鈴木圭一郎が2度目のオールスター制覇!
川口オートで行われていたSG第40回オールスターオートレースは、浜松の32期・鈴木圭一郎が制した。重走路での決戦になったが、道中で抜け出し、最後は後続を引き離して快勝。2017年以来2度目のオールスター優勝となった。
試走タイムは鈴木圭が一番時計で79。次いで黒川京介が81、青山周平82、春本綾斗と佐藤摩弥が83、永井大介が85、岡谷美由紀と鈴木宏和が86でワーストだった。
10Mオープン戦のスタートは5枠から佐藤摩が飛び出した。これに3枠から鈴木宏が続いて行く。鈴木圭と黒川が3番手争い。岡谷は1周バックでタイヤを滑らせ、青山と春本が浮上。永井は最後方からのレースになった。
いきなり逃げ態勢を作れた佐藤摩だがペースは上がらない。後ろから鈴木圭がプレッシャーをかけていく。そして、4周目に入った所で鈴木圭が佐藤摩に捲りを仕掛ける。2コーナー過ぎてバックストレッチに入っても交わすまでは行かなかったが、3~4コーナーではきっちり捲って先頭を奪取。そこから鈴木圭はハイペースの逃げで1着ゴール。後ろでは黒川が佐藤摩を捲り、2番手に立っていたが、青山がインからパスして準優勝。黒川は3着だった。
鈴木圭は完璧なレース運びだった。10Mオープン戦の7枠は決して楽な位置ではない。しかし、スタートでしっかりと3番手あたりに付けると、そこからは慌てず騒がず落ち着いて走れていた。先頭に立つ場面でも無理な仕掛けではなく、佐藤摩との車速を測りながら捲りを選択。独走になってからも自分のペースを保って走る事ができた。昨年はSGでの優勝はなかったが、今年は早くも1つ獲った。これでSGは通算9V。オート界のトップの選手でありながら、まだまだ成長の余地を残している。SG10Vも遠くないだろう。
そして、今回のSGは初優出の選手が多かった。5つあるSGの中でもオールスターは特殊な大会。ファン投票による選出もそうだが、初日からハンデ戦がほとんどで、どの選手にも優出の可能性が出てくる。SGの優勝戦で0Mオープン戦でなかったのは久々ではないだろうか。その時に応じていろいろなハンデ構成が楽しめるのもオートレースの醍醐味。また、新たに注目の選手が出てくるのも今後の楽しみだ。
丸山智史が令和グランドチャンピオンカップを制す!
山陽オートで行われていた第2回GI令和グランドチャンピオンカップは、地元の31期・丸山智史が激戦を制した。丸山はGIIを獲っていたが、GIは初優勝。成長している姿を証明した。
良走路で行われた優勝戦は中村雅人が試走一番時計で28、次いで青山周平が29。丹村飛竜、渡辺篤、浦田信輔、重富大輔、丸山智史が30、岩崎亮一が32だった。
0Mオープンでカギになるスタート争いは、2枠から渡辺が先行。これに丸山が乗って行く。大外の青山がダッシュを付け3番手発進。以下は丹村、浦田、中村、岩崎、重富と続いていった。
レースは渡辺が引っ張る展開。2番手に付けた丸山が青山の攻めに冷静に対処する。青山は3番手追走が一杯。後ろの方はあまり動きがなかった。渡辺はマイペースの逃げを見せていたが、5周目に入る所で丸山がインに突っ込む。これが綺麗に決まり先頭を奪取。その後はミスすることなく走り先頭ゴール。2着には渡辺が入った。青山は丹村に差し込まれ後退。中村が後半追い上げて3着入線。
丸山は見事なスタートから完璧なレース運びができた。2番手を走っていた時は後ろからくる青山に付け入る隙を与えず、前を走る渡辺との距離を計りながら仕掛けるタイミングを待っていた。チャンスどころは多くなかったが、それをしっかりとモノにして、自分の力で栄冠を掴んだ。丸山は昨年、GIIの若獅子争奪戦杯で記念タイトルホルダーに仲間入り。そして今回はGIを初めて制した。今期はS級21位にランクし、スピード、スタート、捌きの面でも充実している。今年はもう一つ上の舞台、SGシリーズでも注目の存在になりそうだ。
青山周平が意地で勝利を掴んだ!
飯塚オートで行われていた特別GIプレミアムカップは、伊勢崎の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。同大会は昨年に初制覇しており、今回の優勝で2度目のタイトルとなった。
大会最終日は重走路で競走が始まったが、徐々に走路が回復していった。それでも優勝戦の時間までに完全に乾く事なく、ブチ走路でのファイナルバトルとなった。
試走タイムは丹村飛竜が一番時計の40。次いで青山と金子大輔が41、荒尾聡が42、有吉辰也と佐々木啓が43、木村武之が46、西原智昭が49だった。
スタート争いは、5枠から有吉が飛び出して行く。最内の荒尾が踏ん張る。西原も抵抗を見せるが木村が好位に付けていく。青山はスタート決まらず4、5番手発進。外枠では金子がまずまずのスタート。
有吉の逃げでレースは展開される。これに荒尾と木村武が追走していくが、青山がまずは木村をパスして3番手に付ける。ここからの攻めは早かった。2番手を走る荒尾のインに車を向けると、そのまま先頭の有吉まで交わしてしまう。ここで青山が一気に先頭に立つ。今度は青山の逃げになる。中盤はソコソコのペースで走っているが、終盤は車速が乗らなくなる。後ろに付けているのは有吉。そして、7周2コーナー。青山がコースを外してしまい、有吉がイン、荒尾が外から襲いかかる。これに対し、青山は冷静に対処。その後は最終回バックストレッチで荒尾が青山のインを狙うが、青山が必殺の抑え込み。ゴール前で再び荒尾が伸びてくるが、青山が僅差で振り切った。3着には後半に巻き返してきた木村が入った。
このレースでは青山の執念が感じられた。トップスタートを切れなかったのはまさかの展開だったが、その後の追い込みは凄かった。特別GIで2車駆りはなかなか見られない。走路状況が不安定だった事もあるが、勝負どころでは迷わず車を押し進めていける。1回コースを外した後も、絶対抜かせない意志が伝わるような走りで封じ込んでいた。最後のバックストレッチでは小さいコース取りながら、スピードに乗って回れていた。スタート力もスピードも超一流であるのは間違いないが、勝負根性は超一流の更に上に行くのではないかと思わせる一戦だった。
有吉辰也が猛烈ダッシュから押し切りゴール!
川口オートで行われていた第69回GI開設記念グランプリレースは、飯塚の25期・有吉辰也が制した。スタート一気からの鮮やかな速攻。同タイトルを初めて制した。これでGIは14度目の戴冠となった。
試走タイムは鈴木圭一郎が一番時計の25。若井友和と中村雅人が26、早川清太郎と青山周平が27、有吉が29、佐藤摩弥が30、黒川京介が31で一番悪かった。
10Mオープンで大事なスタート争いは、最内の黒川が先行するかに見えたが2枠の有吉が抑え込んで先制。これに3枠の佐藤摩が乗って行く。4枠の若井と5枠の早川は枠なり。6枠の中村は、ややへこんで最後方からのレースになり、青山は鈴木圭に先行する事ができた。
レース展開はトップスタートの有吉がマイペースの逃げに入る。2番手に付けていた佐藤摩を若井が交わしていく。ここからは有吉と若井の一騎打ち。後ろでは佐藤摩が3番手で踏ん張っていた。その後ろでは鈴木圭に先行した青山が慌てず、レースの動向をうかがって走っていた。チャンスどころでは番手を上げ、ついには佐藤摩をも交わして3番手に立つ。若井は有吉のインに入る姿勢も見せたが、突っ込みで有吉が伸び返してコーナーに先に入っていく。そして、最後まで先頭を譲る事なくゴール。見事に先行逃げ切りを果たしてみせた。2着には若井。3着には道中で番手を上げていった青山が入った。ちなみに、展開に恵まれなった鈴木圭は凡走。中村は故障で途中リタイアとなった。
コースを守る事に終始したかに見える有吉の逃走。しかし、上がりタイムを見ると3.343。ハイペースの流れだったのは間違いない。若井は強めに追えていたし、青山も車群を交わして行けていたが、他の選手は有吉を追う事はできなかった。しっかりとスピードに乗って逃げていた事の証明だ。それにしても、この優勝戦の走りは有吉の真骨頂とも言えるレースだった。小さいコース取りでインを抑えつつ、スピードも上げていく。更にはインから差しを狙ってくる選手に対し、柔軟に対処。過去に大怪我をして、戦力が衰えかけた時もあったが、近年ではGIIやGIで優勝するシーンが戻ってきた。絶頂期の動きが戻ってきた。次は最高峰のSGの舞台で完全復活する姿をぜひ見たい。
荒尾聡がSG全日本選抜を初制覇!
天候に恵まれたSG全日本選抜オートレース。優勝戦も良走路で行われ、試走タイムは鈴木圭一郎がトップの26、次いで青山周平と伊藤信夫が28。荒尾聡、佐々木啓、若井友和が30。木村武之と中村雅人が31だった。
0Mオープンでのスタート争いは、2枠から青山が飛び出した。ここに4枠の伊藤信が続いて行く。最内の鈴木圭は、なんとか3番手で踏ん張り、4番手以降は木村武、荒尾、佐々木、中村雅、若井と出て行った。
まずは逃げに入った青山だが、ペースが上がらない。ピタリとマークしていた伊藤信が仕掛けどころを探っていく。その後ろでは荒尾が鈴木圭と木村武をまとめ差しして3番手に付ける。そのままの態勢でしばらく周回を重ねた。決め手を欠く伊藤信に、荒尾も行き場がなく苦しんでいた。しかし、6周目に入るホームストレッチで動きがあった。3番手を走っていた荒尾が、伊藤信と青山をまとめ差し。これが綺麗に決まり、先頭に踊り出た。結果的にそのまま荒尾が押し切り優勝を手に入れた。2着には後半に巻き返してきた鈴木圭が入線。3着は伊藤信に競り勝った青山が入った。
今日の荒尾は強かった。試走タイムは30で、いい方ではなかったし、スタート争いでも有利な位置には付けられなかった。しかし、チャンスどころをしっかりとモノにした。まずは序盤。鈴木圭と木村武をまとめ差し。あの場面で行き切れてなかったら、勝負圏内に浮上できていなかったかもしれない。そして、3番手を走っている時も落ち着いていた。やり合う前の2車の様子をじっくりとうかがいながら待っていた。伊藤信が青山に対し車を外に振った一瞬を見逃さなかった。ここしかないというタイミングでインに突っ込み首位浮上。見事なレース運びだった。今の荒尾はかつての速攻一本の走りだけではない。レース道中でも十分勝負でき、戦略の幅が広がった。青山と鈴木圭の2強時代に割って入れる走力を示した。