オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。
オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。 鈴木圭一郎がスピード王決定戦を制す!
浜松で行われていた第60回GIスピード王決定戦は、地元の32期・鈴木圭一郎が落ち着いた走りで制した。鈴木圭はこの大会初めての制覇。これでまた一つ、保持タイトルが増えた。
優勝戦は試走から大きな衝撃があった。試走一番時計は鈴木圭と同期の中村友和で22。元々、スピードはある方だったが、22はなかなかない数字。再試走だった松山茂靖の32とは、まさに10も離れた値。独走に入れれば誰も追い付けないスピードを誇示した。
試走2番時計は鈴木圭の24。次いで、金子大輔の26、西原智昭の28、鈴木宏和と松尾啓史が29、木村武之が30だった。 スタート争いは戦前の予想通り、3枠から鈴木宏がダッシュを決めた。これに5枠の鈴木圭が乗って行き、最内の木村を抑える形で大外から西原が3番手奪取。7枠の金子も悪くない位置に付けた。試走一番時計の中村は、最後方からのレースになってしまった。
レースは序盤から鈴木宏がペースを上げていく。すぐに2番手に付けた鈴木圭は簡単には交わせそうになかった。それでもピタリとマークし、仕掛けるタイミングをうかがっていた。そして、5周1コーナーで鈴木圭が鈴木宏のインに車を向ける。しっかりと回り鈴木圭が先頭に立つ。ここからは後続を引き離す一方だった。
2番手以下では鈴木宏、西原、金子と隊形を作っていたが、その後ろで一人だけ進み方が良い車があった。松尾だ。レース後半になるほど動きが良くなる松尾が、一つずつ番手を上げていく。最終的には2番手で走っていた鈴木宏までパス。準優勝となった。
鈴木圭は今年に入り、5節走って4回優出の内、2回優勝。いつも通りの鈴木圭の成績っぷり。今年も前年以上に鈴木圭の活躍が見られそうだ。しかしながら、今回の優勝戦では鈴木圭の同期の躍進も目立った。スタート力は全国1と言っても過言ではない鈴木宏和。一方、スピードだけなら全国1とも言える中村友和。この両者は、お互いに足りないところを埋めていくことができれば、記念レースでいつ優勝してもおかしくはない。
荒尾聡が気迫の走りで勝利をもぎ取った!
飯塚オートで行われていたGIIオーバルチャンピオンカップは、地元の27期・荒尾聡が見事な速攻を決めて制した。この日、第1レースは重走路で行われたが、徐々に走路が回復。優勝戦の時間は、所どころ濡れている場所があり、公式発表はブチ走路だったが、選手が通るコースにはほぼ影響がなく、良走路のタイムが出ていた。
0ハンの桜木公和はスタートを残すことができず、10線最内の森且行に叩かれていく。しかし、5枠から荒尾も伸びて、バックストレッチに入る頃には先頭を奪取。6枠の篠原睦、8枠の鈴木圭一郎もそれに続いていく。
早い段階で鈴木圭が篠原をパスすると、その後は荒尾との壮絶なマッチレースとなった。インコースを外さず丁寧に周回を重ねる荒尾に対し、鈴木圭が攻略の糸口を探せないでいる。同じコースを通っても車速は一緒で、外に振りに行くと立ち上がりで戻ってこれなくなる。完全な良走路とは違うので、いつものようには仕掛けて行きづらいのか。荒尾は最後までミスすることなく走行を続け、ゴール前でチョイ差しを狙った鈴木圭を微差振り切る。3番手には、序盤の展開で苦しいレースになった新井恵匠が怒涛の追い込みで食い込んだ。
これで荒尾はGII8度目の制覇。SG、GIを含めると19個目のタイトルとなる。おととしの年末のSGスーパースターを制して以来の栄冠。デビューして2級車時代から27期でトップに君臨し、約18年経った今でも同期でトップ。ここまでモチベーションを保ち続けるのは容易ではないこと。オートレースに対する情熱、勝利にこだわる姿勢が好成績を持続させる基になっているのだろう。まだまだ荒尾は止まらない。抜群のスタート力と、粘り強いイン走法。この2つの持ち味を武器に、オートレース界で存在感を示し続けていきそうだ。
浅香潤がまんまと逃げ切り勝ち!
伊勢崎で行われていたGI第42回シルクカップは、地元の23期・浅香潤が制した。0ハン単騎から8周回、先頭を守り切り2度目のGI制覇となった。
試走は浦田信輔と池田政和、早川清太郎が一番時計タイの25。次いで田中賢と伊藤信夫が26、吉原恭佑が28、浅香潤が29、鈴木聡太が30だった。
序盤の動きだが、まずは浅香がしっかりとスタートを切る。10線は最内の鈴木聡が先行し、浦田が準決同様の好ダッシュを決める。しかし、レース序盤のホームストレッチで浦田の車がブレる。これに鈴木聡以外の10線勢がやや不利を被る。この隙に、前を走る浅香と鈴木聡はリードを広げることができた。
その後は浅香がマイペースの逃げに入る。鈴木聡はレース前半、差を詰めることができないでいたが、残り3周あたりから徐々に浅香との間隔を詰め始めた。そして、最終周回のバックストレッチではインに切り込めそうなチャンスがあったが、入り切るまでは行かず、浅香がなんとか逃げ切った。3番手以下は中団を捌いて追撃態勢を作っていた早川が、前の2車に詰め寄ったが3着一杯だった。
浅香はこれで2度目のGI制覇。1997年に勝って以来なので、実に22年ぶりの栄冠。逃げ粘る苦しいレースではあったが、上がりタイム3・356は素晴らしい数字。追い込む方にとっては浅香以上に苦しいレースだったハズ。23期の浅香は、そろそろベテランの域に入ってくるが、これからもまだまだそのスピード力を発揮して、オートレースを盛り上げていくことだろう。
永井大介が3度目のSS覇者に!
SG第33回スーパースター王座決定戦は、地元の25期・永井大介が制した。2008年、2014年に同大会を制していた永井は、これで3度目のタイトル奪取となった。
試走一番時計は高橋貢の23。次いで、永井、青山周平、木村武之が25、鈴木圭一郎が26、池田政和が27、新井恵匠が28、丹村飛竜が30と一番悪かった。
レースは最内の永井が先行、これに青山と丹村が乗って出る。すかさず木村が丹村を交わす。永井はこのまま勝ちパターンのブッチ切り独走に入るかに見えたが、思ったようにペースが上がらない。すると永井はインコースを抑えて後続に抜かせない走りに切り替える。これを2番手に付けていた青山が、抜くタイミングを計るように終始追走。この青山に対し、3番手の木村もプレッシャーを与える。抜かれそうになる永井が必死のブロックを見せ続け周回を消費する。4番手以下では鈴木圭と高橋貢が差を詰めてくる。動きがあったのは残り2周。木村が後退し、鈴木圭をパスした高橋貢が最終バックストレッチで青山を差し込む。これにより青山が失速し、鈴木圭も3番手に浮上する。しかし、最終的には永井がスタートからゴールまで先頭を譲らずゴール。
ペースが上がらなかった永井にとっては苦しいレースになった。それでも後続の攻めをことごとく封じ、なんとかもぎ取った勝利。以前の永井はスピードに任せた独走が得意だったが、ここ数年はエンジン状態に合った走りで結果を出せるようになっていた。今回もまさに永井の経験勝ち。勝利への執念が、栄冠を手繰り寄せた。これでSGは15V。オート界のカリスマと言われた片平巧の記録に並んで見せた。永井はまだまだ終わらない。これからもSGのタイトルを積み上げていくに違いない。
鈴木圭一郎がスピード王連覇を達成!
山陽で行われていた第53回GIスピード王決定戦は、浜松の鈴木圭一郎が昨年に続いて制覇した。優勝戦当日は1レースから重走路で、最終レースまで走路が乾くことはなかった。
試走一番時計は鈴木圭の54。次いで、佐々木啓、岩崎亮一、松尾啓史が56。阿部仁志が60、鈴木宏和と別府敬剛が61、丸山智史が63で最も数字が悪かった。
レースはまず0ハンの阿部が逃げていく。周回を重ねるごとに大きなコース取りになり、スピードを増しているような走りだった。2番手には序盤戦を制した岩崎が付ける。コース取りが大きくなる阿部の内側に車を向けて、岩崎が突っ込んでいく。これが綺麗に決まり先頭を奪取。岩崎が逃げる展開になった。この時、鈴木圭は5~6番手。岩崎の後ろには同じようなコース取りで阿部、別府、佐々木が付ける。このまま順位変動が起きにくい隊形になったが、鈴木圭だけは違っていた。各車のコース取りが大きくなる中、一枚内側のコースを選んでいく。スピードが乗りにくいコースではあったが、鈴木圭の技術がその常識を覆していく。6周目に入る頃には先頭に躍り出ていた。そして、そのまま先頭でゴール。見事に優勝を決めてみせた。
このレースでは鈴木圭の強さが改めて証明された。後ろから追う者の強みではあるが、レース展開を冷静に分析し、最良のコース取りを選択できていた。これが仮に前を走る車の外に付けていたら、車群を交わせていたかどうか分からない。思い切ってコースを変える決意が、勝因の一つになった。これでまた走りの幅が広がった。この後は地元で一般開催もあるが、年末に行われるスーパースター王座決定戦に向け、最高の弾みになったのではないだろうか。