
青山周平がムーンライトチャンピオンカップ連覇!
伊勢崎オートで行われていたGIムーンライトチャンピオンカップは、伊勢崎の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。青山はこの大会、昨年に続き連続での優勝となった。
良走路で行われた優勝戦の試走タイムは青山周平が一番時計で29。早川清太郎が31、石川哲也と若井友和が32、高橋貢が34、木村享平と鈴木清が35、丹村飛竜36だった。
レース展開だが、0ハン単騎の木村はスタートを残して出る。10線からは鈴木清が先行し、大外から青山がカマシ気味に出る。若井も悪くないスタートだった。その後の流れだが、木村は序盤でリズムをつかめず青山が一気の仕掛けを見せる。1周を回る前に青山は先頭を奪取。そこからは悠々と、そして徐々に後続との差を引き離して独走に入っていった。結局はそのまま青山が先頭ゴール。2着には好スタートを決めた鈴木清が粘り込んで入線。3着には若井が入った。
今回の青山は圧勝だった。10線に7車並んだ大外からあれだけのスタートを決められればレース展開はかなり楽。そして、ほとんど人を捌くことなく先頭に立ってしまった。追い込むレースになっても強気に仕掛けていける青山だが、速攻を決めて先頭を走る周回が長くなったらなったで、その時に求められる走りに対応もできる。勝利につながる走りの引き出しがだいぶ多くなっている青山。強烈な走りをファンの脳裏に焼け付けるだけではなく、記念タイトルの数字もこれからどこまで積み重ねていくか。その姿に注目し続けていきたい。
長田稚也が嬉しい記念レース初優勝!
飯塚オートで行われていたGIダイヤモンドレースは飯塚の34期・長田稚也の優勝で幕を閉じた。GIでの優出は初めてだったが、見事に初優出で初優勝を決めてみせた。ゴール後は喜びを爆発させていた。
良走路で行われた優勝戦の試走タイムは早川清太郎と荒尾聡と青山周平が1番時計タイで32。次いで有吉辰也が33、長田稚也と岩見貴史が35、高林亮と加賀谷建明が36だった。
スタート争いは3枠から岩見が飛び出したかに見えたが、その一つ内の長田が1コーナーで突っ張ってトップ旋回。2番手には岩見が付け、すぐ後ろに有吉、加賀谷、荒尾、青山と続いた。
いきなり逃げに入った長田は、軌道を乱すことなくマイペースの走りを見せていた。2番手の岩見が追走一杯で、やがて3番手に付けていた有吉が交わしていく。今度は有吉が長田を追う展開になったが、周回を重ねても差が詰まることはなかった。結果として長田は、スタート先行からトップを譲ることなく1着ゴール。2着には有吉が入った。青山は最後まで荒尾を攻略できず、荒尾が3着、青山は4着入線となった。
長田はデビューから4年と少々でGI初優勝。2級車時代は正直、そこまで目立つ存在ではなかった。しかし、1級車に乗り換わってからはメキメキと頭角を現していった。その一番の理由は走り方にあると思われる。2級車での走りは、とにかくスピードを落とさないようにグリップを開けて回るのが主流だが、1級車は2級車よりもパワーがあるので、グリップを1回絞ってから再び開けても車が行ってくれる。今回の優勝戦は人を抜く場面はなかったが、長田が人を抜く時は、突っ込みでしっかりと前を走る車の外につけ、立ち上がりでインに切り替えて捌いていく。これは腕がしっかりしていないとできない技。長田は1級車に乗り換わってから早い段階で、この技量を身に付けていた。天才肌の印象がある若い時の浜野淳を思わせる。長田のレーサー人生はまだまだ長い。GI獲得だけでは済まないセンスを感じさせる。次はSG。すぐのSGではなくても、いずれ優勝する日が来ると確信している。
青山周平がオートレースグランプリ連覇達成!
伊勢崎オートで行われていたSGオートレースグランプリは地元の31期・青山周平が制した。昨年に続いての連覇、そして同大会は4度目の優勝となった
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは鈴木圭一郎が一番時計で28。次いで青山周平、鈴木宏和、黒川京介が30。中村雅人と金子大輔が32。佐藤貴也が34。篠原睦が35だった。
スタート争いは最内の青山が飛び出し、鈴木宏と黒川も猛ダッシュを決めたが、青山が1コーナーをトップ旋回。直後には鈴木宏、黒川、内で篠原と続く。鈴木圭はそこまで好位置に付けられなかった。
いきなり先頭を走ることになった青山は小さいコース取りを選択。直後に付けた鈴木宏は、青山を射程圏に捕えながら追走し、チャンスをうかがっていた。一度ぐらいは仕掛けるタイミングもありそうだったが、レース中盤からは青山が鈴木宏を引き離していった。結果的に青山は最初から最後まで先頭を譲らずゴール。2番手を走っていた鈴木宏はペースが落ち、黒川が交わしていく。後方から番手を上げていた鈴木圭も、ゴールまでに鈴木宏を交わし3着入線となった。
青山はいつもの勝ちパターンに持っていけた。枠番選択順1番で1枠を選択。スタートは鈴木宏と黒川にかぶされかけたが、しっかりと突っぱねて先頭を奪取。序盤こそペースが上がっていないのかと思うぐらいのインベタ走法だったが、徐々に鈴木宏との差を広げにかかる。ゴールしてみれば3・357の好タイム。序盤からグリップ開け開けの全開走法ではないのに、ペースは上がっている。以前のオートレースの常識を覆す不思議な走り。しかし、それが青山の真骨頂でもある。後続に隙を与えずペースも上げる。これでSGは通算13Vとなったが、この数字はまだまだ増えるだろう。
荒尾聡がオーバルチャンピオンカップ3度目の制覇!
飯塚オートで行われていたGIIオーバルチャンピオンカップは地元の27期・荒尾聡の優勝で幕を閉じた。好スタートからの強気な攻め。荒尾が存在感を存分に発揮した。
良走路で行われた優勝戦の試走タイムは鈴木圭一郎が一番時計で30。若井友和が32、荒尾聡が33、中村杏亮が34、丹村司と桝崎陽介と長田稚也が35、そして金田悠伽が37だった。
0ハン単騎の金田はスタートを残して出た。10線からは中村が好ダッシュ。そこに外枠勢もしっかりと乗って出て行った。金田がペースを上げる前に中村が交わしていった。中村は一人で走る展開になり、スピードを乗せて走りたかったが、それを阻止したのは荒尾。仕掛けるタイミングを見極めると、インに突っ込んでいく。差し込んだ後はやや軌道を乱すが、何とか回り切り先頭を奪取。その後は鈴木圭が追い込んできたが、付け入る隙を与えず先頭ゴール。同大会3度目の優勝を成し遂げた。
今回の優勝は荒尾の気迫と戦術勝ちと言える内容。優勝戦に出場したメンバーからレース展開を想定すると、序盤の仕掛けが大事になると判断し、早めの攻めが求められたが、それをしっかりと決めてみせた。中村を抜いたところは強引な仕掛けになったが、それがなかったら優勝まではなかったかもしれない。勝負どころでの判断は間違えていない。オートレースファンは常にギリギリの戦いを見ていたいもの。真剣勝負がオートレースの醍醐味。これからも今回のようなドキドキするようなレースを見続けたい。
佐藤摩弥が劇的な走りでGI初制覇!
川口オートで行われていたGIキューポラ杯は地元の31期・佐藤摩弥の優勝で幕を閉じた。これが佐藤摩にとってGI初めての優勝。GIタイトルホルダーの仲間入りした。
良走路で行われた優勝戦の試走は鈴木宏和と高橋貢が一番時計タイで31。次いで丸山智史と佐藤摩が33、上和田拓海と金子大輔が34、早船歩が35、高石光将が36だった。
レース展開は0ハンの高石がスタートを残し、マイペースの逃げに入る。10線からは丸山がトップスタートを切り、鈴木宏と佐藤摩が続いていく。高橋貢と金子は枠ナリ以上のスタートが決まらなかった。高石は軽快な逃げを見せていたが、後ろでは動きがあった。10線から3番手に出た佐藤摩が鈴木宏と丸山を捌いていく。早い段階で逃げる高石と追う佐藤摩で一騎打ちの状態になる。そこから態勢が変わったのは6周回目に入る頃。佐藤摩が高石のインに突っ込んでいく。そして、佐藤摩が先頭を奪取。そこからは佐藤摩が逃げに入ったが、鈴木宏が猛烈に追い上げていく。最終周回のバックストレッチではインを狙われかけたが、なんとか振り切り先頭ゴール。
佐藤摩はこれまでGIIを2回制しているが、GIは初めての優勝。SGでの優出は何度もあったので、今までGIで優勝できていなかったのは不思議なくらいだが、実力はしっかりしているし、それが今回で結果として証明された形。最大の武器は、やはりスタート。今回も、トップスタートではなかったものの好スタートで有利なレース展開を作ってみせた。道中の捌きも落ち着いているし、独走に入ってからもペースが落ちることなくコース取りも安定している。次に目指すのは夢のSGタイトル。いや、もうすでに『夢の』という文言は付ける必要がないぐらい総合力は上がっている。次のSGは8月のオートレースグランプリ。そこでの大活躍に期待したい。