オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。
オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。 有吉辰也が猛烈ダッシュから押し切りゴール!
  
 川口オートで行われていた第69回GI開設記念グランプリレースは、飯塚の25期・有吉辰也が制した。スタート一気からの鮮やかな速攻。同タイトルを初めて制した。これでGIは14度目の戴冠となった。
 
 試走タイムは鈴木圭一郎が一番時計の25。若井友和と中村雅人が26、早川清太郎と青山周平が27、有吉が29、佐藤摩弥が30、黒川京介が31で一番悪かった。
 
 10Mオープンで大事なスタート争いは、最内の黒川が先行するかに見えたが2枠の有吉が抑え込んで先制。これに3枠の佐藤摩が乗って行く。4枠の若井と5枠の早川は枠なり。6枠の中村は、ややへこんで最後方からのレースになり、青山は鈴木圭に先行する事ができた。
 
 レース展開はトップスタートの有吉がマイペースの逃げに入る。2番手に付けていた佐藤摩を若井が交わしていく。ここからは有吉と若井の一騎打ち。後ろでは佐藤摩が3番手で踏ん張っていた。その後ろでは鈴木圭に先行した青山が慌てず、レースの動向をうかがって走っていた。チャンスどころでは番手を上げ、ついには佐藤摩をも交わして3番手に立つ。若井は有吉のインに入る姿勢も見せたが、突っ込みで有吉が伸び返してコーナーに先に入っていく。そして、最後まで先頭を譲る事なくゴール。見事に先行逃げ切りを果たしてみせた。2着には若井。3着には道中で番手を上げていった青山が入った。ちなみに、展開に恵まれなった鈴木圭は凡走。中村は故障で途中リタイアとなった。
 
 コースを守る事に終始したかに見える有吉の逃走。しかし、上がりタイムを見ると3.343。ハイペースの流れだったのは間違いない。若井は強めに追えていたし、青山も車群を交わして行けていたが、他の選手は有吉を追う事はできなかった。しっかりとスピードに乗って逃げていた事の証明だ。それにしても、この優勝戦の走りは有吉の真骨頂とも言えるレースだった。小さいコース取りでインを抑えつつ、スピードも上げていく。更にはインから差しを狙ってくる選手に対し、柔軟に対処。過去に大怪我をして、戦力が衰えかけた時もあったが、近年ではGIIやGIで優勝するシーンが戻ってきた。絶頂期の動きが戻ってきた。次は最高峰のSGの舞台で完全復活する姿をぜひ見たい。
 荒尾聡がSG全日本選抜を初制覇!
  
 天候に恵まれたSG全日本選抜オートレース。優勝戦も良走路で行われ、試走タイムは鈴木圭一郎がトップの26、次いで青山周平と伊藤信夫が28。荒尾聡、佐々木啓、若井友和が30。木村武之と中村雅人が31だった。
 
 0Mオープンでのスタート争いは、2枠から青山が飛び出した。ここに4枠の伊藤信が続いて行く。最内の鈴木圭は、なんとか3番手で踏ん張り、4番手以降は木村武、荒尾、佐々木、中村雅、若井と出て行った。
 
 まずは逃げに入った青山だが、ペースが上がらない。ピタリとマークしていた伊藤信が仕掛けどころを探っていく。その後ろでは荒尾が鈴木圭と木村武をまとめ差しして3番手に付ける。そのままの態勢でしばらく周回を重ねた。決め手を欠く伊藤信に、荒尾も行き場がなく苦しんでいた。しかし、6周目に入るホームストレッチで動きがあった。3番手を走っていた荒尾が、伊藤信と青山をまとめ差し。これが綺麗に決まり、先頭に踊り出た。結果的にそのまま荒尾が押し切り優勝を手に入れた。2着には後半に巻き返してきた鈴木圭が入線。3着は伊藤信に競り勝った青山が入った。
 
 今日の荒尾は強かった。試走タイムは30で、いい方ではなかったし、スタート争いでも有利な位置には付けられなかった。しかし、チャンスどころをしっかりとモノにした。まずは序盤。鈴木圭と木村武をまとめ差し。あの場面で行き切れてなかったら、勝負圏内に浮上できていなかったかもしれない。そして、3番手を走っている時も落ち着いていた。やり合う前の2車の様子をじっくりとうかがいながら待っていた。伊藤信が青山に対し車を外に振った一瞬を見逃さなかった。ここしかないというタイミングでインに突っ込み首位浮上。見事なレース運びだった。今の荒尾はかつての速攻一本の走りだけではない。レース道中でも十分勝負でき、戦略の幅が広がった。青山と鈴木圭の2強時代に割って入れる走力を示した。
 高橋貢が大会三連覇を達成!
 
 伊勢崎オートで行われていたGIIレジェンドカップは、地元の22期・高橋貢が優勝して幕を閉じた。高橋貢はこの大会2連覇中だったが、今年も優勝を決めてみせた。
 
 良走路で行われた優勝戦。試走タイムは高橋貢が26で一番時計。松尾啓史と木村武之が27、永井大介と伊藤信夫が28、久門徹が30、浜野淳が31、岩沼靖郎が32だった。
 
 スタート争いだが、まずは0ハン単騎の岩沼はしっかりと残していく。10線からは浜野のダッシュが決まらず、3枠の久門が先行。これに松尾が乗っていく。木村も外枠に行かれることなく発進。そこに高橋貢と伊藤信が続き、永井は最後方からのレースになってしまった。
 
 逃げる岩沼はペースが上がらず、久門を突破した松尾が岩沼を交わして先頭を奪取。試走タイムが出ていた松尾はペースを上げて逃げに入る。そこへ、久門と岩沼をまとめ差しした高橋貢が浮上してくる。周回を半分以上残して一対一の形になった。ここからは高橋貢が松尾との差を徐々に詰め、交わす射程に入ると迷う事なくインに突っ込み首位浮上。そのまま押し切ってみせた。2着は松尾。3着は木村の攻めを抑え込んだ久門が入線した。
 
 やはり高橋貢は強かった。試走タイムは一番時計。これまでも記念レースの優勝戦に乗ると、一番時計を出すケースが多かった。今回も地元走路できっちりとエンジンを仕上げてきた。そしてレース。スタートが特別決まった訳でもないが、レース運びはさすが絶対王者と思わせるモノを感じさせた。周りの様子を見る場面では落ち着いて観察し、勝負所では一気に攻める。今回は岩沼と久門をまとめて差す場面がそこだった。そして一対一。慌てる事なく車間を詰め、イケると思ったら仕掛けにかかる。この判断を誤ると勝てるレースも勝てなくなってしまう。しかし、高橋貢はその辺を熟知している。だからこそ記念レースで勝ち続けていけるのだろう。
 高橋貢が存在感を再確認させた!
  
 最終日は第1Rから重走路で競争が行われていたが、徐々に走路が乾き出し、優勝戦は良走路にまで回復した。試走タイムは高橋貢が一番時計で25。次いで荒尾聡と鈴木圭一郎が26、佐々木啓が27、平田雅崇が30、吉原恭佑が31、加賀谷建明が32、中尾貴志が36だった。
 
 10Mオープンでのスタート争いは、鈴木圭がまさかのフライング。再発走となった。2度目のスタートは3枠の平田が先行。ここに佐々木啓が乗っていく。続いて高橋貢。フライングを切った鈴木圭だが、2度目のスタートでも悪くない発進を決め、荒尾は好位を奪えなかった。
 
 レースは平田が逃げる展開。佐々木がピタリとマークして仕掛けどころを探している。しかし、交わすまでは行かず、逆に高橋貢が佐々木をパス。平田と一対一の態勢に持ち込む。その後は冷静に平田を捌き、そのままゴール。2着には平田が残った。3着には道中で鈴木圭を逆転した荒尾が浮上した。
 
 高橋貢はさすがの走りだった。まず試走から一番時計をマーク。整備力の高さを改めて知らしめた。本番でもスタートで3番手発進。試走一番時計の機力を考えれば十分な序盤の位置取り。その後も落ち着いたものだった。記念レースは昨年のGIIレジェンドカップ以来の制覇。GIで言えば28回目の優勝となった。絶対王者はまだまだ健在。多少、衰えを感じさせる時期があってもそれは短期間。何度でも巻き返す。何度でも復活する。オートレースは盛り上がる。
 青山周平が完全Vでシルクカップ初制覇!
  
 伊勢崎オートで行われていたGI開場記念シルクカップは、地元の31期・青山周平が圧巻の走りで制した。予選中からハイスピードのレースが展開されていたが、優勝戦も試走タイムは全車が30を切る数字。その中でも青山がスピードの高さを見せ付けた。
 
 試走一番時計は青山の22。次いで三浦康平と高橋貢が24、荒尾聡が26、浅香潤と鈴木宏和と金子大輔が27、仲田恵一朗が28だった。
 
 スタート争いは3枠から鈴木宏が飛び出す。これに三浦が乗って行く。大外から青山がダッシュ乗せて3番手を奪取。スタート巧者の荒尾は後方からのレースになった。
 
 トップスタートの鈴木宏は、逃げのペースを掴む前に三浦に差し込まれてしまう。そこからは三浦が逃げる番になったが、鈴木宏をパスした青山がジカ付けの態勢に。機力で勝る青山は三浦を難なく交わして先頭に立つ。そして、最後まで先頭を譲らずゴールを切った。2番手には三浦が粘っていたが、最後方から荒尾がやってきて最終3コーナーで差し込んでみせた。
 
 青山は昨年のスーパースター王座決定戦に続き、記念レースで連覇。このシルクカップは初めての戴冠となった。しかも初日から負けなしの5連勝。今年初の出番で最高の滑り出しを見せた。全国ランク1位の青山は今年も絶好調。このまま快進撃を見せてくれそうだ。
 
 この優勝戦では他にも見せ場が多かった。試走4番時計の荒尾がまさかの最後方スタート。しかし、ここから怒涛の追い込みで準優勝。近年はレース後半の動きがかなり良く、以前の先行から逃げ粘るスタイルからは完全に脱している。走力的に幅が広がっている。レースを組み立てる上で、作戦の引き出しが多くなるのは大きな強み。そして、高橋貢。準決までの動きでは機力不足だったが、大事な優勝戦で試走タイムの上昇が図れていた。これまでの豊富な整備経験がなせる業だ。オートレースは選手個々人に特徴がある。これらが折り重なって熱狂のレースが展開される。