精神面のどれも1流。今回の優勝でSGは11度目のV。この数字、どこまで伸びていくのだろうか。
佐藤貴也がウィナーズカップ2度目の優勝!
浜松オートで行われていたGIIウィナーズカップは地元の29期・佐藤貴也の優勝で幕を閉じた。佐藤貴は2014年以来の同大会V。
良走路で行われた優勝戦は試走一番時計が鈴木圭一郎で32。次いで早川清太郎が34、平田雅崇と佐藤貴と松尾啓史が35、木村武之が36、笠木美孝が40、岡松忠が43だった。
10Mオープンのスタート争いは、2枠の笠木が岡松を包んで出て先行。これに佐藤貴、木村武が続いていく。平田はダッシュがつかず、松尾啓から外は枠ナリの発進だった。
笠木の逃げで始まったレースだが、佐藤貴が早い段階でインから交わしていく。すると今度は佐藤貴が逃げに入る。すぐ後ろでは笠木がピタリとマーク。その後ろで攻撃の機会をうかがっていた木村武は、無理な仕掛けはせず追走。鈴木圭一郎は苦しい展開で、なかなか車を押し上げる事ができないでいた。佐藤貴はマイペースで自分のコースを守りながら逃げていた。笠木は追走で粘っていたが、木村武が道中で割って入る。今度は佐藤貴と木村武の一騎打ちになった。木村武は最終3コーナーでインに入りかけたが、佐藤貴が渾身のブロック。そのままゴールを迎え、真夏の熱戦に終止符を打った。
走路温度が49度で行われた決戦。やはり序盤で好位置を奪えないと、追い込む側は苦しいレースになる。そんな状況を味方に付け、いち早く自分の展開に持ち込んだ佐藤貴は流石だった。逃げる笠木をしっかり差すと、今度は抜かれない走りに終始。自分のできる仕事をきっちりこなした。佐藤貴は自分の強みを熟知している。そして、その走りができる限り、記念レースでのタイトルをまだまだ積み重ねられる。
鈴木圭一郎がGII小林啓二杯を初制覇!
山陽オートで行われていたGII小林啓二杯は浜松の32期・鈴木圭一郎の優勝で幕を閉じた。鈴木圭はこの大会初制覇。GIIは5つ目のタイトルとなった。
最終日は10Rあたりから雨が降り、優勝戦は重走路で行われた。試走は松尾啓史が一番時計で64、次いで鈴木圭が65、松尾彩が66、久門徹が69、長田恭徳が71、西村龍太郎が73、伊藤信夫が79、大木光が80だった。
スタートは0ハンの松尾彩が残して出る。10線からは西村が飛び出し、松尾彩をマーク。大外の鈴木圭もダッシュ乗せて3番手に付けた。松尾啓も悪くないスタートだった。
レース展開は西村が早い段階で松尾彩をパス。その松尾彩は2番手で踏ん張っていたが、鈴木圭が交わしていく。松尾啓は大きなコースを回って車を押し上げる。先頭を走る西村は、インコースをしっかりと抑える走りで粘り込む。鈴木圭はピタリとマークしていたが、なかなか仕掛けどころが見つからない。外から交わそうとするとタイヤが掛からず車速が落ち、インから抜こうとしても西村がコースを塞ぐ。動きがあったのは最後の周回の前。青旗を過ぎるあたりで鈴木圭が西村のインに車をねじ込む。これがうまくいき先頭を奪取。最後は松尾啓が外からプレッシャーをかけてきたが、なんとか振り切ってゴール。
このレースでは鈴木圭の落ち着きっぷりが目立っていた。逃げていた西村は、ほぼミスのない走りを続けていた。隙を与えないで走れていた。鈴木圭は少ないチャンスを逃さなかった。西村はミスした訳ではないが、7周回の4コーナーで僅かにインが空いてしまった。そこを逃さず、鈴木圭は差しを決めてみせた。もしも道中で焦って無理な仕掛けをしていたら、西村との車間は離れていただろう。仕掛け時が来てもモノにはできなかったはずだ。しかし、鈴木圭は我慢して走り続ける事ができた。さまざまなレース展開をこなす事で選手としての幅が広がる。鈴木圭はまだまだ進化できる。
早川清太郎が初夏の熱戦を制した!
川口オートで行われていたGIキューポラ杯は伊勢崎の29・早川清太郎の優勝で幕を閉じた。早川はレース序盤の展開をうまく付いて好位置に浮上。早めに抜け出して後続を振り切ってみせた。
試走タイムは鈴木圭一郎が一番で30。次いで早川と永井大介が31、加賀谷建明が32、泉田修佑が36、石井大輔が37、高石光将が38、君和田裕二が39だった。
レース展開は0ハン最内から高石が先行。君和田、石井と続いていったが10線最内から先行した泉田が速攻を決め先頭を奪う。しかし、この時、早川がインを突いて番手を上げている。ここからは早川と泉田の一騎打ち。早川は慌てず騒がず様子をうかがうと、仕掛けるタイミングを見つける。そこでしっかりとインに突っ込んで行った。後方からは永井が追い込んできたが、寄せ付けずに先頭ゴール。8号車の鈴木圭もレース後半伸びてきたが、前半の位置取りがうまくいかず苦戦した。
早川はしっかりと自分ができる事をこなしていた。優勝するために最適の行動ができていた。車を押し進められる時は着実に番手を上げていた。2番手に立ってからも冷静さを保てていた。前を走る泉田のペースが上がっていない事を確かめると、仕掛け時を計っていた。そこからは全く問題のない走り。今回の優勝でGIは10度目の優勝。記念レースでの勝ち方を熟知している。あとはSGのみ。何年も前から言われているが、SG初優勝に最も近い存在は早川。その日は遠くないだろう。
青山周平が稲妻賞3度目のV!
伊勢崎で行われていたGII稲妻賞は、地元の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。10Mオープンの大外から好ダッシュを決めると、あっさりと首位に立ち、そこからは後続を引き離し圧勝ゴールを決めた。
試走は青山周平が一番時計で27。次いで高橋貢、早川清太郎、丹村飛竜が29。荒尾聡が31、田村治郎と西原智昭と田中茂が33だった。
10Mオープンのスタートは2枠の西原が飛び出したが、1周バックでは青山が2番手に付けた。いきなりの逃げに入った西原はそこそこのペースで走っていたが、青山は慌てず騒がず仕掛ける態勢を整えると西原をパス。その後はこれでもかというブッチ切りの走りを見せた。2着には西原をなんとか攻略した高橋貢が入り、3着には田村を抜くのに手間取った早川が入った。
青山は今回、良走路での競争が少なく、エンジンを整えにくい状況が続いていた。準決も勝つには勝ったが、重走路で正味のエンジン状態を掴みづらかった。それでも優勝戦当日は何度もエンジンをかけ、最後まで調整を続けた。レースの時間帯にばっちり合うようにしていった。試走タイムが表すように、エンジンはしっかりと仕上がった。優勝した要因は爆発的なスタート力もさることながら、この調整力の裏づけがあったからだろう。青山はエンジンが納得いく状態になるまでは手を緩めない。ナンバー1であるための準備は決して怠らない。これからもトップとして君臨し続けるだろう。