オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。
オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。 早川清太郎が大会連覇を達成!
伊勢崎オートで行われた第25回GIムーンライトチャンピオンカップは、地元の29期・早川清太郎が制した。昨年度も早川が制しており、これで大会連覇となった。
優勝戦は中村友和のフライングで、スタートは仕切り直しになった。0ハンから飛び出したのは仲田恵一朗。これに高宗良次が乗っていく。木村享平は後手を踏んでしまう。10線からはフライングをした中村がへこみ、早川清太郎が先行しかけたが、内から若井友和が盛り返していく。しかし、1周3コーナーで若井は木村のインに突っ込んで接触落車。若井と木村は戦線離脱となってしまう。
先頭を走る仲田に高宗は追走がいっぱい。仕掛けるまではいかなかった。若井がいなくなり、10線勢で最も好位に付けた早川は冷静だった。強引に仕掛けていくことなく、まずは高宗をパス。すると、先頭を走る仲田の動きをじっくり見ながら、落ち着いて態勢を整え万全の状態で捌いていった。後方からは鈴木圭一郎が追い上げてきたが、2番手に立ったときには早川との差が大きかった。結果的に早川が1着、鈴木圭が2着になった。絶対王者・高橋貢は後方のままで全く進めなかった。
それにしても、早川は地元のGIで無類の強さを発揮している。ムーンライトを連覇しただけではなく、今回で地元のGIで4連勝となった。走り慣れた走路でやりやすいのはあるだろうが、それだけで結果を残し続けるのは簡単ではない。おそらく地元ファンの声援がしっかり届いているのではないか。事実、伊勢崎オートレース場では早川のファンが多い。積極果敢なレーススタイルは、かつての伊勢崎のエース・田代祐一を彷彿させるものがある。前を走る選手のインに車を向ければ必ず突っ込んでいってくれる。これは車券をもっているファンからすれば、最も嬉しい戦闘スピリッツ。仮に車券が外れたとしても、納得のいく走りを見せてくれる。このようにファンを魅了し続ける走りをする選手が増えてくることを祈りたい。
圧巻の走りで鈴木圭一郎が完全優勝達成!
ほぼ天候に恵まれた浜松のGIIウィナーズカップのシリーズは、優勝戦も良走路で行われた。予選準決を負けなしできていた鈴木圭一郎は試走31で3番時計となったが、レースは果たして。
試走一番時計は中村友和と新井恵匠で30。次いで、鈴木圭が31、阿部剛士と重富大輔が32、青島正樹と金子大輔が35、鈴木静二が最も悪く36だった。
0ハン単騎の鈴木静二はスタートを残す。10線のスタートは凄まじいシーンが見られた。7車並びの大外に置かれた鈴木圭が、内枠勢を全て包み込んで1コーナーに突っ込んで行く。つまり、この時点で2番手を奪取。そして1周4コーナーで鈴木静のインをすくって先頭に立つ。ここからは完全に一人旅。後ろでは新井がすぐに2番手に付けていたが、鈴木圭との差を詰めることはできなかった。そこから大きく離されて阿部が3着をキープ。金子は試走タイムが表すように、レースに参加できなかった。
それにしても鈴木圭は強かった。優勝戦に限らず5日間全てで全く不安のない走り。鈴木圭を1着固定で車券を持っているファンからすれば、まさに安心してレースを見ていられた。「任せて安心レーサー」の異名は一時、浦田信輔に与えられていたが、今や鈴木圭に移行する時期に来ているだろう。現在23歳の鈴木圭。まだまだ伸び代があるにも関わらず、すでに不動の王者に君臨している。今後どのような発展段階を見せてくれるのか、またオートレースを魅せつづけてくれるのか、ほんとうに楽しみでならない。
佐藤貴也が執念の追い込みで勝利!
川口のGII川口記念は、佐藤貴也が制した。20線から好スタートを決めると、じっくりと追い込み、追撃してくる中村雅人を振り切りゴール。気合の走りを見せた。
試走一番時計は青山周平の31、次いで小林瑞季と中村雅人が32、鈴木清と佐藤貴也と大木光が33、阿部剛士が34、間中大輔が最も悪く35だった。
レースは0ハンの間中が軽快に逃げる。10線からは小林の先行だったが、早い段階で阿部が差し込む。その阿部が間中と一対一に持ち込み、隙を見てインに車をねじ込む。ここからはそのまま押し切るかの力走を見せた。しかし、20線から佐藤貴也が追い込んでくる。最終的には佐藤が阿部を交わし先頭を奪取。中村もジワリと番手を上げていたが、間中をパスするのに少々手間取ってしまった。ゴール前でチョイ差しを狙ったが届かなかった。試走一番時計の青山も追い込んではいたが4着一杯。
佐藤は完全に覚醒した。今年はSGオールスターオートレースで初めてSGタイトルホルダーになると、その後も落ち着いたレース運びができている。武器のスタート力も魅力。今回は20線にスタート巧者が並んでいたが、好ダッシュを決めて1周バックストレッチでは絶好の位置に付けることができた。記念の優勝戦でこのスタートが切れるのは大きなポイント。得意のイン攻めも冴え渡っている。今年は佐藤貴也イヤーになりそうな予感だ。
岩科鮮太が豪雨の決戦を制する!
浜松の第62回GIゴールデンレースは、地元29期・岩科鮮太がブッチ切りの走りを見せ、GIタイトルを初めて奪取した。前日の天気予報どおり当日は雨が降り、優勝戦は重走路。選手が走った後は水しぶきがあがるほどの豪雨の中、岩科が軽快に逃げ切った。
試走は一番時計タイで笠木美孝と金子大輔が70、次いで鈴木圭一郎が72、木村武之が76、岩科鮮太と青山周平が77、岩沼靖郎が78、春本綾斗が最も悪く82だった。
レースは0ハンの岩沼と春本がスタート叩かれることなく出て行く。しかし、1コーナーの突っ込みでスピードが乗りすぎたのか、2コーナーでは外にはらんで行く。10線からは青山が好スタートを見せるが、1コーナーで内線に寄り切れず、内枠の笠木が小円部ではイン先取り。しかし、2コーナーの立ち上がりでは更に内枠の岩科がインすくっていく。これで岩科が先頭に立った。
そこからは岩科が小さいコースを回りながらもペースを上げていく。笠木もインを走って粘っていたが、外にコースを切り替えた木村が捲りでパス。その外から岩沼が木村を捲りかけていたが、最終的には木村が突っ張り2着を確保。試走一番時計タイだった金子は、1周3コーナーでまさかの自落。早々と戦線を離脱した。鈴木圭は4番手あたりで隙を窺っていたが、車の進みが甘く番手を上げることはできなかった。青山もスタートで見せ場を作ったが、1コーナーでコースを外すと、その後は挽回できなかった。
勝った岩科はこれがGI初優勝。2010年にGIIの若獅子杯を獲っていたが、GI以上のタイトルとは縁がなかった。2004年のデビューから高い能力を見せつけ、途中で飯塚から浜松所属になる移籍などあったが、インコースでの競り合いには一定の評価があった。ただし、スタートが散発傾向で、大きなレースとなるとオープン戦などで力を出し切れないことが多かった。今回は3日目あたりからスタートが良くなり、優勝戦でも内枠の利を生かして踏ん張ることができた。このスタートを持続していければ、SGの大舞台でも見せ場を作ることができる。浦田信輔の弟子らしく、攻撃力は高い。あとはスタートを安定させるだけだ。
佐藤貴也が悲願のSG初戴冠
予選、準決と良走路で行われてきたSGオールスターオートレースは、優勝戦も良走路での競争になった。この優勝戦を勝ち切ったのは浜松の佐藤貴也。トップスタートを決め、最後まで先頭を譲らない完璧な走りだった。
試走は青山周平と佐藤貴也が一番時計で30。次いで、浦田信輔と高橋貢が31、中村雅人と新井恵匠が32。岩崎亮一が33で篠原睦が34だった。
レースは先述のとおり、佐藤が先行。ここに序盤で篠原と高橋が続く形。4番手で青山が隙を窺っていた。中村は最後方からのレース。浦田と新井、岩崎も展開的に苦しくなる。佐藤は自分のコースを自分のペースで走る。篠原と高橋は佐藤に仕掛けるまで行かず、青山も行き場を失っている。最後方から中村が番手を上げていた。レース中盤は佐藤の後ろで激しい競り合いがおきていた。中村が一気に2番手に立とうとしたが、この差しは流れてしまう。新井も競り込んで来てたが、やや被害があり後退。なかなか見ごたえのある競争になったが、最終的には佐藤の押し切り。嬉しいSG初優勝になった。
佐藤はこれまで記念レースを獲ったことはあったが、SGとなると縁が遠かった。思い当たる原因はスピード。近年の佐藤は、大きいコースを走るのではなく、インを小回りする走り方が体に染み付いていた。走るコースが小さいと、自然とスピードは出ないモノ。ただ、そのコース取りでもスピードが出る走り方が徐々に身に付いてきた様子もあった。その結果が今回の栄光を引き寄せた感がある。ある意味、オートレースの常識を覆した走法。いろいろな選手が個性ある走りをするからこそ、オートレースの魅力は倍増する。今後も佐藤の活躍を願って止まない。