
G1開場記念ゴールデンレースの展望
4月下旬に開催された川口ナイター『オールスター・オートレース』の6日間6走に全勝してSG初制覇した佐藤励が大きな注目を集めそうだ。デビュー戦からピッタリ10か月、通算75戦目のレース(G2若獅子杯争奪戦)で初めてグレードタイトルを獲得。以降は毎年グレード戦に優勝してきて、素質が開花し始めた時期の早さでは青山周・鈴木圭と比べてもヒケを取らない。
2023年の『SSシリーズ優勝戦』を制したとき、来年の大みそかは(SSシリーズ優勝戦が例年実施される11レースではなく)12レース(SS王座決定戦)に乗りたいと発言。
2024年にSSシリーズ優勝戦を連覇したときも、SG戦線で活躍して来年こそはSSトライアルに乗りたいと語り、自分がいるべき場所はここではないという想いをもらした。
2025年はSGを優勝したことにより、スーパースター王座決定戦トライアルへの無条件出場が決まった。あの日の夢をいきなり2つもかなえたのだ。
地元・浜松の伝統の一戦ということで、鈴木圭一郎の闘志が一段と熱を帯びそうだ。ゴールデンレースは現在2連覇中で、通算V回数は『スピード王決定戦(浜松)』と並ぶ4度。相性は申し分ない。
先日のSGオールスターは6日制の5日目までにわずか1勝。準決勝戦を終えた時点でエンジンもスタートの切れ味も手応えを得られていないと語っていたが、決勝戦は先頭争いに加わる動きを見せて4着。消音ナイターのオールスターから今回は通常マフラーのデイレースへ替わる。直近に出走したデイレースは今年4月の山陽G1『令和グランドチャンピオンカップ』に5戦5勝の完全V。浜松デイレースは3月にG1『プレミアムカップ』と一般開催の2節へ連続優出。今回はオールスターよりも早くエンジン調整を合わせてくることが期待できる。
当初は今大会へあっせんされていなかった青山周平が追加で出場することになった。SGオールスター決勝戦は黒川京介の追撃を抑えて準優勝。3月のG1プレミアムカップ決勝戦も黒川を8周回完封して優勝。2月には浜松SG『全日本選抜』6日間を無敗で制覇して、浜松では昨年11月のG1スピード王決定戦からグレード3開催16戦16連勝とパーフェクトな戦歴を残している。
オールスターは予選中のフライングによって失権したが、金子大輔が高いレベルの機力を長らく維持している。今年はグレード開催6節を含めて10節に出場し、3月の川口G1と先述したオールスターを除く8節に優出。浜松デイレースG2『ウィナーズカップ』と山陽デイレースG1『スピード王決定戦』を制して、全日本選抜も決勝戦3着に好走した。
意外にもゴールデンレースはまだ優勝したことがなく、昨今の安定感を生かして今回は頂点をめざしたい。
篠原睦も2024年大みそかの飯塚ミッドナイト優勝を皮切りに活躍が続いている。2月SG全日本選抜は6戦1勝・2着3回にとどまったが、3月は山陽ミッドナイトと浜松デイレースの2節を連続優勝。オールスターは金子大と同様にフライング失権で準決勝戦入りを逸したが6戦5勝。3日目から6日目まで4連勝している。
笠木美孝が春先から調子を上げてきている。3月下旬の浜松一般開催で1年ぶりに優出すると、続く4月中旬の浜松一般開催で4年半ぶりに優勝。そしてオールスターでも準決勝戦へ進出している。
今年の松山茂靖は例年にも増して勝負強さが光っている。3月G1プレミアムカップ、4月SGオールスターのいずれでも、予選最終日あるいは準々決勝戦の最終日に勝負駆けを成功させて翌日の準決勝戦まで駒を進めているのだ。
丸山智史は2月SG全日本選抜の6走中3着以内が4度。令和グランドチャンピオンカップの後半2日間に連勝したのち、SGオールスターも6走中3度2連対と、悪くない形で推移している。
荒尾聡は2月SG全日本選抜の初日から3連勝。3月G1プレミアムカップと4月SGオールスターには優出し、好調時の勢いには欠けるものの、さすがの安定感を示し続けている。
高宗良次はSG全日本選抜6日間に2着4度と好成績を残した。鐘ヶ江将平は4月の浜松一般開催2節を立て続けに好走している。
ただひとり37期以降の若手として森下輝が大舞台に挑戦する。昨年1月にデビューしたばかりながら、グレード開催への出場は今回早くも9度目。昨夏に初めてのグレード出場でいきなりSG初勝利を挙げ、11月の浜松G1スピード王決定戦は後半2日間、今年1月の浜松G2ウィナーズカップは初日からの2日間、それぞれ2連勝してみせた。先月のSGオールスターは未勝利だったものの6走中5走で4着以内に入り、大きく崩れなかったことがポテンシャルの高さを表している。
今回たった1台の2級車ゆえ、スタートや直線の威力は1級車に比して劣勢となるが、浜松G2ウィナーズカップの2日目に本走タイム3.355秒を出した非凡なスピードを武器に活躍をめざす。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-8(29期)〕
笠木 美孝〔浜松 A-50(22期)〕
松山 茂靖〔浜松 A-112(26期)〕
森下 輝〔浜松 A-185(37期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-5(27期)〕
佐藤 励〔川口 S-11(35期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-13(22期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-18(26期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-28(34期)〕
丸山 智史〔山陽 S-31(31期)〕
文/鈴木