
中村雅人が執念の走りで久々に記念V!
0メートルオープンのスタート争いは2枠の有吉が先行したが、最初の1コーナーでほんの少し流れてしまった。1枠からスタート踏ん張った中村雅は、その隙を逃さず有吉のインに潜り込む。そのまま3コーナーで有吉の内側を回り先頭を奪取。この時、中村雅も有吉も内線からやや外れてしまい、荒尾が有吉を差して2番手に立った。そこからは逃げる中村雅と追う荒尾で一騎打ちの態勢になった。荒尾は再三、中村雅のインを狙ったが、中村雅が絶妙なコース取りで完全ブロック。最後は荒尾が捲りを敢行したが、ゴール前でも中村雅の前に出ることができず、中村雅が1着でフィニッシュを迎えた。
一瞬のチャンスをモノにして先頭に立った中村雅は、その後の周回は我慢のレースになった。逃げてもペースが上がらなかったので、コースを外さないように丁寧に周回を重ねなければならなかった。しかし、確かな技量を誇る中村雅はそれをやってのけた。今回のG2オーバルチャンピオンカップは初制覇。記念レースは2021年のG2ウィナーズカップ以来、21度目のタイトルとなる。久しぶりのタイトルとなったが、次に待っているSG日本選手権オートレースへ向けて弾みがついた。絶好調で最高峰の戦いに臨める。
佐藤励が激戦を制し、若獅子杯2度目のタイトル!
0ハン単騎の金田はスタートを残して出た。10線からは最内の丸山智が先行し、鈴木宏と黒川が乗っていく形。佐藤励は1周1コーナーを回った段階では最後方だった。まず動きがあったのは1周3コーナー。10線から先行した丸山智が金田を差していく。丸山智が逃げ態勢を作り、鈴木宏が続いていった。後ろではインから浮上していた佐藤励が黒川を交わし3番手を奪取。前では鈴木宏が丸山智を捌いて先頭に立った。佐藤励も丸山智を交わし、鈴木宏と一対一の態勢になった。佐藤励は4周3コーナーで鈴木宏のインに飛び込み先頭に踊り出たが、すかさず鈴木宏が差し返していく。しかし、佐藤励は6周3コーナーで再び鈴木宏のインに突っ込み先頭を再奪取。そこからは鈴木宏の反撃を封じてトップでゴールを迎えた。黒川は試走タイムで佐藤励に大きく離されたのと、レース展開も厳しくなり連覇ならず。3着での入線となった。
佐藤励は根性を見せた。1度先頭に立ちながら逆転されてしまったが、再びチャンスが訪れると、それを逃さなかった。やや強引な突っ込みにも見えたが、しっかりとコーナーを回ってみせた。これでG2若獅子杯争奪戦は一昨年に続き2度目のV。記念タイトルはG1のスピード王決定戦(山陽)を含めて3度目の栄冠となった。その全てが山陽走路での結果。佐藤励にとって得意のバンクになったことだろう。
1周回3コーナーが勝負の分かれ目となった
枠番選択順1番目で1枠を選んだ青山周平は、決勝戦が発走すると2枠の黒川京介と3枠の鈴木宏和に先行される形となった。だが1周回3コーナー、外から鈴木圭一郎に捲られそうになったのを突っ張れたことが、その後の展開に大きく影響し、ひいては勝因になったといえよう。
3番手を奪い返した青山周は、直後の2周回ホームストレッチで鈴木宏をあっさり差すと、3周回3コーナーで黒川を捌いて先頭に立ち逃走。通算5度目のプレミアムカップ制覇を決めた。
黒川は青山周に離されず追走しながら逆転を仕掛ける態勢を作るまでには至らなかったものの、鈴木圭の追撃を振り切って2着。
外枠4車は上位争いに加われなかったが、今回がG1初優出であった新井日和が大外8枠から好スタートを放った。内寄りの枠なら序盤のレース展開を作れたかもしれないし、来月下旬に川口レース場で開幕する『SG日本選手権』でも活躍できるのではと期待の増す、鮮やかなダッシュだった。
文/鈴木
打ち上がる花火のもと 青山周平が満面の笑み
すぐ近くまで雨雲が接近してた伊勢崎オートは優勝戦が始まるまでの11個レースで8枠のアタマがゼロという緊急事態。最後の望みを8枠・青山周平に託した人は多数。負けじと同じ29試走で意地を見せたい早川清太郎との一騎打ちムードすらあった。3連単は8-4-7、8-4-3が人気。2連単は8-4、8-7、4-8。雨に期待して高橋貢にも少し票が流れていた感じ。
トップスタートは岩田行雄だったが、すかさず鈴木宏和が差し青山周がマークする展開。3周回ったところで青山周が鈴木宏に仕掛ける。鈴木宏の後ろに森且行がいて、一瞬差を詰めたが離れてしまう。対抗人気の早川は高橋貢を差して森のイン狙うが入り切れずタイヤを使ってしまう。鈴木宏は青山周に付いて行くのが一杯で、最後は青山周が二の足使い差を拡げる。永井大介はスタート行けずに終わる。
結果は3連単8-7-3 1,940円、2連単8-7は510円だった。
グランプリ3連覇を成し遂げてる青山周平は、ムーンライトも3連覇となった。
心躍る! 長田稚也に小林瑞季が競り勝つ
比較的にフレッシュなメンバーが揃ったダイヤモンドレース優勝戦。一番試走を出したのは青山周平でも鈴木圭一郎でもなく今回ポスターの顔、長田稚也だった。昨年獲ってる大会だけに長田稚としても気合が入らないハズはない。ただ、人気は鈴木圭と青山周の7-8に集まり、長田稚からの2-7も10倍を切るオッズ。3連単は7-8-2、7-8-5が上位人気。
スタートは長田稚が好発進も内枠から小林瑞が張って出る。道中で長田稚は小林瑞に仕掛けるが小林瑞も負けじとやり返す。何度かデッドヒートを繰り返すが、終盤は長田稚のタイヤが悲鳴を上げていた感じ。3番手の荒尾聡は前の2車へ割り込むまでは行かなかった。鈴木圭はスタート浮かせたあげく、佐藤励にコースをふさがれ青山周と競り合う格好になってしまう。
3連単1-2-5は13910円で2連単1-2は3000円と意外につかない印象だった。
小林瑞季はダイヤモンドレース初載冠。「やる気・元気・瑞季」で自身3個目のG1タイトル。