青山周平がナンバー1の実力を示して大会優勝!
川口オートで行われていたGII川口記念は、伊勢崎の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。青山は同大会3度目の優勝。GIIは通算9度目の優勝となった。
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは青山周平が一番時計で27。次いで中村雅人が28、佐藤貴也が29、若井友和が30、永井大介と佐藤摩弥が31、影山伸が34、深谷俊太が35だった。
レース展開は、1号車の深谷がスタート先行して逃げに入る。影山はスタート残すことができなかった。10線から猛ダッシュを決めたのは佐藤貴。内側にいた永井と若井に先行し、影山をも叩く会心のスタートを決めた。永井はダッシュつかず、青山はまずまずのスタートを見せた。
いきなり2番手に立った佐藤貴は深谷を早めにパス。佐藤貴が逃げ展開を作り、そのまま押し切りもあるかに見えたが、勝負のポイントとなったのは3周目を回り終える直前のホームストレッチ。4コーナーを立ち上がった佐藤貴がタイヤを滑らせてしまう。その後ろに付けていた青山が、すかさず外から佐藤貴を交わす。先頭に立った青山は、試走一番時計の機力を駆って、1番先にゴール線を通過。見事に優勝を決めてみせた。2着には佐藤貴が入線。3着には道中で追い込みを決めていた中村雅が入った。
今節の青山は通常とは違い、厳しい状況に置かれていた。いつもは初日から白星を重ねることが多かったが、今回は3日目まで勝ち切れないレースが続いた。しかし、大事な準決でエンジンを上向かせて1着。優勝戦でも試走一番時計が出たように、エンジンをきっちりと仕上げていた。一時的にエンジンが落ち気味になることはある青山だが、それが長く続くことはない。2節以上不調になることは少なく、1節の中でエンジンを立て直すことができる。全国ランク1位でいる条件としてはいろいろあるが、その一つとして整備力が挙げられる。完調の状態をずっと続けられる選手は少ないが、エンジンをすぐに直せる選手も少ない。青山は走りでファンを魅了し続けるが、それにはしっかりとした整備力の裏付けがあってのモノ。青山時代は長らく続きそうだ。
鈴木圭一郎が執念の追い込みでチャンスを掴んだ!
浜松オートで行われていたGI開場記念ゴールデンレースは浜松の32期・鈴木圭一郎の優勝で幕を閉じた。鈴木圭は同大会3年ぶり3度目のV。またGIの優勝回数を一つ増やしてみせた。
前日の天気予報にもあったが、最終日は雨が降り、第1Rから重走路で行われた。優勝戦の試走タイムは有吉辰也と鈴木圭一郎が66で一番時計タイ。次いで、森本優佑が68、岩崎亮一が69、高橋義弘と木村武之が71、平塚雅樹が72、浅野浩幸が75だった。
優勝戦の展開は、まず0ハンの浅野はスタートを残して出る。10線からは最内の平塚が先行。そこから外枠はほぼ枠ナリだが、8枠の鈴木圭はまずまずのスタート。木村武は好位置につけられなかった。
逃げる浅野は良いペースで走っていて、2番手に付けていた平塚には大きな差を付けていた。平塚は車を押し上げることができず追走一杯。そんな平塚を交わしたのは岩崎だった。今度は岩崎が浅野を追う展開。しかし、岩崎も浅野との差を詰めることができない。今度は有吉が岩崎を交わし2番手を奪取。すると一気に浅野との差が詰まったが、最終周回3コーナーでドラマが待っていた。有吉が浅野をまくりに行くところで、両者がタイヤを滑らせ失速。そこへ、3番手に付けていた鈴木圭がインから2車を交わしていく。そのまま鈴木圭が先頭でゴールを迎えた。
鈴木圭の走りは冷静そのものだった。もっと早く攻めていきたかったところだが、レース序盤からずっと有吉が前を走っていて我慢のレースを強いられた。無理やり交わそうとすれば交わせたかもしれないが、場合によっては反則になってしまう可能性がある。そこで鈴木圭は慌てなかった。有吉の攻めにしっかりと付いて行き、最後に巡ってきたチャンスを逃さなかった。最後の展開は「幸運」と言えるものかもしれないが、それをモノにできたのは、スタートしてから落ち着いて走れていた鈴木圭のレーサーとしての総合力。また一つ、勝ちパターンの引き出しが増えた一戦だったのではないだろうか。
鈴木圭一郎がオールスター3連覇を達成!
飯塚オートで行われていたSGオールスターオートレースは、浜松の32期・鈴木圭一郎の優勝で幕を閉じた。鈴木圭は昨年、2年前に続き同大会で優勝。見事にファンの期待に応えてみせた。
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは鈴木圭一郎が一番時計で27。次いで荒尾聡と青山周平が28、佐藤摩弥が29、金子大輔が30、西原智昭と篠原睦が31、角南一如が33だった。
10Mオープンのスタート争いは、2枠の西原が飛び出した。これに篠原と佐藤摩が続いていく。最内の角南はスタート行けなかった。外枠の鈴木圭と青山も悪くないスタートを切った。
まずは逃げに入った西原。篠原は追走一杯で、佐藤摩が道中で交わしていく。これで先頭争いは西原と佐藤摩の一騎打ち。佐藤摩は仕掛けるタイミングを計っていた。チャンスは1回あったが、インに入り切るまでにはいかなかった。そうしている内に3番手に付けていた鈴木圭が佐藤摩を捌く。その勢いで鈴木圭は西原の逃げを捕え先頭でゴール。青旗過ぎで佐藤摩が西原を差して準優勝。青山は必死の追いでゴール前、西原を交わして3着入線となった。
鈴木圭は万全の走りだった。昨今のSG優勝戦にしては珍しく10Mオープンとなったハンデ構成で、7枠からまずまずのスタートを決めてみせた。そこからは前を走る選手たちの動向を冷静に判断していた。無理な仕掛けはせず、しかし、捌く態勢が整ったら迷わず仕掛けにいけた。試走一番時計が出ていたので、追い上げ途中も余裕を持って走れていたのかもしれない。それにしても勝てる状況でしっかり勝ち切るのは流石。これでSGオールスターは4度目の優勝。SGは通算で14度目の栄冠。現在、最もSG優勝回数が多いのは高橋貢で21Vだが、2位は永井大介と片平巧の15回。この数字にリーチがかかった。この勢いのままいけば、SG通算優勝回数2位タイに届くだろう。
中村杏亮が嬉しいGI初制覇!
山陽オートで行われていたGI令和グランドチャンピオンカップは飯塚の33期・中村杏亮の優勝で幕を閉じた。これまでGIIは2度制していた中村杏亮だったが、GIのタイトルは初めての獲得となった。
試走タイムは佐藤貴也が一番時計で69。次いで鐘ヶ江将平が70、長田恭徳が71、中村杏亮が72、山本将之が73、松本やすしと小林瑞季が75、広瀬勝光が78だった。
1回目のスタートは小林瑞季がフライング。再発走となった。2回目のスタートは0ハン単騎の広瀬がしっかり残す。10線からは鐘ヶ江が飛び出し長田が乗って出る。そこに中村と松本が続いていく。山本はやや遅れてしまった。
レースは序盤で動きがあった。広瀬は逃げ態勢を作る前に鐘ヶ江に差されてしまう。その流れに長田も続いていく。そこからは逃げる鐘ヶ江に長田がマークする展開。3番手には小林と中村が付けている。佐藤貴は5番手で様子をうかがっている。更に動きがあったのは4周1コーナー。中村が鐘ヶ江のインに入っていく。これがうまく決まり、今度は中村が先頭を走る展開。佐藤貴も鐘ヶ江を交わし、最後は中村に迫っていくが、中村が振り切り先頭ゴール。優勝を決めてみせた。準優勝は佐藤貴。3着には鐘ヶ江が粘った。
中村は今年GIIオーバルチャンピオンカップを制し、GIIタイトルは2つ獲得していたが、今回でGI制覇へとステップアップしてみせた。優勝戦は重走路ではあったが、良走路でも中村はスピードを上げて走れる選手。スタートにも磨きがかかっている。すでにSGでも優出の経験がある。着実に力を付けている中村は、SGの大舞台でも輝ける準備が整っている。まずは今月末。地元飯塚でSGオールスターオートレースが待っている。この勢いが続くなら、必ずや存在感をアピールできるだろう。
黒川京介が完全Vでウィナーズカップを制した!
浜松オートで行われていたGIIウィナーズカップは川口の33期・黒川京介の優勝で幕を閉じた。黒川は初日から負けなしの5連勝。優勝戦でも快走を披露した。
良走路で行われた優勝戦の試走タイムは佐藤貴也、有吉辰也、若井友和、鈴木圭一郎が一番時計タイで27。次いで黒川京介が28、佐藤摩弥が32、柴田健治が33、佐藤裕二が34だった。
10Mオープンのスタート争いは黒川が先行。佐藤摩は何とか2番手にこらえたかに見えたが、佐藤貴が捲っていく。有吉も悪くないスタート。最内の柴田と2枠の佐藤裕は包まれる形でいきなり後方に。鈴木圭は8番手発進と苦しい展開になった。
いきなり逃げに入った黒川。佐藤貴が直後にピタリと付け、常にプレッシャーを受けながらの逃走。佐藤貴は隙をうかがいつつ、インに車を向けて距離を測る。そのまま周回を重ね、青旗過ぎで黒川のインを狙うが、車が届かず交わすまではいかなかった。結果的に黒川は先行逃げ切り。佐藤貴は2着入線。後方から猛烈な追いを見せていた鈴木圭が有吉を交わして3番手入線となった。
黒川は今節、オール1着の完全優勝となった。連日スタートが切れていたし、上がりタイムも出ていた。優勝戦は楽な逃げ展開ではなかったが、それでも上がり3・345をマーク。走路温度が上がりつつあるこの時期を考えれば十分な数字だった。エンジンが仕上がった時の黒川は本当に強い。今回のを含めて、まだ記念タイトルが3つなのが不思議なくらいだ。それには理由がある。エンジンが不調になると、なかなか上向かない時がある。今後の課題は調整力。これが備わり、エンジンを高いレベルで保つことができるようになった時、SGのタイトルに手が届くだろうし、記念タイトルも量産されるだろう。