
川口ワンツースリーで決着
試走28秒をマークした伊藤信夫とカミソリスタートを武器にする有吉辰也の首位が人気を集めた。
レースは最内枠の森且行が先手を奪ったが、1周2コーナーからの立ち上がりで西原智昭を突っ張ったインへ山田達也がスッと入り逃げる展開。
そこへ追い上げてきたのは加賀谷建明。昨年の11月、療養から復帰した飯塚G1をいきなり優勝。返す刀で浜松G2、続いて12月の川口一般開催と3節連続の優勝。走路の喰い付きが良くなる冬場、1年の時を経て加賀谷建明の豪腕がうなった。
なおも2番手で粘る山田達也を終盤に中村雅人が捌いて2着。川口勢が車券圏内となる掲示板の上位3着までを独占。また、2着~4着は28期が並ぶ結果となった。
抜かれた森且行も粘っていたが、滑って後退してしまい万事休す。伊藤信夫と有吉辰也は後方に置かれて見せ場を作れなかった。
鈴木圭一郎が当大会3度目の優勝!
飯塚オートで行われていたGI開設記念レースは浜松の32期・鈴木圭一郎が優勝した。鈴木圭はこの大会、2017年、2020年以来3度目の優勝。GIは通算で15度目の優勝となった。
良走路で行われた優勝戦の試走タイムは鈴木圭が一番で27。次いで黒川京介が28、鈴木宏和と荒尾聡と中村雅人が31、丸山智史と久門徹と中村杏亮が33だった。
10Mオープンのスタートは3枠から鈴木宏が飛び出した。これに中村杏と荒尾が乗って出る形。最内の丸山は完全に遅れ、2枠の久門も踏ん張っていたが、黒川と鈴木圭がバックストレッチでは外から浮上。中村雅は苦しい展開になった。
いきなりの逃げ展開で粘っていたのは鈴木宏。中村杏がピタリと追走を続ける。3番手に付けていた荒尾に黒川がアタックする。一度は交わしたが荒尾の差し返しにあってしまった。その直後、鈴木圭が荒尾と黒川をまとめ差し。3番手に浮上した。前では変わらず鈴木宏と中村杏が粘っていたが、鈴木圭は冷静に崩しにかかる。そして、7周目に入るところで中村杏を、7周3コーナーで鈴木宏を差して先頭を奪取。そのままゴールを迎えた。
優勝戦の焦点は2ヶ所。鈴木圭は中盤まで番手を上げられず苦しんでいたが、荒尾と黒川が競り合うところで巧くインを突いていけた。8周回の中で唯一のチャンスをしっかりとモノにしたのが一つ。もう一つは、重なって走っていた鈴木宏と中村杏を1車ずつ捌いたテクニック。ハイスピードで走る2車を抜くのは相当な技術がないとできない。ナンバー1である理由を証明してみせた。
青山周平が見事に日本選手権で連覇達成!
浜松オートで行われていたSG第55回日本選手権オートレースは伊勢崎の31期・青山周平の優勝で幕を閉じた。青山は昨年に続いてこの大会を制覇。SGは通算で14度目の優勝となった。
試走タイムは鈴木圭一郎が一番時計で26。次いで青山と高橋貢が28、長田稚也と有吉辰也が29、永井大介が30、伊藤信夫が31、佐藤摩弥が33だった。
トップスタートを決めたのは3枠の永井。そこに青山と鈴木圭が続いていく。有吉も乗っていき、伊藤信は5番手発進。佐藤摩と高橋貢は並のスタートで、長田稚はスタートが決まらなかった。
いきなり逃げに入った永井だが、1周4コーナーで青山がインをすくっていく。そして、ホームストレッチで先頭に立った。そこから青山は小さいコース取りながらペースを上げていく。永井は追走してチャンスどころを窺っていた。後ろでは有吉が鈴木圭を捲って3番手を奪取。その勢いのまま永井のインに車を向けたが、滑って後退してしまう。再び3番手を取り返したのは鈴木圭。前では青山が丁寧なコース取りを続け、永井は追走が一杯気味になる。結果的に青山はそのまま押し切り、2番手には最終3コーナーで永井を捲った鈴木圭が入り準優勝だった。
青山はいつも通りの走りをやってのけた。コース取りが小さいのでペースが上がっていないのかと思えたが、上がりタイムは3・363。この時期なら十分の数字だし、実際に後続が追ってこれなかったので仕上がりも良かったのだろう。今回の優勝戦はツキもあった。準決2着通過で枠番選択順が5番目だったにも関わらず、1枠が残っていたのだ。当然、青山は1枠に入り、十分なスタートを決めてみせた。巡ってきたチャンスは逃さない。それが青山。今回の優勝で鈴木圭と並びSG14V。これからもこの両者の切磋琢磨が続いていく。
今回の優勝戦では他にも見どころがあった。8番手からの競走になった長田稚だが、10周戦の道中で佐藤摩、伊藤信、有吉、そして高橋貢に競り勝って4着入線。車券には絡めなかったが、SGの大舞台で強豪相手に高い技術と強いハートを見せつけた。今後SGで優勝するシーンもそう遠くはないだろう。
岩見貴史が完全優勝でオートレースメモリアルを制覇!
飯塚オートで行われていたGIIオートレースメモリアルは地元の29期・岩見貴史の優勝で幕を閉じた。岩見は初日から負けなしの完全優勝。レースでは岩見の持ち味を最大限に発揮できた。
良走路での決戦は試走タイム一番が青山周平の31。次いで長田稚也が32、滝下隼平と有吉辰也が33、浦田信輔と中村雅人が34、岩見貴史が35、久門徹が38だった。
スタートは最内の久門がしっかりと先行。これに5枠の岩見が乗っていく。2枠の滝下は枠ナリで出ることはできなかったが内で粘れた形。有吉と青山がその外に続いていった。長田稚と浦田は外枠勢に行かれてしまった。
久門はペースを上げて逃げたかったが、試走タイムが出なかったように粘ることはできなかった。2周3コーナーで岩見が久門のインに突っ込み先頭を奪取。アウトから有吉と滝下を交わした青山が、4周4コーナーで久門の内をすくって2番手につけた。ここからは逃げる岩見と追走する青山で一騎打ち。4周回を残していて青山は仕掛けのタイミングをうかがっていたが、岩見がインコースを締め上げつつペースを落とさない走りを展開。結果的に最後まで青山の攻めをシャットアウトしてみせた。
青山と同様に完全優勝がかかっていた岩見だが、勝利へのシナリオを描き上げ、それを完璧に遂行してみせた。つまり、早い段階で先頭に立ち、インコースを外さない丁寧な走りをすること。攻撃力高い青山は、僅かな隙でもあればインに突っ込んでいく選手だが、その隙を一度も見せずに岩見は走り切れた。自分の武器を完全に理解した走りだった。粒ぞろいの29期の中でもトップグループに入っている岩見。これまでGI2つにGIIも2つのタイトルを奪取。次に見据えるのは悲願のSGタイトルだ。
鈴木圭一郎がGII浜松記念曳馬野賞を制す!
浜松オートで行われていたGII浜松記念曳馬野賞は地元の32期・鈴木圭一郎の優勝で幕を閉じた。重走路で始まった最終日だったが、優勝戦を迎える頃には走路はほぼ良に回復。スピードバトルが展開された。
試走タイムは鈴木圭が一番時計で27。次いで金子大輔が29、浦田信輔と丹村飛竜が30、中村友和と別府敬剛が31、岩科鮮太と鐘ヶ江将平が33。
スタート争いは最内から岩科が先行するかに見えたが、3枠から別府が抑え込んで1コーナーをトップ旋回。別府の逃げでレースは始まった。直後には丹村飛や中村友が続いていったが、鈴木圭が1周目で交わし2番手を奪取。早々と別府を追う展開を作れた。追走を続けていた鈴木圭は、4周目に入るホームストレッチで別府のインに切り込む。そして先頭に立つとそのままハイペースで周回を重ねて1着ゴール。2番手には別府が粘っていたが、道中で金子が交わして準優勝となった。別府は3着入線。後方はそれほど動きがなく、見せ場を作れなかった。
鈴木圭は初日の選抜予選こそ3着だったが、そこからは4連勝で優勝。準決の重走路もしっかりこなしていたし、優勝戦の上がりタイムもこの時期にしては十分。今期から全国ランク1位になるが、それに相応しい総合力を示してみせた。まだまだ20代の鈴木圭。これからもタイトルを積み重ねていくだろうし、ファンを魅了する走りを披露し続けていくだろう。