青山周平がGIダイヤモンド連覇を達成!
飯塚の第60回GIダイヤモンドレースは伊勢崎の青山周平が大会2連覇を達成した。次期、全国ランクを大幅に落とした青山だったが、ここでは意地を見せるかたちになった。
試走タイムは各車、それほど差のない数字になっており、10Mオープン戦ではスタートが大きな焦点になった。スタート行ったのは最内の別府敬剛。それに岩見貴史が乗って出る。この大会優勝した青山は7枠からの競争ながら、スタートは3番手発進となった。
レースは青山の圧勝。別府と岩見がスピードに乗る前に交わして先頭に立つ。そこからは自分のペースを守って逃げ切り。鈴木圭一郎と金子も追い上げてきていたが、青山の見事な速攻の前に攻略の糸口を見つけられなかった。
これで青山はダイヤモンドV2となった。エンジンの仕上がりの差がないなかで、スタート決めたのは最大の勝因。レース道中で抜き返しが効きにくい中で、優勝へ直結する作戦を最大限に、効果的に発揮できた。やはり、ここ一番での勝負強さはかなりのレベルにある。大舞台で結果を残すには必要不可欠の素養。ここ数ヶ月は調子を落とし、それがレース結果に反映されていたが、今回の優勝をキッカケに上昇気流に乗りそう。エンジン状態さえ並になれば、他の全選手に恐怖感を与えることができる選手。それが青山周平だ。
執念の走りで永井大介が栄冠を掴んだ!
第41回目の川口の伝統GIキューポラ杯は、地元の永井大介が制した。エンジン的に明らかに劣勢であったが、経験を生かしたクレバーな走りで優勝をもぎ取ったかたち。オートレースの魅力が存分に伝わるレースだった。
先述のとおり、試走タイムは5番時計タイの永井ではあった。しかし、その状況を冷静に分析し、勝ち切る為には何が必要かを熟知している永井であった。0Mオープン戦で大事なのはスタート。4枠に入った永井は自信を持ってスタートラインに付いた。集中度マックスの状態からシッカリとスタートを切ってみせた。いきなり独走状態に入ると、そこからは後続を引き離しにかかりたかったが、エンジン的にそうはさせてくれない。それが分かると永井はコースを守る走りにシフトチェンジ。エンジンが出てないのに、不必要に大きなコースを走るとインから交わされやすくなる。それが分かっているからのこそ勝利を求めた走り。
自分の現況を把握し、最高のパフォーマンスを発揮するための能力。永井はこれに長けている。負けたら悔しい。そうならないために最善の努力を惜しまない。そして、それが今回は最大限に良い方に影響を及ぼした。
オートレースはタイムトライアルではない。同じレースで8人が競争する戦い。どのようなレースになりそうか、それを考えるのもオートレースを楽しむための一つの要因。これからもいろいろなレース展開を見てみたい。
雨中の決戦を永井大介が制す!
川口のナイターGII、川口記念は地元の永井大介が優勝を決めた。これで永井は4節連続優勝。完全に絶頂時の動きを取り戻し、隆盛してくる若手勢にオートレースの厳しさを見せ付けた。
最終日の18日は、1Rこそ良走路で行われたが、3Rの試走後に降雨。その後は一度、走路が乾きかけたが、6Rからは完全な重走路。そのまま最終まで重走路でレースが行われた。優勝戦は永井が一番試走の3・66。次いで鈴木圭一郎が67。佐藤貴也、早川清太郎が68。益春菜と佐藤裕二が69。渡辺篤が70で影山伸が73だった。
スタートは0ハン益が先行。影山も10線に叩かれることなく付いて行く。10線は早川が少し遅れた以外は、ほぼ枠ナリの発進。人気の一角を担った益だったが、序盤からリズムを掴むことができなかった。ペースがそれほど上がらず、後続を突き放せなかった。そうしているうちに、渡辺がインから差を詰めていく。
大きな変化が起きたのは3周目。アウトから番手を上げていた永井が、イン走る渡辺とアウト走る益の間に割って入り、一気に先頭に踊り出た。そして、鈴木圭も同じようなコースを通って2番手に浮上した。その後は永井と鈴木圭の戦いだったが、鈴木圭は最後まで永井を仕掛けるまでの態勢を作れずゴールを迎えた。3着にはイン粘り込んでいた渡辺が、W佐藤の攻めを封じて入線した。影山はズルズルと後退。早川は追い込みが効かなかった。
それにしても近況の永井は迫力満点。通算1000勝を達成し、連続優勝も4まで延ばした。その中にはGIとGIIが含まれる価値ある記録。船橋から川口に移籍し、当初は成績を残せずにいたが、ここにきてパワー爆発。好調時と全く変わらないパフォーマンスを見せている。快進撃が始まると、とどまることを知らない永井なので、この勢いは当分続きそうだ。
早川清太郎がムーンライト2度目の制覇!
準決4個レースで波乱が続いたGIムーンライトチャンピオンカップだが、優勝戦でもスタート後に大きな波乱が。0ハン単騎の別府敬剛が、10線の選手と接触し落車。序盤の展開が大きく乱れてしまった。その隙を突いたのは早川清太郎。これがシルクカップに続く、地元GI制覇となった。
レース展開は先述の通り、いきなりの波乱。各車が態勢を作る前に、いち早く好位をゲットしたのが早川清太郎。大外からダッシュを決め、早々に先頭に踊り出すと、その後はマイペースの逃げに入った。このメンバーの8号車に入る早川なので、他車の追随を許すわけはない。そのまま押し切って1ゴールを迎えた。2着には西原智昭。西原も早い段階で2番手に取り付いた。早川に仕掛けるまではいけなかったが、しっかりと2番手をキープして準優勝。3着には審議の対象となった三浦康平が入線した。
今回は事故があってのレース結果になったが、早川は勝つべくして勝ったのではないかと思う。通常のGI優勝戦であれば、早川の外に2~3台、強豪が控えてのハンデ構成となることが多い。しかし、今回は早川自身が最重ハンの8号車。この場合、外枠に誰もいない状態なので、スタートするときの集中度が軽減される。そのぶん、レース道中の追い込みに集中できるが、今回は不安視されていたスタートもある程度決めてしまった。そのチャンスを取り逃さず、キッチリとモノにしたのは流石。今後は地元でのレース以外でも、大活躍する姿を見たい。
永井大介が激闘を制し、ゴールデン17年振りの制覇!
浜松の第61回GI開場記念ゴールデンレースは、川口の永井大介が制した。レースは早い段階から鈴木圭一郎とのマッチレース。最後は経験の差を見せ付けて勝利をもぎ取った。
試走は永井が一番時計の28。次いで鈴木圭が29。他は中村雅人が31で中村友和が32。山浦博幸と藤波直也が33、遠藤誠が34、牧野貴博が37と大きく数字を落とした。
レースは0ハン両者が枠ナリ発進。10線からは最内の藤波が先行。その後に大外から鈴木圭がダッシュを決め、永井も遅れずに付いていった。そして、鈴木圭が順当に前の車を交わし先頭に踊り出る。永井も落ち着いた走りで離されずについて行った。そこからは3番手以下を大きく引き離し、永井と鈴木圭の攻防が続いた。鈴木圭の後ろで様子をうかがっていた永井は、角度のない差しで先頭に立ったが、すぐさま鈴木圭に差し返されてしまう。その後も永井は鈴木圭にピタリと続き、抜き去る機会をうかがっていた。そして、最終周回に入る青旗すぎ、コースが小さくなった鈴木圭を永井がうまく捲りで交わして行く。そこで勝負あり。永井が一番でゴールを通過した。
試走タイムが表すとおり、永井のエンジンが一番良かった。しかし、このレースの勝因は永井のこれまでのレース経験の豊富さだろう。極限のスピードで走る車を交わすにはエンジンパワー差だけでは厳しい。うまく回れなかったとは言え、1回インに突っ込んだことは、鈴木圭のその後の周回に警戒感を与えた。鈴木圭はインから抜かせないような走りになってしまった。そこをうまく突いたのが永井。鈴木圭のスピードダウンのタイミングを見逃さず、外から交わすことを選択。これが見事、功を奏す。数々の大舞台でのレース経験が、永井を強くした。レースでの勝ち方の引き出しを増やしてくれた。ここ1年は記念レースで元気がなかった永井だが、エンジンさえ仕上がれば栄冠を勝ち取ることができると証明した。まだまだ永井は衰えない。強い永井であり続ける。