青山周平が8年ぶり2度目の栄冠に輝く
11レースあたりから時おり、小雨がごく短時間に降ったりしたが、11レースも12レースも良走路でおこなわれた。
スタートは最内1枠の青山周平がトップ旋回。4枠の鈴木圭一郎は前輪を浮かせてしまい中団からの発進、穴人気になっていた長田稚也は最後方8番手からの展開で厳しい情勢に。
青山周と同期の盟友・戦友である佐藤摩弥が終始2番手に付けて、捲りを狙うシーンが何度かあったが、S1青山周は鉄壁のガード。佐藤摩もまた有吉辰也の追撃をかろうじてしのいで、2年連続のオールスター準優勝。
2016年の第35回大会以来2度目のオールスター覇者に輝いた青山周のSG優勝回数は、これで単独史上2位へ上がる16V。14Vの鈴木圭に2つの差をつけた。
文/鈴木
鈴木圭一郎が山陽G1連続優勝
中枠から荒尾聡と有吉辰也、少し離れて鈴木圭一郎と青山周平がスタート伸びていき、2~4号車は展開づくりに加われず。
1周回3コーナー荒尾が0ハン金田悠伽を差しにいく内へ有吉が入ろうとしたが差し決まらずに後退し、鈴木圭が捲って2番手へ。そして2周回3コーナーで荒尾を捌き逃げ態勢を築き始めた。
青山周は離れず追走したが、まず立ち上がりで何度か仕掛けるも突破ならず、それならばとコーナーでのイン突っ込みで鈴木圭の前へ出られたが回りきれずコースを外してしまい、鈴木圭は冷静に反撃し先頭を奪い返して、5戦5勝の完全V。3月のプレミアムカップに続く山陽G1連続制覇で、自身最多タイとなる2度目の13連勝も記録した(10連勝以上は自身3度目)。
文/鈴木
青山周平の100V阻止 鈴木圭一郎が抑え切る
濡れた走路で、試走終わった時点では一番タイム悪かった鈴木圭一郎。自ら1枠を選んだ青山周平がトップスタート切るとみて人気は1枠に集まった。有吉辰也と金子大輔が対抗人気に。ところが、スタート決めたのは鈴木圭一郎だった。
青山周平がピタリマークで迎撃態勢築く。じっくり我慢のレースになり鈴木圭はコースを守って、後続はやや混み合う。荒尾聡に金子大輔はブロックされ大外をピンクの勝負服・加賀谷建明が見え隠れする。1度滑って後退したが、再び巻き返して圏内うかがう。青山周はインのぞく姿勢を見せたが鈴木圭には入れず加賀谷は有吉、荒尾を捲って微差3着と大健闘。金星は逃したが、貴重な経験を積んだ。これで、鈴木圭はプレミアムカップ2つめの栄冠を手にし、今年1月の浜松スピード王以来の記念優勝に。
大激戦のラストにドラマが
川口レース場伝統のタイトル戦『開設記念グランプリ』今年の決勝戦は、先頭をめぐる番手が目まぐるしく入れ替わる激戦、名勝負となった。
レース前半~中盤は木村武之が逃げて主導権。佐藤貴也と鈴木圭一郎が続く隊列となり、青山周平は1周回1コーナーで外へ流れて4番手。しかし2周回2コーナー立ち上がりで鈴木圭を切り返して3番手へ。ここで早めに挽回できたことが結果的にとても大きかった。
4周回ホームストレッチで佐藤貴が木村武のインを攻めて首位を奪取。青山周は5周目あたりの動きは冴えなかったが、6周回で木村武を捌いて2番手へ。そして最終8周回3コーナーで針の穴へ糸を通すように佐藤貴の狭いインに突っ込み、ゴール線を先頭で通過。ファンの記憶に残るであろう大逆転劇、メイクドラマとなった。
佐藤励の走りも特筆したい。前半の周回で鈴木圭をイン差し。後半は木村武を激しい競り合いの末に下し、佐藤貴と青山周の首位争いにも突進する気迫を見せた。将来は更に強くなると予感させる雄々しい戦いぶりだった。
文/鈴木
雨を味方に新井恵匠が8周戦を制す!
丹村飛竜の完全優勝に焦点が集まったG2ミッドナイトの9R。神様のいたずらか雨走路での優勝戦となり、試走一番時計を出したのは新井恵匠だった。なんと、丹村飛は一番悪い試走タイムの3・70秒。3.60秒の新井恵とは0.1秒も差が付いてしまった。それでも人気を背負ったのは丹村飛で7-5-2が一番人気。ただ、割れ気味で新井恵や永島潤太郎の人気も急上昇。0ハン単騎からマイペースで逃げる吉松憲治に永島が続くが、浜野淳を捲った新井恵が永島も攻略して吉松憲に接近すると渾身の捲りを放って先頭立ち一人旅。吉松憲は終盤ペース落ち永島と浜野が浮上。奇しくも唯一の外来選手である新井恵に冠を奪われてしまった地元山陽勢。丹村飛は6着と見せ場なく終了。新井恵は山陽では2016年の若獅子以来、記念優勝としては2019年飯塚のダイヤモンドカップ(雨)から約5年ぶりとなる。