
荒尾聡がダイヤモンドレース連覇を達成!
飯塚オートで行われていた第64回GIダイヤモンドレースは、地元の27期・荒尾聡が制した。昨年に続く制覇で、同大会3度目のV。1着でゴールした後は、ガッツポーズを連発させていた。
レースは良走路で行われ、試走一番時計は金子大輔の28。次いで有吉辰也が29、岩見貴史と重富大輔が30、荒尾聡と角南一如と新井恵匠が31、青島正樹が34だった。
スタートは重富がフライングで再発走になった。2度目のスタートは有吉が6枠からダッシュを乗せる。1コーナーをトップ旋回しそうな勢いだったが、最内の荒尾が突っ張ねる。バックストレッチではしっかりと荒尾が先頭に立った。以下は有吉、岩見、金子、新井、角南と続いていく。
逃げる荒尾は全く不安のない走りだった。結果的に最後まで先頭を譲ることなくゴール。上がりタイムは351素晴らしい数字だった。2番手争いは変動があった。好スタートを決め2番手を走っていた有吉だったが、岩見が6周3コーナーで渾身の差し。これが見事に決まり2番手を奪取。その後は角南が有吉を捲って3番手に立った。4番手以下は大きな変動が見られなかった。
今の荒尾は充実している。デビューしてからずっと第一線で活躍していたが、一時期はやや勢いが衰えていた期間もあった。しかし、2017年に久々にSGで優勝すると、総合力が完全にパワーアップした感がある。独走時のペースアップが著しく向上した。これによりレーススタイルの幅が大きく広がり、勝利への勝ちパターンが増えたように感じる。現在は2強とも言えるオートレース界だが、近況の荒尾の活躍を見ているとそれは不適格。今のオートレース界は3強。青山周平、鈴木圭一郎に荒尾を加えた3強時代の到来と言っても過言ではないだろう。
青山周平がGII川口記念連覇を達成!
川口オートで行われていたGII川口記念ナイターレースは、伊勢崎の31期・青山周平が昨年に続き優勝した。重走路になった優勝戦だったが、青山が一番人気にしっかりと応えてファンを沸かせた。
試走一番時計は青山と若井友和で78。次いで、鈴木清が80。間中大輔が81、黒川京介と丸山智史が83、中村雅人が84、鈴木宏和が85だった。
10Mオープンのスタート争いは、最内から間中が先行。それに、2枠の鈴木清と鈴木宏が続いて行く。ほぼ枠ナリ発進となった。
レースの展開だが、逃げに入った間中はそこまでペースが上がらない。鈴木清も追走が一杯の状態。丸山が捲りで抜け出しにかかったが、うまくいかない。青山はアウトコースを選択。スピードに乗せて捲りで突破を図っていたが、ついに3周4コーナーで先頭に踊り出た。そこからは後続をブッチ切る展開になるかと思えたが、中村が後方から猛追を見せる。青山にジカ付けして交わしにかかるが、タイヤが滑り出す。青山はなんとか中村を振り切って先頭ゴール。見事に勝ち切ってみせた。
青山は昨年に続き、この大会で優勝。スタートはそこまで行けなかったが、レース序盤で順当に番手を上げていけたのが良かった。先頭に立ってからは盤石の走りではなかったが、中村の追いに対しても落ち着いて対処できていた。独走に入ればブッチ切るスタイルだけではなく、その後に後方から追い込んでくる選手がいても、勝利をもぎ取れるパターンを身に付けた青山は更にパワーアップしたと言える。
佐藤貴也がゴールデンレース初優勝!
浜松オートで行われていたGI開場65周年記念ゴールデンレースは、地元の29期・佐藤貴也が優勝した。優勝戦は重走路になったが、スタート一気からの速攻を見せた。佐藤貴はこの大会初制覇。また一つ記念タイトルが増えた。
試走は荒尾聡が一番時計で70。次いで鈴木圭一郎が72、佐藤貴と藤波直也が73、金子大輔が76、渡辺篤が78、木村武之が83、鈴木宏和が84だった。
0Mオープン戦で大事なスタート争いは6枠から佐藤貴が飛び出す。最内の荒尾が2番手発進。4枠から鈴木圭が続いていった。
レース展開は好スタートを切った3者の争い。トップスタートを決めた佐藤貴が、マイペースの逃げに入る。荒尾がすぐにジカ付け。鈴木圭は少し離れた位置。まずは荒尾が佐藤貴にプレッシャーをかける。佐藤貴は自分のコースを丁寧に、そしてスピードを乗せて回っていく。荒尾はインから交わそうと、仕掛けのタイミングを図っていたが、インを締め上げる佐藤貴に隙はなかった。そうこうしているうちに3番手を走っていた鈴木圭が荒尾をインからパス。今度は鈴木圭が佐藤貴のインを狙うが、入り切るまではいかなかった。そして、7周3コーナーでは捲りを仕掛けようと車を外に持ち出したが、逆にこれは佐藤貴との車間が離れてしまう。最終周回も佐藤貴はしっかりとインを回り、ゴール前で迫ってきた鈴木圭を振り切った。
この戦いでは佐藤貴の真骨頂とも言えるレース運びが見られた。一時期、切れ味を失っていたスタート力を、大事な場面できっちりと取り戻していた。そして、先頭を走ってからは自分の走りができていた。荒尾を抑え込んだのも見事だが、鈴木圭が近づいてからは更に小さなコースを回って、インからは抜かせないように走っていた。ワンミスでもあれば、タイヤを滑らせ失速してしまう際どいコース取り。これを8周回、コースを外すことなく回ってみせた。この走りができる限りは、記念タイトルをまだまだ積み重ねられる。現オート界の2強プラス荒尾の間に割って入れるだろう。
鈴木圭一郎が2度目のオールスター制覇!
川口オートで行われていたSG第40回オールスターオートレースは、浜松の32期・鈴木圭一郎が制した。重走路での決戦になったが、道中で抜け出し、最後は後続を引き離して快勝。2017年以来2度目のオールスター優勝となった。
試走タイムは鈴木圭が一番時計で79。次いで黒川京介が81、青山周平82、春本綾斗と佐藤摩弥が83、永井大介が85、岡谷美由紀と鈴木宏和が86でワーストだった。
10Mオープン戦のスタートは5枠から佐藤摩が飛び出した。これに3枠から鈴木宏が続いて行く。鈴木圭と黒川が3番手争い。岡谷は1周バックでタイヤを滑らせ、青山と春本が浮上。永井は最後方からのレースになった。
いきなり逃げ態勢を作れた佐藤摩だがペースは上がらない。後ろから鈴木圭がプレッシャーをかけていく。そして、4周目に入った所で鈴木圭が佐藤摩に捲りを仕掛ける。2コーナー過ぎてバックストレッチに入っても交わすまでは行かなかったが、3~4コーナーではきっちり捲って先頭を奪取。そこから鈴木圭はハイペースの逃げで1着ゴール。後ろでは黒川が佐藤摩を捲り、2番手に立っていたが、青山がインからパスして準優勝。黒川は3着だった。
鈴木圭は完璧なレース運びだった。10Mオープン戦の7枠は決して楽な位置ではない。しかし、スタートでしっかりと3番手あたりに付けると、そこからは慌てず騒がず落ち着いて走れていた。先頭に立つ場面でも無理な仕掛けではなく、佐藤摩との車速を測りながら捲りを選択。独走になってからも自分のペースを保って走る事ができた。昨年はSGでの優勝はなかったが、今年は早くも1つ獲った。これでSGは通算9V。オート界のトップの選手でありながら、まだまだ成長の余地を残している。SG10Vも遠くないだろう。
そして、今回のSGは初優出の選手が多かった。5つあるSGの中でもオールスターは特殊な大会。ファン投票による選出もそうだが、初日からハンデ戦がほとんどで、どの選手にも優出の可能性が出てくる。SGの優勝戦で0Mオープン戦でなかったのは久々ではないだろうか。その時に応じていろいろなハンデ構成が楽しめるのもオートレースの醍醐味。また、新たに注目の選手が出てくるのも今後の楽しみだ。
丸山智史が令和グランドチャンピオンカップを制す!
山陽オートで行われていた第2回GI令和グランドチャンピオンカップは、地元の31期・丸山智史が激戦を制した。丸山はGIIを獲っていたが、GIは初優勝。成長している姿を証明した。
良走路で行われた優勝戦は中村雅人が試走一番時計で28、次いで青山周平が29。丹村飛竜、渡辺篤、浦田信輔、重富大輔、丸山智史が30、岩崎亮一が32だった。
0Mオープンでカギになるスタート争いは、2枠から渡辺が先行。これに丸山が乗って行く。大外の青山がダッシュを付け3番手発進。以下は丹村、浦田、中村、岩崎、重富と続いていった。
レースは渡辺が引っ張る展開。2番手に付けた丸山が青山の攻めに冷静に対処する。青山は3番手追走が一杯。後ろの方はあまり動きがなかった。渡辺はマイペースの逃げを見せていたが、5周目に入る所で丸山がインに突っ込む。これが綺麗に決まり先頭を奪取。その後はミスすることなく走り先頭ゴール。2着には渡辺が入った。青山は丹村に差し込まれ後退。中村が後半追い上げて3着入線。
丸山は見事なスタートから完璧なレース運びができた。2番手を走っていた時は後ろからくる青山に付け入る隙を与えず、前を走る渡辺との距離を計りながら仕掛けるタイミングを待っていた。チャンスどころは多くなかったが、それをしっかりとモノにして、自分の力で栄冠を掴んだ。丸山は昨年、GIIの若獅子争奪戦杯で記念タイトルホルダーに仲間入り。そして今回はGIを初めて制した。今期はS級21位にランクし、スピード、スタート、捌きの面でも充実している。今年はもう一つ上の舞台、SGシリーズでも注目の存在になりそうだ。