早川清太郎がプレミアムカップ初制覇!
山陽オートで行われていた特別GIプレミアムカップは、伊勢崎の29期・早川清太郎が制した。早川はプレミアムカップで初めての優勝。GIは通算8度目の制覇となった。
優勝戦も良走路で行われ、試走タイムは青山周平が一番時計で30。次いで早川と伊藤信夫が32、篠原睦と佐藤貴也が33、加賀谷建明が34、前田淳が35、藤岡一樹が36で最も悪かった。
0Mオープンのスタート争いは最内から青山が先行。2枠の早川が続いていく。他もほぼ枠なり。青山がいきなり逃げ態勢に入っていく。早川がピタリマーク。3番手以下は徐々に離されていく。青山はマイペースの逃げ。いつも通り大きすぎないコース取りでペースを上げていく。早川も負けじと追走。動きがあったのは7周1コーナー。隙をうかがっていた早川が青山のインに切れ込んでいく。これが綺麗に決まり、先頭を奪取。今度は早川が逃げに入る。青山は最後に外から攻勢をかけるが、早川が冷静に対処し先頭ゴール。青山は2着。3着には篠原が入った。
早川はこれまで地元走路で好成績を残してきたが、今年は川口のGIで優勝し、そういったイメージを一新させた。そして今回も山陽の地でGI優勝を果たした。遠征先で2度のGIを獲った早川は、もう「内弁慶」とは言わせない。更に言えば、今回のレースでは全国ランク1位を倒しての優勝。これは大きな自信につながる。早川自身まだ到達していないSG優勝へ舞台は整った。後は次に待っている日本選手権までエンジンと気力を保つだけ。それができれば悲願のSG優勝も全く夢ではない。
小林瑞季がGI初優出で初優勝!
伊勢崎オートで行われていたGIムーンライトチャンピオンカップは、川口の32期・小林瑞季が制した。10Mオープン戦の2枠からトップスタートを決め、コースをしっかりと守り切り、栄冠をその手に入れた。
優勝戦は前日の予報通り、重走路での競争となった。試走タイムは松尾啓史と青山周平が83で一番時計タイ。次いで谷津圭治と笠木美孝が85、吉田恵輔と小林瑞季が87、高橋義弘が88、木村武之が92と最も悪かった。
レース展開は小林が先行してそのままゴール。後ろでは高橋が2番手発進、最内の吉田は3番手、松尾や青山も悪くないスタートだった。2番手以下は変動があった。3番手スタートの吉田が高橋を早い段階で交わす。吉田は小林と一騎打ち状態に。青山も序盤の動きが積極的で3番手につけた。吉田は前を走る小林の様子をうかがっていたが、青山に外から交わされてしまう。2番手に付けた青山は、今度は小林を抜きにかかりたかったが、7周目の4コーナーでバランスを崩してしまう。そこをすかさず吉田がインから交わす。再び2番手に立った吉田は、最終回バックストレッチで小林のインを狙うも入り切れず。結果的に準優勝だった。3着は青山。後方はそれほど動きがなくレース終了。
今回の優勝戦は小林の成長っぷりがうかがえた。最近では最重ハンで走る機会が多くなっているが、そこでもある程度の結果を残していた。ハンデが重くなれば、成績を残しづらくなるものだが、徐々にこのハンデ位置でも対応できるようになってきた。現時点での小林の最大の武器はスタート。良走路でも重走路でも問題なく好スタートが切れる。特に、今回の走路状況にはピタリ当てはまった。GI優勝は本人にとってかなりの自信となるはず。これからは更に上の舞台でも活躍できるだろう。
早川清太郎がキューポラ杯初制覇!
川口オートで行われていた第44回GIキューポラ杯は、伊勢崎の29期・早川清太郎が制した。早川はこれまで6度、GIを制しているが、全て地元のタイトル。今までは遠征先でのGIには縁がなかったが、今回で初めて地元以外でのGIタイトルを獲得した。
優勝戦は良走路で行われ、試走タイムは鈴木圭一郎が31でトップ。次いで早川清太郎が32、中村友和と木村武之が34、藤岡一樹と松尾啓史が35、森谷隼人が38、岩田裕臣が最も悪くて39だった。
10Mオープン戦でのスタート争いは2枠から森谷が飛び出し中村が続いていく。最内の岩田は先行できなかったが3番手で踏ん張り、5枠から木村が出ていく。藤岡もなんとか頑張り、6枠から外は枠ナリ発進。
トップスタートを決めた森谷だが、早々と中村に交わされてしまう。中村が逃げ態勢に入った。2番手には木村が上がっていた。ここで木村は中村を抜きにかかりたかったが、車が思うように進まない。やがて早川が岩田と森谷を交わすと3番手に浮上。粘る木村に手間取ったが、タイミングを見て早川が木村のインに突っ込んでいく。そこからは中村と一騎打ち。青旗すぎに早川が中村のインに車をねじ込む。すぐさま中村は逆転の差しを狙うが、入り切るまではいかず、早川が先頭でゴールを切った。2着は中村、3着争いは接戦となったが木村が僅かに鈴木圭を振り切り先着を果たした。
早川はこれでGI7度目の制覇。これまで制したGIは全て地元でのモノであったが、初めて遠征先でのタイトルになった。課題とされていた地元以外の走路でも結果を残してみせた。スタートの不安は解消されているし、追い込みの鋭さは全国屈指。SGはまだ制していないが、未戴冠の選手の中で最もSG初制覇に近い選手。その前にまずは9月に地元のGIムーンライトが待っている。この大会はこれまで3連覇中。同一GI4連覇へ向け、視界も良好。ここで偉業を達成し、その後のSG大会に弾みをつけたい。
会心の走りで伊藤信夫が優勝をもぎ取った!
第24回SGオートレースグランプリは、浜松の24期・伊藤信夫が制した。試走タイムは青山周平が一番時計で30。次いで佐藤貴也、伊藤信夫、永井大介が32。高橋貢が34、有吉辰也と金子大輔が35、内山高秀が最も悪くて38だった。
肝心のスタート争いは2号車の有吉が先行。これに伊藤が乗っていく。永井は3番手に付け、単独10線の青山は前を叩くことができなかった。
レースは伊藤が有吉を素早く交わして逃げ態勢に入る。有吉は必死の追走。付かず離れず続いていく。永井は3番手から様子をうかがう。青山は1車ずつ、じっくりと交わして番手を上げていく。道中で動きがあった。有吉が伊藤のインに突っ込む。しかし、これは立ち上がりで軌道を乱し、伊藤がすぐさま差し返す。その後の有吉は追走一杯。永井も車を進めることができず、最後方からやってきた青山に交わされてしまう。結果的に伊藤が1着ゴール。有吉が2着、青山が3着に食い込んだ。佐藤は今節イマイチだったスタートを優勝戦でも決めることができず中団のまま。内山、金子、高橋は見せ場を作ることなくゴールを迎えた。
伊藤は2007年に全日本選抜オートレースを制して以来のSGタイトル。オートレースグランプリは初めてSGで勝った1999年と、2003年に制して以来3度目の戴冠となった。若手の突き上げが著しいオートレース界において、伊藤のスピードはまだまだ健在だった。今回の上がりタイム3・412は、数字こそ驚くほどのものではないが、夏場のこの時期としては十分なもの。かつてスピードキングと言われ、未だ破られていないオートレースの上がりタイムレコードとなる3・284を叩き出した伊藤は完全復活を遂げた。これでSGは通算5度目の優勝。青山周平と鈴木圭一郎の2強時代に一石を投じた伊藤は、この数字をこれからも積み上げていきそうだ。
荒尾聡が気合の走りでダイヤモンド2V達成!
不安定な天候で行われていたGIダイヤモンドレースは、優勝戦も重走路での競争となった。
試走タイムは田中茂が一番時計で83、次いで荒尾聡が84、岩見貴史と有吉辰也が85、佐々木啓が86、中尾貴志と久門徹が87、浜野淳が88で一番悪かった。
10Mオープンで大事となるスタート争いだが、まずは最内の中尾が先行。他の各車もほぼ枠ナリ発進となったが、有吉だけはダッシュがつかず、1人最後方からのレースを強いられた。荒尾は早い段階で2番手につけた。
トップスタートの中尾はいいペースで逃げに入った。それを捕えようとする一番手は荒尾。徐々に車間を詰めていくと、すぐ後ろにジカ付けした。ここでタイミングを計っていた荒尾は、中尾に隙が生まれないとみるや、狭いインに強引に突っ込む。これが綺麗な軌道を描き、巧旋回となった。抜かれた中尾は反撃の態勢を作ろうとしたが、仕掛けるまではいかず2番手追走が一杯。3番手には岩見が粘っており、その後ろは変動のない展開。荒尾がそのままゴールした。
荒尾はこれでダイヤモンドレース2度目の優勝。GIは通算10度目の制覇。デビュー時から高い戦力で数々のタイトルを奪取している。一時期はやや勢いを欠いていた時もあったが、ここ数年はSGでも存在感を示している。近年は鈴木圭一郎か青山周平か、といったオートレース界だが、そんなことはない。全国屈指のスタート力で、他の全選手を震え上がらせる能力がある荒尾が、レース展開を難解にさせる。オートレースの魅力を広げさせてくれる。車券を買う楽しみを増やしてくれる。これだからオートレースから目が離せない。