
鈴木圭一郎が圧勝で完全Vを達成!
優勝戦の日の第1レースは、走路の一部がほんの少し濡れている状態だったが、徐々に乾き出し、優勝戦までには良走路になった。
試走タイム一番は1号車の浅香潤で3・28。次いで、鈴木圭一郎が30。越智尚寿、岩田裕臣、藤岡一樹、大木光、荒尾聡が31。有吉辰也が32でワーストだった。
10Mオープン戦のスタートは、3枠から岩田が飛び出した。これに有吉が乗って出るが、鈴木圭がすんなりパス。その後は鈴木圭が岩田を外から捲って行くと、後続を引き離す一方の独壇場。有吉は岩田を差し2番手奪取。荒尾や藤岡は序盤で好位を取れず後方のまま。試走タイム出た浅香は、スタート行けず見せ場を作れなかった。
それにしても鈴木圭は強かった。試走タイムは30で、正直物足りない感はあったが、結果的にはスタート一撃から速攻。持ち味のスピードをこれでもかと見せつけ、上がりタイムは脅威の3・336。更に今回の勝利でGI全場制覇も達成。記録を塗り替え続ける若手スターは、もうひとつ勲章を手にした。意外にもGIIでの優勝はまだないが、この強さならこれからいくらでも付いてくるだろう。レースを、オート界を盛り上げ続ける鈴木圭に、これからも目が離せない。
鈴木圭一郎が選手権連覇を達成!
第49回SG日本選手権は地元の鈴木圭一郎が圧巻の走りで連覇を達成した。2日目の2着以外は全て1着と、ほぼ完全優勝と言ってもいいレース内容。現況の勢いがそのままレース結果に表れたかたちだ。
試走は一番時計タイの27。1枠の木村武之も同様のタイム。次いで、金子大輔が28。29が藤岡一樹、佐藤貴也、山田達也、中村雅人。有吉辰也が32と、やや数字を落とした。
スタートは2枠から鈴木が飛び出す。最内から木村も離されずに続く。佐藤と藤岡が3番手争い。外枠勢は好位を奪えず後方からのレース。前半4周までは鈴木の逃げに木村がピタリとマークし、仕掛けるタイミングをうかがっていたが、5周目あたりから徐々に間隔が開きつつあった。6周目以降は、抜く態勢を作るどころか差を広げないよう走るのが一杯だった木村。更に離れて3番手で粘る藤岡に対し、金子も攻撃の手立てを失っていた。5周目以降、木村を引き離して逃げる鈴木がそのまま1着ゴール。上がりタイムは今節最高の3・335だった。まさに文句のつけようのない勝利。
それにしても、今回は鈴木の強さを見せ付けるシリーズだった。5日間の試走は27か28のみ。エンジンは連日仕上がっていた。上がりタイムも2着に敗れた2日目が3・381。初日は3・368。3日目以降は3・34を切る素晴らしい数字を立て続けにマーク。スピード面は今、間違いなく日本一。スタートに関しても7枠から先行した準決、2枠からシッカリと決めた優勝戦を見る限り日本一。捌くレースが少なかったので分かりにくいが、捌きに関しても日本一クラス。すでにSG5Vだが、デビュー5年目の若手は、まだまだ成長の伸びシロが大きい。これからどのような選手になっていくのか。オート界の勢力図が大きく変わっていくのは間違いない。
浅田真吾が嬉しい記念初優勝!
浜松のGIIウィナーズカップは、0ハンの浅田真吾がブッチ切りで快勝した。これまで5度優勝の経験がある浅田だが、記念タイトルとは無縁で、これが初めての記念制覇となった。
前日の天気予報通り、優勝戦の日は雨となった。走路もきれいに濡れており、完全な重走路だった。
好スタートを決めた浅田は、1周3コーナーから2周1コーナーにかけて、青木治親にインを狙われたが、更にそのインに入ろうとした西村龍太郎の攻めに青木がブレて失速。浅田が外から伸び返し、再び先頭を奪取した。その後はインコースをなぞるように丁寧に走り、青木を徐々に引き離していく。ゴールを迎えた時には大きなリードができていた。ずっと3番手で粘っていた五所淳だが、7周2コーナーの立ち上がりでややコースを外し、すぐ後ろにいた若井友和にインをすくわれてしまう。
浅田は選手生活17年目にしてタイトルホルダーになった。デビューしたての2級車の頃は、スタートが早くスピードもそれなりにあり将来を渇望された。1級車に乗ってからも着実に力を付けていたが、大舞台では結果を出せずにいた。ハンデ的にも最重ハンと、その10前を行ったり来たりの状態だった。しかし、その状態が今回は有利な方向に働いた。今の浜松で重走路の有利なコースはイン。そこを先取りできるハンデ構成は大きな味方になった。もちろん、それを生かした走りをシッカリこなした浅田は見事の一言。これを期に更なるレベルUPにつながる事を願う。
鈴木圭一郎が人気に応える快走で山陽初V!
山陽の第52回GIスピード王決定戦は、浜松の鈴木圭一郎が圧巻の走りで制した。山陽では記念どころか一般開催でも優勝のなかった鈴木だが、今回でいきなり山陽初Vを記念レースで達成した。
レース展開は、まず0ハンの矢野正剛がスタートをしっかり残した。10線からは最内の藤岡一樹がやや遅れて出る。その外の緒方浩一が飛び出したかに見えたが、その更に外の岩崎亮一がカマシ気味に出て10線の中ではトップスタート。大外の鈴木は新井恵匠、早川清太郎、高橋貢を包んで出てマズマズの位置を奪取。
岩崎が矢野を交わし先頭に立つ。緒方も離されず追走していく。鈴木も早々と3番手に立った。そこから岩崎が軽快に逃げていたが、鈴木がまず緒方を攻略。その後も慌てず鈴木が岩崎を捌いていく。そこからは鈴木の独走劇。試走29の一番時計タイをマークしたエンジンをフルに発揮して快勝となった。
岩崎も試走29のエンジンを駆って意地を見せた。もう少しペースが上がっていたら、鈴木も落ち着いて乗れなかったかもしれない。緒方も諦めぬ走りで3着入線。ハイペースのスピード戦では、序盤で好位を奪えなかった新井、早川、高橋らは苦しい展開になってしまった。
それにしても鈴木の強さを改めて示す一戦だった。走路が変わってもエンジンを仕上げる能力、10線に7車並んでもスタート後に好位に付けられるスタート力と判断力、残りの周回と前を走る選手との距離感を図りながら先頭に踊り出すイメージを作り出す想像力。これらは全て1流の選手が持ってる能力。これからも、ますます魅力あるレースを披露し続けてくれそうだ。
永井大介が7度目のプレミアムカップV!
飯塚オートで行われていた特別GIプレミアムカップは、川口の永井大介が制した。これでプレミアムカップは7回目の制覇。プレミアム男の称号は永井の物だ。
試走では後ろの鈴木圭一郎に詰め寄られる気配があった永井。数字も永井の31に対し鈴木は30。エンジンは鈴木の方が良かった。ちなみに、試走一番時計は金子大輔の29。青山周平と松尾啓史が30。岩崎亮一が31、中村雅人が32、穴見和正が大きく数字を落とし37。
スタートは3枠から永井が飛び出す。最内の青山が2番手奪取し、4枠の鈴木は3番手発進。岩崎が4番手に付け、5枠から外の選手は厳しい展開になった。
永井はマイペースの逃げに入る。最初に動きがあったのは、3番手の鈴木が青山のインに突っ込んだところ。これが綺麗にに決まった。青山はすぐに差し返しを狙うが仕掛けるまではいかなかった。その後は5周を残して永井と鈴木の一騎打ち。鈴木は慌てることなく冷静にタイミングを計っていた。しっかりと態勢を作ると永井のインに突っ込んでいく。ハラむことなく回って行くと鈴木が首位に立った。しかし、その1周後に永井が鈴木を差し返しに行く。やや強引とも思える突っ込みだったが、綺麗にクルっと回って行った。その後は鈴木に付け入る隙を与えずゴール。
爆発的なスピードが武器の永井。しかし、スタート決めてブッチ切りのレースが多かったのは以前のこと。今では多彩な技量を身に付け、エンジン状態にあった走りができている。今回の準決では、先頭を走っててもペースが上がらないとみるや、後続に抜かれない走りにシフトしていた。優勝戦ではエンジンが上向き、本来の大きなコース取りができていた。エンジンでは負けていた鈴木に対しても、落ち着いて対処していた。結果的に総合力が増している。近年は若手の台頭著しいが、まだまだ永井が素晴らしい走りを披露してくれる。