浦田信輔がレジェンドの頂点に立つ! 伊勢崎のGⅡレジェンドカップは、飯塚の浦田信輔が制した。試走は伊藤信夫が最高時計の25。次いで岩崎亮一が26、浅香潤と高橋貢が27、岡松忠と池田政和が29、浦田信輔が30、伊藤正司が31だった。 レース展開は、まず岡松が0ハン両者を叩いて行く。その岡松に、スタートで叩かれた伊藤正が必死に食らい付いていく。そこに割り込んできたのは浦田信輔。浦田は1周バックストレッチで好位に付けていた。逃げ粘っていた岡松だったが、浦田が容赦なく突っ込んでくる。1回目はハラんでしまい、岡松に逆転を許したが、その後はしっかりと態勢を整え、キッチリと捌いて行った。2着には、試走で好タイムをマークした岩崎を終始牽制しながら、後方から冷静に追い上げてきた高橋貢が入る。岩崎は3着入線となった。 それにしても浦田は、さすがの走りを見せてくれた。近年は、そんなに長い期間ではないが戦線を離脱している時期があった。しかし、復帰直後からいつもの捌きを発揮していた。その後も変わらぬ攻撃的な走りで常に上位争いに参加している。それはレースのグレードに関わらず、一般開催の一般戦でも全力投球だ。そういった姿はファンの心に強烈に焼き付いて残る。その結果、オールスターのファン投票でも、常に上位の方にランクされている。今のオートレース界に必要不可欠な存在。これからも変わらぬ走りに期待したい。
阿部剛士が悲願の記念レース初制覇!
浜松のGIスピード王決定戦の優勝戦は好天の下、行なわれた。岩沼靖郎以外は試走で30を切るタイムをたたき出し、レースでもハイスピードの展開になることを予感させた。
試走一番時計は高橋貢の25。次いで阿部剛士、渡辺篤、荒尾聡が27、若井友和と田中茂が28、田村治郎が29、岩沼が31だった。大事なスタート争いは、0ハンは岩沼が先行し阿部が10線にたたかれる事なく続く。10線は最内の渡辺が先行し若井や荒尾が続いて行く。
岩沼はソコソコのペースで逃げ、阿部は序盤こそ追走一杯気味。そこへ車群を縫ってきた高橋がやってくる。3番手に立った高橋が阿部のインを狙うところで、逆に阿部が先頭を走る岩沼のインに突っ込んで行く。これが綺麗に決まり、今度は阿部が逃げ態勢に入った。阿部に抜かれた岩沼だったが、2番手をしっかりとキープし、3番手に付けていた高橋は攻略の機会を掴めない。最終周の4コーナーでは、ほぼ3車が並ぶ形だったが、阿部がなんとか先頭を保って1着ゴール。これが嬉しい記念初優勝となった。
近況は安定した成績を残していた阿部。それが、記念の大舞台でも落ち着いて走れた要因の一つだったのではないだろうか。結果は乗り手に自信を付けさせる。自信が更なる好結果を生む。この好調ループで、今後の記念レースでも存在感を示していくに違いない。
加賀谷建明が3つ目のGII制覇!
飯塚のGIIオーバルチャンピオンカップは、川口の27期・加賀谷建明が制した。加賀谷はこれまで地元のGIIを2つ制している。これでGIIは3つ目のタイトル。レースでは加賀谷らしい走りを見せていた。
前日の予報にもあったとおり、優勝戦の日は雨で重走路となった。試走は加賀谷と桝崎陽介が一番時計の51。その次が松尾啓史の54、他は55以上のタイムだった。
レース展開は、センターから浦田信輔が飛び出して行くが、1コーナーでは2枠の桝崎が突っ張って入っていく。そのまま桝崎が逃げ態勢に入った。しかし、3番手スタートを切った加賀谷がアウトコースで追い上げてくる。インコースをマイペースに走っていた桝崎だが、加賀谷がアウトから伸びてくる。割と早い段階で加賀谷が桝崎を捲り独走態勢に入る。結果的に加賀谷がそのまま押し切った。2着には桝崎が残り、3着には浦田を交わした松尾が渡辺篤の攻撃を抑えて入線した。黒岩明や早川清太郎は見せ場を作ることができず、当ブログ本命の篠原睦はスタートで大きく後手を踏み終始、後方のままだった。
この優勝戦は加賀谷のいいところが全て出ていた。スタートは全国クラスで、走るコースは大きめ。スピードもそれなりにあり、一人で走る展開になればペースが上がるタイプ。スタートとスピードが重要視される近年のオートレースに大切な要素を備えている。これまでの記念タイトルはGIIが2つ。GIの制覇がないのは不思議なくらいだ。中堅の域に達しつつある27期において、能力の衰えは全く感じていない。今後も大きな舞台で活躍する可能性は大だ。それには一つだけある不安要素のフライング。これを頻発させないことが、記念で安定して活躍する大きなポイントとなるだろう。
地元の早川清太郎がシルク初優勝!
第40回GI開場記念シルクカップは、地元29期・早川清太郎が鮮やかな走りで制した。これで早川はGI2勝目。新年として、最高の滑り出しを見せた。
優勝戦の9日は重走路で始まった。しかし、徐々に走路が乾いてきて、優勝戦が行なわれる12Rの頃には、一部濡れているところがあるものの、レースにはほとんど支障がなく良走路に近い状態に。試走も早川が27、伊藤信夫が29をたたき出すなど好タイムが計時されていた。浦田信輔と大木光が30、田村治郎と岡部聡が32、山田達也が33、久門徹が35と続いた。
0オープン戦で最も大事なスタートは、2枠の早川が先行。これに3枠の浦田が乗って行き、伊藤が続く形。最内の田村は4番手とやや遅れてしまった。レース展開はトップスタートの早川が、中盤までは浦田の牽制を抑えつつ逃走。その後ろでは伊藤が浦田のインを狙う素振りを見せていた。しかし、レース後半は早川が独走態勢を築き1着ゴール。田村が伊藤と浦田を差し2番手に浮上。ゴール直前で伊藤が浦田を捕え3着入線となった。山田、岡部、大木、久門は最後まで見せ場を作ることができなかった。
オープン戦でスタート争いが不安視されていた早川だったが、2枠と内寄りだった事と試走タイムが出たようにエンジンが超抜だった事、こ の2点がトップスタートを生んだのだと思われる。このトップスタート体験は、今後の記念レース戦線でも生きてくるだろう。スピードや捌きは申し分ない早川。これに確かなスタート力が身に付けば、記念タイトルを量産できるハズだ。
鈴木圭一郎がスーパースター初制覇!
SG第31回スーパースター王座決定戦は、浜松の新鋭・鈴木圭一郎が制した。これで全日本選抜、日本選手権に続くSG3連覇。SG戦線での快進撃が止まらない。
レース終盤に大きな波乱が待ち受けていたが、スタートからハプニングがあった。1回目のスタートで新井恵匠がフライングを犯し、再発走となった。2回目のスタートは2枠の青山周平が飛び出し、鈴木が続く形。これに金子大輔、永井大介が乗っかって行った。
青山はいつものコース取りで逃げ態勢に入る。鈴木は2番手でピタリマークし、仕掛けるタイミングをうかがっていた。なかなか青山に隙らしい隙が生まれず、鈴木は付いて行くだけの状態。しかし、追走一杯ではなく、多少の余力は感じられた。そして、青旗すぎに鈴木が青山のインに飛び込む。少しはらむ感じになったが、先頭に躍り出た。青山はすぐさま差し返しの態勢に入りインに切り込む。しかし、これが車のコントロールを失う要因になり落車。そこに金子や高橋貢も巻き込まれ、3車が落車する形になってしまった。結果的に5番手を走っていた荒尾聡が2着入線。松尾啓史が3着に食い込んだ。永井大介は試走から動きがイマイチで、後方のまま動けなかった。
レース後は審議に入り、対象車は5番の鈴木。しかし、原因車にはならず、1着入線のまま確定となった。
このレースでは鈴木の落ち着いた走りが印象的だった。ほぼ9周回を2番手に付けていながら、仕掛けられないもどかしさがあったと思われる。しかし、最後の最後でしっかりとインに入って行き、SG優勝の栄冠を掴み取った。慌てて仕掛けていたら反則するか、もしくは仕掛け損ねて後退するかのどちらかが待っていただろう。鈴木はチャンスをじっくりと待って、唯一の機会を逃さなかった。速く走れるだけではなく、レース運びが大幅に向上している。この勢いのまま、来年もSG戦線を盛り上げて行くのは間違いない。とんでもない逸材が現れた。