オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。
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《SG日本選手権の展望》
まず、前回覇者の黒川京介がエントリーしていないことに疑問を持たれる向きもいらっしゃるだろう。6戦6勝の完全VでSG初制覇したのだが、グレードレースの優勝戦でフライングを犯してしまうと、規定により次回大会への出場権利を失うため、黒川は連覇を狙えなくなってしまった。
佐藤励もこの1年以内にSG初優勝を果たした。今年4月の川口ナイターSG『オールスター』を、黒川と同じく6戦6勝の無敗で制したのだ。そしてオールスター以降、今大会までの優出回数も黒川と並ぶ15回。マラソンに例えれば、この両者は前回選手権からの1年間ずっと競り合いながら併走してきた印象だ。
先週の川口ナイトレース3日制は初日が本走タイム3.354秒、優勝戦は速攻の黒川京介にチギられたが、他の5車を最後方から捌き上げて本走3.360秒で準優勝した。出足に課題を残すものの、スピードはすでに申し分ない。
そして今年2冠目のSGを優勝するようなら、年間最優秀選手=MVPも視野に入ってくる。
今月上旬の山陽デイレースG2『若獅子杯争奪戦』は欠場することになった青山周平が、翌週の伊勢崎ナイター一般開催4日制に4連勝して、史上34人目の通算1000勝レーサーとなった。今年これで優出20度の優勝11回。飯塚では8月にナイターG1『ダイヤモンドレース』制覇。通算5度目の選手権Vに向けて、勢いはあって死角はなく、ムードは最高だ。
鈴木圭一郎も、今年またオートレースの歴史に名を刻んだ。王手をかけてから何年も達成できずにいた『SGグランドスラマー』の称号を、8月の『オートレースグランプリ』初制覇と同時に手に入れたのだ。その後2か月あまり、優勝こそできていないがグレード3節を含めて5節に出場し全て優出と、良好な状態を維持できている。
飯塚への出走は1年ぶりになるが、その昨年10月の飯塚デイレースは一般開催ながら銘柄級レーサーが数多く出場する中、鈴木圭は5日制の4日目まで無敗で優出すると、優勝戦では有吉辰也・荒尾聡・篠原睦を退けて完全Vを成し遂げた。
全てのレースがオープン戦で実施される選手権は、スタート巧者の活躍するチャンスが拡がる。
鈴木宏和は8月の伊勢崎ナイターSG『オートレースグランプリ』6日制のうち良走路の3戦は全勝して優出。その時は雨3戦は大敗したが、9月の伊勢崎ナイターG1『ムーンライトチャンピオンカップ』や山陽デイレースG1『プレミアムカップ』では雨走路で勝利を挙げている。そして秋以降は山陽と飯塚のデイレースへ出場し続けており、他場や夜開催を走ってきた選手よりも今回の飯塚の気候にエンジンを早めに合わせられる可能性がある。
新井日和も夏のグランプリは6日制4日目まで良走路の2戦に勝利。鈴木宏と似た戦歴を辿り、自身2度目のSG準決勝戦まで進んだ(昨年のSSシリーズ戦を含めれば3度目)。翌9月のプレミアムカップは、10mオープン戦でおこなわれた予選を初日から2連勝。今月の若獅子杯は準決勝戦で10メートル7車並びの5枠から鋭いスタートを放ち、佐藤励に捕まったが2着に残って優出した。
石本圭耶が今月の山陽デイレースG2『若獅子杯争奪戦』で嬉しいグレードタイトル初獲得。優勝戦は短ハンデ戦の内枠からダッシュすると黒川・佐藤励・鈴木圭を振り切った。続く飯塚デイレースとミッドナイトでは前捌きに苦しむ場面もあったが、選手権で0ハン横並びになれば内外どこの枠からでも先行力を発揮できて、いきなり逃げる展開を作れば捌きは不要となる。
ここに至り29期の4名が勢いを増してきている。
今月の金子大輔は飯塚ミッドナイトに優出したあと、川口ナイトレース4日制に完全V。この川口では機力の高さはもちろん、節間を通じて出足の鋭さを維持できたことが大活躍につながった。
6月下旬までは状態ソコソコ良かった丹村飛竜が7月上旬の山陽ナイターG2『小林啓二杯』は5日間オール着外。その後の浜松G2や伊勢崎SGも成績ふるわなかったが、10月の山陽デイレースは2節とも優出。夏の暑さがおさまってきて自分の走りを取り戻したようだ。
佐藤貴也も今春のオールスター優出5着のあとに出場したグレード6節とも優出できずにきているが、今月下旬の川口ナイトレースでは濡れ走路で若井友和を捌くなど鋭い決め手を披露した。
平田雅崇は2018年に優出を12度して以降、昨年までの6年間は優出回数が毎年ひとケタで、2019~2020年と2023~2024年はグレード優出がゼロだった。それが今年は2か月以上を残す現時点で優出12度、グレード優出4度と、長らく好調であることが成績にハッキリ表れている。肝心のスタートは高レベルで安定しているわけではないが、前節山陽デイレースの準決勝戦・優勝戦などではギアチェンジしてからの伸びが鋭かったし、スタート後手になった場合でも今の機力と乗り手の充実ぶりなら捌いて進めるだろう。
黒川・佐藤励に続く世代も芽を伸ばしてきた。
栗原佳祐は補充出走を除けば今回が4度目のSG挑戦で、日本選手権は初出場となる。全国ランキングで今期初めてS級入りを果たすことによって、今大会へ出場する選考基準を満たしたのだから、デビュー3年目とは思えない実績を着々と積み重ねている。前節の飯塚デイレース初日は久門徹の外枠から飛び出して、最近の成長めざましい38期の竹尾竜星がハイペースで独走する展開を残り2周で捕えて勝利。濡れ走路の準決勝戦は2着で突破して、今年12度目の優出を果たした。
福岡鷹はデビュー2年未満、まだ2級車乗りでありながら今回早くも3度目のSG出場で、日本選手権は初挑戦。今期のランキングはA-7で、S級昇格が視界に入っているし、選考期間の競走成績44位となって日本選手権への出場資格を得たのだから、いかに活躍してきたかが解る。最近は自身をスタート叩いた1級車に反撃するシーンが一段と増加しているので、全国のトップレーサーしかいない大舞台でも記憶・印象に残る走りを見せてくれる可能性を秘めている。
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主な出場予定選手
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有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-8(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
福岡 鷹〔飯塚 A-7(37期)〕
石本 圭耶〔飯塚 A-20(34期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
佐藤 励〔川口 S-6(35期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-11(29期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-14(29期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-16(32期)〕
平田 雅崇〔川口 S-21(29期)〕
文/鈴木