金子大輔が若獅子杯争奪戦2度目の制覇!
山陽オートで行われていたGII若獅子杯争奪戦は浜松の29期、金子大輔が制した。前日の天気予報通り天候は崩れ、走路は重走路になった。
試走は新井恵匠が一番時計の3・50。次が青山周平の51。吉原恭佑と渡辺篤が52。金子が53。人見剛志が54。岩見貴史が55。佐藤貴也が57と数字を落とした。
肝心のスタートは6枠から青山がカマシ気味に出ていく。これを最内の佐藤が受け止める形になる。捲らせないように外に突っ張りに行ったところを、2枠の金子がインを突いて先頭を奪取。4枠の新井も状況判断巧く続いていく。渡辺と岩見はスタート悪くなかったが、やはり遠い枠からで厳しい位置取りになる。吉原は完全にへこんでしまった。
早々と逃げ態勢を作った金子。その直後に新井が付ける。3番手以下は大きく離される。金子はコースを外さず、ペースも落とすことなく綺麗な走りで逃げていく。新井は追走一杯というよりはエンジン的に強めな感じだった。道中で何度か仕掛けるタイミングを図っているかのような素振りを見せる。金子の方も、そんな新井の動向に気づいたのか、より丁寧な走りをしているように見えた。1度、2度はチャンスがあったかもしれない。しかし、仕掛けるまでには行かず、そのまま金子、新井の態勢でゴールを迎える。
3番手には吉原が入った。吉原は最後方からのレースを強いられたが、レース序盤、中団の混戦のインに鋭く切れ込み3番手に付ける。しかし、その前を走る新井とは大きく離されており、差を詰めるまでは行かなかった。4着は渡辺。渡辺も一回は後方に下がってしまったが、最後まで諦めぬ走りで巻き返してきた。青山と佐藤は道中で立て直しが効かず苦しい展開に。
今回の優勝戦で、改めて金子のクレバーさが目立った。スピードはあるが経験的には不足気味な選手が多い若手のシリーズで、金子は常に落ち着いて乗れていた。スタートやスピード、レース道中の強行などに、これと言って強烈な決め手があるわけではない金子だが、レース運びの巧さや冷静さでは全国でも屈指のレベルにある。その金子が自分の走りをしっかりと披露できたのだから、他の選手にとっては付け入る隙がなかっただろう。若手だけのシリーズではなくても、この金子の武器は大きな力を発揮する。現在SGは2Vの金子だが、これからもその数を増していくのは難しくない。