池田政和が久しぶりにGIで優勝!
伊勢崎オートで行われていたGIシルクカップは、川口の23期・池田政和が同大会を初めて制した。池田は2013年以来のGI優勝。改めてその存在感を示した。
試走は鈴木圭一郎が一番時計で25。次いで早川清太郎が26、渡辺篤が27。青山周平、池田政和、佐藤貴也、高橋貢が28。有吉辰也が大きく数字を落として32だった。
0Mオープン戦でのスタート争いは、最内の青山が先行。これに5枠から早川が乗っていく。池田が3番手発進し有吉も続く。外枠は鈴木圭がマズマズのスタートを決め、4枠の渡辺は最後方からのレースになった。
トップスタートを決めた青山はペースを上げたかったが、2番手に付けた早川とともに池田が1周3コーナーでまとめ差しを敢行。これが綺麗に決まり、池田が先頭に踊り出た。このまま池田はハイペースの逃げに持ち込む。青山は追走が一杯で、早川に交わされてしまう。今度は早川が池田との差を詰めにかかる。周回ごとにその差は縮まり、ゴール線ではかなりのところまで詰め寄ったが、結果的には池田が振り切りゴール。
池田は2016年にGIIで勝っているが、GIとなると約7年ぶりの栄冠。ここ何節かはエンジンが高い位置で安定しており、記念レースでキッチリと結果を出してみせた。上がりタイムは3・344。スピードを武器に数々のタイトルを手にしていた池田が、久々に本来の姿を取り戻した。SGのタイトルからは遠ざかって15年ほど経つが、今の池田ならSGでも十分通用するスピードを出せている。近いところにSG開催がないのは残念だが、冬場は一般開催、記念開催に関わらず活躍が見込まれる。
青山周平が令和初のSS王座決定戦で逃げ切り勝ち!
川口で行われていたスーパースター王座決定戦は伊勢崎の31期・青山周平がトップスタートから快走を見せて先頭ゴール。2015年以来2度目の同タイトル制覇となった。
試走タイムは一番時計27が4人。高橋貢、佐藤貴也、鈴木圭一郎、早川清太郎。永井大介が28。青山、佐藤摩弥、荒尾聡が31だった。
スタート争いは最内の青山が先行。これに7枠から佐藤摩がダッシュを付け2番手発進。2枠から永井が3番手を死守、以下は高橋貢、早川、荒尾、佐藤貴と続き、鈴木圭は最後方からのレースになってしまった。
主導権を握った青山はいつものコースを走る。小さめだがスピードに乗る走り。ここにまずチャレンジしたのは佐藤摩。2番手から前を抜きたい所だったが、車間が詰まらず追走一杯。その佐藤摩を永井が交わす。今度は永井が青山にプレッシャーをかける。仕掛けるタイミングを計っていたが、なかなかインに入り切るまではいかなかった。そうこうしているうちに早川がジワリと浮上してくる。ついには永井を交わし青山と一対一の態勢に。早川も果敢に青山に挑んだが、交わし切るまではいかず。青山が最後まで先頭を死守した。
試走タイムこそ劣勢の31だったが、この優勝戦では青山の持ち味を存分に発揮することができた。まずスタート。今節は内枠の時はしっかりと切れており、優勝戦でも最内から先行。そして先頭を走るとペースを上げようとして走るが、後続にじか付けされるとインを締める走りにチェンジ。これに永井も早川も苦しめられた。確かな武器がある選手はきっちりと結果を出せる。青山はこれでSG7度目の戴冠だが、この数字はまだまだ延ばせる。
黒川京介が嬉しいGI初制覇!
山陽オートで行われていたGIスピード王決定戦は川口の33期・黒川京介が制した。黒川は通算4度目の優勝。そして、記念レースは今回が初めての優勝となった。
最終日は第1Rから重走路で行われていたが、優勝戦も重走路で行われた。試走タイムは佐々木啓が一番時計で62。次いで黒川が64、松尾啓史が66、鈴木圭一郎と岩崎亮一が67、早川清太郎と滝下隼平が68、佐藤貴也が最も悪くて71だった。
0Mオープンのスタート争いは2枠の黒川が先行。それに6枠の岩崎、7枠の佐々木が続いていく。最内の佐藤貴は4番手発進。滝下は最後方からのレースになった。
トップスタートを切った黒川は序盤からペースを上げていく。周回ごとに後続との差を広げ、最終的にはブッチ切りでゴール。今節切れていたスタートを優勝戦でもしっかりと決め、その後の8周回も落ち着いて乗れていた。後ろでは岩崎と佐々木が2番手争いを演じていたが、4番手で踏ん張っていた佐藤貴が巻き返して2番手を奪取し準優勝となった。全国ランク1位の鈴木圭は、序盤で好位置を奪うことができず、最後まで車群で苦しんでいた。
デビューしてから前評判通り活躍していた黒川。最近はやや成長の壁にぶち当たっている感があったが、ここにきて記念レースで大活躍。スタート力という武器を完全に自分のモノにしたシリーズになった。もちろん独走でのペースもS級シングルに匹敵する立派なモノ。あとは捌き。現時点でも33期の中では断トツの操縦テクニックだが、まだまだ伸びシロは多いにある。いずれはSGで優勝争いに加わってくるのは間違いない。
それにしても近年のオートレースは、期ごとに必ず1人は有力な選手が現れている。31期は青山周平、32期は鈴木圭、33期は今回の黒川。34期は今のところ上和田拓海か、それとも。新たなるヒーローの出現は楽しみでならない。
若井友和が開設記念グランプリレース2度目の優勝!
川口オートで行われていたGI開設記念グランプリレースは、地元の25期・若井友和が劇的なゴールで栄冠を掴んだ。2002年に同タイトルを制して以来、2度目の制覇となった。
試走は佐々木啓が27で一番時計。次いで、若井が28、中村雅人と永井大介が29、加賀谷建明と久門徹が30、山際真介が31、大木光が最も悪く36だった。
0オープン戦のスタート争いは、最内の加賀谷が先行。これに6枠から久門が乗って行く。更に大外の永井が続いた。以下は若井、山際、佐々木、中村と出て、大木はやや凹む形。
トップスタートを切った加賀谷は軽快な逃げを見せる。後続との差を開きにかかった。2番手以下は久門がペース上がらず苦しんでいる。永井も3番手で動けない。まずは4番手に付けていた若井が永井をパス。そして久門をも交わしていく。2番手に立った時は加賀谷との差が大きく開いていたが、周回を重ねるごとにその差は縮まっていく。残り2周あたりから、「もしかしたらもしかするかも」と思わせるスピード差が感じられ、ついに最終周回のバックストレッチで加賀谷を捕えてしまう。2着には加賀谷が入線し、3着には後方から追い上げていた中村が入った。
今回の若井には驚かされた。確かに今年は、苦手の夏場もエンジンを高位でキープすることができ、そこからも大きく崩れることなくここまで来ている。しかし、どちらかというとスピード戦よりは混戦向きと思っていた若井が、ハイペースで逃げる加賀谷を捕まえてしまうとは。上がりタイムも3・349の見事な数字。25期ともなると、ベテランとまでは言えないものの、オートレーサーとしては中堅の域に入る頃。そういった状況でも若井はまだまだ進化している。スピードが増している。これだからオートレースは面白い。
緒方浩一がブッチ切りの快走を披露!
山陽で行われていたGII小林啓二杯は、地元の30期・緒方浩一が制した。序盤で抜け出しての独走。スピードある走りを見せつけた。
優勝戦当日は1Rから重走路で行われていたが、徐々に走路が乾いていき優勝戦の12Rではブチ走路。まだら模様の走路状態で、選手によっては得手不得手がハッキリと分かれるコンディションだった。
試走タイムは青山周平が一番時計の45、緒方浩一と山田達也が46、浜野淳が47、渡辺篤と丹村飛竜が48、岩崎亮一が50、長田恭徳が52で一番悪かった。
レース序盤の争いはまず、0ハン単騎の浜野はスタートを残せなかった。10線の内から2番目の緒方が浜野を叩いていく。岩崎と渡辺が悪くないスタート。10線最内の長田は、へこんでしまう。外枠勢では青山がマズマズの位置に付けていた。
その後の展開は、あまり変動がなかった。早々と先頭に立った緒方はペースを上げつつ、悠々と走っていく。後続との差をグングンと引き離しそのままゴール。2番手はスタートで緒方に叩かれた浜野が粘り込む。その後ろで渡辺と青山の31期両者が競っていた。青山が渡辺をなんとか攻略し3番手に立つ。そこから2番手の浜野を交わしにかかるが周回が足りず3番手止まり。丹村、山田達は見せ場がなく終わってしまった。
これで緒方は通算4度目のV。記念レースは2013年山陽のGIスピード王決定戦以来、2度目の栄冠となった。思い返してみれば、そのスピード王も走路は不安定な状況での競争だった。準決のレース後に「優勝戦は重走路ならチャンスがあると思う。ブチ走路ならなおさら大好物です」とコメントしていたのを思い出す。走り慣れた地元走路、それに不安定なコンディションが重なったときの緒方は信頼度が増す。これを覚えておけば車券戦術の参考になりそうだ。