松尾啓史が2度目のGI制覇!
浜松で行なわれていたGI第59回スピード王決定戦は、山陽26期・松尾啓史が強烈な追い込みで優勝した。松尾は2006年に地元のGIスピード王決定戦を制して以来、2度目の記念制覇となった。
走路が冷え込んだこともあり、各車が試走タイムから強烈な数値をマークしていた。優勝した松尾が一番時計の24。鈴木圭一郎が26。渡辺篤、伊藤信夫、青山周平が27。佐藤貴也が28。池田政和が29。桜井晴光が31だった。
レース展開は、まず0ハンの桜井が逃げに入る。10線はほぼ枠ナリ発進だが、池田が少しヘコみ、佐藤と松尾が好位に付ける。序盤から大きなコース取りでペースを上げていた桜井だが、ひと滑りした隙を渡辺につけ込まれる。すぐさま桜井は逆転の差しを狙うが入りきれず後退。今度は渡辺が先頭でペースを作り始めた。ここに伊藤がピタリと追走する。松尾は佐藤と桜井を交わし3番手まで浮上。逃げる渡辺に伊藤が重なる形で、松尾は攻略の糸口を見い出せないでいたが、2車の間隔が少し開くと、まずは伊藤のインに突っ込んだ。2番手に立った松尾は最終周回の3コーナーで渡辺のインに車を叩き込み先頭を奪取。そのままゴールを迎えた。一番人気だった鈴木圭は序盤で好位を奪えず、最後まで厳しいレース展開になってしまった。青山も同様に上位進出の機会がなかった。
松尾はこれまで記念はGIの1勝のみだった。SGでは3位に入ったり、記念レースで優勝戦まで進む機会は何度もあったが、優勝までは行けないことが多かった。本人も自覚しているように、スタートの安定感がないことが一番の要因。また、大事な場面でドドドが来てしまい、思うような走りができないことも多かった。しかし、今回はスタートでマズマズの位置に付けられたのに加え、ドドドも全くなかったようだ。条件さえ整えば、GIでもSGでもグレードを問わず活躍できる腕を持っている。記者の間でも、松尾の捌きには定評がある。中堅の域に入りつつある26期だが、まだまだ記念タイトルを積み重ねられる底力の持ち主だ。