
鈴木圭一郎がプレミアムカップ初制覇!
9月25日に山陽オートで行われた特別GIプレミアムカップの優勝戦は、浜松の32期・鈴木圭一郎が制した。鈴木はこの大会、初めての戴冠。これでまた一つ保持タイトルを増やした。
この日は1Rから良走路で行われ、優勝戦も良走路だった。試走は鈴木圭一郎が一番時計の29、次いで青山周平が30、佐々木啓が31、荒尾聡と佐藤摩弥と高橋貢が33、有吉辰也が34、田中茂が最も悪く35だった。
0オープンで肝心のスタートは、4枠から鈴木が飛び出す。これに6枠の荒尾が乗って行く。有吉と佐藤が3番手争い、青山は5番手発進、そして佐々木、田中、高橋と続いた。
先頭争いは単調。トップスタートの鈴木が序盤から後続を引き離し、独走状態。最終的に一度も先頭を譲らずゴール。2番手に付けた荒尾は佐藤摩に差し込まれてしまう。今度は2番手に立った佐藤摩ではあったが、有吉を差し、更には荒尾を捲った青山が3番手に付ける。青山は佐藤摩と一騎打ちになると、隙を見てインから突破。2番手に躍り出た。後ろでは佐々木が浮上し、3番手を走る佐藤摩に仕掛けるシーンも見られたが、交わすまではいかず4番手止まり。
これまで7度のSG優勝、更に8度のGI優勝がある鈴木だが、このプレミアムカップとは縁がなかった。しかし今回、同大会を制したことで、よりいっそうナンバー1としての貫禄が得られた。大きな大会ではエンジン状態に左右されることが多い鈴木だが、仕上がったときは無類の強さを発揮できる。スタート、スピード、捌き、重走路とどれをとっても超一流。現在ある記念レースを、いずれは全て制覇する日が来てもなんらおかしくない。
脅威の追い込みで鈴木圭一郎が秋のスピード王を制す!
浜松オートで行われていた第61回秋のスピード王決定戦は、地元の32期・鈴木圭一郎が最後方から追い込んで勝ち切った。
試走タイムは鈴木圭が1番時計の30、次いで荒尾聡が33、柴田健治と若井友和が34、鈴木静二が35、浅野浩幸と藤波直也が36、浅田真吾は37と一番悪かった。
0ハンのスタート争いは、大外の藤波がカマシ気味に出ていく。それを受け止める形で柴田が先に1コーナーに突入していく。その後ろは浅田、浅野、鈴木静と続いていく。10線は枠ナリに若井、荒尾、鈴木圭と出ていった。
その後は柴田と藤波がぐんぐんとペースを上げる。同ハンの他3者は付いて行くことができず、差は離されていく一方。浅田以下は、やや車群が密集していたが、そこを外から中から交わしていく車は鈴木圭。しかし、鈴木圭が3番手に立つ頃には、柴田と藤波は遥か前方。残り4周ほど残していたが、追いつけるかどうかはかなり微妙な距離だった。しかし、周回ごとに徐々に差を詰め、まずは藤波をインから突破。そして、最終周回のバックストレッチで柴田を外からパス。見事に鈴木圭が先頭に踊り出てみせた。そのままゴールで、同タイトルを連覇。
それにしても鈴木圭のスピードが目立ったレースだった。ゴチャ付く中団を難なく交わす腕も流石だったが、そこからの猛追は異次元の走りだった。試走タイムから他を圧倒していたとはいえ、乗り手が疲れてくるレース後半でむしろスピードが増したように見えた。一時期ほどの快進撃は見られなくなった鈴木圭だが、今後のプレミアムカップに弾みが付いたのは間違いない。
速攻決めた有吉辰也が悠々と逃げ切った!
浜松で行われていたGIIウィナーズカップは、飯塚の25期・有吉辰也が制した。好枠からトップスタートを決め、楽に抜け出す展開。しっかりとチャンスをモノにした。
試走は鈴木圭一郎が一番時計の31。次いで金子大輔が32、有吉が33、青山周平が34、重富大輔と伊藤信夫が35、浦田信輔が36、田中正樹が37だった。
0ハン単騎の田中はスタートをなんとか残す。10線は有吉の先行に、最内の重富も踏ん張ったが1コーナーで金子がカマシて行く。伊藤信は空回りして大きく出遅れてしまう。外枠の2車はそこまでいいスタートを切れなかった。
田中は序盤でリードを広げたかったが、有吉がすんなりと交わして行く。すぐ後ろには金子も付けていたが、有吉を射程内に収めることはできなかった。逆に、スタートでなんとか外枠2車のカマシをこらえた浦田がジワジワと浮上して行く。そして、2番手を走っていた金子を捌いて行く。青山と鈴木圭は終始競り合う形で厳しい展開になった。結果的に青山が3着で鈴木圭が4着。
有吉はこれで今年4度目の優勝。その中にはGIIオーバルチャンピオンカップも含まれている。絶頂時の有吉からすれば、まだまだ完全復活とは言えないが、徐々にいい時の走りが戻ってきているようにも見える。スタートに関しては絶頂時と何らそん色がない。走りも8~9割方戻ってきている。現在は全国ランクの関係で、ハンデ位置的に好枠から競争ができているが、最重ハンでも外枠に置かれるようになった時、本当の正念場がやってくるだろう。
青山周平が完全Vでグランプリ連覇を達成!
SG第23回オートレースグランプリは、地元伊勢崎の31期・青山周平が制した。昨年の同大会に続き連覇、更に初日からオール1着の完全優勝で決めた。
試走は鈴木圭一郎と浦田信輔が一番時計の29。次いで青山周平が30、早川清太郎と永井大介が31、荒尾聡と中村雅人、若井友和が32だった。人気は一番時計で2枠の鈴木圭が集めた。
0Mオープン戦で肝心のスタート争いは、最内の青山が飛び出す。これに鈴木圭、早川、荒尾と枠番順に続いていく。外枠勢では浦田がダッシュ決め、バックストレッチでは好位置に付けた。
その後は青山が逃げに入る。後ろで気を吐いたのは荒尾で、早川と鈴木圭を突破していく。荒尾は青山を追う一番手になったが、そこからは車の進みが甘く、番手キープが一杯の状態。そこへ早川が巻き返しを図り2番手に付け返す。今度は早川が青山を追う態勢になったが、差を詰めることができず結局、青山が最初から最後まで先頭を譲らずゴールを迎えた。
青山はこれでSG5度目の優勝。今回のオートレースグランプリは昨年に続いての栄冠。それに加えてSG競争では自身初の完全優勝。青山の勝ちパターンはスタート速攻からイン抑え込むスタイル。これが今回も功を奏した。ペースはそこまで上がっていないようにも見えるが、後ろにジカ付けされても簡単には抜かせないコース取りができる。スタート力と、この走行テクニックがあれば、これからもSGのタイトルを積み重ねていくことができるだろう。
早川清太郎が見事3連覇を達成!
伊勢崎オートで行われていた第26回GIムーンライトチャンピオンカップは、地元の29期・早川清太郎が華麗な速攻で制した。早川は一昨年、昨年に続き同大会3連覇となった。
優勝戦は良走路で行われ、試走は青山周平がトップの28、そして早川がそれに続き29、永井大介が30、佐々木啓が31、吉原恭佑が32、佐藤摩弥が33、鈴木宏和が35、中野光公が最も悪く36だった。
まずは0ハンの中野がスタートをしっかり残していく。これに鈴木宏が続いていく。早川もよいスタートを切り、序盤で好位置に付けた。そこからはあっさりと早川が抜け出し独走に入る。そのまま後続をブッチ切り、圧勝のゴールとなった。後ろでは中野がコースを抑えて粘り、鈴木宏はピタリとマークも仕掛ける糸口が見つからない。そこへ、吉原との競り合いを制した青山が浮上してくる。鈴木宏と中野を突破し、2番手に立つも先頭を走る早川は遥か先。2番手のままゴールを迎えた。
これで早川はGI6個目の戴冠。ここで驚きなのが、その全てが地元伊勢崎走路での獲得。GIIはこれまで2つ取っているが、その一つも伊勢崎の稲妻賞。地元走路では強烈な走りを見せ付けている。約2週間後には、今回と同じ伊勢崎でSGオートレースグランプリが控えている。これまで早川はSGタイトルとは無縁。しかし、次のSGは得意な地元走路、更に今回の優勝で勢いづいた点を加えれば、初めてのSG制覇も現実味を帯びてきた。