鈴木圭一郎がオーバルチャンピオンカップ初制覇!
飯塚オートで行われていたGIIオーバルチャンピオンカップは、浜松の32期・鈴木圭一郎が制した。鈴木圭はこの大会初制覇。また記念レースのタイトル一つ積み重ねた。
試走タイムは鈴木圭が一番時計で24。次いで滝下隼平が26、丹村飛竜と田中茂と早川清太郎が27、岩科鮮太が28、篠原睦が29、鈴木聡太が30だった。
0Mオープンで肝心のスタート争いは、5枠から鈴木圭が先行。最内から篠原が2番手発進を保ちそうだったが2コーナーの立ち上がりでは早川が出て行く。以下は岩科、田中茂などが続き、2枠の丹村は先立ち。大きく出遅れてしまった。
いきなり独走に入った鈴木圭は、試走一番時計のパワーを見せる。必死に食らい付こうとする早川を徐々に引き離していく。そこからはまさに一人旅。最後までスピードを緩めることなく、圧巻のレースを見せてくれた。2着は早川。3着にはレース序盤で田中茂の抵抗にあっていた滝下が、道中で篠原と岩科をまとめ差しで浮上していた。
それにしても鈴木圭は強かった。試走一番時計なら、スタートでそこまで好位に付けなくても巻き返してこれそうなものだが、トップスタートを決めてしまった。それもスタートの飛び出しからタイミングが抜群で、他車が一瞬止まって見えるようなダッシュだった。これにエンジン力の後押しもあるのだから、同じレースで競争をする他の選手はたまらない。これで鈴木圭はSG8V、GI12V、GII3V。GIIだけ異様に数が少ないように思えるが、これはデビューしてから快進撃の加速度が強烈だからだ。これからもこの数字はどんどん大きくなっていくことだろう。
鈴木圭一郎が大会連覇を達成!
浜松オートで行われていた第62回GI秋のスピード王決定戦は、地元の32期・鈴木圭一郎が制した。昨年の同大会優勝に続き連覇となった。
準決は重走路での競争だったが、優勝戦は良走路。試走は鈴木圭が一番時計で27、次いで高橋貢が29、金子大輔が31、平塚雅樹と荒尾聡が32、浅野浩幸と久門徹が34、吉田恵輔が最も悪くて35だった。
スタート争いだが、0ハンは内から枠なり発進。10線は最内の久門が飛び出すも高橋貢が被せて出る。その外に鈴木圭が位置付けた。金子と荒尾は鈴木圭に抑え込まれる形でのスタートになった。
浅野は逃げ態勢を作るもペースは上がらず、10線から好スタートを切った高橋貢が速攻で先頭に立つ。そこからは2、3番手を走っていた浅野と平塚が粘りを発揮する。4番手の鈴木圭は、なかなか攻略の糸口を見つけられないでいたが、慌てず騒がず落ち着いて1車ずつ交わしていく。残り3周とちょっとで2番手に立った鈴木圭だが、先頭を走る高橋貢との差は6~7車身。果たして追いつくのかどうかといった感じだったが、必死に差を詰めにかかる。そして、ゴール前。写真判定にまで持ち込まれる際どい争い。結果的に鈴木圭のチョイ差しが届き優勝。高橋貢は惜しくも準優勝になった。3着には追い込みを見せていた荒尾が食い込んだ。
鈴木圭の走りは凄かった。独走に入っていた高橋貢はセーフティリードかと思われたが、怒涛の追いで捕らえてしまった。試走タイムが一番出ていたので、エンジンがいいのはいいのだが、最後まで諦めない走りが勝利へとつながった。走りの技術だけでなく、精神面での強さもうかがえる一戦だった。現状で鈴木圭に足りない部分はない。それでも総合力はますますアップしていきそう。そうなった時には再び全国ランク1位の称号を得ることができるだろう。また、このレースでは高橋貢の存在感も光っていた。スタートの切れ、序盤の仕掛け、そしてスピード。まだまだ大舞台でレースを盛り上げるだけの余力がある。若手の成長だけでなく、高橋貢の今後も楽しみだ。
森且行がSG日本選手権初制覇!
川口オートで行われていたSG第52回日本選手権オートレースは、地元の25期・森且行が優勝した。森はこれがSG初優勝。オートレース最高峰の大会で悲願のSG制覇を成し遂げた。
大会最終日は1Rこそ重走路での競争となったが、徐々に走路は回復。7Rあたりからはほぼ良走路での競争だった。優勝戦の前には軽く雨がパラついていたが、競争には影響なく、良走路のタイムが計時された。試走は鈴木圭一郎が一番時計で26。次いで高橋貢が27、荒尾聡が29、中村雅人と金子大輔と森且行が30、木村武之が31、山田達也が34だった。
レースのカギを握る0Mオープンでのスタート争いは、4枠から鈴木圭が先行。これに7枠から森が乗っていく。荒尾が3番手に付け、以下は金子、山田達、木村武、高橋貢、中村と1コーナーを旋回して行った。
序盤で逃げ態勢を作った鈴木圭ではあったが、思うようにペースが上がらない。2番手発進の森は付かず離れずの追走を見せていく。しかし、3番手発進の荒尾がインを突いて2番手を奪取。鈴木圭と一対一の態勢に持ち込む。そして、大きな動きがあった。荒尾が鈴木圭を差しにかかるが、この時に車体が接触し2人とも落車。3番手を走っていた森がトップに躍り出た。その時、残り周回は半分を切っていた。森の後ろに付けていたのは金子。残りの周回で森にプレッシャーをかけにいくが、最後まで交わし切るまでは行かず森が先頭でゴール線を通過した。
ついに森は大仕事をやってのけた。デビューしてからずっと夢見ていたオートレース頂点の座にたどり着いた。これは本人にとって相当、感慨深いモノがあっただろう。ファンのみならず日本人の誰もが知っている大人気アイドルグループを脱退してまでなったオートレーサー。そこで最も格式高いタイトルを手に入れた。先頭でゴールした時は、これまでの人生で最高の瞬間だっただろう。これまで数々のドラマを生んできたオートレース史の中でも、燦然と輝く今回の日本選手権。これからもオートレース界は感動を与え続けてくれるだろう。
地元の丸山智史が記念タイトル初優勝!
山陽オートで行われていたGII若獅子杯争奪戦は、地元の31期・丸山智史が勝利をもぎ取った。丸山は記念レースで初優勝。それを地元走路で決めてみせた。
競争は良走路で行われ、試走は青山周平が一番時計の28。次いで中村友和、丸山智史、鈴木圭一郎が30。小原望が33、木山優輝が34、赤堀翼が35、占部健太が36だった。
まずはスタート争いだが、0ハンは中枠から赤堀が先行し小原が続く。10線の木山はしっかりとスタート残す。20線は丸山がトップスタートを決め、これに鈴木圭と青山が続く。中村は最内から枠なりに出ることができなかった。
レース展開は先頭を走る赤堀が軽快な逃げを見せ、小原がピタリと追走。後方では丸山が木山と占部を交わし早々と3番手に付ける。鈴木圭は青山を引き連れて順当に番手を上げていく。赤堀と小原は終始重なって走っていたが、少し離れた隙を丸山が突く。小原のインに突っ込み2番手にジャンプアップ。後ろでは青山が鈴木圭を交わして進撃。逃げる赤堀はペースを保っていたが、丸山が終盤に渾身の突っ込み。これが功を奏し先頭に踊り出る。そして、そのままゴール。後ろでは青山が続いていたが、ゴール前に鈴木圭が逆転のチョイ差しを決め、鈴木圭が準優勝だった。
またもオート界にニュースターが誕生した。今年は若手で記念レースを初めて優勝する選手が続出している。今回も丸山がそうだった。しかし、それはなんら不思議なことではない。丸山は近年メキメキと力を付けていて、今期は自身最高のS級21位にランクされている。優勝回数もこれまで6。そろそろ記念レースを獲ってもおかしくなかった。更に今回は鈴木圭や青山を負かせての勝利。これは大きな自信になるだろう。今でもだいぶスピード、捌き、スタートと整ってきたが、このまま成長を続ければGI、そしてSGの舞台でも主力選手になれるだろう。
木村武之がウィナーズカップ初制覇!
浜松オートで行われていたGIIウィナーズカップは、地元の26期・木村武之が制した。木村はこの大会初優勝。また一つ記念タイトルが積み重ねられた。
優勝戦は良走路で行われ、試走は佐藤貴也が一番時計の29。次いで中村雅人と鈴木圭一郎が30、木村が31、森且行と佐藤摩弥が32、辰巳裕樹と伊藤信夫が35だった。
10Mオープンのスタート争いは、まず最内の辰巳が先行。これに佐藤摩が乗って出る。2枠の森は内でなんとかこらえ、4枠の木村が4番手発進。鈴木圭は8番手発進ではないものの、そこまで好位置を奪うことはできなかった。
辰巳が逃げる展開だったが、すぐに佐藤摩が差して行く。今度は佐藤摩が逃げに入ったが、3周1コーナーで木村がインに突っ込む。すると木村が先頭を走る番。その後ろでは佐藤摩が粘り、佐藤貴やその後ろの鈴木圭を苦しめていた。レース後半は動きがあった。佐藤貴が佐藤摩のインに突っ込み2番手に立つ。その後は先頭を走る木村のインに仕掛けていくが、これは木村が抑え込んでしまう。佐藤貴はゴール前チョイ差しを狙ったが、僅かに及ばず準優勝。木村が気合の走りで佐藤貴を封じ込めてみせた。3番手には佐藤摩を交わした鈴木圭が入線。
このレースでは改めて木村の勝負強さを認識させられた。準決までの仕上がりだと、優勝戦ではエンジン不足のようにも見えたが、大事な所でしっかりと合わせてきた。スタートも踏ん張れた。一つ外の佐藤貴の先行を許さず、序盤でまずまずの位置に付けることができた。そこからは迷いのない走り。イン堅い佐藤摩を一発で交わしていく。その後に佐藤貴が苦しんだシーンを考えると、この木村の一撃は大いに効果があった。そこで仕掛けの態勢を作れるまで様子を窺ってもたもたしていると、後続から差し込まれる可能性もあった。木村は勝負所がよく分かっている。だからこそSG3個、GI15個、GII12個も取れるのだ。この数字はまだまだ増えていくことだろう。