
念願の記念ホルダーに 鈴木宏和
走路温度がひとケタの飯塚ナイターのG1優勝戦。試走もハイレベルとなり、3.26で丹村飛竜と佐藤励が並び荒尾聡と金子大輔は3.28で一緒。2連単の人気は荒尾から5-7、7-5と5-4、3連単も5-7-8、5-7-4と荒尾主導のオッズとなった。
スタートで浮かせた荒尾の外から鈴木宏和が伸びて行き先頭奪取。緒方浩一が2番手で粘るが荒尾がこじ開けて丹村飛竜も登場。4番手に金子大輔が上がり態勢は決したかに思われた。6周回で丹村飛が荒尾に仕掛けたが、すぐに荒尾は反撃。その荒尾と丹村飛のインコースに最終2コーナー佐藤励が突っ込み2番手浮上したが鈴木宏には微差届かなかった。
3連単6-7-5は10,860円 2連単6-7は4,610円と試走タイム劣ってた鈴木宏で配当が跳ね上がった。
長年タイトルに無縁だった鈴木宏和は嬉しい記念初優勝。このあとは21日からの浜松一般開催を経て、年末の大決戦川口オート・スーパースタートライアルへ。
笑顔、のち感涙
2020年の落車事故により2年近くレースから遠ざかった池田政和が、復帰して最初に優勝したのが2022年の伊勢崎ナイター。事故の前、最後に優勝したのは伊勢崎デイレース『G1シルクカップ』。不思議と縁のある伊勢崎で皇帝・池田政がほぼ5年ぶりにグレードタイトルを獲得した。
0メートルのオープン戦でおこなわれた『G2レジェンドカップ』優勝戦は、最内1枠の有吉辰也がスタート先行して逃げたが、試走タイム3.33秒は8車の中で最も遅く、中盤の周回からコーナーで流れ始めた。
そこへ迫ってきたのは、2番手スタートから追走していた久門徹を捌いた三浦康平。地元代表のプライドと12年ぶりのグレード制覇へ燃える走りで首位に立った。
しかしドラマは終わっていなかった。スタートは立ち遅れて6番手あたりからの展開となった池田政が、浦田信輔や松尾啓史を捌きながら番手を次々と上げて、残り3周で3番手、残り2周で三浦の背後まで追いつくと、最終回8周目の1コーナーでついに三浦の逃げを捕まえた。これでグレード27度目、通算72度目の優勝となった。
ロッカーへ戻ると大勢の同期23期生や旧船橋所属の仲間に出迎えられて笑顔が満開。その後ウイニングランからスタンド前のヒーローインタビューでファンの祝福を受けると涙を何度もぬぐう姿があった。
青山周平が今年9度目の完全V
発走すると単独0ハンの山浦博幸はスタート残せたが1周回4コーナーから立ち上がりにかけて木村武之がイン切り返し...たのも束の間、2周回1コーナーへの進入時に青山周平が内へ飛び込んだ。その流れで木村武はライン取りを外してしまい、2コーナー立ち上がりでは金子大輔が2番手へ進出。だが影のように続いた伊藤信夫が4周回3コーナーで金子大の内へ入って2番手奪取。しかしその時すでに青山周は独走態勢を築いており、残りの3周回も後続との車間は全く縮まらず圧勝ゴール。今年13度目、通算110回目、G1戦28度目の優勝を5戦全勝で飾った。
鈴木圭一郎はダッシュが決まらず1周目は8番手に置かれる厳しい展開となり、松尾啓史も4日目までの進み足が出ず終始中団から動けなかった。
青山周平が鈴木圭一郎に初日の雪辱
今シリーズ4戦全勝で決勝戦を迎えた鈴木圭一郎のひとつ内枠から青山周平が鋭い飛び出しを披露して、1周回2コーナーで早くも先頭に立った。その内どなり枠の浜野淳も1周回バックストレッチの展開をうまく切り抜けて2番手まで上がったが、ペースを上げた青山周との車間は開く一方。
0メートルオープン戦でおこなわれた初日12Rの『メモリアル選抜』ではスタート3番手くらいに付けて青山周の逃げを捌いて勝利した鈴木圭は、決勝戦は後方から追い上げる展開に。3周回1コーナーで3番手に浮上すると、4周回ホームストレッチで浜野淳を捌いて2番手へ。残りの周回は青山周との差を少し縮めたが、先頭をうかがえる距離には詰められなかった。
青山周は『オートレースメモリアル』初優勝。G2獲得は通算10度目で、山陽のG2は初制覇となった。
文/鈴木
黒川京介が歓喜のSG初優勝!
試走タイムは青山が断トツの26。2番時計の中村雅とは3つ差を付けた。黒川は30で、長田稚と荒尾も30。鈴木宏と池田政が31、中村杏は32で一番数字が悪かった。
1回目のスタートは黒川のフライングで再発走となった。2回目のスタートは2枠の青山が僅かに行きかけたが、最内の黒川が踏ん張り1コーナーをトップ旋回。青山は2番手に付け、7枠から中村杏が良いスタートを決め3番手を奪取。
黒川の逃げでレースが始まった。2番手に付けた青山は、2周1コーナーで少しタイヤを滑らせてしまう。それでも追走を続け、黒川を抜くタイミングをうかがっていた。何度かインに車を向けたが、入り切るまでは行かず、逆に6周目に入る頃には少しずつ離されていく。そこからは黒川がリードを広げ、トップでゴール線を駆け抜けた。
黒川はSG9度目の優出にして初戴冠。それも、SG最高峰の日本選手権を地元開催での優勝なので喜びも何倍増。優勝戦はフライングをしてしまったが、初日からオール1着と、完璧な競走を見せてくれた。フライングした後でも臆することなく先行できたのが何よりの勝因。川口に新たなヒーローが誕生した。